座ってばかりいると血流ばかりか代謝も悪くなり、狭心症や心筋梗塞に脳梗塞・糖尿病のリスクも高まるとのことだが、アメリカではスタンフォードの医学部も「座りっぱなしの勤務態勢の見直し」を唱えているというのだ。体を動かすようにできている脳を有する人間が 3 時間以上座っていると、記憶力低下や注意散漫といった弊害が発生しはじめるといい、これでは生産性は上がるべくもないうえに働きすぎて疲れた日ほど体を動かせていない日であることも多いというのだ。日中に体をある程度動かさないと睡眠に影響が出て、夜間のリカバリーもうまくいかないことが判明しているという。これは日中じっとしていると交感神経と副交感神経の交替がうまく行われず、結果自律神経が乱れて夜にしっかり休めないためだというのだ。
そして夜に深い睡眠が取れなければ体内の修復作業も妨げられることになり、疲れないためにじっとしているというと夜間に回復が捗らない分反対に疲れやすくなるというのだ。動いていないから疲れておらず眠らなくてもいいわけでは決してなく、日中の身体活動量がグッスリ眠れるか否かも左右しているというのだ。人体はそもそも疲れやすい仕様になっているそうで、 加えて体が完全に左右対称でないことも人間という生物がそもそも何もしなくても疲れやすい特徴を備えている大きな要因になっているというのだ。疲れやすい人は呼吸の重みをわかってないとされ、疲れない体作りに重要だとされる「横隔膜」は右側のほうが厚く大きなドーム型をしているそうだが、これは横隔膜の右側下に大きな肝臓が付着しているためだという。
体全体で見ても拳大の心臓やそれよりも小さい脾臓は体の左側にあって臓器としてとても大きな肝臓は体の右側に配置されており、このように内臓の配置が左右で違っているため横隔膜以外の筋肉も影響を受けていることが考えられているという。長年放っておけばこの体内の左右差によって体のバランスは崩れ中枢神経と体の各部の連携が乱れて、少しの動作をするだけでも余計な負荷がかかってしまう疲れやすい体になってしまうというのだ。何もしなくても疲れはたまるだけなのだから疲れを抜こうとしないかぎり決して疲れは抜けてくれないという。じっとしているだけでは回復が図れないとすればどうやれば体内の左右差を克服して疲労を和らげることができるのかというと、疲れを取るときこそ体を動かすことが有効になるというのだ。
汗を大量にかくほど運動すると疲労は余計にたまるので疲れを問う運動というのは「ゆっくり走る」とか「泳ぐ」といった軽い有酸素運動を 20 分ほど行うのがベストだという。走る前に「軽くスキップを 10 回」や「両足で飛んで両足で着地する動きを 10 回程度」行うことで、中枢神経を効果的に刺激して体の各部と脳神経のズレを矯正してから運動できる効果も期待できるという。また疲れないためにじっとしているよりも体を軽く動かしたほうが、血流が促進されて脳と体にたくさん酸素を運ぶことができ疲労物質の対流を防ぐことにもつながるそうなのだ。この動いて回復を図る方法をアメリカではスタンフォードの医学部が、スポーツチームの練習後のメニューに取り入れていて「動的回復法」と呼んで奨励しているという。
疲れているときほど何もやりたくないと思うかもしれないが、そんなときこそ軽い有酸素運動をすれば疲れを翌日に持ち越さずに済むというのだ。人間の体は動くことでこそパフォーマンスを存分に発揮できるように設計されていて、これは「回復のパフォーマンス」でもまったく同じだというのだ。会社勤めだと日中体を動かすことが難しいというケースも多いが、デスクからなかなか離れることができず、座りっぱなしで倦怠感を体全体に覚えるといったデスクワークが大半を占める労働環境においては、疲労を未然に防ぐ意味でも理想は「 30 分に一度席を立つ」ことだという。トイレやコーヒーを入れに行くなどして「 30 分に 1 回」席を立つことができれば、それだけでも座り疲労を軽減することができるというのだ。
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