にしわき眼科クリニック。
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
全1件 (1件中 1-1件目)
1
しばらく前のヤフーのトップニュースに、 視力矯正するレーシック手術が激減! その真相を探ってみると、、、 と言う興味深い記事がありました。 この記事によると、 平成20年に45万件施行されていたのが、平成26年にはなんと5万件!と9分の1にまで落ち込んだ ことが指摘されています。 レーシック手術の件数が激減した理由については以前から色々と考察されています。一般的に良く言われていることを列挙すると、 1. 銀座眼科という東京都中央区にあったレーシック専門クリニックで多くの方が角膜感染症を発症すると言う「集団感染事件」 があり、これがマスコミで大々的に報じられたことによって「レーシックはどうやら怖い手術らしい」とのイメージが国民の間に急速に広まった。 2. その後消費者庁から レーシック手術に関する注意喚起 の文書が出され、それによって「やっぱり凄く危険な手術なんだ。」という認識が国民の間で一般的となった。 3. この数年でソフトコンタクトレンズの技術革新が急速に進み、シリコンハイドロゲルレンズという「ほとんど裸眼と一緒」と言って良い位に角膜に多くの酸素を供給してくれる安全で快適なレンズが普及したことによって、レーシック手術を受けなくても目の乾燥感無く良好な矯正視力を得ることが出来るようになった。 などが挙げられます。 それ以外にもネットで良く言われている言説に、 「レーシック手術が安全だと力説している医者が、何故か自分自身はメガネをかけている。その理由はきっとレーシックに色々な危険性があるからだろう。本当に安全なら自分もとっくにレーシックを受けているはずだ。」 と言うような、 「素朴だがなかなか鋭くて説得力のある意見」 もあります。(笑) そして上記の理由が相乗効果を上げて今の「レーシック手術冬の時代」を迎えているのですが、私が考えるのにはもう1つ大きな理由があります。 それは、 日本の医療は元々総合力で世界1位(世界保健機関(WHO)と経済協力開発機構(OECD)の報告書による) であり、 しかも国民皆保険制度の下で1割~3割の負担額でそれを享受できると言う「夢のような状況」 なので、レーシック手術のような負担額10割の自由診療が広まるハードルが極めて高いと言うことです。 レーシック手術自体は極めて洗練され安全でかつ患者様満足度の高い良い手術なのですが、負担額が最高でも3割の保険診療の3倍以上のクオリティがあるのか?と言われると、「うーん、それはどうかな?」ということになってしまっているのではないかと思うのです。 つまり、ここ日本でレーシック手術が激減したのは、そもそもの「日本の保険医療制度の実力のとてつもない、尋常でない高さ」 が影響しているということなんですね。
2016.09.08