仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2025年01月01日
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総務省の情報通信政策研究所が実施したメディアの利用時間に関する世論調査の結果を見ると、平日における主要メディアの1日の平均利用時間は5年前に初めてネットがテレビを逆転したといわれているが、それ以後その差は開き続けていて昨年の場合はテレビの利用時間が135分なのに対しネットは194分となり新聞はわずか5.2分に過ぎないというのだ。年代別にみるとさらに驚くような数字がでているそうで、20代から50代まではネットの利用時間がテレビを上回っているが特に10代や20代のネットの利用時間は4時間を大きく超えており、40代や50代も約3時間となっているという。これに対しテレビの利用時間は10代と20代が1時間を割っていて、テレビの利用時間がネットを上回っているのは60代以上だけだという。

 そして新聞の利用時間は若い世代はほとんどゼロに等しくなっていて、つまり若い世代を中心に多くの国民が「新聞・テレビ」という伝統メディアから情報を得ることはほとんどなくなってしまったのだというのだ。ここ最近ソーシャルネットワークサービスが政治に与える影響が議論され始めてきたがそれは日本だけの問題ではなく、今年は大衆からの人気を得ることを第一とする政治思想や活動といわれるポピュリズムが世界各地でその勢力を拡大、政治の地図を書き換える年となったとされている。背景には加速する一方の経済格差や地域間格差だけでなく移民の増加や多文化主義の進展にともなう文化的アイデンティの揺らぎに、ソーシャルネットワークサービスを中心とした情報環境の変化等の複合的な要因があるとされている。

 各国ならびに各地域で表出しているポピュリズムの形態は同じとは限らないが、先進国における昨今のポピュリズムはいずれも反エリート主義と結びつく傾向が強く、たとえばドイツでは今年に極右政党の「ドイツのための選択肢」が大躍進したが、その背景に社会的・経済的・政治的要因がそれぞれ絡み合っているという。特に旧東ドイツ地域で極右政党の「ドイツのための選択肢」が強い支持を集めているが、これは東西ドイツ統一後に30年以上が経過した今でも旧東側地域のインフラや経済が遅れていることや、さらに文化的にも社会的にも東ドイツ人は西ドイツ側の人々にずっと見下される傾向があることが原因だという。そうした構造的格差への抵抗や西側の支配階級層に対する反発も少なからずあったと見られている。

 反エリート主義型のポピュリズムは、ドイツだけではなく欧州全体、アメリカ、さらに日本でも広がりを見せている。政治家や官僚などの既存の権力構造に対する不信感が新しい政治勢力の台頭を促す一方で、そこに付随する過激なメッセージが社会の分断や対立をさらに深めているそうなのだ。反エリート主義型ポピュリズムにはテンプレートがあって、それぞれの国や地域で特有の事項があって主張自体はまったく異なるが、ポピュリズム的アプローチで既存政党に反発を覚える有権者の心をつかむ、という点においては非常に似通っているという。この秋兵庫県知事選で繰り広げられたお祭り騒ぎも同じ構造で捉えられるそうで、ネットの利用時間と斎藤氏の支持は明らかに相関関係にあったといわれている。

 兵庫県知事選でNHKが実施した出口調査の結果とネットとテレビの利用時間の年代別比較の結果を見比べると、出口調査では若い世代を中心に斎藤元彦知事への投票が多く、2位となった稲村和美候補が斎藤知事を上回ったのは60代以上だけだったという。一方で利用時間調査の結果は若い世代ほどネット利用時間が多くテレビがネットを上回っているのは60代以上だけだったそうなのだ。政党や候補者の選挙事務所などだけでなく支持者をはじめ多くのユーザーなどによって頻繁に発信され、中には明確な誤りや真偽不明のものもあるがそんなことはお構いなしにネット空間に広がっていきコメントを含め拡散が加速度的に進むのだが、こうした現象を起こしたのはネット空間が持つ独特の機能だという。

 洋の東西を問わず反支配階級層運動において「行儀の悪さ」は許容されむしろカリスマ性の一部として機能する傾向があるそうで、テレビやラジオに新聞・雑誌など既存のメディアに対しては高潔で慎重な振る舞いが求められ、小さなミスや軽率な発言は厳しく追及されどこまでも揚げ足を取られるいっぽうで、ポピュリストはお行儀の悪ささえ武器にして支持を集めることができるというのだ。既存のメディアや既得権益層だとされる人々の発言に対し重箱の隅を突くような揚げ足取りが横行している一方で、ポピュリストの発言はどんな過激なものでも偽りのない本音として歓迎される傾向にあるというのだ。現代では右翼的な思想が席巻しているが、過去の反権力闘争では左翼的な思想がポピュリズムを支えていたのだという。





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最終更新日  2025年01月01日 03時29分23秒
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