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2008.01.21
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~講談社ノベルス、2008年~

 毎年1月はQEDシリーズの新刊というのが定着していますね。というんで、今回は、諏訪大社にまつわる謎と、関連して起こる殺人事件の解明です。

 諏訪大社について、いくつもの謎があるのですが、メインは二つあります。一つは、「御柱祭」。もう一つは、「御頭祭」です。
 前者は、諏訪大社の上社2社、下社2社に、それぞれ4本ずつの柱をご神体として立てるという祭りなのですが、その過程では、決まった山で樅の木を16本切り、ひきずり、(上社の方では)木落坂では一気に転がり落とし、川で清め…という道をたどります。これらの過程にも謎があります。
 そして、「御頭祭」では、75匹の鹿の頭を並べたり、その他動物を供物として捧げるような祭りなのですが、これはあまりにも血なまぐさいのではないか。といった、謎が指摘されます。
 不勉強ながら、これらの祭りについてははじめて知ったのですが、興味深い祭りがあることを示し、そこにはこれこれの謎があり、ということを示してくれるところがとても親切で、それらの謎に魅力を感じて読み進めました。

 一方、事件の方は、連続殺人事件が起こります。たとえば、最初の被害者は、近所の人の家の庭で殺されており、その遺体のまわりには大量に塩がまかれ、さらに遺体には松の枝が刺されている、という奇妙な状況で発見されます。さらに現場近くには、串差しにされた白兎の死体があるのでした。
 その後の事件でも、奇妙な状況があります。


 QEDシリーズを読むたびに思うのは、歴史を勉強する上での、考えることの重要さ。私はまだまだ知ることの方にウェイトをおいてしまっているので(それはそれで視野が広がり、豊かになると思っていますが)、それらの知識を駆使しながら、なんらかの問題設定をたてて解明していきたいものです。まだまだです…。

 今回は、前作 『QED~flumen~九段坂の春』 に登場した鴨志田さんが登場します。桑原さんと棚旗さんについても、かなり露骨なツッコミがまわりから入るようになっていますが、はたして桑原さんは何を思っているのか、気になりますね。
 棚旗さんがホワイト薬局につとめはじめて、この事件で7年になるそうです。なんだか感慨がありますね(今年は、高田さんのデビュー10周年だそうです)。
(2008年1月20日)





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Last updated  2008.01.21 20:37:11
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