日中はかなり汗ばむような暑さになってきた。
歩いていると額にうっすら汗をかき、半袖でも十分なくらい。まだ五月の中旬なのに、季節がひと足早く進んでいるような気がする。
けれど不思議なもので、朝夕になると空気はまだ春の名残を持っている。
特に風が吹くと少し肌寒くて、「一枚羽織ればよかったな」と思うこともある。昼間の強い陽射しと、夕方の涼しい風。その温度差に、今が季節の境目なのだと感じる。
そんな帰り道、ふと見かけたのが紫陽花だった。
まだ五月なのに、もう色づき始めている。青や紫が静かに混ざり合い、雨の季節を待っているようだった。
紫陽花を見ると、自然と梅雨を連想する。
「今年は梅雨入りが早いのかな?」
そんなことを考えながら、しばらく立ち止まって眺めてしまった。
毎年同じように季節は巡っているはずなのに、その年ごとに空気の匂いや風の温度が少しずつ違う。
暑さに夏の気配を感じながらも、夕方の涼しさにはまだ春が残っていて、そのあいだに紫陽花が咲き始める。
季節が静かに移り変わっていく、この曖昧な時間がわりと好きだ。
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