July 17, 2025
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カテゴリ: 気になるTV番組
2025年NHK大河ドラマ
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』 の感想です。

この回は江戸時代の天明年間に起きた食糧不足による
流民や米の価格の問題を見つつ、人間関係が何かの
出来事から思いもよらぬ方向に徐々に動いていくのを
見たように感じました。

権力者を父に持ち、仕事では上から引き立ててもらえて
陽のあたる場所にいて、家でも家族間で特別な苦労する
こともなく、好きになった女との未来を心に描いて幸せ


片や家としての力は今はなく「田沼は当家の家来筋」と
精神的にマウントを取るのを唯一の心の支えとする父・
佐野政豊(吉見一豊さん)がいて、でもその父はすっかり
耄碌して家では苦労が絶えず、自身も仕事ではうだつが
上がらないままの佐野政言(矢本悠馬さん)。

将軍の覚えがめでたい意知は政言だけでなく他の者たち
からも羨望の的だから、悪意のある噂がいったん流れると
次々と尾ひれがついて広まっていきます。

そして政言のほうは初めの頃こそ意知の中傷は信じない
ようにしていたものの、なまじっか意知のそばにいる分、
父の期待どおりに出世できない自分の不甲斐なさが少し

心が折れそうな隙をつくように意知の悪口を吹き込まれ、
気持ちがどんどん歪んでいきます。

親の過度な期待の重圧に苦しんでいたり、あるいは家族の
介護で疲れ果てているものの、自分の苦悩を本人にぶつけ
られなくて、些細なことがきっかけで恵まれている他人を


そんな精神状態のところに悪意ある噂が次々と耳に入って、
政言は凶行に及んでしまった、という流れでしょうか。

こちらでは様々な意見がでていて参考になります。
 ⇒ ⇒  #大河べらぼう #べらぼう


天明4年(1784)松前廣年が抜荷の片棒を担いだことから田沼意次が蝦夷地の
上地を狙っていることを知った松前道廣は、一橋治済に上地はやめて欲しいと
懇願し、事情を知った治済はこのままでは終わらせたくないようでした。
そのころの世は前年の浅間山噴火と冷夏の影響で米の値が異常に上がり、その
対応に田沼意知(宮沢氷魚さん)は追われていましたが、ようやく対策できて
うまくいけば身請けもできると花魁・誰袖(福原遥さん)を喜ばせていました。



ところが意知の考案した「米穀売買勝手次第」の策は全く効果がなく米の値は
相変わらず高いままで、江戸の町には田沼の悪口を書いた紙が至る所に貼られ、
庶民の不満はたまる一方でした。
そして江戸には諸国から逃げてきた流民が次々とやってきて、流民を引き取る
お救い小屋はすでにいっぱいとなり、行き倒れの流民が町にあふれていました。



田沼の失策は人々の間で悪口と話に尾ひれがついた憶測となって広まりました。
さらにはこれで大儲けした意知が吉原で紙花を撒いているとまで。
そして奉行所から戻った鶴屋喜右衛門(風間俊介さん)によると、町にあふれ
かえる流民たちは順にお救い小屋に入れるから待っておれ、とのことでした。
立場の弱い者のことがつい気になる蔦屋重三郎(横浜流星さん)は寄合の皆に
町で炊き出しをしないかと提案しますが、そんなことをしたら噂を聞きつけて
次々と流民が集まってしまうと各々から反対され、鶴屋からは「蔦屋の身代を
潰す覚悟があるならご勝手に。」と釘を刺されました。



さて田沼屋敷では佐野政豊(吉見一豊さん)が「系図を返せ!」と怒鳴りこんで
きましたが、田沼意次(渡辺謙さん)は何のことか一向にわかりませんでした。
そうこうしていると息子の佐野政言(矢本悠馬さん)が来て、父の無礼を深く
詫びながら、強引に父を連れ帰っていきました。
意次が政豊の耄碌を笑っていると意知と三浦庄司(原田泰造さん)が、あれは
かなり前に意次が池に放り投げたと指摘し、意次はようやく思い出しました。
このまま政言を放置できないと思う意知は父・意次に政言を何かで引き立てて
やって欲しいと頼みましたが、意次は若年寄になったのだからと政言の面倒を
見るよう意知に言いました。



意知は政言を徳川家治(眞島秀和さん)の狩りのお供に推挙し、政言は願っても
ない誉れとたいそう喜んでいました。
しかし狩りの当日、政言の放った矢は獲物を捕らえておらず、意知の呼びかけで
再度探したものの獲物も矢も見つかりませんでした。
捜索で待たせたことを意知は詫びますが、家治の信頼が厚い意知は「友を信じる
心遣いに感服した。」と褒められ、逆にせっかくの好機なのに政言は上様の目に
とまる働きができなくて落胆し、その様子をそばで見ている者がいました。



政言の一日も早い出世を願う父・政豊は、いつか政言が上様の目にとまったら、
せめて自分のこの刀だけでも共に連れていってもらいたいものだ、と期待に胸を
膨らませていました。
するとそこに、あの狩りの日に同行したという男(矢野聖人さん)が話があると
訪ねてきて、政言の矢と獲物らしき鳥を持ってきました。
男はあの日、意知がこれを見つけて隠したのを見たと言い、政言は最初はそんな
話は信じられないと言いました。
しかし男はさらにもっともらしいことを言い、政言の心の中に意知に対する疑心
暗鬼がかすかす生じたようでした。
(このシーン、政豊役の吉見一豊さんは話に耳も貸さずずっと刀をいじっていて、
耄碌して頭の中は自分の思いしかない老人を演じていました。)



田沼意次と意知はなんとか市中の米の値を下げる策はないかと家臣たちと苦慮
していましたが、米の値は高止まりしたまま動きませんでした。
生活するのがやっとの庶民は本など買える余裕はなく、一方吉原では米で大儲け
した一部の者たちが景気よく金を使っていましたが、同時に売られてくる女郎が
増えたとのことでした。
米の高値が田沼親子や花魁・誰袖のことに影響し、そして流民たちのことも心配
する重三郎に妻・ていが「町からお上に献策というのも日本橋らしい」と提言し、
重三郎は吉原では知らなかった知識を得ました。
早速町の旦那衆を集め、庶民が生活苦のままだと自分たちだって商売に困るから
献策を考えようと皆に呼びかけました。
鶴屋喜右衛門は「お上がもっと身銭をきればいい。お触れだけで事をおさめよう
なんて虫がいい。」と言い、他の皆もそれぞれに思うところを述べ合い、献策を
練り上げていきました。



そして策がまとまり、重三郎は田沼意知に会いに行きました。
お上が何かの形で米を仕入れ、その仕入れ値で庶民に引き渡したらどうかという
話を、意知ははじめお上は商いはできぬと断りました。
しかし重三郎は「これは商いでなはく政。食べるのに精一杯になれば庶民は世の
中の食べること以外のあらゆることを慎むようになり金の巡りが悪くなる。その
流れを断ち切るのは商いではなく政。」と進言しました。
その後で重三郎は意知に誰袖花魁の身請けを乞いましたが、意外にも意知はその
件ではもう手を打ったとのことでした。
意知は、かつて父・意次が平賀源内を救おうとしたのをお家のために見捨てよと
自分が止めさせた、蝦夷の上地ことは源内への罪滅ぼし、蝦夷のために尽力して
くれた誰袖を見捨てることはできない、と自身の思いを重三郎に伝えました。



後日幕閣内での話し合いの折、水野忠友(小松和重さん)から、大坂の奉行所が
米穀売買勝手次第を悪用して酷い買い占めを行った悪徳な米問屋をまとめて投獄、
20万石の米を召し上げた、と報告がありました。
そう聞いた意知は即座に発言を求め、その米を公儀が安く買い上げその値で直に
市中に払い下げてはどうかと進言、「これは商いではなく政。飢えに苦しむ民を
救い世を救うための政。」と老中たちに訴えました。
意知の進言を父・意次は大変満足そうでした。
しかし城内では、意知が米で私腹を肥やして吉原通いをしているととんでもない
中傷が流れていて、政言も意知を疑うようになっていました。



家に戻れば老いた父・政豊を労わる政言でしたが、父はかつて5代将軍・綱吉公
から賜った名誉の桜に花が咲かないことに腹を立てていて、政言を愚か者、出来
損ないと罵って打ち据えていました。
庭での騒ぎを聞きつけて家臣が政豊を引き離し、先日来たあの男がまた佐野家に
来ていて政言にある噂を伝えました。
田沼意次が預かった大切な佐野家の系図を無きものにした、田沼が寄進した桜は
立派に育ち見事な花を咲かせているがあれは佐野家の桜では?と。
うだつの上がらぬ自分は父が癇癪を起こせば理不尽に責められる、耄碌した父は
咲かない桜に「咲け!」と刀を振り回して叫ぶ。
恵まれた意知との違いに政言の気持ちはどんどん暗く歪んでいきました。



意知は花魁・誰袖を身請けするために、表向きは土山宗次郎が誰袖を身請けした
形をとることになりました。
重三郎は餞別として歌麿に描いてもらった誰袖の姿絵を贈り、誰袖は女郎として
嫌な客を取るときには重三郎の顔を思い浮かべていたと打ち明けました。
大文字屋市兵衛(伊藤淳史さん)は、この吉原はぼ~っとして幸せになれる場所
じゃないから女郎たちは誰袖を見習って逞しい腹黒になって欲しいと言い、また
重三郎は誰袖の話はここで生きるしかない女郎たちのとびきりの励みになるから
いつか本にしたい、とそれぞれに思いを伝えました。
やっと吉原を出て幸せになれるーー誰袖は意知と一緒に夜桜見物をする時間が
来るのが待ち遠しくて仕方がありませんでした。



誰よりも自分の立身出世を願っている老いた父が憐れになり、政言は泣き笑い
して自分が佐野の桜を咲かせてみせると父に約束しました。
そして何かを決意したように、すっかり古びた父の愛刀を手入れしていました。
仕事を終え今宵の誰袖との花見を楽しみに意知が戻ると、政言は意知を呼び止め、
思い詰めた面持ちで意知の前に立ちはだかったかと思うと、いきなり刀を抜いて
斬りかかってきました。






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Last updated  July 17, 2025 01:33:42 AM


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