Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/10/22
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 71.ピスコ・サワー(Pisco Sour)

【現代の標準的なレシピ】 【スタイル】 シェイク(最後にもう一度ビターズを振る) ※ペルヴィアン・ビターはペルー産の”地ビターズ”です。アンゴスチュラ・ビタースで代用してもまったく構いません。

 「ピスコ・サワー」は近年のクラシック・カクテル再評価の潮流で、再び脚光を浴びてきたカクテルです。爽やかな酸味と、卵白の柔らかな舌触りが絶妙に調和した味わいが特徴で、欧米では大都市を中心に、提供するバーが増えてきています。

 20世紀初頭にペルーの首都リマで誕生したカクテルと伝わっていますが、現代レシピの原型をつくり、普及に貢献したのは、1916年にリマでアメリカンスタイルのバーをオープンした米国人バーテンダー、ヴィクター・ボーン・モリス(Victor Vaughn Morris)だったと言われています(出典:Wikipedia英語版など)。当初あまり知名度はないカクテルでしたが、30年代に米国西海岸へ伝わり、50年代に入ってハリウッド・スターらに愛飲されるようになって、さらに人気が高まってきたと言われています。

 ベースに使われている「ピスコ・ブランデー」とは、ペルー原産のマスカット系ブドウを原料にしたホワイト・ブランデーで、最近では日本でも数種類の銘柄が輸入販売されています(現在ではチリでも生産されています)。「Pisco」とは古代インカの言葉で「鳥」を意味するとのことです(出典:同)。

 カクテル史に詳しい米国のバーテンダー、ジム・ミーハン氏によれば、印刷物に残る最も古いピスコ・サワーの記録は、1903年、「Nueva Manual de Cocina a la Criolla」(S.E.Redezma著)とのこと。欧米のカクテルブックで「ピスコ・サワー」が初めて紹介されたのは、現時点で確認できた限りでは、1947年に米国で出版された「Trader Vic's Bartender's Guide」(Victor Bergeron著)です。そのレシピは「ピスコ・ブランデー1オンス、シュガー・シロップ1dash、ライム・ジュース半個分、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、卵白1個分(シェイク)」となっています。

 また著者のBergeronは、当時リマにあった「ホテル・モーリー」のバーで提供されていたピスコ・サワーのレシピも、併せて紹介しています。そのレシピは「ピスコ・ブランデー1オンス、シュガー・シロップ4分の1オンス、バー・シュガー少々、レモン・ジュース4分の1オンス、卵白4分の1個分、アンゴスチュラ・ビターズ(シェイクした後に、振る)」となっています。

 なお、Bergeronはこの本の中で、ピスコ・サワーの思い出についてわざわざ以下のように記しています。
 「1934年頃だったと思う。オークランドのBarで働いていた午後遅い時間、店はヒマだった。その時、身なりの良い紳士が一人、店にやって来た。彼は私のすぐ前に座って、『ピスコ・サワーっていうやつをつくってくれ』と言った。すると、彼は私はつくった1杯をすぐに飲み干した後、すぐに『もう1杯お代わりを』と頼んだ。私は『ピスコ・サワーのことをどこで知ったのですか?』と尋ねた。彼は『数カ月前、インドへ旅行した時、飛行機の中で読んだ『Life Magazine』に出ていた(私の)ピスコ・サワーの記事を読んで、いつか飲んでみたいと思っていたんだ』と答えた。そして彼は実際、私のピスコ・サワーを飲むためだけに、サンフランシスコにやって来たんだよ」。

 Bergeronの記述からも分かるように、ピスコ・サワーは30年代には、雑誌『LIFE』に取り上げられるほど注目されており、米国西海岸の都市では、最新のトレンディなカクテルだったようです。

 ご参考までに、他の欧米のカクテルブックで「ピスコ・サワー」がどのように取り上げられているのかご紹介しようと思ったのですが、なぜか、「Trader Vic's…」以後、50~80年代のカクテルブックではあまり取り上げられることがなくなります(「ピスコ・パンチ」というカクテルはよく登場するのですが…。この理由はまた稿を改めて探究したいと思っています)。

 という訳で、90年代以降のカクテルブックから少しレシピを見ておきましょう(なお、欧米では「サワーグラスでロック・スタイル」というのが一般的のようですが、ショート・スタイルで提供するケースも少なくありません)。

・「American Bar」(Charles Schumann著、1994年刊)独
 ピスコ・ブランデー40ml、シュガー・シロップ10ml、レモン・ジュース20ml、マラスキーノ・チェリー=飾り(シェイク)※なぜか卵白を入れないレシピです

・「Cocktails In New York」(Anthony Giglio著、2004年刊)米
 ピスコ・ブランデー1.5オンス、シュガー1tsp、ライム・ジュース1個分、卵白1個分、ソーダ(適量)、ビターズ(シェイクした後に、振る)

・「The Book of Cocktails」(Salamander Books編、2006年刊)英
 ピスコ・ブランデー1.5オンス、シュガー1tsp、レモン・ジュース4分の3オンス、レモン・スライス&マラスキーノ・チェリー=飾り、グラスは砂糖でスノー・スタイルに(シェイク)※このレシピも卵白なしです

・「Complete World Bartender Guide」(Bob Sennett編、2009年刊)米
 ピスコ・ブランデー2オンス、シュガー・シロップ1.5tsp、ライム・ジュース1tsp、卵白1個分アンゴスチュラ・ビターズ1~2dash(シェイクした後に、振る)

 ちなみに、チリでは「ピスコ・サワーは1872年、チリ北部の港町イキケ(Iquique)のBarで、エリオット・スタブ(Elliot Stubb)という英国人によって考案された」と、ペルー発祥説に異論を唱える関係者もいます(出典:Wikipedia英語版)が、一般的には「ペルー説」が定着しています。

【確認できる日本初出資料】 近年、日本でも知名度は出てきたカクテルですが、きちんとした形で「ピスコ・サワー」を紹介しているカクテルブックは、現時点で確認できた限りでは「スタアバーのカクテルブック」(岸久著、2015年刊)くらいです。そのレシピは、「ピスコ・ブランデー45ml、シュガー・シロップ7ml、レモン・ジュース15ml、卵白1個分、アンゴスチュラ・ビターズ3dash=最後に振る(ビターズ以外をブレンダーにかけた後、さらにシェイク)」です。
 ※これ以前にピスコ・サワーが掲載された日本のカクテルブックをご存知の方はご教示くださいませ( → ご連絡は、arkwez@gmail.com までお願いします)。



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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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