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2005.02.16
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アンドレ・モラリ=ダニノス『性関係の歴史』(白水社文庫クセジュ)読了。

三部構成からなるが、全ての部のタイトルに「性欲」という言葉がある。「歴史における性欲」「神話と宗教における性欲」「文化及び象徴における性欲」である。
第一部では、先史時代から19世紀までが扱われている。旧石器時代から扱われている旧石器時代には、人々は寒さのため服を着込んでいた。したがって、裸体は求められているまれな見物としての価値があった、という。著者は、当時から女性崇拝が形成されていたが、それは宗教的というよりはエロチックな崇拝であったという。農耕・牧畜が開始される時期には、女性の地位は男性の地位よりも重要になったと思われる。やがて、男性が女性を低く評価する時代になり、それが現在でも尾を引いているのは、メディアなどの情報による限り、否定できないだろう。一方で、母権制的社会もあるだろうけれど。
キリスト教が広まっていく中での、あるいは広まってからの性に関する問題。初期の福音伝道の「発展の結果は、家族の結びつきと女性の社会的地位との強化であり、それ故、女性は熱心な布教者となる」(34-35頁)。にも関わらず、本書ではあまりふれられていないが、女性は悪魔の手先のようなものとしてみなされたりもする。聖職者たちが激しい女性非難をしていたのは歴史的事実。一方で、聖職者たちの「内縁関係は公然化」していた。無妻帯の聖職者は、税の支払いにより、内妻をもつ権利を持っていたという(40頁)。ああ、このへん掘り下げてみたいテーマだな(手持ちの文献を読み返せば、同様の記述にあたるかもしれない)。
第二部の話に移ろう。第一章では神話に見られる性欲の表現を扱われている。第二章の4「母性礼拝」の節で、あらためて先史時代から中世までが概観される。
第三部では、人類学的・心理学的な研究がなされている。太平洋上の民俗、アフリカ(特に南アフリカのケープタウン)の事例が述べられる。自分たちの「あたりまえ」がいかにあてはまる範囲が狭いものか、あらためて思い知らされる。第三章「性的象徴作用」では、人体自体のもつ性的象徴性が語られているが、136頁「機能的及び性的象徴作用がすべての器官とその機能に及びうることは明らかである」とあるが、これは言い過ぎじゃないだろうか…。本書で例示されているのは口と歯である。全体に関して説明されていたらもうちょっと納得するのだろうけれど。歯が「男根同等物」であり、「抜歯または歯の脱落は、去勢の観念に照応する」とあるが、うーん、そうなのですか?ちょっと本書の内容からは離れるけれど、夢などで棒状のものを見ればそれは男性器の象徴であり、例えば靴は女性器の象徴である、といわれていることは知っているけれど、上述の内容は、これらと同様に懐疑的なものだと思わざるをえない。もっとも、もっと象徴について勉強すれば、はっきりと肯定あるいは否定できるくらいに理解できるようになるのだろうけれど。まだまだ勉強不足なので印象論ですね。

ーーーーーーーーー
今日のバニラ・ムードの演奏は、「君の瞳に恋してる」。この曲大好きなのです。なのに、ああ、なのに…。今週は、バニラ・ムードの演奏がラストで行われる、という形をとっているのはここ二日で了承しています。でも、今日はまだ途中で、しかもサビの演奏中に番組終わっちゃったんですよ!ショック(>_<)まあ、演奏中じゃないときにKeikoさんのアップがあったから、納得しようか。不愉快な思いを感じる・あるいは納得できないことがあった際に、なんとかそれをしのぐ、無理矢理にでも自分を納得させる、ということが、ある程度できるようになってきたのかな。


南海キャンディーズ。ちょっと気になる。「エンタの神様」か「笑いの金メダル」(どっちか忘れた)と、昨日のお笑い番組で、同じネタを二回見たのだけれど、なんかいい雰囲気。シュール、というのだろうか。「ニラだよ☆」はとても好き。

最近、伏線というか言い訳に満ちた日記を書いている気がするなぁ。もう少しのびのびと書こうかな。





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Last updated  2008.07.12 22:16:13
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 第2部第…
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