明日には開幕する 平昌冬季五輪のスピードスケート女子日本代表として初出場する愛媛県競技力向上対策本部所属でイヨテツスピードクラブの郷亜里砂選手を応援しようと、愛媛県は県内12の団体や個人有志から集まった激励金333万3千円を郷選手に贈ったと発表した。この激励金を持って えひめ国体推進局の土居忠博局長が五輪期間中に現地を訪れ、応援メッセージの入った国旗とともに郷選手に手渡すというのだ。郷選手は北海道出身で山梨学院大卒業後は山口県や北海道の企業に所属したあと平成26年に愛媛県の国体強化選手になっていることもあって、県庁本館の正面玄関に「祝平昌オリンピック出場」と郷選手の名前が書かれている懸垂幕を平昌冬季五輪大会が終わる2月26日まで掲示するという。
私もいくら愛媛県出身選手ではなくとも本件のスポーツ選手が国際大会等で、活躍することを応援するのはやぶさかでないのだが、 えひめ国体推進局の土居忠博局長がわざわざ韓国まで我々の税金を使って出張する必要があるのかと思ってしまうのだ。このえひめ国体推進局の土居忠博局長という人物は愛媛県宇和島東高から広島大工学部に進学し大手電機メーカーに就職を決めたが、「ふるさと振興で役に立ちたい」と県職員への道を選んだそうで、県庁では産業支援や企画振興など多彩な経歴のなか国体振興局の局長になったそうなのだが、「愛顔つなぐ愛媛国体」を大成功させた国体推進局が3月には解散することになるだろうから、平昌冬季五輪へ慰労出張にでも行こうと考えているのではないかと疑ってしまうのだ。
愛媛国体と全国障害者スポーツ大会の施設整備や大会運営などにかかる費用が、本年度の当初予算までの総額で約430億円に上っているとされており、国体推進局の土居忠博局長 は「国体の成功はあくまで通過点。県民みんながスポーツを応援する素地をつくることが、スポーツ立県の足がかりになり、活力ある県であり続けることにつながる」と意気込んでいるし、中村時広愛媛県知事も「国体のレガシーに関しては、整備した施設を生かして全国規模のスポーツ大会や、東京五輪を見据えた合宿の誘致に取り組みたいと説明し、来年度の愛媛県の組織については「例えばスポーツ局のような、一元化できる態勢を組む時が来ている」として、ジュニアアスリートの発掘や指導者の確保等に力を入れたいとしているというのだ。
私の所属している建設業では年度末になると道路工事が増え「今年も予算の消化か」などと悪口を言われるのだが、これは道路工事の計画が 1 年単位で行なわれているためなのだ。地方公務員法では 1 年の予算を作成して議会の承認を受け、 4 月から 3 月で運用することが定められているのだ。そのため 4 月以降に工事が発注され 3 月末までに工事を終わらせるようになっており、その結果契約が秋ごろになり測量や現地調査を終わらせて着工するのは冬になってしまうのだ。このように約430億円という国体関連予算も3月までに使わなくてはならないということで、愛媛国体と全国障害者スポーツ大会が終わってしまっていることから、海外出張を行って予算を消化するしかないのかなと勘ぐってしまうのだ。
それに愛媛県は 韓国の格安航空会社のチェジュ航空が、昨年9月から運休中だった 松山空港と韓国・ソウルを結ぶ路線で新たに就航して11月から週3往復運航している。松山空港と韓国・ソウルを結ぶ路線は平成7年4月の松山空港初の国際定期路線としてアシアナ航空が開設したのだが、搭乗率の低迷などにより無期限の運休となっていたのだ。愛媛県も海外との路線維持のために多くの県職員を出張させていた鹿児島県のように、ソウル線の搭乗率を上げるために半強制的に県職員を搭乗させているかもしれないと疑っているのだが、今回のえひめ国体推進局の土居忠博局長の平昌冬季五輪への出張も、韓国の格安航空会社のチェジュ航空の搭乗率を上げる手助けかもしれないと思ってしまうのだ。
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