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January 13, 2020
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カテゴリ: 教授の読書日記
さあて、そろそろ自己啓発本研究も再開しないと!

 というわけで、まず読んだのはサラ・バーカーという人の書いた『アレクサンダー式姿勢術』という本(原題:The Alexander Technique: The Revolutionary Way  to Use  Your Body for Total Energy 1978)。

 ところで、アレクサンダー・テクニークって、ご存じ?

 この身体操法を編み出したのは、フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(1869-1955)という人で、オーストラリアの人ですな。で、この人、元々俳優業(朗読業)志望の人だったのですが、ある時、どういうわけか声が全然出なくなってしまうわけ。声が出ないのでは俳優としては致命的なので、医者に通ったり、薬を飲んだり、色々するのだけど、何をやってもどうしても声が出ない。

 で、もともとアレクサンダーさんはちょっと変わった人というか、何でも自分で工夫してやりたい人なので、こうなったらもう自分で治すしかないと思うんですな。

 で、三面鏡の前で発声してみて、その時、自分の身体にどんなことが起こっているかを観察したと。

 そしたら、ほんの少しですが、声を張ろうとする度に自分が顎を突き出していること、そして、そのために首の後ろの筋肉が緊張していることに気づいたと。

 で、あ! これだ! ってんで、その辺りを意識的に変えてみたら、なんとなんと、すっきり声が出せるようになりました。

 で、この経験から彼は俳優業に戻ることなく、発声法の先生になるわけね。で、そうしてみたら、単に声が出せるのみならず、身体の具合が良くなる人がどんどん出てきて、アレクサンダー・テクニークは、単に発声法というのではなく、魔法のような身体操法として有名になっていきました。例えばオルダス・ハックスリーとかジョージ・バーナード・ショー、あるいはアメリカの教育哲学者ジョン・デューイーなんかも、この身体操法を取り入れて長寿と健康を得ましたとさ。



 これは本書のあとがきで、北山耕平さんが書いていることなんですが、アメリカでは1960年代に価値の転換運動が生じ、それが70年代に入って整理統合されたと。で、その結果、方向性として打ち出されたのが「人間性の復活」と「新しい知覚の獲得」であった。

 で、その具体例として、例えば宗教とか東洋思想とか、瞑想・ヨガ、そしてLSDなどの薬物の使用ってなことが出てきたわけですけれども、これらの目指すところは、文明の発達によって分離されてしまった人間のからだとこころを、再び有機的に結び付けようというものだったと。

 で、その様々な方法論の流行の中で脚光を浴びたのが、アレクサンダー・テクニークであったと。

 1960年代に「ハイ」になることが流行しましたが、70年代には、この「ハイ」な状態をいかに日常に採り入れ、人生を明るくしていくかというところに関心があったわけで、アレクサンダー・テクニークはそうした人々の探究心の中で、脚光を浴びたわけですな。

 なるほどね~。

 で、じゃあ、実際そのアレクサンダー・テクニークってのは何なのよ、って言う話になるわけですけれども。

 まあ、一言で言いますとね、体を動かす際に、頭を身体から切り離し、その切り離した頭から先に上昇させるように動かして、身体はその上に向う頭にくっ付いて行く、的な感覚で動け、っていうことですな。

 それだけ? 

 そう、それだけ。基本的には。

 だけど、例えば椅子から立ち上がる、なんていう日常的な動きでも、普通、人はまず膝とか太ももに力を入れ、場合によっては手で椅子を押し下げながら、よっこらしょ、とやったりするわけよ。

 でもね、それは要するに、力を下に押し下げて、その反動で上に上がっていることになりますから。



 要は、そういうこと。一事が万事、頭から先に動き出し、常に上昇する気持で身体を操ると。それが結局、アレクサンダー・テクニークのアルファであり、オメガなわけね。

 で、思うんだけれども、これって、ひょっとして私がやっている八光流柔術の動きそのものじゃね?

 八光流もね、基本は常に姿勢。頭頂部が天井から引っ張られるように動けと。そう指導されるわけですよ。だから、私は、期せずしてアレクサンダー・テクニークの練習をもう10年やっていたと。

 ま、そんなことも思いつつ。

 とりあえずアレクサンダー・テクニークの入門書を読んだだけですから、あまり大きなことも言えませんが、この身体操法の基本と、なぜそれがその時代に流行したかということ、そして自己啓発思想との結びつきについては、パッと理解できたので、割と良かったかな・・・。




私が読んだ本ではないですけど・・・
 ↓

アレクサンダー・テクニーク入門 能力を出しきるからだの使い方 (実践講座) [ サラ・バーカー ]





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Last updated  January 13, 2020 08:10:58 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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