仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2009.10.31
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カテゴリ: 東北
毎日新聞で紹介していた。 大学通信 によるアンケート調査で、「小規模だが評価できる大学」でICUに次いで第2位。公立大学としては異色の存在だ。週刊東洋経済の「本当に強い大学 2009」の就職率(文系)では、堂々の第1位。

毎日の記事からポイントを拾ってみる。一部の情報を 国際教養大学サイト ほかで補う。
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一学年150人の小さな大学。04年設立で全国初の公立大学法人による設立で、ミネソタ州立大学秋田校の施設を活用してスタートした。

最大の特徴はすべての授業が英語で行われること、そして在学中に1年間の海外留学が義務づけられている。そのため入学後はまず英語力を徹底的に磨く。秋田市内ではあるが周辺はコンビニもなく、1年生は全寮制で、2年目以降もキャンパス内のアパート居住が多い。学生は全国から集まり、また海外からの留学生も多い。学生の意識は高い。図書館は総合大学にも劣らない規模で、24時間オープン。

今春に2度目の卒業生を出したが、就職率は2年連続ほぼ100%で注目を集めた。大手商社やメーカーがずらりと並ぶ。教育内容が大企業に評価されたためだ。

課題は、全国的な人気のために、地元からの進学が困難なこと。入学者に占める県内出身者は15%程度、県内企業就職は10%程度。法人運営費の3分の2が県交付金であり、県議会でも膨大な県費で他県の学生を育てるのか、との批判がある。秋田県では開学に際して県内出身者の割合を30%に高める目標を掲げたが、人気でハードルが上がった格好。


 秋田県 110
 宮城県 61
 北海道 60
 青森県 38
 愛知県 35
 岩手県 29
 長野県 20
 山形県 19
 福島県 19
 栃木県 19
 大阪府 18

などとなっている。ほぼ全都道府県から来ている。受入留学生は129人。専任教員47人のうち外国人が24人。
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明確な目的意識を持った大学と真剣な学生たち。現代版の教育の原点を見るようにも思うが、そのような学校が秋田にあることが、また東北人として誇り高い。

秋田県議会にあるという批判も、たしかにうなずける面がある。公費を支出するのだから、大いに議論されるべきだ。県の公金を使うのだから、地元の学生をもっと増やすべきというのも、一理あるところだ。

私自身は、他県の学生が入学し、他県に出ていって就職するとしても、それはそれで良いのではないかと感じるのだが、地元に有為の人材を増やしたいという期待も、これまた当然だろう。特色を出して成果を出しているだけに、なおさらだ。



身近に素晴らしい大学があることが、もっともっと認識されれば、間違いなく希望者は増える。首都圏などの学生が束になって応募してくれば、学力レベルではじき返されるという心配もあるかも知れないが、地の利を含めて真剣に「ここに入りたい」という思いが広がるならば、確実に入学者は広まる。そして、そうするためには、学校の進路指導で正しく、そして熱く取り上げることだ。

秋田県は、公立優位の東北各県の中でも、とりわけ公立高校中心だ(野球でもそうだが)。県教委が意識を高めて、地元の素晴らしい大学を取り上げるよう拠点的な高校に働きかけていくこと。従来の国立やブランド私学偏重の大学進学指導を打ち破りたい。また県としても、産業界と一緒になって大学の存在と高質な教育内容、そして地元として期待する人材像などを、もっと熱くアピールしていくことだ。

開学に際して十分議論されたことだとは思うが、教育はやはり指導する側の熱意いかんだ。こうした取組が進むならば、もっと地元入学者は増えると思う。素晴らしい学校を、地元でもり立てて欲しい。

そして、できればあんまり地元入学率に拘らずに、日本や世界から人を集めるセンター・オブ・エクセレンスとしての存在を高める方に力を注いで欲しいと、個人的には思う。





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最終更新日  2009.10.31 20:53:59コメント(0) | コメントを書く


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