仕事をしていた時にある市役所の水防倉庫にあった賞味期限の過ぎたミネラルウォーターの処分を頼まれたことがあるのだが、その時は段ボール箱のまま事務所に持って帰り同僚と分けたのだがさすが、さすがに賞味期限を1年以上経過したものは飲むわけにもいかず、事務所の花壇に撒いて帰ったのだ。ミネラルウォーターの調査・研究などを行う一般社団法人「日本ミネラルウォーター協会」によるとペットボトルの水は、その多くが濾過や加熱の工程を経ることにより雑菌を取り除いていることから雑菌が入り込んだ水は品質が劣化するが、雑菌のない水が腐敗することは外部から異物が侵入しない限りなく、未開封で高温高湿のところを避けて保存されていたペットボトルの水ならば基本的に何年も持つそうなのだ。
実際に備蓄用で 5 年間保存できる水も商品化され市販されているそうなのだが、 ミネラルウォーターの調査・研究などを行う一般社団法人「日本ミネラルウォーター協会」の担当者によると、国産のミネラルウォーターの場合、加熱殺菌などの処理をしているものは「品質が変化することはほとんどない」とのことなのだ。ではどのようにして賞味期限を決めているのかということなのだが、多くのメーカーはペットボトルのミネラルウォーターの賞味期限を「質」ではなく「量」によって決めているという。ペットボトルの中身は少しずつ蒸発して内容量が減っていくそうで、時間が経つと「 500 ミリリットルの商品なのに内容量が少ない」という事態が発生してしまうので、賞味期限を設定することで回避していつそうなのだ。
ペットボトルの容器は通気性があるため長期保存している過程で容器を通じて水が蒸発してしまい印字してある内容量がだんだん減っていくそうで、飲食品は食品衛生法や食品表示法などさまざまな法律を守らなければならないがその一つに「計量法」があって表示した内容量よりも少なくとなると計量法違反となるという。したがって印字してある容量をきちんと保てる期間が「賞味期間」ということで期間を区切っているというのだ。経済産業省が所管する「計量法」には商品を販売する時点で表記量と実際の内容量は「政令で定められている誤差を超えてはいけない」と定められており、ペットボトルのミネラルウォーターの場合具体的には「 500 ミリリットルなら誤差 2% まで」「 2 リットルなら誤差 1% まで」などと定められているというのだ。
500 ミリリットルのペットボトルの場合であればもし販売する時点で内容量の 2% にあたる 10 ミリリットル以上が蒸発していれば内容量が表記量より誤差を超えて少ないので、そのミネラルウォーターを販売すると計量法違反となってしまうというのだ。そこで多くのメーカーは蒸発する量を逆算して賞味期限を設定しているというわけなのだ。日本ミネラルウォーター協会の渡辺健介事務局長は「東日本大震災以降、水の備蓄が増えたが、その分廃棄も増えている」と指摘しているが、その賞味期限の切れた水を「譲渡する」のは計量法に反しないし飲むのも問題なく備蓄しておいた水が減っても計量法とは無関係だというが、実際には水以外に関しても賞味期限を過剰に気にする人が驚くほど多いそうなのだ。
企業や分析機関が「微生物検査」や「理化学検査」に「官能検査」などの検査から美味しく食べられる目安の日数を算出して、リスクを考慮し 0.8 未満の「安全係数」を掛け算し賞味期限が表示されるそうなのだが、たとえば 10 か月美味しく食べられるカップ麺に 0.8 の安全係数が掛け算されれば賞味期間は「 8 か月」となるというわけなのだ。製造から 8 か月経った日が「賞味期限」として表示されるという。もっともこの賞味期限の決め方はあくまでも一般論なので、ミネラルウォーターの調査・研究などを行う一般社団法人「日本ミネラルウォーター協会」の担当者は「大原則として、賞味期限は各メーカーがそれぞれ決めています。なので、全ての商品が賞味期限を過ぎても飲めるとは限らないので注意してください」と話しているという。
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