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January 1, 2026
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カテゴリ: 教授の読書日記
ハーイ! 年が改まりまして、明けましておめでとうございます。本年も本ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

 今日のワタクシですが、いつものようにゆっくり起きて、お雑煮とお節を楽しんだ後、近所の神社まで初詣に行ってきました。例年ですと、その前に新百合ヶ丘まで元日ショッピングに行くのですが、今年は新百合ヶ丘のデパートが元日お休みするということで、それはなしに。

 で、神社に行ってお参りして、おみくじを買ったのですが、今年も大吉よ。心の思うまま、すべて実現するとの神様からのお達し。幸先いいねえ! おーし、一つ、今年も頑張りますか!

 で、気分良く帰ってきて、早速、年初一発目の読書を。そう、私は元日に読む本は、専門外の本と決めているのよ。

 で、今年選んだ本は、鈴木俊貴さんが書かれた『僕には鳥の言葉がわかる』(小学館)という本。これ、すでに20万部のベストセラーなので、ベストセラーは読まない主義のワタクシからすると、主義に反するところはあるのですが、動物行動学の本で、専門外という条件はクリアしているし、理系の人の書いたものを読むのは好きなので、まあ、いいかなと。

 で、読んでみたところ、非常に面白い本でした。

 鈴木さんという方、私より20歳くらい若い人なので、今、ようやく40代だと思うのですが、スゴイのよ。

 小さい時から動物が好きで、特に鳥が好きで、そういう勉強ができる大学を選らんで進学し、シジュウカラを研究対象にしたんですけど、シジュウカラを観察しているうちに、どうも彼らの鳴き声は、人間の言葉同様の機能があるのではないかと気づくわけ。



 例えば「ここに餌があるぞ」とか「集まれ」とか「近くに蛇がいるぞ」とか「鷹が来たぞ」とか、そういう情報伝達をしているわけ。しかもね、シジュウカラ同士でなくても、ヤマガラとかゴジュウカラなどの他種の鳥とも、ある程度情報共有していることもわかった。それどころか、ジェスチャーによる会話もしていることもわかったと。

 たとえば、森の中にひまわりの種とか撒いておくと、それを最初に見つけたシジュウカラが、「餌見っけ」と言葉を発する。そうすると、その辺にいたシジュウカラやヤマガラやゴジュウカラなんかが一斉に集まってきて、種を食べる。

 え? それ必要なくね? 一人(一羽)で食べたほうがよくね? と思ったでしょ?

 ところがさにあらず。集団で食べれば、それぞれが見張りを分担することができるので、もし鷹が近づいてきたら、集団の誰かがそれに気づいて警告を発することができる。だから、一人(一羽)で食べるより集団を集めて食べたほうがいいわけ。

 あと、巣に蛇が近づいた時と、カラスが近づいた時では、親鳥は鳴き方(=ことば)を変えるんですって。だから、親鳥が「カラスがきたぞ!」っていうと、巣の中にいる雛たちは、一斉に体を縮める。そうしてカラスのくちばしの届かないところに伏せると。一方、蛇は巣の中まで入ってくるので、伏せても意味がないので、雛たちは一斉に巣から飛び立つ。

 要するに親の言葉を、子供たちは理解して、それに応じて行動を変えているわけ。

 とまあ、そんな感じで、シジュウカラは、人間と同じような文法のある言葉を使って会話しているんだということに鈴木さんは気づき、それを実験によって実証したわけ。

 ちなみに、アリストテレス以来、21世紀の今日まで、「言葉を操るのは人間だけ」というのが科学の通念だったのよ。その2000年にわたる人間世界の誤謬を、鈴木さんは正したんですな。だから、鈴木さんがシジュウカラが言葉を操っているということを発表した時、世界中の科学者が仰天したわけ。もう、とんでもない科学的大発見だったからね。

 この本は、そういう鈴木さんの奮闘がつづられているんだけど、まあ、面白い。

 なによりも面白いのは、鈴木さんが、別にIQ200の、アインシュタイン的な天才ではない、ということね。彼は動物を愛する、シジュウカラを愛する、普通のサイエンティストですよ。それに、彼がこの研究のために使った機器といえば、テープレコーダーとかビデオ撮影機とか、鷹のはく製とか、生きたアオダイショウとか、そんな感じのものばかり。「カミオカンデ」みたいに何十億円もかかるような設備を使ったわけじゃない。だけど、その普通のサイエンティストが、その程度の機材を使って、人類2000年の誤謬をただしたというところ。そこが素晴らしい。

 逆に言うと、シジュウカラというごく普通にどこにでもいる鳥のことを、鈴木さん以前の人間は、ちゃんと観察していなかった、ということだよね。



 それにしても、サイエンスって素晴らしいよね。だって、鈴木さんの研究動機って、「シジュウカラが好き」っていうだけだよ。で、好きだからシジュウカラの行動をずっと観察していて飽きない。そして飽きずに観察していたら、あれ? 彼らは言葉を交わしているのではないか? というアイディアが浮かび、それをどうやれば実証できるか考えて、実証する。こんなシンプルなことってないじゃん? このシンプルさこそがサイエンスですよ。

 だから、文学研究も、そういうシンプルなところをスタート地点にしないといけないのじゃないかと、思うんだよね。

 私の師匠だって、ある一人のアメリカ作家が好きで好きで、その作家のことがすべて知りたいと考えて、それで研究していったわけだからね。これなら、鈴木さんと同じくらいシンプルだ。でも、今、そういうナイーブなところから文学研究している奴がどれほどいるか。小難しい理屈ばかりこねくり回しているのばっかりだからなあ。

 とまあ、この本を読んで、自分の専門のことについてもいろいろと考えさせられました。私も、シンプルに、シンプルに、文学研究に取り組まないとね。一応、そのつもりでやってはいるけれども。

 というわけで、今年の新年一発目、専門外の読書という点では、大成功だったのであります。鈴木俊貴さんのこの本、教授のおすすめ!です。



 ↓
​
僕には鳥の言葉がわかる [ 鈴木 俊貴 ] ​





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Last updated  January 1, 2026 09:00:24 PM
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
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