AZURE702さん

ま、池田さんの本は1990年の本ですから、もうかれこれ20年近く前の話ということになるわけですね。

ただ池田さんも外国で認められた後、ようやk絵で食えるようになった人ですから、その辺のことはよく分かっているのだろうと思います。

しかし、池田満寿夫も指摘していますが、あの「この画家は、号いくら」という基準、あれはおかしなシステムですね! (October 22, 2007 09:55:23 PM)

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October 21, 2007
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カテゴリ: 教授の読書日記

広島市現代美術館で開かれている「マネー・トーク」という展覧会を通じ、この美術館に収蔵されている代表的な美術品の購入価格を一通り見て、色々感慨を得た、という話は先日しました。

で、それに触発されたわけでもないのですが、つい先日、池田満寿夫の書いた『美の値段』(光文社)という本が私の「池田満寿夫・エッセイコレクション」に入ることになったので、これも何かの符号かと、ついつい一気に読んでしまいました。

ま、この本はそのタイトルからもわかるように、そもそも芸術作品たる絵に値段がついて市場に流通するとはどういうことか、ということを、芸術家サイドからの体験談も含めて語ったもので、私自身、細々と絵や版画を購入することもあるものですから、その意味でも非常に興味深いところがありましたね。

で、この本を読んでいて、「へえ、そんなもんかねえ」と思った点が幾つかあるんですが、例えば、今日本で売れている画家の大半が日本画家であって、洋画家ではないなんてことも、この本を読んで知りました。しかもその現代日本画というのは、(浮世絵などと違って)ほとんど日本国内でしか流通していないんですってね。

しかも、この日本画市場というのは、政治がらみ・選挙がらみでにわかに景気づくことがあるんですって。

どういうことかと申しますと、有力代議士に対し、後援会か何かが有名日本画家の絵をこぞって贈ったりすることがあるからなんですな。もちろん絵を贈られた方の代議士は、すぐにこれを画商に売り払ってお金を受け取る、と。つまり直接金銭の授受なしに、ちゃーんとしかるべき「弾」が代議士の元に届く、という仕組みになっているわけ。

また大きなビルが建ったりすると、その玄関ホールに飾るよう、建築会社がビルのオーナーに大きな絵を贈る習慣が日本にはあるらしいのですが、そういう時にも大概は日本画、しかも「芸術院会員」か何かのエライ日本画の大家の作品が常に選ばれるのだそうで、日本画というのは、こういう形でしっかりとしたマーケットが作り上げられているのだとか。

あと、これも非常に面白いと思ったのですが、通常、画家が死ぬと「もうこれ以上、新作が生まれない」という理由から、その画家の作品の値段は上るのだそうですけど、日本画の場合は逆に下がるんですってね。

日本画の場合、先に述べたように確固とした市場があるので、著名な画家の新作が出れば、それは必ず売れる。ですから画商としては、それらの著名画家の覚えをよくし、新作を回してもらえるよう、実際の市場価値よりも高めの値段で競って新作を買うんだそうです。ところが、その画家が死んでしまえば、どっちにしろ新作はもらえなくなるわけですから、じゃあその絵の価値通りの値段で行きましょうということになり、2割3割という率でガクンと値段が下がるというわけ。



だから「絵の値段」と「美の価値」というのは、必ずしも一致しない、いや、大抵一致しないわけですよ。

となれば結局一番いいのは、自分で美の価値に値段をつけること、すなわち、自分がいいと思い、かつ自分の財布の中身で何とか買える絵を買うこと、なんでしょうな。満寿夫も言ってますが、そのアーティストに対する最高の評価は、その人の絵を買うことだそうですから。

というわけで池田満寿夫の『美の値段』、短い書き下ろしの本ですけど、私は楽しみながら読むことができました。もちろん既に絶版になっているので、ちょっと探さないと出て来ない本ではありますが、興味のある方には教授のおすすめ!と言っておきましょう。





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Last updated  October 22, 2007 12:18:08 AM
コメント(6) | コメントを書く


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美の値段  
抽象画と裸婦像は、どちらも好きなんだけどな、、

それにつけても、うちの奥さんは高くついたな、、 (October 22, 2007 04:56:24 AM)

Re:絵の値段(10/21)  
中学校の美術の時間は、苦痛でした。
教科書には大抵、値段の高い有名どころの絵が
ズラ~と並んでいます。
【ピカソの絵の素晴らしさを書きなさい。】
等と言われても、ピンとこないんですよね。
今でも疑問です。
正解はあったんでしょうか?(◎_◎。)

(October 22, 2007 11:49:48 AM)

Re:絵の値段(10/21)  
AZURE702  さん
池田氏の観察と意見は概ねで正しいとは思いますが、現代日本画の国際性についてはいささか時代遅れになっているでしょう。たぶん現代美術(コンテンポラリー・アート)という範疇で登場する作品もまた、多くはないにしろ国際的に注目されています。美術というのはナマモノですから。
身も蓋もないことを言うようですが、美術は何万年という人智の積み重ねですから、そして「物」ですから、政治や経済がらみでキワモノにもなれば「屍」として葬りさられることもある。けれども、そこはそれ、そのように扱われるものには扱われるだけの「値打」があるということでしょう。お絵かきをしているのではないのですから。人智としての美術の素養のない一般の人には、その差がわからないだけです。歴然とした差があるのですがね。そうでなければ芸術大学や大学院など存在するはずはないでしょうし、そこを卒業したからといって作品がうまれるものでもないわけで・・・。
最近ですかね、日本の美術専門学校等で、アート・マネイジングを教えるところがでてきたのは。いずれにしろ、私もそうですが、作品をつくることが食べる手段であるのが美術家であることを、一般の人達は失念しがちなのではないでしょうか。 (October 22, 2007 05:40:07 PM)

Re:美の値段(10/21)  
釈迦楽  さん
Mike23さん

ジェーンさんは絵に譬えれば抽象画、それとも、ら・・・? (October 22, 2007 09:44:21 PM)

Re[1]:絵の値段(10/21)  
釈迦楽  さん
★二世帯でも同居は嫌じゃ!★さん

ピカソの絵の歴史的な価値から言えば、キュービスム以降の絵が一番価値があるということになるのでしょうが、「絵の値段」という点からいうと、最も価値のあるのはもっとずっと初期の作品、とりわけ「青の時代」の作品ということになります。

絵の値段というのはウソがつけないもので、買って家に飾るなら、ヘンテコリンな絵よりも、それがはっきり人間だとわかる絵の方がいいと、みんな思っているってことですね! (October 22, 2007 09:47:51 PM)

Re[1]:絵の値段(10/21)  
釈迦楽  さん

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