Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2006/07/02
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テーマ: お酒大好き(5770)
カテゴリ:
4月20日の日記 Absente

 アブサンはもともと18世紀初め、仏人医師がスイスで薬として開発したものと伝えられているが、現在ではお酒としての方が有名(ちなみに、水島新司の漫画「あぶさん」の主人公の名もこの酒に由来するとか)。

 ニガヨモギ、アニス、ウイキョウ、ハッカなど様々な薬草を原料にしたもので、水と混ぜたり、氷を入れる白濁するのが特徴。アルコール度数は一般的に60~70度くらいと高めで、とてもヘビーな味わいだ( 写真左 =国内で流通しているアブサンのうち、代表的な商品。度数も55度とややマイルド)。

 退廃的な雰囲気に満ちていた19世紀の欧州。幻覚性もあることも人気を呼び、さまざまな商品が流通するようになった。ボードレーヌ、ヴェルレーヌ、モーパッサン、ロートレック、ゴーギャン、ゴッホ、ピカソら多くの有名な芸術家もこのアブサンにおぼれ、中毒となったことも有名だ。アブサンのロック

 しかしアブサンを有名にしたのは、この酒が生み出した社会問題。このヘビーな酒がもつ向精神作用、習慣性に起因する中毒患者の増加、そして飲酒が原因とみられる犯罪の急増だった。

 ゴッホは晩年起こした、有名な耳切り事件も、このアブサン中毒による精神病が原因とも言われている( 写真右 =先日、あるBARで飲んだアブサン=「Un Emile」という銘柄=のロック)。



 僕が飲酒を始めたのは70年代末。その頃の僕の常識としては、アブサンは大麻や覚醒剤と同様、口にしてはいけないものだった。だから、アブサンが解禁になったというニュースを聞いた時、「おいおい、ほんとに認めていいのかねぇ?」と思ったほど。アブサンいろいろ

 WHOは中毒性、幻覚性があるニガヨモギの成分「ツヨン(ツジョン)」を10%以下に抑えることを条件に許可したのだった(アブサンの名前も、ニガヨモギの学名=Artemisia Absinthium=から来ている)。

 日本国内でも、今では何種類もの輸入物のアブサンが流通している( 写真左 )。有名なペルノーもアブサンの一種と言っていいかも。現在では、ニガヨモギを主原料にしたものは少数派で、アニスなど他の香草を主原料としたものがほとんど。

 だから厳密な意味では、今のアブサンのほとんどは昔のアブサンとは違う。成分はマイルドなものになっている(もっとも、だからと言って昔の処方でアブサンを製造するのは、危険すぎるだろう。現在でもなお禁止している国もあるくらい)。

 アブサンは、何杯も飲める酒ではない。BAR巡りの最後の締めに飲む酒には強すぎる。でも、ビターズと同様、風邪をひいている時などには、これを飲めば、翌朝はきっと身体は元気を取り戻しているだろう。

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Last updated  2006/07/02 04:49:30 PM コメント(12) | コメントを書く


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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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