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July 2, 2014
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カテゴリ: 教授の読書日記
 ザッケローニ監督離日に際して、長谷部選手と内田選手が見送りに現れ、監督も感激していたとのこと。まあ、しかし、浪花節思考の私からすれば、結果はどうあれ4年間世話になった人が国に帰るのに、見送りがたった二人だけかぁ・・・って印象を受けますなあ。それぞれ、忙しいのではありましょうけど、それにしてもねえ。逆に、見送りに来た長谷部さんと内田さんはいい人だなって思います。特に長谷部さんは、ますますファンになっちゃうぜ。


 さてさて、今日は退屈な退屈な教授会だったのですが、私は内職に勤しみ、スペンサー・ジョンソン著『チーズはどこへ消えた?』という、ひと昔前の世界的ベストセラーを熟読しておりました。

 ちなみに本書の日本語版が出たのが2000年、今日私が読んでいた本は2014年版ですけど、この14年間になんと64刷。日本語版だけでもどのくらい売れているんだって感じ。ですから本書を読んだことがあるという方も多いのではないかと思いますが、一応、内容を説明しますと、登場人物は二匹のネズミと二人の小人。で、ネズミチームと小人チームがそれぞれ、チーズステーションという名の迷路のどこかに隠されているチーズを探すわけ。

 で、ネズミは馬鹿なんですけど、馬鹿な分、戦略もシンプルなので、迷路の中でチーズを探すとなれば、とにかく試行錯誤を繰り返しながら、ひたすら迷路を走り回って探すわけ。無駄も多いので時間は掛かるけど、結局は目的のチーズに辿り着いて幸せになる。

 一方、小人チームも最初は頑張って八方手を尽くして迷路を探し回り、ようやくチーズを見つけて、ネズミチーム共々ハッピーになると。両チームとも、しばらくの間、戦利品をむさぼって満ち足りた日々を過ごします。

 ところが、ある日、チーズが忽然と姿を消すんですな。

 ネズミチームは、単純なので、「チーズがなくなっちゃった。じゃ、次の探そう」って感じで、何のためらいもなく新たなチーズを探しに迷路を走り回ります。ところが小人チームは、もう少し逡巡することになる。

 小人チームの二人は、まず、チーズという既得権を失ったことに呆然とするわけ。そして、嘆き悲しみ、ここで待っていれば、ひょっとして次の日には消えたチーズが戻ってくるのではないかと、はかない期待を抱いたりする。要するに、ネズミチームと違って、さっさと次のチーズを探す行動に出られないんですな。で、とにかく絶望を自分たち自身で増幅させてしまって、身動きがとれなくなる。

 ところがそんな無為な日々が続いた後、二人の小人のうち、一人が「こんなことじゃ、いかんのじゃないか?」という自問自答を始めるわけ。で、この小人は、色々悩んだ挙句、ついに別のチーズを探すため、迷路の探索を始めることにする。しかし、もう一方の小人は、がんとして行動を拒否し、この場に居残ると宣言。仕方なく、先の小人は一人で別なチーズを探すため、迷路の探険に向います。



 しかし、それでも彼は思い直し、「ただ手をこまねいて現状にいるより、その現状を棄てて、あらたな冒険に出たほうがずっといい」ということに気づく。それで希望を胸に探し続けた結果、遂に彼は新しいチーズにたどり着くんですな。

 とまあ、要するにこれは寓話で、人間は一度成功すると、その成功に安住してしまって、仮にその成功が効力を発揮しなくなった後でも、いつまでもそれにしがみつこうとする。しかし、それをやっていると、本当にダメになってしまうので、そういう場合は、「別のチーズ」をもとめて行動する方がいいし、また新たに行動を起しつつ、なぜ前の成功がダメになったのかを分析して、次に成功した時の心得にする、というようなことをした方がよほど建設的である、というようなことが言いたいわけですな。

 実はこの話は二重構造になっていて、この寓話を知った人間の大人たちが、それぞれの人生を振り返りながら、自分も成功に安住して、それがダメになった後までしがみついていた小人にそっくりだ、ってな反省をし、一つ賢くなりました、みたいなオチが付くのですけれども、とにかく、基本的な部分としては、「人生、うまくいかなくなったら、うまくいっていない状況にしがみつくのではなく、積極的に行動して、新しい人生を切り開いていった方がよほど得よ」という話であるわけですよ。


 ちなみに、この本を内職で読んでいる間、教授会が進行していたわけですけれども、そこでは来たるべき改組に向けてどうすべきか、なんてことが議論されている。

 で、その改組というのは、文科省主導の改組であって、私としては、一体全体、今うまく行っている組織をなぜ変える必要があるのかさっぱり分からないところがある。故に、私自身はこの件に関しては保守派でありまして、基本的な立場としては改組反対なんです。

 が!

 『チーズはどこへ消えた!』というのは、保守派を批判し、「こういう時は、とにかく積極的に行動でしょ!」とけしかける本であるわけで、何だか読んでいるうちに、自分自身のことを批判されているような気になり、何だか居心地が悪くなってきたというね。

 どうなんだろう、文科省は、またいつものその場その場の適当な思いつきで「今のままじゃダメ」とか、訳のわからないことを言っているだけだと思うのですが、それでも、どうあがいたって結局は文科省の言うなりになるしかないのであれば、改組に積極的に取り組んだ方がいいのですかねえ・・・?

 どうなのかしら。

 ま、タイミングがタイミングだっただけに、この本を読んでそんなことを色々考えさせられたわけでございます。


 しかーし!



 驚愕というのは、どうしてこれほどア○みたいな本が、これほど売れるのか、という意味で。

 寓話っていったって、ひねりもなければ、作意見え見えで、この寓話について話し合いを行う大人たちの会話も、わざとらしいというか、泣きたくなるほど下らなくて、ほんとにこんな本をお金だして買う奴いるのかよって感じ。まあ、私自身買っているわけで、人のことは言えませんが、それでも私は仕事で買っているので、プライベートでは絶対に買わないよね・・・。

 チーズがどこへ消えたか考える前に、著者の知性は一体どこへ消えたのか、私は断固尋ねたい。というわけで、この本、教授のおすすめ!は、なーしよ!





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Last updated  July 2, 2014 11:46:28 PM
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
釈迦楽@ Re[1]:S師範と稽古(06/11) はちみつ先生へ    こちらこそ、有意義…
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