Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2004/12/15
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カテゴリ: BAR
 「大阪のBARは、東京のBARと、何か違うところはありますか?」。
昔、銀座のバーテンダーから、そんな質問を受けたことがある。

 「いや、東京であれ大阪であれ、店が違えばみんな違います。
1人ひとりの顔が違うように…。地域性の問題ではないのでは…」と僕は答えた。
しかし、その後しばらく考えた後、
「ただし、バーテンダーには、東西で違いはあるかも…」と付け加えた。

 東京のバーテンダーは、所作や接客がスマートで、おしゃれだ。
でも、どちらかと言えば、口数の少ない人が多いような気がする。
寡黙は、時として冷たい印象にも通じる。カウンターで向かい合う客としては、


 昔、東京在住の知人が、銀座のある有名なバーテンダーのいるBARへ連れて行ってくれた。
このバーテンダーは、数々のカクテル・コンペで優勝経験もある、すばらしい技術を持った方だ。
知人は何度か来たことがあって、彼とは顔見知りだった。
僕は「関西から来た**です」と自己紹介した。そして、「お噂はかねがね…」と挨拶した。

 だが、そのバーテンダーは、とにかく口数が少ない。
僕がいろいろ話題を振ろうともほとんど関心は示さず、
余計なお世辞や外交辞令も口にせず、ただ黙々とシェーカーを振っていた。
(もちろん失礼なふるまいなどは、全くなかったのだが…)。

 対して大阪のバーテンダーは、概して人なつっこくて、気さくだ。
話好きで、初めての客の懐にでも、どんどん入ってくる。客との「距離」がとても近い。
それは時として、「おせっかい」「わずらわしい」「あつかましい」などと言われるくらい。


「乗客同士の会話がみんな漫才に聞こえる」とよく言うが、
大阪のバーテンダーにも話術が巧みな人が、実に多い。
なかには、漫才師顔負けのトークをする人もいる。「客が親しみを感じる」という点では、
大阪のバーテンダーの方が、圧倒的に得をしているかもしれない。

 もちろん、だからと言って僕は、東京のバーテンダーが嫌いではない。

年に一度くらいしか現れない僕を、懐かしそうに迎え、
覚えていてくれるバーテンダーはいっぱいいる。

 以前、酒好きの友人と、そのBARが好きになる「ものさし」は何だろうかと、
いろいろと議論になったことがある。

 接客、サービス、(カクテルなどの)技術、酒の知識、品揃え、店の雰囲気、お値段…と、
いろんな「ものさし」が話題になったが、
「やはり、最終的には、バーテンダーの人柄かなぁ」ということで、2人の意見は一致した。

 バーテンダーの人柄は、客との「相性」もからむので、何とも言えない。
が、あえて言えば、僕は、寡黙なバーテンダーよりは、
気さくに話しかけてくれるバーテンダーが好きだ。

 僕にとっての「理想のバーテンダー像」は、適度に話好きで、
客との適度な「距離」も保ってくれる人、ということになるだろうか。






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Last updated  2005/01/09 08:06:23 PM
コメント(11) | コメントを書く


■コメント

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Re:「理想のバーテンダー」って/12月15日(水)(12/15)  
僕もそう思います。
決してコンペで勝っても飯は食えません。
でも、みんな必死でコンペにチャレンジするのは、コンペは人磨くからだと思います。
歴代のチャンピオンは皆さん人間的にも素晴らしいです。
銀座も横浜も、新地も祇園も、良いバーテンダーには共通点があると思います。
僕は関東のバーも関西のバーも好きです。
本気でやってるバーテンダーは、皆さん素晴らしい方々だと、僕は思います。
神戸も良いバーたくさんありますよね。 (2004/12/15 02:58:21 AM)

いいバーテンダー  
ミスターK さん
いいバーテンダー、、ていうのは、いいお客様がいるからこそだと思います。小生、この業界にて8年足らず、お客様から教わったことたっぷりあります。ほんまの話、お客様なしで今の小生はいませんから、、、お客様に感謝、感謝。 (2004/12/15 05:07:39 AM)

バーテンダー治療院さんへ  
 ご訪問ありがとうございます。
お時間があれば、また遊びに来て、書き込みでもしていってください。
(2004/12/15 12:50:40 PM)

ミスターKさんへ  
 ご再訪ありがとうございます。
 「ほんまの話、お客様なしで今の小生はいませんから…」との謙虚なお言葉ですが、
客から教わることには、有益なものだけではなく、時には有害(?)なものもあるかもしれません。

 「悪い客はバーテンダーを堕落させる」とも言います(バーテンダーが生き甲斐だったはずなのに、
いつのまにかビジネスマンになってしまったりしては、悲しいですね)。

 どんな仕事でもそうでしょうが、他人が教えてくれることは部分的なものです。
また、教えてもらっただけで、すぐ身に付く訳でもありません。
それをどう生かすかは、後は本人の努力と工夫にかかってくるでしょう。

 (先輩や客から)教わるだけではなく、きっとご自身の日々の精進もあって、
ミスターKさんの「今」があるのだと思いますよ。

 初心を忘れず、さらに素晴らしいバーテンダーを目指してください。
なんて、格好いいこと言いましたが、いつか貴方の店へ行ったら、
サービスしてくださいね(笑)。 (2004/12/15 03:44:55 PM)

こんばんわ^^  
na_geanna_m  さん
僕は銀座でバーの仕事を5年ほどしていましたが、
そこまで、そっけなくはなかったかな・・
その辺は臨機応変に・・って感じでしたね。

ただ、僕は銀座のBARで働いている、誇りとプライドは
ありましたね。それがお客様との「距離」が遠く
感じさせることになっていたにかもしれません。

銀座のBARの歴史、伝統を汚したくない気持ちが強く、
先輩方の姿をみて、学んでいた日々でした。

今は田舎に戻っているので、この街にあった、自分の
スタイルで仕事をしています。
相手次第でおしゃべりになったり・・色々ですね。

(2004/12/15 08:03:32 PM)

2500人目  
Lady Bird  さん
今朝の朝日新聞に大きく 「漫画家憩うバー閉店へ」 銀座ベレー
というのが載っていました。横山隆一さんが名付け親ですとか。
漫画家や編集者文化人も多く集まったベレーが今月末に48年間の歴史を閉じるというのです。
バーテンダーは女性ですが 女性の場合はママと呼ばれるのですか?

えっ 私が2500人目だったんですか? なんとも縁起がいいですね。
これからもうらんかんろさんの洞察力するどい日記を楽しみにしています。
(2004/12/15 09:51:13 PM)

na_geanna_mさんへ  
 おはようございます。
 東京のバーテンダーの方すべてに寡黙で、素っ気ない印象を感じる訳ではありません。
口数は少ないながらも、結構話しかけてくれるバーテンダーもいます。

 関西のBARのことを聞こうと、あれこれ質問してくる方もいます。
コンペに出ている共通の知り合いの話で盛り上がったりもします。
(もちろん、ジョークや駄洒落を連発するような人は少ないですが…(^_^;)。

 モルトの品揃えで有名な、南青山のBARのMさんなんて、結構おしゃべり好きです。
初めて人に対しても、気さくにどんどん話しかけてきます。

 僕がモルト好きと分かると、次々と珍しいボトルを、これでもかこれでもかとカウンターに並べ、
いろいろと説明してくれたり、サービス精神たっぷりの方でした。 

 少し誤解を与えるような書き方をしたかも、と反省していますが、
口数が少ない=親しみを感じない、という訳では全くありません。

 大阪のバーテンダーが、いくら気さくで話好きでも、なかには接客がややぞんないな方や、
皮肉めいた言い方が多すぎて、ちょっと合わない方もいます。

 要は、東京であれ、大阪であれ、バーテンダーの人柄次第で、
ホスピタリティがどこまで客に伝わってくるか、だと思っています。
(2004/12/16 11:08:19 AM)

Lady Birdさんへ  
 朝日新聞東京版に出ていた、「漫画家憩うバー閉店へ/銀座ベレー」の記事、
東京の友人にFAXで送ってもらい、読みました。

 「ボルドー」「ル・パン」という有名な老舗BARは知っていましたが、
銀座にまだこんな凄い店があったとは、僕も知らず、驚きました(やはり銀座は奥が深い)。

 女性バーテンダーは、最近ではそう珍しくありませんが、
この伊藤すま子さんが仕事につかれた1950年代には、本当に珍しかったと思います。

 BARですから、バーテンダーをされている女性には敬意を表して、
普通「ママ」とは言いません。「ママ」と呼ぶのはスナックかラウンジみたいです。
(そういう意味ではこの記事は少し失礼かも…)。

 最近は、バーテンダーは男に対する言い方だし、
「女性バーテンダー」なんて言うのも失礼だからと、
「バーテンドレス」なんて言うこともあります。

(2004/12/16 11:24:04 AM)

つづき・・  
na_geanna_m  さん
こんにちは
> 少し誤解を与えるような書き方をしたかも、と反省していますが、
>口数が少ない=親しみを感じない、という訳では全くありません。

お話の意図はわかっているつもりです。
僕が誤解を与えるような書き方をしたのかもしれません。
こちらこそ、申し訳ありませんでした。

ようは『人間性』の一言に尽きますね^^
僕もそこを大事にしています^^(まだまだですが・・)

伝わりずらい文章で申し訳ありませんでした。
これからもよろしくお願いします。

(2004/12/16 03:50:03 PM)

Re:「理想のバーテンダー」って/12月15日(水)(12/15)  
ぶーきち さん
理想のバーテンダーと問われて「こういう感じ」というのがあるのは経験の賜物ですよね。それだけ全国各地のバーに行き、バーテンダーの方と何かしらの対話をしてるってことでしょ。
素敵だ・・と思ってしまいました。

私の理想のバーテンダーさんは、私にあわせて接してくださる方です(我侭な意見でしょうか・・)

上から見るのでもへりくだって見るのでもなく、同じ目線に存在している方だと安心します。

私がよく行くバーのバーテンダーの方たちは、皆さんそうなので居心地がとてもいいんです。

私が尊敬していて大好きな方が、バーに詳しくて、ご一緒する時は必ず、その方お気に入りのバーに連れて行ってくださるのですが、どのお店も素敵なバーテンダーさんがいるので、居心地がよすぎて長居してしまいます。

バーを出た後「素敵な時間を過ごせたな」と感じさせてくれるバーテンダーさんが理想というか、素敵なバーテンダーさん・・かな。


(2004/12/23 04:27:39 PM)

ぶーきちさんへ  
 ご訪問&書き込み有難うございました。
お誉めの言葉頂いて、本当に恐縮しています。

>上から見るのでもへりくだって見るのでもなく、同じ目線に存在している方だと安心します。

 「同じ目線」って本当に大切なことですよねー。
僕の好きなバーテンダーの皆さんは、それがきっちりできている方が多いです。

 お時間があれば、また気軽にいろいろ書き込みしていってくださいね。
(2004/12/24 02:21:56 PM)

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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