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2019年10月23日
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テーマ: 中国&台湾(3304)
カテゴリ: 航空&ミリタリー
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 現代の航空母艦は「空母打撃群」を構成し運用しなければ、ただの張子の虎。
 航空母艦はイージス艦や潜水艦で守りを充実しなければ、誘導方式を有する対艦ミサイルの巨大な標的となる。
 そして空母の艦載機は、短距離離陸、十分な燃料・武器の搭載量のための大出力エンジンと、丈夫な降着装置が基本となる。
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 大出力エンジンは必須であるが、大出力ジェット・エンジンは極めて高度な技術。
 さらに艦載機は潮風に耐える耐久性を有することも必須。
 スペア・エンジンをたくさん積む余裕はないからだ。
 中国は器(航空母艦)の用意を急ぐあまり(けっこう時間がかかったが)、器に入れる眼目である艦載機の準備ができていなかった。
 エンジンの開発と、高出力の電磁カタパルトの実用化を急ぐのだろう。
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相馬勝の国際情勢インテリジェンス
中国の威信崩れる、
…艦載できる戦闘機が“ない”と発覚
2019.09.06 Business Journal
 中国で初の国産空母である通称「001A」の就航が、当初予定の今年4月から大幅にずれ込んでいることが明らかになった。大きな原因は艦載機が決まらないことだ。
 ウクライナから購入した中国初の空母「遼寧」の艦載機は「殲15(J-15)」だが、故障が多く事故も発生しており、海軍首脳は「艦載機としては不適格」として早々と断念。
 次の候補としては「殲31(J-31)」や「殲20(J-20)」が有力候補となっているものの、2つともは艦載機としては一長一短ありで、訓練でも満足な結果が出せず、 001Aの就航は大幅に遅れて2020年代後半にもずれこむ可能性もある という。
 001Aは最大排水量7万トンで全長315m、12年に就役した遼寧の発展型で、初の純国産空母になる。001Aは遼寧と同じ旧式のスキージャンプ台型甲板を備えているが、管制塔やブリッジを一新し、レーダーや電子装備を改良。
 17年4月に進水し、18年5月から19年1月まで4回の試験航海を重ねており、早ければ今年4月に就航の予定と報じられた。
 しかし、いまだに就航していない。
​ 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、その 最大のネックは艦載機 だった。
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 当初、001Aは32機のJ-15戦闘機を搭載できると伝えられていた。
 だが、そのJ-15のエンジンや制御システムに問題があり、これまでに死亡事故1件を含む4件の墜落事故を起こしている。
 このうち2件は重大事故となっており、「空母着陸体制時に飛行システムのエラーが生じて墜落した」という。
 また、中国のニュースサイト「新浪軍事網」は「J-15がステルス戦闘機に対応できない」ことを最大の弱点としており、海軍首脳は一時、「中国産の第4世代ステルス戦闘機J-31を艦載機に採用した」と伝えた。
 一方、中国共産党機関紙「人民日報」系列の「人民網」も中国の軍事専門家、曹衛東氏の話として、「中国の遼寧艦と2隻目の空母艦載機の発艦方法はスキージャンプ型だ。現時点でステルス機を配備するならば、J-31の可能性が高い」と報じている。
 しかし、問題はJ-31はまだ初期段階で、現在、飛行試験を続けており、最終的な完成までにはまだ時間がかかるとみられていることだ。
 さらに、艦上バージョンは地上バージョンの完成後、それを改良して、飛行テストをクリアしなければならず、艦載機として採用されるのは地上バージョン完成の数年後になる可能性が高い。
  ― 引用終り ―
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 「遼寧」に搭載された殲-15(J-15)を「チャイナ・サインポスト」は、J-15が「おそらくF-22を除き、事実上、各国軍隊で運用されている全ての現用戦闘機と空気力学的な性能は対等か凌駕する」と褒めたたえた。
 F/A-18E/Fと比較し出力重量比で10%優り、翼面荷重で25%低いと主張した。
人民解放軍国防大学の胡思遠は、「J-15の目下の弱点は、ロシア製のAL-31エンジンが、アメリカ製のF-35(のF135ターボファンエンジン)よりも出力に劣ることにある」と述べ、エンジンが弱点であることを認めた。
 J-15の現代の戦闘機としてのもう一つの欠点は、極めて良好な空力特性をもつ一方、ステルス性を高めることが難しい機体形状とされる。
  J-15は死亡事故1件を含む4件の墜落事故を起こしていると伝えられる。
 新空母の艦載機に採用されない有力な理由であろう。
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 殲-31(J-31)は2011年10月に初飛行。
 2014年11月、一般公開され珠海航空ショーでモンストレーション飛行を実施。
 双発のステルス性を備えた単座戦闘機。
 エンジンは、ロシア製のクリモフRD-93(推力85.4kN)を国産化した貴州WS13(推力100kN)とされる。
 J-31の形状は双発であることを除きF-35に酷似している。
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最終更新日  2019年10月23日 16時00分11秒
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