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「土佐の高知のはりまや橋で坊んさん簪買うを見た」
は僧侶純信と商家の娘お馬の悲恋話である。
その歌詞は土佐の民謡「よさこい節」にある。
「~ ヨサコイ ヨサコイ」
簪に飾る珊瑚は、「 血赤珊瑚 」と言って、世界に冠たる「トサ」の代名詞
である。
もう随分昔に衰退産業と考えられて、
後継者も次第に廃れていた。
高知市種崎浦戸大橋東の日本サンゴセンター宝石珊瑚資料館で、
ひっそりとその歴史を辿ることができたように覚えている。
この資料館は太平洋の彼方を眺める坂本龍馬像のある桂浜から、
(昔はサンフラワー号も通った )
渡った所にある。35の杜と称している。
日本の珊瑚産業は土佐の高知で細々と生き残っていたに過ぎない。
高知県の珊瑚漁獲量(足摺岬、室戸岬沖)は1902年には45トンもあったが、
近年は1~2トンにしか過ぎない。
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その衰退産業が、ここ数年で生き返りそうなほどの勢いである。
その回復力を生み出したのが、
数年前から我が国を襲来した小笠原諸島などでの
中国巨大船団の宝石珊瑚の密漁であり、
日本政府の宝石珊瑚密漁の取り締まり強化がある。
(小笠原諸島だけでなく沖縄の尖閣諸島付近で
中国政府の監視船がワイヤを垂らしたり異常な行動が
観察されており楽観はできない。)
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日本と中国政府の交渉で、小笠原諸島界隈に出漁していた
大型違反密漁船が拿捕され、廃船にする計画が
決まり具体的に進行している。
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このところの中国経済の成長は鈍化しているが、
富裕層では富を後世に伝える意欲は高く、
また、お目出たい色調を持つ珊瑚は珍重され、
宝石珊瑚の需要は高い。
供給が極めて制限される自然の宝玉であり、
需要の高まりと共に価格は急騰している。
この需要を目当てに大型中国船が日本の小笠原諸島などで
宝石珊瑚を大挙して密漁していたのであった。
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中国のGDPの増大に伴う、中国人富裕層の珊瑚宝飾品需要の高まり、
大型の中国珊瑚密漁船の日中取り締まりの強化により、
衰退していた日本の宝石珊瑚の漁業・加工業が生きを吹き返しつつある。
皮肉なことに、高知県からは県外の大企業工場が撤退してしまったが、
零細な珊瑚産業が細々ながら復活しつつあるのだ。
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県内の珊瑚漁業許可は2009年144件から2015年364件に殖え、
資源枯渇化の観点では許可数は上限だという。
全国での許可は393件だから許可件数では9割強を高知県が占めている。
もっとも、許可件数と漁船数は比例しない。
珊瑚の加工業者の8割が集積する珊瑚業界の中心地として
高知県が重要な役割を担っている。
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宝石珊瑚は成長が遅く、小指の大きさでも50年を必要とするのであり、
高知県は生きた珊瑚について年間で750kg以内の漁獲制限を設けている。
<珊瑚原木は、生きた珊瑚だけでなく海底に沈んだ珊瑚を網でとる
ものを含む>
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将来の資確保のために漁師達は
「宝石珊瑚用魚礁」を沈める努力も行っている。
104基の魚礁を高知県沖の水深100mの海底に
今年9月に沈めている。
最近の漁師達には一攫千金を夢見ながら、
脱サラし、転業してくるものが多くなっているという。
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(資料:高知県資源管理指針・・H27.3高知県、
高知まるごとネット・・高知家、
朝日新聞2015.12.17、 などから)
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「高知県で頑張る大企業」などは、
抜き出して別途掲載します。
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