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April 17, 2021
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カテゴリ: 教授の読書日記
親友のTが面白いといい、ついで家内が面白いというもので、ついに私まで読んでしまったギョーム・ミュッソの『パリのアパルトマン』。本国フランスでは、『その女アレックス』のピエール・ルメートルと並び称されるほどの人気作家の作品とのこと。

 まあ、サスペンスものなので、あまり細かいことは言えませんが、一応簡単に小説の冒頭の粗筋を言うと(ネタバレ注意!)、アメリカの人気劇作家ガスパール・クタンスと、イギリスの女刑事マデリン・グリーンが、それぞれの事情を抱えてパリに滞在することになり、双方アパートを借りたら、そのアパートがダブルブッキングで、同じアパートで鉢合わせすることになった、というところから話が始まります。なんか、安っぽいテレビ・コメディみたいな始まり方です。

 で、これが安っぽいテレビ・コメディだと、この後二人は喧嘩を繰り返しながらも仲良くなって・・・という展開になるわけですが、本作の方ではどうもクタンスとマデリンの相性がことのほか良くないらしく、最初から本格的な喧嘩ばかり。

 ところがそんな二人を、意図に反して離れられない状態にしたのは、二人が借りたアパルトマンの元の持ち主、天才画家のショーン・ローレンツであったと。

 元ニューヨークで地下鉄やら何やらにグラフィティを描いていたショーンですが、彼にとってのミューズたるペネロープに出会ってから作風が一新。それによって才能開花し、その絵が高額で取引されるような高名な画家になってしまうんですな。

 ところがここである不幸が起こる。彼の幼い息子ジュリアンが誘拐され、母親ペネロープの眼の前で惨殺されるわけ。で、息子を溺愛していたショーンは、以後、絵を描くことをやめ、ペネロープとの仲も悪化してしまう。そして心臓病にも襲われて、結局亡くなってしまったと。

 で、そんなショーンの過去を知るほどに、クタンスもマデリンも、ショーンの作り上げた芸術の虜になってしまうんですな。

 そこへもってきて、絶望して絵を描くことをやめていたはずのショーンが、実はその最晩年に再び絵筆をとっていたということが判明する。

 では、その彼が最後に描いた絵は一体どこにあるのか。そしてなぜ絶望していたはずのショーンが、再び絵筆を執る気になったのか。



 ・・・ってな話。

 ま、読み物として面白いですよ。最後の結末なんて、おそらく誰も想像しないようなものですしね。

 だけど、うーん、どうだろう。ワタクシ的には・・・ピエール・ルメートルの方が好きかな。

 しかし、それはともかく、ルメートルとミュッソを読んで、フランスの刑事もの、サスペンスものの感じが少し分かってきました。ちょっと猟奇的なニュアンスを入れ込むってところが、なんか共通しているというか。

 ところで、ミュッソの代表作としてはもう一つ、『ブルックリンの少女』というのがあるそうなので、ついでだから、これも読んでみようかな。


これこれ!
 ↓

パリのアパルトマン (集英社文庫(海外)) [ ギヨーム・ミュッソ ]



ブルックリンの少女 (集英社文庫(海外)) [ ギヨーム・ミュッソ ]





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Last updated  April 17, 2021 01:20:05 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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