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僕のブログではBARはたくさん出てくるが、食いもん屋さんはあまり出てこない(そういう食べ歩きのブログは数多くあるし、僕の領分ではないと思うから)。もちろん、だからと言って外食していないという訳ではない。 自分では結構よく行ってる方だと思うが、個々の店を論評するほどの絶対的な自信は、ない。人気店に行ってがっかりすることもあるが、余程のことがない限り、ブログ上でけなすようなことはしない(味には個人の好みだってあるし…)。 だが、感動した店について時々触れたくなる。今回はそんな1軒。大阪の南森町近くのイタリアン。先日、連れ合いと放送局関係の友人との3人で出かけた「イル・チプレッソ」という店。 20人も入ればいっぱいになる小さな店。良い評判は聞いていたので。以前から一度は行きたいと思っていた(ちなみに、Hanakoでは「準グランプリ」)。予約がとりにくいと聞いていたけれど、早めに電話したのが良かったのか、意外と簡単に席は確保できた。 この「イル・チプレッソ」では夜はアラカルト・オンリー。だからメニューの中から、好きなものを選んで食べられる。 で、僕らがこの夜いただいたのは、以下のようなもの(意味の分からない言葉もあるけれどそのまま記します。写真を見て想像してくださーい。名前の記憶が間違ってるのがあるかもしれません。すみません)。 前菜=豆大根とスナックエンドウのブナナパダーノ、トマトと富楠ナスのピューレ・ミルフィーユ風、ポレンタとランドルホルミ(豚背脂肉) セコンド=タラのペーストを詰めた玉ネギのオーブン焼き、豚頭肉のゼリー寄せ パスタ=越冬北アカリ(じゃがいもの品種)とスモークモッツレラを詰めラビオリ、ガヴァディエリディ・桜エビとおかひじきのソース、シンプルなトマトソースのパスタ メイン=アブラメのグリル、ハト胸肉のソテー、ワイン=カ・デル・ボスコ(Ca'del Bosco=白)の後、ハウスワインの白&赤をそれぞれデキャンタで。 この店の特徴は、前菜やセコンド、メインの皿に、付け合わせの野菜がたっぷり添えられているということです。最近野菜が大好きな僕としてはめちゃ嬉しいんです。 これだけ食べて、ワインを約2本分飲んで、お勘定は1人7千円弱でした。(今回は少し食べ過ぎ! 普通に食べて飲んでなら5~6千円かな。高級店なら1万円は超えてた?)。 味や素材、ボリュームなどを考えれば、コスト・パフォーマンスは十分満足できるレベルだと思います。「カ・デル・ボスコ」も家に帰って調べたら、最近結構人気のワインで、お値段もめちゃリーズナブルでした。 皆さんも機会があればぜひ一度どうぞ(僕の大好きな天満橋のBAR「C」や北浜のBAR「D」にも徒歩圏内だから、二次会の場所も心配なし。嬉しいね!)。【イル・チプレッソ】大阪市北区菅原町10-32 ウエムラ西天満ビル1F 電話06-6363-2772 午後6時~11時 日曜休&第3月休
2007/05/28
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近畿地方にあって奈良という街は、大阪、京都、神戸に比べて、歴史は古いけれども、経済力に乏しいこともあって、埋没しがちである。盛り場の規模も小さいので、BARの数が少ないのもある程度はやむを得ない。 だからと言う訳でもないが、奈良に行きつけのBARはほとんどないと言うか、奈良のBARには詳しくない。 しかし、数は少ないけれど、奈良にも「いい酒場」はある。そんな1軒に先日、奈良県内への日帰り出張の帰途、お邪魔してきた。 近鉄奈良駅の南側に小西町というささやかな歓楽街がある。その一角のビルの2階。以前から、このBARの存在は知っていたが、訪れるのは初めて。Bar HAYAFUNE(ハヤフネ)=写真左。店名はマスターの苗字に由来する。 初めてのBARの扉を押す瞬間は、いつだってワクワク、ドキドキする。そして店内に足を踏み入れ、マスターや店内の第一印象がいいBARに、まず「はずれ」はない。 この「HAYAFUNE」もそうだった。スキンヘッドのマスターは一見こわもてだが、話してみると実に気さくで親しみやすい(余談だが、話していて偶然、マスターと出身中学が同じとわかってお互いびっくり。僕の方がだいぶ先輩だけれど…)。 店内はカウンター10席ほどのこじんまりした空間だが、ダークブラウンの木のカウンターやバック・バーは落ち着いた雰囲気で、すぐになごめる(写真右=Bar HAYAFUNEの店内)。 聞けば、普通の勤め人だったが、モルト好きがこうじて脱サラし開店したのはまだ5年前とか。でもマスターの所作には、そんな最近とは思えない落ち着きが感じられる。 この日は「とりあえずビール」という訳でもないが、まずはマスターおすすめの志賀高原の地ビール「House IPA」(「IPA」とはインディアン・ペール・エール」の略だとか)をいただく。苦み控えめでほのかに甘く、フルーティ。日本の地ビールのレベルも上がってきたと実感させる逸品だ。 2杯目には、アイラモルト「Ardbeg(アードベグ)」のオフィシャル「Almost There」。熟成年数の若い個性的なモルトを詰めた最近話題のシリーズ、「Very Young」「Still Young」に続く第3弾である。「最近入ったばかりなんですが、これもおすすめですよ」とマスター。 味わいは、このシリーズの流れをくむスモーキー&スイート、そしてパワフル。アテに頼んだホタルイカの缶詰との相性も抜群だ。 締めの3杯目。マスターに「シェリー系モルトで何かおすすめを」とお願いしたら、「これなんかシェリー香が効いてて、旨いですよ」と、SMS(スコッチ・モルト・ソサエティ)のボトルを1本(写真左)、バック・バーの棚から選んだ。 SMSのボトルには通常、銘柄名はなく、識別番号のみ。マスターによれば、「(中身は)2000年ボトリングの13年もののハイランド・パーク」なのだという。 SMSのモルトには「当たりはずれ」もあるけれど、これは文句なしに旨い! マスターはSMSの会員となっているほか、ウイスキー・マガジンの販売代理店もつとめるなどモルトへの愛は人並みではないと感じた。 いい酒場で、いい酒と素敵な人柄のマスターに出合うと、心から幸せな気分になる。日帰り出張の疲れもしっかりいやされて、僕は心地よく家路につけた。【Bar HAYAFUNE】奈良市小西町1-7 西口ビル2F 電話0742-26-3485 午後5時~午前2時(土祝は~午前零時) 日曜休【追記】Bar HAYAFUNEは残念ながら、08年7月に大阪ミナミへ移転しました。住所は、大阪市中央区東心斎橋1-4-1 大和ビル10号館B1F 電話06-7651-8007です。店のコンセプトは奈良時代と変わらず、さらにグレードアップしたような店ですので、レアモルトが好きな方はぜひ一度覗いてみてください。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/24
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久々に、近頃飲んだカクテルたちのことを。まずは、僕の大好きなモヒート(Mojito)=写真左。神戸の馴染みのBAR「S」で頼んだが、出てきたのは普通のモヒートではなかった。 マスターは、「(ラムは)ダークかゴールドのどっちにします?」と僕に尋ねた。普段、BARでモヒートを頼んでも、バーテンダーの方は、ほとんどがホワイトかゴールドを選ぶ。 家でもベースはだいたいホワイト・ラムだ。「ダークをベースにするんですか?」と驚く僕。「ええ、ダークを使うことだってありますよ」とマスター。 確かに同じラムだから、ダークで作っていけないルールなんてない。で、完成したのがこれ。ご覧あれ。色の濃さはもちろんだが、ミントの葉の見事な飾りっぷりを。しかも3種類のミント(スペアミント、ペパーミント、ジャパニーズミント)を使うこだわり! お味はちょっぴりほろ苦く、そして微かな甘みも(紅茶っぽい甘さというか…)。ダーク・ラムでもモヒートは結構旨いということを確認した夜だった。 お次は、大阪キタの馴染みのBAR「T」でいただいた「エッグ・ノッグ」=写真右。エッグ・ノッグというのはブランデー・ベースで、卵白やミルク、ホイップ・クリームを加えてシェイクし、最後にナツメグのすり下ろしを添えるというスタンダード・カクテル。 レシピからも分かるように、結構つくるのが面倒くさいカクテルだ。こんな面倒くさいカクテルをこのBARのマスターは、「今月のおすすめカクテル」として良心価格でつくってくれる。 家ではこんな難しいカクテルは滅多に作らないので、BARで気軽に飲めるなんて嬉しい。味わいはと言うと、実にまろやかで、「旨さの宝石箱やー」(彦麻呂風に)。 3つ目は、皆さんもおそらくBARで時々頼む「カンパリ・オレンジ」。僕は普段はほとんど飲まないカクテルだけれど、この日は大阪キタの「K」というBARで、「ロング(カクテル)で、そんなに甘くないやつを」とお願いした。 マスターのMさんは「たまにはカンパリ・オレンジでもどう?」と僕に迫ってきた。20年近く行きつけのBARでもあり、普通のカクテルを頼んでも、一筋縄ではいかない工夫をしてくれるMさんだ。 どんなスタンダード・カクテルでも、標準的なレシピでは作らず、いつも驚くような完成品に仕上げてくれる。だから、きっと普通のカンパリ・オレンジは作らないだろうという予感はあった。 で、Mさんの作ったカンパリ・オレンジ(写真左)がこれ。オレンジはブラッド・オレンジを使い、皮ごと絞る。出来上がったカクテルは実に濃厚(この血のような色見よ!)で、僕が思わず「これ、やばいよー」と口走るくらいの旨さ。さすがMさん! やっぱりいつも僕を唸らせてくれる。 4つ目に紹介するのは、「アースクェイク」=写真右。大阪・京橋のBAR「M」のマスターに、「スタンダードで何かお願い」と頼むと作ってくれた。 プロのバーテンダーでもおそらく、あまり注文されることのないカクテルだろうが、いちおうこれもスタンダードである(NBAのオフィシャル・カクテルブックにも載っている)。 ジン・ベースで、ウイスキー、ペルノー(薬草系リキュール)を各3分の1ずつ。意外とシンプルで美味しいカクテル。でも度数が強いものばかりだから、これは効くー! まさに「地震」(Earthquake)だね。 ちなみにアブサン(=ペルノー)、ジン、ウイスキーを使うので、別名「アブジンスキー」とも言うそうな。ちょっとマイナーなカクテルだけれど、もっと飲まれてもいいスタンダードだと思う。 最後はとくに名前はないけれど、「土佐文旦のカクテル」=写真左。大阪キタのはずれの天満橋にある、馴染みのBAR「C」でいただいた。マスターのHさんはフルーツ・カクテルの名手。だからフルーツの品揃えにもとてもこだわる。 店を訪れるといつも、「きょうはフルーツは何があるの?」がまずマスターへの問いかけ。「C」では、どんなフルーツのカクテルを味わっても裏切られることはない。 この日飲んだ土佐文旦のカクテルも、「素晴らしい!」の一言。ベースはウオッカ。その他の隠し味は、マスターの“マジック”。珍しい果物と極上のカクテルに出合えるのが、この天満橋の「C」の醍醐味と言っていい。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/20
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フォト日記です(バラに興味のない方ごめんなさい)。昨年から始めたバラの栽培ですが、ことしも順調に育ちました。5月に入って、色とりどりの花が次々と咲いてくれています(写真下=花壇をほぼ真上から見た光景です)。 品種は、ブルームーン、テキーラ、金閣、アイスバーグ、芳純、アプリコット・ネクターです。冬越しの管理がうまくいったのか、今年の花は去年に比べて大ぶりです。 好天にも恵まれ、順調に育ってくれて、花が次々と咲いてゆきます。せっかくだから、切り花を花瓶に生けて、玄関に飾ってみました(写真上)。 ところで、我が家から車で20分ほど行ったところに公立のバラ園(「伊丹市立荒牧バラ公園」と言います)があります(写真上)。先日、初めて訪れてきました。約250種1万本のバラが見られて、しかも入場無料とは!太っ腹!! ホント嬉しいですねー。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/16
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GWの連休中にDVDで映画を4本まとめて観ました(いずれもサスペンス&ミステリー、アクション系のものばかり)。その内容の簡単な紹介とともに僕の感想&評価を、映画好きの皆さんのご参考までに記します。 1.16ブロック(2006年公開) 「ダイ・ハード」シリーズでお馴染みのブルース・ウィルス主演のサスペンス・アクション。証人護送の任務を言い渡されたニューヨーク市警の刑事(ウィルス)が、留置所から裁判所までのわずか16ブロックの間に、証人の殺害を狙う同じ市警の同僚らから執拗に襲撃され、行く手を阻まれます。果たして証人を無事に護送できるのか。 監督は「リーサル・ウェポン」シリーズのリチャード・ドナー。証人役のモス・デフも好演です。物語(約2時間での出来事)と映画を観る時間がほぼ同じで、シンクロして進行するという見せ方も面白いし、マンハッタンの街中での派手な銃撃戦など見せ場満載の映画です。【マイ評価】★4つ(5つで満点) ブルース・ウィルスはこういうサスペンス・アクションを演じさせたら、やはり上手いです。こういう危ない、くたびれた刑事役もハマリ役ですね。筋書きもそれなりに凝っていて、楽しめます。 2.インサイド マン(2006年公開) 銀行強盗グループと事件解決に向けて奔走する捜査官、そして現場に駆けつけた女性交渉人らの心理戦を描いたサスペンス。 監督は、鬼才スパイク・リーが務め、主人公の捜査官には、リー監督と『マルコムX』以来の顔合わせのデンゼル・ワシントン、そして銀行強盗を「クローサー」のクライブ・オーウェン、交渉人を「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスター、銀行のオーナーに「サウンド・オブ・ミュージック」の名優クリストファー・プラマーとほんと豪華なキャストです。この演技派俳優たちが見せる、手に汗握る駆け引きが見どころです。【マイ評価】★5つ 上質のサスペンスです。オチは明かせませんが、上手くひねっていて、僕的には満足できる出来です。まぁ、このキャストの組み合わせで駄作はあり得ないけどね。 3.デス・パズル(2005年公開) 4つのうちでは、唯一のイギリス映画。サイコスリラー&ミステリーと宣伝されていますが、ホラーのような怖い映画ではありません。主演は「フル・モンティ」にも出ていたロバート・カーライルが、クールな中年刑事を熱演しています。 深夜の幹線道路で起きた交通事故。自殺と推測された男の遺品にカセットテープを発見した刑事(カーライル)は、そこに奇妙な告白が録音されていることを見つけます。直前にガソリンスタンドの防犯カメラに写っていた男は何者かに追われているような様子だった。 そしてその後、男の子ども時代の友人たちも次々と亡くなってゆく。捜査が進むうち、30年前に迷宮入りになったある少女の殺人事件にたどり着くのだが…。【マイ評価】★3つ半 前半のおどろおどろしい展開はなかなかいいのに、オチがねぇ、少し芸がないと言うか…。 4.容疑者(2002年公開。原題は「City by the Sea」) ブルックリン・ビーチに麻薬密売人の他殺死体が上がり、ニューヨーク市警の刑事ヴィンセント(ロバート・デ・ニーロ)は、殺害場所が自分の故郷ロング・アイランドであることを突き止める。だが、犯行に使われた銃に残った指紋から浮上した容疑者は、ヴィンセントが離婚した妻との間にもうけた息子だった。 一人の刑事と、かつて妻子を見捨てた罪を悔いながら息子を守ろうとする一人の父親との間で、苦悩し続けるヴィンセント。殺人事件の捜査を通して、親子の絆(きずな)を改めて見つめ直すことに。オスカー俳優、デ・ニーロが難しい役柄を見事に演じきっています。【マイ評価】★3つ半 サスペンス・アクションというふれ込みだが、見終わってみると、これは父と息子の絆の再生の物語。どちらかと言えば「人情もの」でした。サスペンスを期待する人は観ない方がいいかも。こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/12
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急な出張で久々の東京。仕事の後のBAR巡りの時間が楽しみと言いたいところだが、今回はあまり時間もなく、残念ながら駆け足の3軒。 スタートは夜9時ごろ。この夜は銀座や新橋はあえて避けて、下町のBARに絞ってお邪魔することに。まず、地下鉄千代田線で「根津」という駅へ。そこから北へ数分歩いたところの一軒家の1階に、目指す酒場はあった。 その名も「根津BAR」(写真左)。カウンターが10席弱、4人掛けのテーブルが2つ。和の雰囲気を生かしたとても素敵な空間。マスターのKさんは銀座の老舗BAR「D」で修業した後、銀座で数年間、自分の店を営んだ後、今の根津に移って来たという。 「頼まれて、とりあえず2年くらいやってみようと始めた」そうだが、もう6年になる。「下町のこんなBARもいいかなぁ…と、今ではとても気に入っています」とKさん。 「ご近所さんが多いんでしょうね?」と聞くと、「(周辺には)共稼ぎの若いご夫婦が多くて、よく来ていただいてます」とのこと。うちの近所にもこんなBARがあればいいなぁ…。根津の住民を羨ましく思う僕。 2軒目は同じ千代田線をひと駅戻って、湯島で下車。駅の南西へ緩い坂道を上り、ビルの地下にあるというその店を探した。 店の存在を教えてくれた僕の友人は「結構見つけにくいよー」と言っていたが、地下へ下りる1階の入り口に、灯(あか)りのともる立て看板があったので、意外と簡単だった。 変わった名前の店だ。「太陽と星のBAR」(写真右)。変わっているのは名前だけではない。扉は金属製で、樽を半分に切ったようなユニークな形。暗いライティングの店内は、インテリア(オブジェ)や置物など小物にもアーティスティックなこだわりに溢れている。 それもそのはず、マスターのAさんは東京芸大出身という風変わりな経歴の持ち主と聞いて納得。一見、気むずかしそうな感じの方だが、意外や意外。カウンター座った初めての僕に対して、Aさんは、「誰かの紹介ですか? あっ、出張ですか? どちらから?」などと、あれこれと親しげに話しかけてくれた。 オープンして今年で16年。「場所が場所ですけど、まぁなんとかやってます」とAさん。周辺はマンションやラブホテルの多い、静かだけど少し怪しげなエリア。そんな闇の中に浮かぶ光ような看板。まさに「隠れ家」と言うにふさわしい素敵な酒場。「密会」には最高の舞台だが、東京にそんな相手がいればの話。 さて、最後の3軒目はタクシーを5分ほど飛ばして浅草へ。この夜、最後の店に選んだのは浅草駅近くの「dr」(「ディーアー」と読むそうな)=写真左。 浅草の駅から近く、広い通りに面しているのに、意外と静かなロケーション。周りはマンションや事務所ビル、住宅が多く、人通りはそう多くない。「通り一つ隔てるだけで全然違うんですよ」とマスターのGさん。 ことしで開業18年。浅草界隈では知られたBARで、その存在を10年くらい前から知っていた僕だが、恥ずかしながらこの日が初めての訪問だった。 ジャズの流れる落ち着いた雰囲気。カウンターやテーブル席からはガラス越しに坪庭が見える。外は静かだが、店内は深夜にもかかわらず、カップルやグループ客で賑わっていた。 スタートが遅かったため、もう日付は変わりかけている。「dr」で飲む、この夜最後の2杯はシングルモルト、そしてレッド・アイと決めていたので、そのように頼んだ。 だが後で、Gさんがフルーツ・カクテルの名手だと知って、しまったと思った。「次回お邪魔する時には必ず頼もう」と誓う。にこやかな笑顔が素敵だったGさん、今宵のおもてなし有難うございました(【追記】今回は、なぜか3枚とも玄関の写真になってしまった。いずれの店も店内が暗すぎてノーフラでは写らず、泣く泣く断念)。【根津BAR】東京都文京区根津1-22-16 03-3822-9095 6時~2時 日祝休 【太陽と星のBAR】文京区湯島3-3-3 湯島高柳ビルB1F 5688-0044 7時~2時 日祝休 【Bar・dr】台東区雷門2-3-12 B1F 5828-3424 6時半~2時 日休こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/09
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黄金連休の間、人混みは嫌いなのでほとんど自宅か自宅周辺をうろうろしていたのですが、3日に連れ合いと唯一、日帰りで近場の旅に出かけて参りました。 行き先は播州赤穂。いちおう僕の住んでいるところと同じ兵庫県なんですが、ほとんど岡山県境そば。阪神間からはJRの各停と新快速を乗り継ぎ、約2時間かかります(写真左=JR赤穂駅前。大石内蔵助の銅像が迎えてくれます)。 なぜ赤穂を選んだのかは、あまり深い理由はありません。赤穂浪士の故郷として有名な地なのに、恥ずかしながら、関西に住んでいてまだ一度も訪れたことがなかったからです。昼頃、赤穂駅に到着。連休の観光地と言えば、どこも凄い混雑というイメージですが、赤穂駅前は観光客もまばらで閑散としていて、ちょっと拍子抜けでした。 赤穂と言えば、昔から塩田と製塩業で有名ですが、現在では昔ながらの塩田はありません。地元の有名な塩ブランドは今ではほとんど近代的な工場での生産です。塩にちなんだ土産物屋さんも多く、塩味饅頭という名産品もありました。 それはともかく、まずは腹ごしらえ。何を食べようかと迷った末に、地元の名物、穴重(ウナ重の穴子版)=写真右=にしました。赤穂城に行く道中(駅から15分ほどです)にある穴子料理のお店へ。 明石から加古川、赤穂にかけての瀬戸内は美味しい穴子が採れることで有名です。1200円也の穴重は、脂のよく乗った穴子が1匹乗っていてボリュームたっぷりで、文句なしに旨かったです。 食事も終えた僕らは赤穂城(写真左=城の大手門)へ。赤穂城はご存じのように元禄14年(1701年)のあの江戸城・松の廊下での吉良上野介への刃傷沙汰で、即日切腹させられた赤穂藩主・浅野内匠頭(たくみのかみ)が城主だった城です。 しかし、内匠頭の事件のために赤穂城は幕府に没収され、浅野家は断絶処分。家臣たちは路頭に迷うことになります。筆頭家老の大石内蔵助良雄はお家再興のため奔走しますが、その望みが断たれたと分かると、今度は主君の無念を晴らすために仇討ち(吉良邸討ち入り)を決意することになります。 城門をくぐるとすぐに、その大石内蔵助邸の長屋門(写真右)が目に入ります。主君の刃傷沙汰を知らせるために、江戸屋敷詰め家臣2人は、赤穂まで四日半という驚異的な早籠で駆け付けました。その江戸詰め家臣らが叩いたのがこの長屋門の扉だったといいます。 大石邸の建物はその後火事で焼けて、現存しているのは、残念ながらこの長屋門だけです。大石はここで、主君切腹の報をどんな思いで聞いたのでしょうか。 城内には、大石を祀った大石神社(明治になってから建立されたとか)というのもあり、その宝物館(写真左)には大石ら義士直筆の書状や討ち入りの際に使ったと言う采配、呼び笛等の遺品が展示されています。 駅への帰途には、四十七士の墓のある花岳寺(写真右下)に寄りました(東京の泉岳寺とは違って、こちらは遺髪だけという話ですが)。赤穂はとにかく忠臣蔵一色の町です。 仇討ちは、法治国家となった現代では法に背く行為で、「テロ」とも言われるでしょう。しかし、江戸の世では幕府の諸法度がすべてで、理不尽な行為に対して罰を与える公正・公平な仕組みはほとんどありませんでした。 あの時代、武士を生業(なりわい)として生きる場合、「主君への忠義」がもっとも大切な価値観の一つでした。「無念の死を遂げた主君の恨みを晴らすこと」は家臣の武士なら、まず実行すべき課題でした。 ただ、内匠頭の家臣すべてが討ち入りに参加したわけではありません。「お家再興」を優先し、仇討ちには反対した家臣も少なくありませんでした。残される家族(=自分が死ねば養う者がいなくなる)のことを思い、討ち入りに加わらなかった人たちも多かったわけで、必ずしも「忠義」が武士の最優先の価値観でなかったことも事実です。 それはともかく、(昨今の中東での自爆テロには何ら共感はできませんが)四十七人の士(さむらい)たちが、主君の無念を晴らすために自らの命を捧げた忠義には、純粋に心を打たれます(唯一、足軽だった寺坂吉右衛門にはお咎めはなく、生き延びましたが…)(写真左=土産に買って帰った「塩のぐい呑み」。これで日本酒を冷やで飲むと塩味が効いて、結構はまります)。 とくに、父内蔵助とともに討ち入りし、その後切腹した16歳の大石主税(ちから)や、もう一人18歳だった矢頭右衛門七らのことを思うと、「いま彼らよりずっと長く齢を重ねてしまった僕は、生き恥をさらさずに生きているだろうか」と、考えさせられたひとときでした。 PS.晩飯のことを書くのを忘れました。帰途、三宮で途中下車し、スペイン・バルでタパスをあれこれしっかり堪能してきました。もちろん、バルの後にはBARも1軒忘れずに立ち寄りました(^_^)vこちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/05
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久々に映画のことを。「スピード」シリーズの名コンビ、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックの12年ぶりの共演として話題になった「イルマーレ」(2006年公開。原題は「ザ・レイク・ハウス」)。 ミステリー・サスペンス系が好きな僕としては、珍しくラブ・ストーリー。キアヌやサンドラは個人的には好きでも嫌いでもない俳優だが、そんな彼ら主演の映画を観たのはそのミステリアスなストーリーに惹かれたから…。あらすじは以下のようなもの。 湖岸に建つガラス張りの一軒家に住んでいた女医のケイト(サンドラ・ブロック)は、慣れ親しんだその家から引っ越すことになった。荷物をまとめたケイトは、郵便受けに次の住人あての手紙を残す。 そしてその家に移ってきた建築士のアレックス(キアヌ・リーブス)は、ケイトからの次のような手紙を見つける。「ここでの生活を楽しんでね。郵便局に住所変更届を出したけど、きっと配達ミスがあるわ。その時は新しい住所に転送して下さいね」。 その後も二人は手紙で、自己紹介から始まり、趣味の話や悩みなど心の内を語り合うようになる一方で、自分たちの生きている時代になぜか2年の隔たりがあるという不思議な事実を知る。しかし文通を重ねるうち、互いの存在こそが、これまで求めていたものだと確信するようにもなる。 「どうしても会いたい」というケイトに対して、「場所を決めてくれたら、必ず行く。明日でどうだ?」と応じるアレックス。ケイトの生きている時間の“明日”に会うことを決意する二人。しかし、ケイトの明日はアレックスの2年後。 二人は、なかなか予約が取れないことで有名な、街で一番人気のレストラン「イルマーレ」で会う約束するのだが…。時を超え、二人は本当に出会うことができるのだろうか。運命を、未来を変えることはできるのだろうか。 結末は、観てのお楽しみというところだが、映画としては、心温まるラブ・ストーリーに仕上がっている。果たしてハッピーエンドになるのかどうか、観る人をドキドキさせる。 ただ、そもそも2年の時制の違いに生きる二人のやりとりを、さも同時進行しているように見せるというコンセプトが、やや現実離れしていて観る人を混乱させる。結末も含めて、見終わって、「それはちょっと無理があるやろー」と突っ込みを入れたくなる部分もあるが、それも映画(ファンタジー)だから許そう。 ちなみに、この「イルマーレ」は韓国映画のリメイクなんだとか。本家版も観てみようかかなという気持ちになったから、その意味では僕の心をとらえたのかな?((C )写真はいずれも映画会社のHPから)こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】
2007/05/02
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