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February 12, 2025
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カテゴリ: 教授の読書日記
常盤新平さんの『明日の友を数えれば』という本を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。

 っていうか、一体何の因果で私は常盤さんの本をこれほど読まなくちゃいかんのですかね。まあ、そういう仕事を引き受けてしまったから、仕方がないんだけれども。

 えーっと、この本は単行本としては2012年に出ているから、常盤さん最晩年の本の一つ、ということになるのかな? ただし内容は2003年くらいから2010年くらいまでの間に『日本経済新聞』やら『FUSO』やら『D to D Club』やらといった媒体に掲載されたショート・エッセイを70弱ほど集めて編纂したもの。いわゆる、というか、本当の意味での雑文集ですな。

 で、その雑文の内容も常盤さんの本をあれこれ読んでいる者にとってはお馴染みの話が多くて、常盤さんが一時期借りていた都内の仕事場の近くにあった、老女の営む喫茶店の話だとか、浦安の方にある、これまた老女の握る寿司屋の話とか、どこだったかで蕎麦屋を営む姉弟の話とか、あーだとかこーだとか、そういう感じ。

 だからこちらも免疫になっちゃって、小川が流れるようにさらさらと読み終わっちゃった。

 それでも印象に残ったのは、私淑していた山口瞳と出会った頃のことを描いた「国立の恩師」、翻訳家修行をしていた頃、中田耕治や福島正実、都筑道夫や生島治郎などとの交流を描いた「二十代の終わりごろ」、最初の奥さんの親友だった渥美町子さんのことを書いた「銀座の町子さん」、川口松太郎や木山捷平、永井龍男、古山高麗雄のことを綴った第4章全般、宇野利奏のことを書いた「名翻訳家を知ったころ」あたりですかね。

 あ、あと、本書のタイトルである『明日の友を数えれば』は、良寛の「手を折りて昔の友を数ふればなきは多くぞなりにけるかな」をもじったんでしょうな。ついでに言うと、昨日、心覚えを付けた『たまかな暮し』という本の「たまかな」という形容詞、あれは常盤さんが永井龍男の随筆を読んでいて見つけた言葉のようで、調べると実直・誠実なさま、あるいはつつましく質素なさまをいう東京・山の手の言葉なのだとか(118頁)。

 ま、そんな感じ。特に絶賛おすすめという感じではないかな。でも、まあ、気楽に読むには、ってところ。

 それにしても、こういうショート・エッセイって、常盤さんは死ぬほど書いているけど、どういう風に依頼が来るんですかね? 私なんざ日本エッセイスト・クラブ賞獲っているのに、そんな注文、全然来ないよ。来ればいくらでも書くのに。




これこれ!
 ↓

明日の友を数えれば [ 常盤新平 ]





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Last updated  February 12, 2025 12:50:08 PM
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釈迦楽@ Re[3]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  ああ、やっぱり。同世代…
丘の子@ Re[2]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 釈迦楽さんへ そのはしくれです。きれいな…
釈迦楽@ Re[1]:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 丘の子さんへ  その見栄を張るところが…
丘の子@ Re:『2001年宇宙の旅』を知らない世代(09/13) 知らなくても、わからなくても、無理して…
釈迦楽 @ Re[1]:京都を満喫! でも京都は終わっていた・・・(09/07) ゆりんいたりあさんへ  え、白内障手術…

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