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六二。噬膚滅鼻。无咎。書き下し文:ろくに。ふをかみてはなをめっす。とがなし。初心者意訳:六二は、刑罰をつかさどる位にあります。 その執行は、鼻がめり込むほど軟らかい肉に深く噛みつくように、要所を的確に押さえて行われます。 過不足なく、正しく処断するゆえに、咎めを受けることはありません。象曰、噬膚滅鼻、乘剛也。書き下し文:しょうにいわく、ふをかみてはなをめっすとは、ごうにのればなり。初心者意訳:六二は、刑罰を正しく執行する位にあります。 その処断は的確で、罪人でさえ服従させるほどです。
2026.07.30
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初九。屨校滅趾。无咎。書き下し文:しょきゅう。こうをはきてあしをめっす。とがなし。初心者意訳:悪いことをしてしまい、足枷をつけられて動けなくなるような軽い刑罰を受ける状態です。 しかし、これははじめの小さな過ちなので、きちんと反省して行動を改めれば立ち直ることができます。象曰、屨校滅趾、不行也。書き下し文:しょうにいわく、こうをはきてあしをめっすとは、ゆかざるなり。初心者意訳:動けなくなるような拘束の刑を受けている状態です。 これは、さらなる悪事を防ぐために、行動を止められているという意味です。
2026.07.30
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象曰、雷電噬嗑。先王以明罰勑法。書き下し文:しょうにいわく、らいでんはぜいごうなり。せんおうもってばつをあきらかにしほうをととのう。初心者意訳:噬嗑の卦は、上に火(離)の光明、下に雷(震)の威力が組み合わさった形です。 古代の王は、この象に倣い、明るい知恵で罪の種類を見極めて刑罰を細かく定め、強い威力で法律を整備し、厳しく正しく執行しました。
2026.07.30
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彖曰、頤中有物、曰噬嗑。噬嗑而亨。剛柔分、動而明。雷電合而章。柔得中而上行、雖不當位、利用獄也。書き下し文:たんにいわく、いちゅうにものあるをぜいごうという。ぜいごうしてとおる。ごうじゅうわかれうごきてあきらかなり。らいでんごうしあきらかなり。じゅうちゅうをえじょうこうす、くらいあたらずといえども、ごうをもちうるによりしなり。初心者意訳:噬嗑という名は、上下のあごの間に障害物が挟まっているところから来ています。この障害物を、明るい知恵の離と強い行動力の震で噛み砕き取り除くことで、上下が通じ合い、物事が順調に進む状態を示します。卦の構造を見ると、剛と柔が上下に分かれ、雷(震)の決断力と火(離)の明智がそろっています。雷の勢いと火の光が合わさり、強さと明るさが同時に働く象です。中央に位置する六五は柔順で中庸の徳を備え、尊位にあります。六五は陰であり本来は君位として正しくありませんが、裁きや刑罰の執行が過度に厳しくなく、適切であるため、この卦はいいと判断されます。
2026.07.30
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噬嗑、亨。利用獄。書き下し文:ぜいごうは、とおる。ごくをもちうるによろし。初心者意訳:噬嗑とは、上下のあごの間に挟まった厄介者を、明るい知恵の離と、強い行動力の震で噛み砕いて取り除き、上下が通じ合う状態を示します。 その邪魔物は世の中の害となるものだから、正しい裁きや処罰によって取り除くのがふさわしいと説きます。
2026.07.30
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上九。觀其生。君子无咎。書き下し文:かみきゅう。そのせいをみる。くんしはとがなし。初心者意訳:上九の位に立つ賢者は、九五を補佐する相談役として、天下の人々から仰ぎ見られる存在です。 その一つ一つが広く注目されるほどの重責を担うが、もしその人物が聖君に仕えるにふさわしい真の君子であるならば、いかなるバッシングも受けることはありません。象曰、觀其生、志未平也。書き下し文:しょうにいわく、そのせいをみるとは、こころざしいまだたいらかざるなり。初心者意訳:上九の位に立つ者は、九五を補佐する相談役として、天下の人々からその言動を細かく観察されます。 一つ一つが注目の的となるほどの重責を負うため、志を安んじて平々凡々に構えているような余裕は許されません。
2026.07.29
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九五。觀我生。君子无咎。書き下し文:きゅうご。わがせいをみる。くんしはとがなし。初心者意訳:天下が治まるか乱れるか、国が興るか衰えるかは、すべて君主の徳が世に広がる風によって決まります。 聖なる君主は、自らの政治が正しいかどうかを知るために、天下の治乱の様子や、人々をよく観察します。 もし天下が安定し、人々が善良であるならば、その政治に咎めるべき点はありません。象曰、觀我生、觀民也。書き下し文:しょうにいわく、わがせいをみるとは、たみをみるなり。初心者意訳:自分の政治が正しいかどうかを見極め、理想的な君主となるために、 いっそう徳を磨き高めていくのです。
2026.07.28
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六四。觀國之光。利用賓于王。書き下し文:ろくよん。くにのひかりをみる。もっておうにひんたるによろし。初心者意訳:身近に君子の徳を仰ぎ見て、国を治め天下を安んずる道の光を悟るときである。 あなたは朝廷に招かれた賓客として、聖なる君子をまっすぐに補佐するとよいです。象曰、觀國之光、尚賓也。書き下し文:しょうにいわく、くにのひかりをみるとは、ひんとしてたっとばるるなり。初心者意訳:高徳の君子を仰ぎ見て、国を治め天下を安んずる道の光を悟るときです。 王宮に招かれた賓客として、聖なる君主を正しく補佐したいと願っている状態を示します。
2026.07.26
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六三。觀我生進退。書き下し文:ろくさん。わがせいをみてしんたいす。初心者意訳:六三は、進むべきか、退くべきかという分岐点に立っています。 自らの才能やこれまでの積み重ねを静かに省み、 さらに勢いと周囲の状況を慎重に観察したうえで、 進むか退くか、己の出方を定めることが求められる。象曰、觀我生進退、未失道也。書き下し文:しょうにいわく、わがせいをみてしんたいすとは、いまだみちをうしなわざるなり。初心者意訳:六三は、勢いと周囲の状況をよく観察し、進むべきか退くべきかを慎重に定める段階にあります。 まだ大きな道理を完全に体得したわけではないが、 分を守って行動すれば、道から著しく外れることはありません。
2026.07.20
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六二。闚觀。利女貞。書き下し文:ろくに。うかがいみる。じょのていによろし。初心者意訳:六二は、天子から遠く隔たり、ただ入り口の隙間から外の様子をうかがうように、慎み深く状況を観察しています。 自らの立場をわきまえ、分を守って静かに時を待つことが肝要です。象曰、闚觀。女貞、亦、可醜也。書き下し文:しょうにいわく、うかがいみる。じょのてい、また、はずべきなり。初心者意訳:六二は、内にあって慎みを守るべき立場である。 陰柔の道を固く守るならば、そこにふさわしい静かな徳が備わります。 しかし、もしこれが君子のふるまいであるなら、 本来尽くすべき責務を果たさず、ただ内にとどまるだけとなり、 恥ずべき態度と言わざるを得ません。
2026.07.20
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初六。童觀。小人无咎。君子吝。書き下し文:しょろく。どうかんす。しょうじんはとがなし。くんしはりん。初心者意訳:初六の位は、天子から最も遠く隔たっています。そのため、物事を観察しても、子供のような理解にとどまりやすいです。これは庶民にとってはいつもの姿であり、責めるべき過失ではありません。しかし、もし君子が同じような浅い観方しかできないのであれば、それは恥ずべきことです。象曰、初六童觀、小人道也。書き下し文:しょうにいわく、しょろくどうかんす、しょうじんのみちなり。初心者意訳:初六の観は、まだ成熟した洞察に至らず、子供のように物事の一面しか見られません。これは、広い視野を持てず近くのことしか観られない小人の常態です。その限界ゆえに深い大局観には到りません。
2026.07.20
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象曰、風行地上觀。先王以省方、觀民設教。書き下し文:しょうにいわく、かぜちじょうをゆくはかん。せんおうもってほうをかえりみ、たみをみておしえをもうける。初心者意訳:風が地上を広く吹きわたる様子は、観の卦が示すイメージです。 古代の王は国々を巡り歩き、人々の暮らしぶりや習慣、生活習慣の違いを細かく観察し、それぞれの地域に合った政治の方針を定め、教育や教化を行ったのです。
2026.07.17
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彖曰、大觀在上、順而巽、中正以觀天下。觀盥而不薦、有孚顒若、下觀而化也。觀天之神道而、四時不忒。聖人以神道設教、而天下服矣。書き下し文:たんにいわく、たいかんうえにあり、じゅんにしてそん、ちょうせいもっててんかをみる。かんてあらいてすすめず、まことありてぎょうじゃく、したみてかするなり。てんのしんどうをみるに、しじたがわず。せいじんしんどうをもっておしえをもうけ、てんかふくす。初心者意訳:天子たる九五と上九という陽剛の位が上にあり、臣民は山を仰ぐようにその徳を観望します。下の坤は柔順にして乾の道に従い、上の巽は謙虚です。剛健でありながら中正の徳を備えた九五の君主が、天下を広く観察して模範を示すと、臣民は自然にその姿を仰ぎ観ます。宗廟の祭祀において、供物を献じる前に祭主が手を洗い清め、誠の心と尊い心で神前に進み、天より神を迎えるように、王が誠の心と尊い心で政に臨めば、民は自然に王を尊崇し、その姿を観て心が風化されます。すなわち、上の誠は下に影響し、民は言われずとも感化されていきます。天の道を観察すれば、四季は休むことなく巡り、少しも誤ることがない。聖人はこの天の道に則り、臣民を導きます。神道が声も形もなく、自然にして霊妙に働くように、聖人もまた言葉や規則を多用せずとも、誠の心によって人々を風化させ、天下の民は自然に順います。
2026.07.17
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觀、盥而不薦。有孚顒若。かんは、てあらいてすすめず。まことありてぎょうじゃくたり。初心者意訳:観の時とは、上位者が広く下位者を観察し、みずから模範を示す時であり、下位者がその徳を仰ぎ見て学ぶ時が同時に成立する時です。上に立つ者は、下の者を観察し、その前にふさわしい手本を示します。下にある者は、その姿を観て、自然に心を正し、従うべき道を悟ります。宗廟の祭祀では、供物を献じる前に祭主が手を洗い清め、厳粛な態度で神前に進みます。その誠の心が天に通じ、神を迎える儀礼が正しく成り立ちます。王がこの祭主と同じく、誠を尽くし、慎み深く政に臨むならば、民は自然にその徳を尊び、王を観るようになります。観の時とは、上の誠が下に感応し、下の敬が上に帰する、静かで深い相互作用の時です。
2026.07.16
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上六。敦臨。吉无咎。書き下し文:かみろく。とんりんす。きちにしてとがなし。初心者意訳:上六は柔順で正しい位置にあり、臨の卦における坤の徳がもっとも満ちた地点に立っています。六五の徳の風に包まれ、誠実な心で民に向き合い、その思いやりは尽きることなく、民を包み込む度量にも限りがありません。そのため幸運を得て、誰からも非難されることはありません。象曰、敦臨之吉、志在内也。 書き下し文:しょうにいわく、とんりんのきち、こころざしうちにあればなり。初心者意訳:上六が幸運を得るのは、 国が安定することを深く願い、 そのために誠実に民へ臨んでいるからです。
2026.07.15
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六五、知臨。大君之宜。吉。書き下し文:ろくご、ちりんす。たいくんのぎ。きち。初心者意訳:六五は柔らかく中庸を保つ天子であり、自分を低くして賢臣である九二を信頼し、広く人々の知恵を集めて政治を正しく行います。偉大な君主は叡智によって、剛健な君子をも心服させ、天下の安泰を実現します。そのため、何事も順調に進み、行うことすべてがうまくいきます。象曰、大君之宜、行中之謂也。書き下し文:しょうにいわく、たいくんのぎ、ちゅうをおこなうのいいなり。初心者意訳:偉大な君主は、天下が安らかに治まるという最善の状態を得ます。それは、柔順で中庸を保つ天子が、 剛健で中庸の徳を備えた賢臣を正しく用い、時勢にかなった政治を行ったからです。
2026.07.15
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六四。至臨。无咎。書き下し文:ろくよん。しりんす。とがなし。初心者意訳:六四は才能も徳も十分ではない大臣であるが、心から誠意を尽くして賢者である初九を招き寄せます。初九はその誠意に感じ入って喜んで協力し、国政を補佐します。そのため六四は、誰からも非難されることがありません。象曰、至臨。无咎、位當也。書き下し文:しょうにいわく、しりんす。とがなし。くらいあたればなり。初心者意訳:初九が国政を補佐してくれるため、六四は誰からも非難されることがありません。それは、六四が君主の臣下としての務めを誠実に果たしているからです。
2026.07.15
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六三。甘臨。无攸利。既憂之无咎。書き下し文:ろくさん。かんりんす。よろしきところなし。すでにこれをうれうればとがなし。初心者意訳:六三は柔弱で正しい立場を得ておらず、才能も徳も乏しい人に取り入ることだけが上手な人物です。言葉巧みに人を喜ばせ、柔らかな態度で下の者に接し、媚びへつらって人より先にいこうとします。こうした姿勢では、何をしてもうまくいかないです。しかし、自分の誤りに気づき、心から反省して態度を改めれば、大きな咎めは免れます。象曰、甘臨、位不當也。既憂之、咎不長也。書き下し文:しょうにいわく、かんりんす、くらいあたらざるなり。すでにこれをうれうれば、とがながからざるなり。初心者意訳:六三は、人にうまくとりいりながら、上に立とうとします。その心には正しさがなく、下卦兌の最上位にあって、軽薄な性質がもっとも強く表れています。しかし、自らの誤りを憂い、態度を改めるならば、咎めは少しずつ消えていきます。
2026.07.15
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九二。咸臨。吉无不利。書き下し文:きゅうに。かんりん。きちにしてよろしからざるなし。初心者意訳:九二は、剛健さと中庸の徳を兼ね備えた有能な人物です。 その九二は、柔らかく穏やかで中庸を保つ天子と自然に呼応しています。 天子は九二の才徳に深く感服し、九二を信任して重要な任務を任せます。 九二はその信任に応えて正しく事にあたり、何の問題も起こりません。象曰、咸臨。吉无不利、未順命也。書き下し文:しょうにいわく、かんりん。きちにしてよろしからざるなし、いまだめいにしたがわざるなり。初心者意訳:九二は正しい態度で事に臨むので、何の問題も起こりません。 その理由は、九二が中正の徳を備えており、必要とあれば天子の命令にただ従うだけではなく、誤りがあれば諫めて正す姿勢を持っているからです。 このように、正しいことを正しいと言える人物であるため、結果として咎められることはありません。
2026.07.14
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初九。咸臨。貞吉。書き下し文:しょきゅう。かんりんす。ていきち。初心者意訳:剛健で正しい位置にある初九は、柔順で正位にある大臣とよく呼応しています。 互いに心を通わせることで、初九は大臣の信任を受け、世に向かって正しく事に当たることができます。 正しい道を守って進むゆえに、吉を得るのです。象曰、咸臨。貞吉、志行正也。書き下し文:しょうにいわく、かんりんす。ていきちとは、こころざしただしくおこなわれるなり。初心者意訳:正しい道を守るゆえに、吉を得るのです。 まっすぐな志を抱き、正しい心で事に当たるからこそ、幸運がもたらされます。
2026.07.14
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象曰、澤上有地臨。君子以教思无窮、容保民无疆。書き下し文:しょうにいわく、さわのうえにちあるはりん。くんしもっておしえおもうことをきわまりなく、たみをいれやすんずることかぎりなし。初心者意訳:沢の上に大地が覆いかぶさる姿が臨の卦です。 君子はこの卦の示すところにならい、地下の水が尽きることのないように、民を教え導き、思いやりを絶やしません。 また、大地がすべてを包み支えるように、民を広く受け容れ、安らぎを与えることに限りがないのです。
2026.07.14
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彖曰、臨、剛浸而長、説而順、剛中而應。大亨以正。天之道也。至于八月有凶、消不久也。書き下し文:たんにいわく、りんは、ごうようやくにしてちょうじ、よろこびもってしたがう、ごうちゅうにおうず。おおいにとおるただし。てんのみちなり。はちがつにいたりてきょうあり、しょうすることひさしからざるなり。初心者意訳:臨の卦は、君子の力が少しずつ伸びて盛んになる様子を表しています。上の者は柔らかく穏やかな態度で下に臨み、下の者は喜んでこれに応じるため、君子は和やかな雰囲気の中で着実に前進できます。九二と六五は互いに心が通じ、六五の天子は九二を深く信頼します。そのため政治は順調に進み、正しい道が通じます。これは天の道にかなうからです。今は君子の勢いが盛んで、やがて天下泰平となるでしょう。しかし泰平が極まれば、必ず小人の勢いが増し、やがては小人が世を支配する時代になります。だからこそ、君子の治世が少しでも長く続くよう、今のうちから気を引き締めて警戒すべきだと説いています。
2026.07.13
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臨、元亨利貞。至于八月有凶。書き下し文:りん、おおいにとおるていによろし。はちがつにいたりてきょうあり。初心者意訳:臨とは、上にある者が下にいる者へと近づき、導こうとする時です。 下には悦びを表す兌、上には柔順を表す坤があり、この二つが調和することで、物事は通じてゆきます。 ゆえに、正しい道をしっかり守ることがふさわしいです。 陽剛の君子の勢いは次第に伸び広がり、やがて天下泰平の泰の境に至ります。 しかし、泰平が極まれば、やがて小人の勢いが増し、世の風向きは觀へと移り、八月には凶の兆しが現れるのです。
2026.07.13
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上九。不事王侯。高尚其事。書き下し文:かみきゅう。おうこうにつかえず。そのことをこうしょうにす。初心者意訳:上九は強くしっかりした性質を持ち、蠱の卦の最上位にいます。 身分は高いのですが、実際の権力はありません。 天子にも、賢臣にも仕えず、世間の評判や批判から離れて、静かに自分の徳を磨きながら生きる人物です。象曰、不事王侯、志可則也。しょうにいわく、おうこうにつかえず、そのこころざしのっとるべきなり。初心者意訳:上九は、人から褒められたり非難されたりすることに左右されず、静かに高潔に生きています。 その姿勢は、君子が目指すべき理想のあり方として示されています。
2026.07.13
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六五。幹父之蠱。用譽。書き下し文:ろくご。ちちのこをかんす。もちいてほまれあり。初心者意訳:六五は国の乱れを正すという重大な役目を背負った中心人物です。 その六五は、賢明な臣下の助けを受けながら、腐敗した状態を立て直そうとします。 二人がともに中庸の道を守って改革を進めれば、乱れを正し、国を再び興すという名誉を得ることができます。象曰、幹父、用譽、承以德也。書き下し文:しょうにいわく、ちちかんたり、もちいてほまれありとは、うくるにもってとくするなり。初心者意訳:六五は蠱乱を新しくします、自らの道を実践した結果です。
2026.07.13
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六四。裕父之蠱。往見咎。書き下し文:ろくよん。ちちのこをゆたかにす。ゆきてとがをみる。初心者意訳:六四は性質が柔らかく、位置としては正しいのですが、能力が足りず控え目すぎます。 国や組織の乱れは悪化しており、本来なら勇気をもって立ち向かうべき時です。 ところが六四は状況を甘く見て、のんびり構えてしまっています。 そんな姿勢で問題を解決しようとしても、うまくいくはずがなく、大きな失敗をして責任を問われることになります。象曰、裕父之蠱、往未得也。書き下し文:しょうにいわく、ちちのこをゆたかにす、ゆきていまだえざるなり。初心者意訳:六四は状況を甘く見て、のんびりした態度で問題に向き合おうとします。 しかしその姿勢では、蠱の乱れを正すという重大な任務を果たせず、大きな失敗につながります。 これは、前の人々が持っていた志や目的を、六四がまだ理解できていないためです。
2026.07.13
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九三。幹父之蠱。小有悔。无大咎。書き下し文:きゅうさん。ちちのこをかんす。すこしくいあり。おおいなるとがなし。初心者意訳:九三には、前から続く混乱や腐敗を正すだけの強い力があります。 しかし、その力を使いすぎたり、やり過ぎてしまうと、かえって後悔することになります。 自分をしっかり守って節度を保てば、非難されることはありません。象曰、幹父之蠱、終无咎也。書き下し文:しょうにいわく、ちちのこをかんす、ついにとがなきなり。初心者意訳:九三は、つい行き過ぎてしまい後悔することがあります。 しかし、その後悔をきっかけに自分をしっかり戒めれば、非難されることはありません。
2026.07.13
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九二。幹母之蠱。不可貞。書き下し文:きゅうに。ははのこをかんす。ていすべからず。初心者意訳:九二は剛健でありながら中庸を得た徳を持ち、上位者が抱えてしまった混乱を正す役割にあります。 ただし、力で押しつけたり、厳しさ一辺倒になってはいけません。 柔らかく従順な態度で、相手を尊重しながら丁寧に諭し、正しい方向へ導くことが求められます。象曰、幹母之蠱、得中道也。しょうにいわく、ははのこをかんすとは、ちゅうどうをえるなり。初心者意訳:母が引き起こした混乱を、九二が正しく対処します。 その際、厳しすぎても甘すぎてもいけません。 ちょうどよい姿勢で、相手を尊重しながら正しい方向へ導くことが求められます。
2026.07.13
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初六。幹父之蠱。有子考无咎。厲終吉。書き下し文:しょろく。ちちのこをかんす。こありちちとがなし。あやうけれどもついにきち。初心者意訳:前の代から受け継いだ事業には、長年の悪い慣習や問題点が残っているものです。 それらを丁寧に改めることができれば、先代の評判を傷つけることはありません。 自分がまだ未熟であることをよく自覚し、日々の戒めを守って努力し続ければ、最後には必ず良い結果が得られます。象曰、幹父之蠱、意承考也。書き下し文:しょうにいわく、ちちのこをかんす、いちちにうけるなり。初心者意訳:古くから積み重なった悪い慣習や問題点を改めることが求められます。 そのうえで、先代が抱いていた志を受け継ぎ、事業を正しく続け、さらに発展させていく立場にあります。 初六は改革の第一歩を象徴し、過去を尊重しながら新しい道を開く姿勢が大切だと示しています。
2026.07.13
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象曰、山下有風蠱。君子以振民育德。書き下し文:しょうにいわく、やまのしたにかぜあるはこ。くんしもってたみをふるいとくをいくす。初心者意訳:山のふもとで風が止められると、空気がよどみ、物が腐りやすくなります。蠱とは、まさにこの停滞による乱れ・腐敗を表す卦です。君子は、この状況を見て、停滞した古い仕組みを思い切って改め、人々の気持ちを奮い立たせ、社会全体の徳を育てていくのだと説いています。
2026.07.12
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彖曰、蠱、剛上而柔下。巽而止蠱。蠱元亨而天下治也。利渉大川、往有功也。先甲三日、後甲三日、終則有始、天行也。書き下し文:たんにいわく、こ、ごうがうえじゅうがした。そんをとめるはこ。こおおいにとおるてんかおさまるなり。たいせんをわたるによろし、ゆきてこうあるなり。こうにさきだつことみっか、こうにおくるることみっか、すなわちおわりはじめあり、てんぎょうなり。初心者意訳:蠱の卦は、上に艮の剛、下に巽の柔が位置し、上下が交わらず、政治の徳が乱れた姿を示します。上は怠って下を顧みず、下は媚びへつらって諫めない、こうして国家は腐敗などへと進み、ついに崩壊の極みに達します。しかし、行き詰まりの極点こそ再生の契機です。窮まれば変じ、変ずれば通じます。 蠱は腐敗の極みから刷新が始まり、天下が再び治まることを示す卦です。ゆえに、抜本的解決に向き合うべきです。有事には勇敢に立ち向かい、天下の乱れを救うことが求められます。まず乱れの原因を探り、次に改革策を熟慮し、その影響と後始末まで見通したうえで対処します。天の道を手本として、自然の理に従いながら事を行うことが蠱の教えです。
2026.07.12
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蠱、元亨。利渉大川。先甲三日、後甲三日。書き下し文:こは、おおいにとおる。たいせんをわたるによろし。こうにさきだつことみっか、こうにおくるることみっか。初心者意訳:蠱(こ)は、物事が乱れ、腐り、崩れ落ちて、もう限界まで行きついた状態を示します。しかし、行き詰まりの極みに達したとき、状況は一転して通じ始めます。窮まった後には必ず変革が起こり、物事はかえって順調に進むようになります。だからこそ、勇気を奮い起こし、数々の困難や苦しみに正面から向き合うべきです。まず問題を探り、次に解決策をよく考え、その対策によって生じる影響や後始末まで見通したうえで取り組むことが大切です。
2026.07.12
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上六。拘係之、乃從維之。王用亨于西山。書き下し文:かみろく。これをこうけいす、すなわちしたがいこれをつなぐ。おうもちいてせいざんにきょうす。初心者意訳:上六は随う道を極めた人物です。その徳は天子をも感服させ、民衆も心から慕い従います。あまりに求心力が強く、逃がさぬよう縄で括り柱に繋ぎ止めておきたいほど、人々は上六を心から随おうとするのです。この上六は、周の文王に喩えられます。文王は殷の王に仕え、臣下としての礼を守りながら、西山で祖先を祀りました。その際、あくまで臣下の分を越えないよう慎みました。高い徳を持ちながらも分を守り、時を待つ姿勢こそ、随の道を極めた上六の象徴です。象曰、拘係之、上窮也。 書き下し文:しょうにいわく、これをこうけいす、うえきわまるなり。初心者意訳:上六は天下の人々からよく思われる存在です。 君主よりも高い位置にあるかのように、随うという徳を極め尽くしているからです。
2026.07.12
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九五。孚于嘉。吉。書き下し文:きゅうご。よきにまことあり。きち。初心者意訳:九五の天子は、剛健でありながら中正の徳を備えた理想的な君主です。その天子は、誠実で柔順な臣下を深く信頼し、また上位者にも真心をもって従い、協力関係を築きます。このように上下が互いに心を通わせて協力すれば、徳ある政治が実現します。その結果、天下の人々は自然と君子の徳に随い、安らぎと幸福を得るのです。 象曰、孚于嘉、吉、位正中也。書き下し文:しょうにいわく、よきにまことあり、きちとは、くらいちゅうせいなり。初心者意訳:九五は道理にかなった、まっすぐで正しい態度を保っています。 そのため、物事は自然と調和し、最終的に幸運を得るのです。
2026.07.12
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九四。隨有獲。貞凶。有孚、在道以明、何咎。書き下し文:きゅうよん。したがいてうるあり。ただしけれどもきょう。まことあり、みちにありもってあきらかならば、なんぞとがあらん。初心者意訳:九四は天子の側近として下を率い、強大な力を振るう地位にあります。求めれば欲しいものは手に入り、時には天子をこえるほど勢いさえ持ちます。しかし、その力は周囲の嫉妬を招き、自分では正しいつもりでも、ついにはおちぶれる危険があります。ゆえに、九四が私心を離れた至誠の心で道を歩み、わずかな兆しを見抜く明智をもって慎重に行動するならば、辱められることはありません。象曰、隨有獲、其義凶也。孚有在道、明功也。書き下し文:しょうにいわく、したがいてうるありとは、そのぎきょうなり。まことありてみちにあるとは、めいのこうなり。初心者意訳:九四は時勢に従えば、望むものはほとんど得られるほどの強大な力を持ちます。しかし、その力が君臣の義に背けば、周囲の疑いを招き、ついには落ちぶれる危険があります。ゆえに、九四が私心を離れた誠の心で道を歩み、わずかな兆しを見抜く智恵をもって慎重に政を行うならば、咎められることはなく、国家を安寧へ導くのです。
2026.07.11
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六三。係丈夫、失小子。隨有求得。利居貞。書き下し文:ろくさん。じょうふにかかりて、しょうしをうしなう。したがいてもとむるあればう。ていにおるによろし。初心者意訳:六三が上位の剛健な人物に従えば、自らの下にいる小子の部下を失うことになります。しかし、もし上位者に誠実に随い、正しく求めるならば、富と位の恵みを得ることもできます。ゆえに、利に迷わず、正しい道を固く守ることが大切です。象曰、係丈夫、志舎下也。書き下し文:しょうにいわく、じょうふにかかるとは、こころざししもをすつるなり。初心者意訳:六三が剛健な上位者に随うのは、 本来、上司として守るべき志が衰え、 自らの部下である小子を見捨ててしまう姿を示しています
2026.07.11
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六二。係小子、失丈夫。書き下し文:ろくに。しょうしにかかり、じょうふをうしなう。初心者意訳:六二は、小子と親しく協力し、共に天子という正しい中心へ従うことが道理にかなっています。 もし正しい道を外れ、つまらぬ者に随ってしまえば、立派な人物を失い、正しい導きを得られなくなります。象曰、係小子、弗兼與也。書き下し文:しょうにいわく、しょうしにかかりてとは、かねくみせざるなり。初心者意訳:善なる者と、徳のない者の双方に同時に味方することはできません。 従うべき相手を誤れば、正しい導きを失うことになります。
2026.07.11
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初九。官有渝。貞吉。出門交有功。書き下し文:しょきゅう。かんかわるあり。ていきち。もんをいでてまじわればこうあり。初心者意訳:初九は、強くまっすぐな性質をもち、正しい位置にあり、能力と徳が備わっています。卦の下にあって震の働きを担う中心人物です。随うべき時に正しく判断し、上に柔順で中正の相手に従います。状況が変わることもあるが、道理にかなった従い方をすれば吉となります。自分を空しくして謙虚に門を出て、広く人々と交われば、物事はうまく成就します。象曰、官有渝、從正吉也。出門交有功、不失也。書き下し文:しょうにいわく、かんかわるあり、せいにしたがえばきちなり。もんをいでてまじわればこうありとは、うしなわざるなり。初心者意訳:状況や仕事が変化することがあっても、正しい道理に従って行動すれば吉となります。 家の門を出て、広く人々と交わり協力すれば、物事は成就します。 随うべき時に、正しい随い方を失わないことが大切です。
2026.07.11
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象曰、澤中有雷隨。君子以嚮晦入宴息。書き下し文:しょうにいわく、さわのなかにかみなりあるはずい。くんしもってくらきにいればえんそくす。初心者意訳:沢の柔らかな悦びの中に、雷の力強い動きがひそかに潜んでおり、状況にふさわしい時期が来れば、それに従って動き出します。春の雷が芽吹きを促し、秋の雷が収まりを示すような、時に随う姿がこの卦のイメージであります。君子は、日が暮れて時が終わりに向かう局面では、自らの才能や徳をひとまず内に収め、官位や利益を辞して静かに身を退きます。家に戻ったなら、己の身を養いながら、新しい時の始まりを待ち、次の機会に備えます。
2026.07.11
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彖曰、隨、剛来而下柔、動而説隨。大亨貞、无咎、而天下隨時。隨時之義、大矣哉。書き下し文:たんにいわく、ずい、ごうきたりてじゅうにくだり、うごきてよろこぶのがずい。おおいにとおるただし、とがなし、しかしてんかときにしたがう。ずいのときのぎだいなるかな。初心者意訳:雷の強い性質をもつ者が、沢の柔らかな者の下に位置し、謙虚に従って動くと、柔らかな側は喜びます。これが随という卦の姿です。 正しい道理に従っていれば、咎められることはありません。 そもそも世界の動きは時に従って変化します。時に随うということは、なんと偉大で深い意味をもつことでしょう。
2026.07.10
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隨、元亨利貞。无咎。書き下し文:ずいは、おおいにとおるていによろし。とがなし。初心者意訳:随という卦は、雷の剛い性質をもつ者が、沢の柔らかな少女に対して謙虚に従う姿を表しています。 そのため、物事は滞りなく進みます。 正しい道理に従っていれば、非難を受けることはありません。
2026.07.10
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上六。冥豫。成有渝、无咎。書き下し文:かみろく。めいよ。なれどもかわりあり、とがなし。初心者意訳:上六の人物は、喜びや楽しみにどっぷり浸かり、度を越してしまっています。 喜びが行き過ぎれば、必ず不幸に変わるという自然の道理を理解していない愚かな状態です。 けれども、自分の誤りに気づいて心を入れ替えるなら、罪などには至りません。象曰、冥豫在上。何可長也。書き下し文:しょうにいわく、めいようえにあり。なんぞちょうずべけんや。初心者意訳:自然の道理を理解しない愚かな人物が、卦の最上位に立っています。 そんな状態では、喜びや楽しみが長く続くはずもありません。 行き過ぎた豫は、いずれ必ず崩れます。
2026.07.10
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六五。貞疾。恆不死。書き下し文:ろくご。ていしつ。つねにしせず。初心者意訳:六五の君主は、すぐそばにいる九四の強い力によって行動を制限され、思い切り豫の政治を行うことができません。そのため、心の中に晴れない不安が残っています。 とはいえ、九四が実権を握り、六五が君主としての正統な地位を失うことはありません。象曰、六五貞疾、乘剛也。恆不死、中未亡也。書き下し文:しょうにいわく、ろくごていしつ、ごうにのればなり。つねにしせず、ちゅういまだほろびざるなり。初心者意訳:六五の君主は、すぐ下にいる九四の強い力に押さえつけられて、いつも心に不安や憂いを抱えています。 それでも六五は中庸の徳を保っているため、君主としての地位が失われることはありません。
2026.07.10
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九四。由豫。大有得。勿疑。朋盍簪。書き下し文:きゅうよん。よりてよす。おおいにうるあり。うたがうなかれ。ともあいあつまる。初心者意訳:九四は才徳を備え、豫楽の時を導く中心者です。 衆陰を率いて改心させ、天下をよく治めるので、上下の万民は大いに歓楽を得ます。 しかし、天子を補佐する立場ゆえに嫉妬や疑念が生じやすく、きわめて危うい地位にあります。 それでも決して人を信じましょう。 まことを尽くしてこそ同志が集まり、豫の盛んな時を互いに支え合うのです。象曰、由豫、大有得、志大行也。書き下し文:しょうにいわく、よりてよす、おおいにうるありとは、こころざしおおきくおこなわれるなり。初心者意訳:上下の万民は大いに歓びを享受します。 九四が人々に豫楽をもたらそうと願い続けてきた気持ちが、ここになされたのです。
2026.07.10
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六三。旰豫。悔遅有悔。書き下し文:ろくさん。のぞみをよす。くゆることおそければくいあり。初心者意訳:六三は才能や徳が乏しいにもかかわらず、分をわきまえずに行き過ぎた振る舞いをします。 そして、陰のものたちを率いる位置にある九四を仰ぎ見て上目遣いし、浮かれ楽しむことに耽ってしまいます。 しかし、こうした放縦の結果として禍が生じてから悔いても、もはや覆水盆に返らずです。象曰、旰豫有悔、位不當也。書き下し文:しょうにいわく、のぞみをよすくいありとは、くらいあたらざるなり。初心者意訳:禍が生じてから悔いても、もはや大切なものは戻ってきません。 六三は才徳に乏しい小人でありながら、危険な位置に居ついてしまっているためです。
2026.07.10
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六二。介于石。不終日。貞吉。書き下し文:ろくに。いしにかいす。ひをおえず。ていきち。初心者意訳:六二は柔らかく従順でありながら、心はまっすぐで正しい位置にあります。上位の爻と直接の助け合い関係はないが、だからこそ自ら節度を保ち、楽しみの時だからといって油断してはならないと固くいましめます。物事の兆しを早く察し、正しいか誤っているかを見抜き、その日のうちに素早く対処する慎み深さを持ちます。最後まで正しい道を守り続ければ、必ず良い結果を得ます。象曰、不終日、貞吉、以中正也。書き下し文:しょうにいわく、ひをおえず、ていきち。もってちゅうせいなり。初心者意訳:六二は、はじめから終わりまで正しい道を踏み外さずに進むことで、最終的に良い結果を得ます。 それは、この爻が偏りのない中庸の徳をしっかり備えているからです。
2026.07.10
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初六。鳴豫。凶。書き下し文:しょろく。めいよ。きょう。初心者意訳:初六は、能力も徳も乏しく、身分も低い位置にある陰爻です。本来なら慎み深く控えめであるべき立場ですが、上位の九四から特別に目をかけられ、寵愛を受けたことで気持ちが浮つきます。その結果、嬉しさのあまり態度や声色にまで表情が出てしまい、周囲に自慢したり、誇らしげに振る舞ったりします。しかしこれは、身の程をわきまえずに得意になっている状態であり、やがて自らのほろびを招くことになる、と戒めています。象曰、初六鳴豫、志窮凶也。書き下し文:しょうにいわく、しょろくのめいよ、こころざしきわまりきょうなり。初心者意訳:初六は、嬉しさのあまり声や表情にまで浮かれた様子が出てしまい、周囲に誇らしげに振る舞います。これは、内にしっかりした志がなく、心が弱いために、与えられた喜びに溺れてしまう姿です。そのように悦楽に耽り、身の程を忘れて慢心すれば、やがて自分で自分を滅することになる、象伝はその危うさを戒めています。
2026.07.09
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象曰、雷出地奮豫。先王以作樂崇德、殷薦之上帝、以配祖考。書き下し文:しょうにいわく、かみなりちにいでてふるうはよ。せんおうもってがくをつくりとくをたっとぶ、これをじょうていにいんせんし、もってそこうをはいす。初心者意訳:豫の卦は、地の中に潜んでいた陽の気が、雷の働きによって一気に地上へと湧き上がり、雷が動く様子を象徴しています。静かに蓄えられていた力が、時を得て外へと発揮される、その勢いが豫のイメージです。古代の王は、この勢いが整い、和やかな気が満ちる時に音楽を奏でて徳を高め、天の神を祭る際には祖先もともに祀りました。音楽によって民心を和らげ、祖先と天を同時に敬うことで、国家の秩序と調和を保とうとしたのです。
2026.07.09
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彖曰、豫剛應而志行。順以動豫。豫順以動。故天地如之、而況建侯行師乎。天地以順動、故日月不過而四時不忒。聖人以順動。則刑罰清而民服。豫之時義、大矣哉。書き下し文:たんにいわく、よごうごうにおうじこころざしおこなわる。じゅんもってうごくはよ。よはじゅんもってうごく。ゆえにてんちかくのごとく、しかるにいわんをやこうをたてしをやるや。てんちもってじゅんにうごく、ゆえにじつげつあやまたずしてしじたがわず。せいじんもってじゅんにうごく。すなわちけいばつきよくしてたみふくす。よのじぎ、おおいなるかな。初心者意訳:豫という卦は、九四という一つの陽爻に、下の五つの陰爻が応じて協力し、九四の想いが実現される構造を示しています。この卦の本質は、天地の道理に従って、無理なく順当に動くことです。天地が万物を生み育てるのも、自然の道理に従って動くからです。諸侯を立てたり軍を動かしたりするような大事を行うときも、必ずこの自然の流れに従う性質に基づかなければなりません。天地は道理に従って動くので、太陽と月の運行が乱れることはなく、四季の巡りも決して狂いません。聖人もまた、自然の道理に従って政治を行います。清らかで正しい刑罰を行えば、民は自然と従います。このように、豫の時が示す意味は、まことに大きく、深いものなのです。
2026.07.09
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豫、利建侯行師。書き下し文:よは、こうをたてしをやるによろし。初心者意訳:豫は、天地がよろこびに満ち、万物が楽しむ時です。一陽である九四に、五つの陰が順応して動きます。この時、諸侯を建て、兵を動かすがよいです。諸侯は民を安んじて楽しませ、軍は逆賊を討ち、世の秩序を正す役目を果たします。
2026.07.09
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