新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスクの品薄対策として間もなく全世帯に 2 枚ずつ郵送で配布される布マスクなが、その購入費は 1 枚 260 円で経費総額は 466 億円にもなることが判明している。「アベノマスク」などと揶揄されその政策には疑問の声も挙がっており、その結果としてある雑誌のアンケートによると「アベノマスク」を使うと答えた人はわずか 24.1 %にとどまり、「使わない」と答えた人は 75.9 %に上ったそうなのだ。「使わない」と答えた人の理由で多かったのは布マスクの効果が疑わしいとする言及で、世界保健機関も医療機関向けのガイドラインで「ガーゼやコットンなど布製マスクの使用は推奨できない」と示した情報が広がったこともあって日本でも布マスクに対する不信感は根強いと言われている。
実際に布マスクのコロナウイルス除去効果はどのくらいあるのかということなのだが、「マスクの品格」などの著書がある聖路加国際大学大学院准教授で専門は公衆衛生学である大西一成医師に聞いたところ「確かに、新型コロナウイルスの粒子がマスクを通すか通さないかだけを議論するのであれば、布マスクは不織布マスクに比べて効果は薄いといえます。しかし、どんなにフィルター性能のよい不織布マスクをつけても、顔にフィットしていなければ鼻や頬の隙間からウイルスはどんどん侵入してしまいます」というのだ。つまり素材の種類にかかわらず自分の顔の大きさや骨格に合ったマスクを選ばないとウイルスの侵入は防げないということだが、ならば、倍首相がつけている小さな布マスクは効果があるのか疑問だという。
「アベノマスク」に関するアンケートで怒りをぶちまける人の中には「官邸へ着払いで返送する」などそもそもマスク受け取り拒否の姿勢を見せる人や、「歴史的愚策の証拠としてとっておく」といった声も数多くあったそうなのだ。 70 代男性は痛烈な皮肉を込めて「一国の政府が非常事態時に打った大局的な政策として配布する 2 枚のマスクだもの。もったいなくて使えません、未来永劫、我が家の家宝として後世に伝えるべく保存しておきます」というコメントを寄せていた。お上から下賜されるものでは明治時代からの慣習として菊の紋章が入った「恩賜の煙草」があるそうなのだが、私も頂いたことがあるこの「恩賜の煙草」は天皇から下賜された紙巻たばこで「御賜の煙草」とか「恩賜煙草」ともいわれ平成 18 年末で廃止されているという。
日本たばこ産業はこの名称は使わず「特製たばこ」といいその一種宮内庁の下賜用に相当するもので、天皇・ 皇后 ・ 皇太后 専用のたばこは「御料たばこ」という箱には黒で「賜」の文字が入っており、たばこ 1 本ずつに 皇室 を表す 菊花紋章 が入っている。パッケージングの際には全部の菊紋が上を向く様に人手できちんと揃えられるが、成分的には普通のたばこと何ら変わらずたばこ葉は純国産品であるという。拝領し吸ったことのある人に聞くと非常にきついとのことだったが、皇室の恩賜及び宮内庁の贈品目として存在していたが 健康増進法 の制定など健康にとって有害なものを嫌う風潮の高まりを受け 平成 年末で廃止され、代替品は菊花紋章入り ボンボン菓子 容器に 金平糖 を入れた「 恩賜の金平糖 」となったそうなのだ。
マスク受け取り拒否の姿勢を見せる人や歴史的愚策の証拠としてとっておくといった声も数多くあった「アベノマスク」でが、不用品として売りに出そうとしても衛生マスクを出品禁止としていたフリマ大手メルカリは、「アベノマスク」の順次配布に先立ち改めて「禁止出品物に該当するため、決して出品されないよう、お願いいたします」とのメッセージを出している。私ももらった「アベノマスク」に安倍首相の似顔絵でも書いておこうと思っていたが、ホームレス支援全国ネットワークが「政府から配布される布マスク2枚ですが、必要のない方や受取拒否を考えられてる方は、ホームレスの方たちのマスクが全然足りませんので先方に負担のないようスマートレターなどを使ってお送りください」としているで、寄付でもしようかと思っている。
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