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2005.01.12
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Blue
Blue-The history of a color- 読了。この日記のタイトルは、本書のタイトルを自分なりに訳したもの。厳密には『青-一つの色の歴史』となるところでしょうが。
パストゥローは中世史家と思っていたのだけれど、中世以降の記述の方が興味深かった。音楽のブルースの話、ジーンズの話など。
簡単に内容を紹介すると、古代には青色は人気のある色ではなかった。けれど、12世紀頃から貴族、王などの間で青色の人気が高くなり、現在では青色はヨーロッパ人の間で最も人気のある色になっている、という話。もちろん、青以外の色も言及されている。
最後の方では、日本での色への好みについて言及されており、興味深かった。本書の記述によると、日本人の色の好みは、白、黒、赤の順だという。パストゥローは、私が大学二年生の頃にそのフランス語テキストが講読の授業で使われていて、興味をもった歴史家。『ヨーロッパの色彩』以外のパストゥローの本は、当時買った。2003年に、『王を殺した豚 王が愛した象』という訳書が出た。近いうちに買おうかと思っているところ。

(追記―2007年9月21日)
本書(というか、仏語の原著)の邦訳が、2005年に出版されています。その文献についての記事は こちら
邦訳版は、カラー図版がいくつかに絞られ、その他は白黒図版になってしまっているのですが、英訳版は全ての図版がカラーで、きれいです。この英訳書は、当時入院していた頃に読んでいたのですが、ある方が、きれいな本ですね、と言ってくださったことが思い出されます。





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Last updated  2008.07.12 22:10:10
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おはようございます  
torezu  さん
迷惑だなんてとんでもないです。
こちらもすごく楽しいです。ただ私がにわか知識なのがちょっと申し訳ないですが、差し支えなければこれからも色々と教えて下さい。
それでは、青について昔NHKか何かで見たドキュメンタリーみたいなものから一言コメントさせて下さい。
こちらは青い色について色々放送していました。
青でもプルメシアンブルー?みたいな名前の色が画家の間では鬼門となっている色で、使うと青の色が強すぎて調和を崩してしまうという話でした。
そこで日本画家の葛飾北斎にスポットが当たり、彼は浮世絵の中に問題の青色をたくさん使っています。そこをゴッホやピカソといった画家が注目し始め、いわゆる青の時代が来るといった内容でした。
ただ、この色は精神に変調をきたすとも言われ、(真偽の程はわかりませんが)実際に青を使ったピカソなどもこの色にとりつかれたようになります。彼の後期作品で青の時代に描かれた人物画などは、確かにほとんど青一色です。それが精神に直接影響した、ということになるとちょっとオカルトじみますが、確かに身近な所でも部屋の内装が(個人的な主観です)赤一色とか黒と白のモノトーンだといらいらしたりしますから。
あながち嘘でもないかな?という気もします。
日本人の色の好みは白・黒・赤ですか…
どうしてでしょうねぇ。
何だか勧善懲悪の象徴と血をイメージして私は嫌ですが…w
また遊びにいきますので、よろしくお願いします。 (2005.03.22 10:00:16)

勉強になります  
のぽねこ  さん
ピカソの「青の時代」は1901-1904年とされますが(ネット情報)、その後も彼の作品には青が現れる、とありますね(<I>Blue</I>より)。また、彼は「青の画家」とも評されていますね(パストゥロー)。葛飾北斎が影響を与えたのですか。興味深いです。パストゥローの著書の索引を見てみましたが、彼の名はないですね。美術史の著書ではないので、仕方ないのかもしれません。「青の時代」も、紹介されている絵に関するコメントで言及されている程度ですし。
>彼の後期作品で青の時代に描かれた人物画などは、確かにほとんど青一色です。
また図書館で、彼の画集を見てみますね。今までと違った観点から絵を見るのは楽しみです。
部屋の色が赤や青だときついですね。というか、大部分の色がいやですね。クリーム色、木の色(茶色、というと語弊がありますね。壁紙が茶色だと抵抗があると思います)あたりが落ち着きます。淡い色がいいですね。
この本は、全訳を作ろうと思っていたのですが、結局、とりあえず分からない単語の意味をひきながらざーっと読んだだけでして、ぱらぱらと読み返すのもしんどかったので、索引をひくことで妥協しました。やっぱり、日本語レジュメや訳をつけておいた方が、後の自分にとってはありがたい、ということを再認識しました。今後、洋書を読むときは意識していこうと思います(でも、訳やレジュメを書く作業が面倒なんですよね。読み進めているその時は、意味は追っているわけですから。がんばらなきゃ!)。 (2005.03.22 21:00:55)

追記  
のぽねこ  さん
>日本人の色の好みは白・黒・赤ですか…
>どうしてでしょうねぇ。
該当個所を読んでみたのですが、参考にした資料は示されていませんでした。
好きな色について考えてみました。赤は苦手ですが、白、黒というのは、私にはあてはまりますね。服や手帳、ペンケースなど、身の回りのものは黒色が多いですが、白には良いイメージがあります。純情可憐ですから(方々から非難の声が聞こえてきそうです…(笑))。実生活では、白いものは苦手ですね。汚れが目立ちますから(ああ、でも、白衣には憧れます。理系の先輩から白衣をいただこうと思っていたのに、結局もらっていません。もったいないことをしました)。純粋にイメージで好きな色と、実生活において好きな色は、違うんだなぁ、と思いました。前のコメントにもあった、部屋の色となるとまた違ってくると思いますし。
あとは、イメージでの話ですが、淡い色が好きです。濃い色は苦手ですね。
それでは、失礼します。 (2005.03.22 21:35:06)

どうでもいいことですが  
torezu  さん
そうですか。実は私は淡い色というかちょっとくすんだ色が好きなんですよ。母や妹に言わせてみると「何それ?婆くさい。」などといわれますが、原色に近い色ってどうも目が痛くなるんですよ。
そういえば白衣に関して以前から疑問に思っていたのですが、白衣って水色とかも白衣と呼ぶんでしょうか?高校時代の生物の先生が白衣と称して水色の白衣?を着ていました。「それって白衣じゃないんじゃ…」の生徒達の突っ込みにも「だって、これ白衣だもん。」みたいな台詞を返していて、そういえば外科医の白衣って白だっけ?みたいな疑問が出てきて、汚れが目立つように白衣だとしたら、どうして水色とかの色があるんでしょうねぇ。う~~ん謎です。 (2005.03.23 10:34:41)

白衣の色について&「青の時代」  
のぽねこ  さん
白衣が白なのは、汚れが目立つように→清潔感を示すため、そしてその清潔感で、患者さんに心理的に安心を与えるという効果があるそうです。たとえば真っ赤な制服を着られると、患者としては安心できしづらいだろうと思います。そして、ピンクや水色の白衣(?)ですが、これはさらに患者さんに安心感を与えるため、だそうです。このように、心理学的影響も考慮してのものなののようですね(インターネットで調べました)。
今日、久々に図書館に行って、ピカソの画集を見ました。「青の時代」の作品は、たしかにじーっと見ていると気が変になってしまいそうな感じがしました。ぞくぞくした、といいますか。
『ヨーロッパの色彩』のあとがきによれば、パストゥロー氏は、色彩論の集大成として、赤、青、白…という風に、各色で一冊ずつ書いていくことになるだろう、と述べているようです。ここに紹介した『青-ある色の歴史』は、その中の一冊と考えて良いのでしょうかね。
あ~、パストゥロー氏の論文が読みたいです!でもフランス語です。躊躇してしまいます…(なにか読んで、torezuさんに紹介させていただこうと思っているのですが…)。 (2005.03.27 16:18:59)

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