Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2005/07/15
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カテゴリ: BAR
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 東京の湯島と言えば、関西人の僕には、「湯島天神」のイメージしか浮かんでこない。東京に出張へ行っても、銀座のBARが中心だから、湯島まで足を伸ばすことはまず、ない。湯島を訪れたのは、その昔(と言っても、かなり昔のこと)、「湯島に、いいBARがあるんですよ」と、東京在住の友人に連れていかれたのが初めてだった。Bar「琥珀」

 飲食店がひしめき合い、細い路地の多い下町。そんな界隈の、比較的近いエリアに3軒もの「Good Bar」が集まっていることに、とても驚いた記憶がある。その3軒の名とは「琥珀」「EST(エスト)!」「AB・・E(アベ)」。ともに住所は「湯島3丁目」。続く番地が一つずつ隣同士という不思議な関係だった。

 歴史的に言うと、「琥珀」( 写真左上 )が昭和30年(1955)の開業で、一番古い。「EST!」と「AB・・E」はいつ頃の創業か、正確には知らない。ただ、「EST!」は20年ほど前僕が訪れた際、すでに老舗の風格を漂わせていたので、きっと1970年代初めのオープンだと想像している。

 唯一、「AB・・E」は、僕の記憶ではマスターはまだ若かったので、おそらくは開業まもない80年代の半ばにお邪魔したのだと思う。その「AB・・E」も、今では、もうすっかり老舗BARの仲間入りをしている。湯島「EST!」

 「琥珀」は、現在のマスター木村文比古さんのお母さん淑子さん(故人)が創業した。お母さんがご健在で、店に出ておられた頃は、作家の三島由紀夫や阿部知二、木下順二ら文人がよく集うBARだった。三島は入り口奥のテーブル席の中央がお気に入りだった。三島の愛したテーブル席は今も残り、店内は昭和の良き時代の雰囲気をとてもよく伝えている。

 「EST!」( 写真右 )も、古き良き時代のBARという場所だった。白いバー・コートを着た渡邊昭男さんという方がマスターだったが、関西から訪ねてきた若造を実に温かく迎えてくれた。カクテルが得意な渡邊さんのジン・リッキーに、思わず「ホンマに旨い!」と、隠していた関西弁が出てしまった思い出がある。

 ちなみに、渡邊さんの息子さん兄弟もバーテンダーになり、現在は東京・新橋で「Atrium」というBARを営んでいるという。やはりBARへの情熱は、親から子へ、脈々と受け継がれていったということだろうか。Bar 「AB・・E」

 「AB・・E」( 写真左下 =切り絵に描かれたオーナー・バーテンダーの阿部勝康さん。 (C )成田一徹 )は前の2つの店に比べると、こじんまりした、スタイリッシュなBARだった。長身の阿部さんは、真面目そうで、口数の少ない方だったように記憶しているが、まるで、馴染みのBARような居心地の良さを感じさせてくれる空間だった。

 実は、僕を案内してくれた友人は、この湯島から徒歩でも帰れる場所に住んでいた(現在も!)。「ネイバーフッド・バー」という言葉があるが、自宅の身近に、そんな素敵なBARを3軒も持っている友人が、僕は羨ましくて仕方がなかった。

 湯島とも、もう随分ご無沙汰している。ただ、聞くところでは、現在の湯島は、風俗店と客引きが増えて、「街の雰囲気も、随分変わってしまった」と老舗BARのマスターらは嘆いているという。それはともかく、次回、東京出張があった際は、「久々に湯島の名BAR巡りでも」と目論んでいる僕である。

【琥珀】 =文京区湯島3丁目44-1 電話03-3831-3913  【EST!】 =同湯島3丁目45-3 電話3831-0403  【AB・・E】 =同湯島3丁目43-11 電話3831-5755






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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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