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April 24, 2017
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カテゴリ: 教授の読書日記
池澤夏樹さんの近刊『知の仕事術』を読んでいたら、斎藤美奈子さんの『文庫解説ワンダーランド』への言及がありまして。ま、正確に言えば、この本自体ではなく、岩波書店のPR誌『図書』に連載されていた「文庫解説を読む」という一連の文章への言及なんですが。

 実は、斎藤さんのこの本について、他人が褒めているのを読むのは、これが二回目なの。

 日本の文庫本には、大体巻末に「解説」が付いていますよね。実はこういう風習というのは海外ではあまりなくて、ある意味、日本独特のものであると言ってもいい。で、それはそれでいいのだけど、その文庫本の「解説」は玉石混淆で、素晴らしい解説があると思えば、トンデモ解説もある。で、斎藤さんの『文庫解説ワンダーランド』というのは、その両者を取り上げながら、日本独特の「文庫解説」なるものを考察したものらしいんですな。で、その切り口、内容共に実に面白いと。

 まあ、そういうことならば、買って読むしかないよね。はい、アマゾン、ポチ。

 だけど、斎藤美奈子という・・・評論家?・・・って、ちょっと凄いよね。

 何がスゴイって、目の付け所がすごい。

 例えば出世作の『妊娠小説』は、日本近代文学の中で主要登場人物が妊娠するケースを集め、それを考察した本だったんだけど、そんな切り口の文学研究なんてそれまでトライされたことがなく、しかも、その切り口でめちゃくちゃ面白い分析が出来たわけで。

 それから『文章読本さん江』では、世に数多ある『文章読本』を比較考察し、何でこの国では文豪と呼ばれる人からよく分からない人までこぞって文章執筆指南の本を書いているんだ、という謎を追究していて、ものすごく面白かった。

 また『文壇アイドル論』では、村上春樹や吉本ばなななど何故かマスコミ受けのいい作家8人を取り上げ、何故彼らが世間に受け入れられるのか、否、何故時代は彼らを必要としたのかを鋭く突いて、優れた時代論になっていた。



 で、今度は「文庫本の解説」を解説するという挙に出た。うーん、またまたいいところを突いたもんだよね。斎藤さんの仕事ぶりには、毎回、唸らされることが多いです。私も勉強しなくちゃ。



文庫解説ワンダーランド [ 斎藤美奈子 ]





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Last updated  April 24, 2017 11:35:21 PM
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Comments

釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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