Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2012/05/17
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5月2日の日記 で、最近発売された角瓶の復刻版の裏側のラベルの住所が変わった(大阪・堂島浜→東京・台場)ことについて、うらんかんろは、サントリー社の姿勢を「悲しく思う」と記しました。

 この件について、先日友人がサントリーの関係者に会って僕の思いを伝えて、見解を尋ねてきてくれました。友人は、広報の責任者と会うことは叶わなかったのですが、同社のブレンダーの方2人から直接、話を聞くことができたそうです。

 ブレンダーの御二方の説明は、要約以下の通りだったとのことです。

 「弊社の製品を関西の方に愛して頂けていることに感謝しています。角瓶に関しては『変わらぬことが価値』ということで商品開発や営業とも意見がおおむね一致しており、可能な限り、昔のスタイルと味を維持するように努力しています。ご指摘の裏ラベルに関してですが、ご存知のように会社の組織変更に伴うもので、法律的な見地からも大阪から東京に変えざるを得なかったこと、悪しからずご了承いただければと思います。
 弊社としても、シェリー香を特徴とする昔の味を復元した特殊な商品でもあり、関係省庁と折衝の末、表側ラベルに本来は許可されない弊社の旧称である『壽屋』を使うことを許可して頂きました。かような事情を御推察頂き、引き続きサントリー製品を御愛顧いただければ幸いです」


 この説明を聞いて、僕が納得したかと言えば、そうではありません。法律的な見地というのは、2009年に、サントリー株式会社社が持ち株会社制に移行して、持ち株会社のサントリー・ホールディングス以外、すべての子会社の本社登記を東京へ移したことを指すのでしょう。ウイスキーなどアルコール類の製造・販売は、サントリー酒類(株)という子会社の担当となり、その本社登記は東京都港区台場2丁目に移されました。

 ある会社が食品類を製造・販売する際は、おそらく、その会社が本社登記した住所を明記しないといけないと法律で決まっていて、だから、2009年以降の製品については住所表記が変わるのはやむを得ないから理解してくれ、たとえ復刻版ボトルであっても、住所表記は変えられなかったんだということなのでしょう。

 法律的には仕方がないのかもしれません。結局は「そもそも論」に立ち返ってしまうのですが、やはりその企業の「創業の心」「存立の精神」とか、この場合は「ウイスキーづくりの原点」は何かということです。



 サントリーの場合、やはり原点は山崎蒸留所であり、大阪発祥の鳥井商店・壽屋ではなかったのでしょうか。今の角瓶はボトルデザインは基本、昔のものを継承していますが、ラベル表示を見ても、そうした「原点を大切にする心」はほとんど感じられません(唯一、鳥井信治郎さんの英文のサインが肩ラベルに見られるくらいでしょうか)。

 持ち株会社に移行することは、時代の流れとして仕方がなかったのかもしれません。しかし、ウイスキー製造・販売会社の本社登記はあくまで、「大阪市北区堂島浜2丁目」にこだわってほしかったと思うのは、僕だけでしょうか。

 一消費者がこれ以上言っても、「遠吼え」でしかなく、むなしいのでこの辺りでこの件にはケリを付けたいと思いますが、「創業地への愛」を忘れてしまったような姿勢に重ねがさね、悲しく情けない思いでいっぱいです。


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Last updated  2012/05/18 07:29:11 AMコメント(0) | コメントを書く


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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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