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2024年01月28日
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テーマ: 放射能汚染(395)
カテゴリ: 地震、原子力
 核兵器の怖さ、放射線の人体に与える影響を世界一よく知っているのは米国・米軍と思われる。
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 1945年~1960年代にかけて核実験演習に参加し放射線に被爆した兵士たちをアトミックソルジャー(Atomic Soldier)と呼ぶ。兵士たちには線量測定のためフィルムバッジが付けられ、アルファ線が測定された。また、兵士たちは放射線の影響は取るに足らないものであると知らされていた。
 米国の他、英国、フランス、旧ソビエト連邦、中華人民共和国において、残留放射能の残る核実験場で軍事演習や除染作業を行い、多数の兵士を被爆させて医学的データ等を採取した。
 米国は被爆時の科学的データの収集に余念がない。米軍は広島・長崎においても残留放射線を測定したし、被爆者の治療を通じて放射線が人体に与える影響のデータ収集を続けた。
NHKスペシャル
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 豊富なデータをもとに研究を続け、1986年のチェルノブイリ原発事故後、住民などの治療を米国は率先して行った。
 1990年、湾岸戦争における劣化ウラン弾等の残渣による被ばく影響のデータも、多国籍軍の中で米国が陸軍部病院などを通じて圧倒的に多く収集しているものと思われる。
 2011年の東日本大震災で被災した住民の救援活動「トモダチ作戦」に従事した米軍の元兵士たちの間で、東京電力福島第一原子力発電所事故の放射線被曝による健康被害を訴えるケースが相次いでいる。白血病や甲状腺、消化器系のがんなどを発症した現役および元兵士・軍属は数百人に上るとみられ、これまでに20人の死亡が判明している。
 2023年、米空軍はミサイル施設勤務者のがん罹患率調査を本格化させた。
 米国・米軍の放射能が人体に与える影響の科学的調査がさらに進むことになる。
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米空軍、罹患率調査本格化
共同通信 2023年12月5日
 米空軍は5日までに、核兵器を搭載する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の管理を担当した多くの職員ががんに罹患したとの報告を受け、ミサイル施設の勤務者のがん罹患率調査を本格化させた。
  AP通信によると、空軍の医療チームが西部モンタナ州のマルムストローム基地や西部ワイオミング州のウォーレン基地を調べた結果、地下のミサイル発射管制施設の4カ所で発がん性が指摘されるポリ塩化ビフェニール(PCB)が危険な水準に達していた。
 中西部ノースダコタ州のマイノット基地も調査したが、結論は出ていない。1976年に施設で勤務していた職員のデータまでさかのぼって調べるとしている。
  ―  引用終わり  ―
 米陸軍の兵士、元兵士などは陸軍病院で無料の治療が行われるため、「湾岸戦争症候群」、後遺症等のデータは陸軍病院に集中する。
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 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 湾岸戦争症候群(わんがんせんそうしょうこうぐん、Gulf War Syndrome)とは、1991年の湾岸戦争に従軍したアメリカ軍・イギリス軍等の多国籍軍兵士に、集団的に発生したとされる脱毛症・疲労感・痛み・記憶障害・倦怠感や関節痛などの一連の病状を総称したものである。
 概 要
 湾岸戦争終結後、帰還した米兵約70万人のうちの5000人から8万人が、症状に差はあるものの、疲労感・痛み・記憶障害・倦怠感や関節痛などの症状を発症した。また癌や白血病、子供の先天性障害が多発したとの説もあるが、根拠となる明確なデータが明らかにはなっていない。原因としてイラクの生物・化学兵器や伝染病、殺虫剤、油田火災の黒煙などが挙げられていたものの、国防総省はイラクによる生物・化学兵器の使用を否定していた。しかし、その後の国連による調査で、イラク南部の兵器庫にサリンが貯蔵されていたことが判明した為、1996年に米兵が被曝した可能性を認めた。
 神経ガスの防御用に強制投与された試薬や生物兵器用の予防接種、油田の火災や大量の石油流出による大規模環境汚染、米軍が戦車の砲弾や装甲材に大量使用した劣化ウランによる放射線被曝など、他にも様々な原因が挙げられた。
 しかし、症状が上記のように、注意力低下や記憶障害、不眠、鬱、頭痛等の客観的に判断しにくいものが大半を占め、研究を難しくしている。
 主な症状
 ・記憶力、論理的思考力、集中力、注意力の低下
 ・不眠
 ・うつ状態
 ・疲労感
 ・頭痛など
第二の湾岸戦争症候群
 2003年のイラク戦争終戦後も、湾岸戦争症候群と類似した症状を訴える帰還兵が現れた。アメリカ政府は2009年に外傷性脳損傷の診断基準を変更。アフガニスタンでの被害も含め2001年から2009年10月まで約14万人が受傷したとの結果を出している。
 中東に派遣された軍人の自殺や精神障害の多発が問題となっている。その後の調査では、中東に派遣されていない米軍予備兵も自殺率は同等であった。
原因の一つとされた30mm口径の劣化ウラン弾
 また、現地のイラク人にも癌や白血病、子供の先天性障害が増加し、第二の湾岸戦争症候群ではないかとされた。原因としてアメリカ軍が使用した劣化ウラン弾が挙げられた。
  ―  引用終わり  ― 









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最終更新日  2024年01月28日 06時00分11秒
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