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今夕は、ゼミの仲間が他界したお通夜に出席のために、青山
に 出掛けるに際して、文豪のような雰囲気の彼を偲んで学生
の頃の ゼミ誌への寄稿文を懐かしく開いてみたい。
約半世紀経過しているが、いまはどうだろうか?
これは、彼が、「日本経済と外国貿易」をテーマにした
「三大学討論会」に神戸に出向いたときの回顧録の一部。
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/// <82ページのレジメテーマ>
///
/// 現時点の日本経済を考えるには、
/// 日本経済の基礎構造である
/// 二重構造を分析の中心に据えねばならず、
/// 二重構造の形態変化を ふまえて
/// 今後の日本貿易の在り方を考えねばならない・・・
///
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諸兄がもし、港町神戸を訪れる機会に恵まれたら、三の宮、
住吉神社 に参詣されるとよい。
当社は、御家安泰、疫病、災禍を除き、子宝に恵まれるという
有難い 御利益があるそうな。
参拝の際には、心を一に何事かを願い上げ心を清らかに
せねばならない。
次は、心身の字の通り、身を清めねばならない。
水垢離?古い!水をかぶっても現代人の垢は取れませぬ。
最も生産的な清身剤、アルコール、場所は、バー「和」、
当社の際に 現代人の為の清身閣がある。
諸兄はこのバーで決ず美しき巫女たちの昔話を聞かされる
だろう。
"なんでも昭和の御代も終わり近い頃、うっとうしい梅雨が
そろそろ 訪れようというそんな日の事でした。
私はいつもの通り、お客様のお相手をしていたのでござい
ますが、 戸口の方で "こんでるな別の所にしよう。" という
声がしました。
それはそれは、美しく澄んでおりましたので私の身は
しびれ入った のでございます。
振り返ってみますと、戸は丁度閉まったところ私はすぐ
表に出て声の主 をさがしましたところがどうでしょう。
戸口の外には光源氏の末裔の様な方が四人もいらっ
しゃいました。
私はこの人達をバーに入れなければ腕がすたると
おもいましたので、 中にいたお客様は全て退出して
戴きましてその方々をお入れいたした のでございます。 "
・・・・・・
<中略>
彼女達の評によると、一人は歌舞伎の勘三郎を若くした様
な方、一人は、 モナリザを男にした様な方、一人はアリスト
テレスの現代版の様な方、 四人目の方は、ちょっとどんな方か
忘れてしまったという話である。
・・・・・・
<中略>
「和」で男達は次のような回顧をしたそうです。
討論会などで満足な成果をおさめるには人の和が学問の
高水準よりも 大切である。
そして和は、決して妥協からは生まれず、傷つき傷つけ合
って始めて 生まれるものである。
いや、決してバー和の宣伝をしているのではありません。
若き青年達の真摯な反省なのです。
・・・・・・・・・
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いまは、バリトンの美声を持った彼の声を聞くことができない。
「二重構造」を分析し、大企業で立派なお仕事をしたあと、
日本古代史を研究した熱意を偲んで、参列に向かう。
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