2度の延期を経て今月から消費税が 10 %になったのだが、こうした間接税は低所得層を直撃しさらなる格差拡大が懸念されている。しかも消費税の限界はせいぜい 20 %台だといわれているし、そうなるとこれから税収はなかなか増やせないという。経済評論家によると一番気になっているのは日本の貧富の差の拡大で、「このままだと日本で暴動が起きますよ。リーマン・ショックの後に米ウォール街で暴動が起きたのと同じことが日本でも起きます。だから貧富の格差を解消しなければいけない。格差は本当に怖い。ない方が絶対いいに決まっている。格差がなく、みんなが割と穏やかに幸せに暮らせる国にすることが、行政にとっても政治にとっても一番求められることなのです。そうしないと国に安定感が出ません」とまでいうのだ。
この経済評論家がここ 1 ~ 2 年に訴えているのが資産課税で、富裕層や企業の持つお金や株などの金融資産に課税する方法だという。つまりフローではなくストックに課税するということでこれは消費税より取りやすく取ることに意味もあるというのだ。まずは企業の内部保留のようにお金の流れを止めているところにピンポイントで課税するので、ため込んでいても意味がないと家計や企業が資金を投資などに回すようになるという。資産つまり寝ているお金が動くつまり回ると経済は必ず良くなるということなのだ。また「お金は使わなければ意味がないと思っているので、ですが貧富の格差があるとお金が回らなくなり、経済自体が悪くなります。そしていずれ暴動が起きるのです」と語っている。
資産課税とは預貯金や株式などの流動資産と不動産などの固定資産に対し一律に課税するもので、経済が活性化されて社会も安定するから投資という観点で見ても長い目で見れば社会全体が得をすると言われている。今度の税制改革では給与所得控除を減額して年収850万円を超える会社員への所得増税やたばこ増税・森林保護や観光インフラ整備の財源とする新税創設などが盛り込まれ、差し引き約2800億円の増税となるといわれている。月内に閣議決定し来年1月召集の通常国会に関連法案を提出するそうだが、この税制改正大綱では850万円以上の年収の人を勝手に「金持ち」と定義していることで、米グーグルなどのエンジニアの初任給は約1500万円で、世界に年収850万円を金持ちとしている先進国はないという。
実質賃金は減少し続けているしこれから先も給料が上がることが期待できない日本は、基本的には所得や消費を課税対象とするフロー課税である所得税・法人税・消費税などではなく、不動産や金融資産を課税対象にするストック課税にしなければ立ち行かなくなるというのだ。個人や企業の現金や預金の保有額は長期不況といわれながらずっと増えており、国民の固定資産だけでなく金融資産と企業の固定資産や内部留保などを全部合わせると5000兆円を超えることから、これに1%課税するだけで税収は50兆円になるといわれている。財務省や与党議員は「金持ちに課税しろ」と叫んでいるが本当の金持ちは資産を持っており、その部分に課税することが正しい道ということで日本はストック課税にするしかないというのだ。
東京国税局管内の税務署から資産税係長が集まった会議でのことで「現金、宝石などを隠す者は徹底調査し、脱税する者はこれを起訴せよ」訓話がなされてというが、資産の多い人はもちろん資産が少ない人であっても、他の銀行に口座が残っていないかだけでなく、証券・貴金属やへそくりがどこかに隠されてないかなどなど、本当に他に財産が無いかということをきっちり確認するのは一苦労するという。それでも資産税として100兆円徴収できれば、歳費を少し倹約すれば毎年20兆円ぐらいの借金を返していける計算となる。資産税にすれば100億円の資産を相続した人は2パーセントとして例外なく年間 2 億円の資産税を払うことなるし、資産を持っているほど課税されるから金持ちはカネをどんどん使おうとするというのだ。
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