金沢市では家庭ごみ収集の有料化がスタートしたそうなのだが、有料化するのは燃やすごみとガラス類や陶磁器類などの埋め立てごみで、1リットルあたり1円を課金した白色の指定ごみ袋で出す方式だという。ごみ有料化の目的についてごみの減量・資源化促進による将来世代の負担軽減や、市民の費用負担の公平性確保などを挙げているが、違反ごみについては収集員がシールを貼ってごみステーションに取り残すという。金沢市は制度周知のため事前巡回を行って市内全戸にお試し用の指定ごみ袋を配布し、「行政の施策は来年、再来年の短いスパンでなく、将来に渡って考えないといけない」と理解を求めており、初日を終えた金沢市では「市民の協力で大過なく制度が導入できた」と評価している。
家庭ごみの集積所を設けて一括して収集するのをやめ、各家庭の前にごみを出してもらう「戸別収集」を導入する自治体が都市部で増えているそうで、元々はごみを出した家庭が分かるようにすることでマナーを改善しようと始まったが、ごみの量が減るという思わぬ効果もあって自治体側は「住民の意識向上につながっている」と分析している。私の住む松山市もそうだが人口の多い都市部ではごみ回収の効率を重視し、町内会など一定の区域ごとに自治体が指定した集積所にごみを出すのが一般的となっている。これに対し戸別収集は自宅の玄関先や集合住宅の前にごみを出し清掃職員が一軒ずつ収集するが、東京都品川区は東京23区で初めて区内全域で戸別収集を導入したがおおむね好評だという。
それまでは集積所での収集を続けてきたが指定した日時以外にごみを出す住民がいるだけでなく、ごみ袋をしっかり閉じずに捨てるなどマナー違反が絶えなかった。カラスがごみを食べ散らかし周辺住民からの苦情が多く寄せられていたという。しかし戸別収集にした後はマナー違反が減り「以前は集積所をごみ捨て場だと勘違いしているような人もいたが、今はしっかり分別もされている」そうなのだ。地域ごとに収集する曜日を変え午前8時に速やかに回収するようにしたところ、住民側も回収時間の直前にごみを出すようになった。「朝早く出すのは面倒」との声もあるが住民側からもおおむね好評で、さらに区内のごみの量は人口が増えたにもかかわらず約2割減となる計約7万2000トンとごみの減量効果も出ているという。
各家庭を回る必要があるため収集の手間は増すが、東京23区では台東区も全域で戸別収集を導入しごみが減っているという。品川区清掃事務所の担当者は「自分が出したごみに責任を持つと同時に、ごみを減らす意識も住民の間で広がっている。収集直前にごみを出すことで街の景観もよくなった」と話している。神奈川県や大阪府などの都市部でも戸別収集を採用する自治体が増えているという。また家庭ごみの分別方法や収集日などをスマートフォンやタブレット端末の無料アプリで確認できるサービスを始める自治体もあるというのだ。複雑な分別方法などを手軽に確認できることで分別率の向上とごみ減少につなげる狙いだというが、私の住んでいる松山市も分別では日本一多様だと言われている。
ごみの分別方法や集積所に出す際の注意点などをまとめた「資源物・ごみ 出し方の手引き」と、種類ごとの収集日を示したカレンダーを配布している。しかし、特に若年世帯で、ビニールシートなど大きな可燃ごみを規定の大きさに細断しないまま出すなど、ごみ出しの注意点が守られない例が目立っているという。アプリはスマートフォンなどでダウンロードして、市内の居住地域を登録して利用する。「生ごみはしっかり水を切って」など、ごみの種類ごとに手引きを参照でき、収集日カレンダーも見れる。収集日にはごみ出しを促す通知が受け取れ、積雪などによる収集車の遅延情報も知らされる。市長は定例会見で「多くの市民に利用してもらい、資源循環社会への関心を高めたい」と話している。
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