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イラクが1932年に独立した後も、英国軍は駐留し、
採掘権も
英BPに留まり、利益は英国にすべて配分
された。
第二次大戦後、1950年、石油収入の5割が
イラク
政府の歳入
となった。
その後ソ連に接近し、南部最大のルメイラ油田を
ソ連が
開発し、BP油田の国有化を決定、補償金と
引き替えに、
油田はイラクに帰属した。
バアス党のサッダーム・フセインが首相兼大統領
となる(
第三共和政
の第3代首相1979/7/16~1991 /
3/23;第7代首相1994/5/29~2003/4/9、
イラク共和国第5代
大統領
1979/7/16~2003/4/9)。
1980年からのイラン・イラク戦争で両国が相互の
石油設備を攻
撃し生産量激減から原油価格は急騰した。
イラクは千億ドルの戦争被害を受けたとされる。
1990年8月、イラクのクウェート侵攻に対し国際的
な経済制裁が
とられ、1991年1月以来の多国籍軍参加
の湾岸戦争で経済
活動は衰退した。
1996年12月の国連の石油と食糧の交換計画実施に
より
改善され、原油輸出はイラン・イラク戦争前の
四分の三の水準となった。
2001年9月11日に米国で 同時多発テロ事件が発生
、
イラクが
これを 支援
する声明を発し、米国の心証が
悪化し、「イラク、イラン 、
北朝鮮」を悪の枢軸・
テロ国家とするブッシュ大統領(43代;41代の息子)
の非難声明
を招いた。
さらに、悪の枢軸が大量破壊兵器を保有するとし、
イラクに査察
が行われ、化学兵器搭載可能なミサイル
を発見、攻撃準備を始め、
2003年に空爆開始、米英を
中心に「イラクの自由作戦」が切って
落とされた。
この戦争への反対は、仏、独、露、中国などであった
が押し切
られた。
多国籍軍の侵攻でサッダーム・フセイン
( 第5代大統領
1979/7/16~2003/4/9)は捕らえられ、
死刑執行。
「米英は大量破壊兵器を見つけることができなかった」
が、フセイン
政権の度重なる査察拒否、クルド人虐待
などが開戦の理由
となった。
この開戦には、イスラエルの思惑、ブッシュ大統領の
思いこみなど、
米国の情報操作である等の憶測が飛び回
っている。
ヌーリー・アル=マーリキ首相(
第4共和政
初代首相
ダアワ党、2006/5/20~2014/9/8)は
、
国際テロ組織
アルカイダとフセイン前政権を支えた
旧バアス党を批判
している。
米軍はオバマ米大統領(44代2009/1/20~2017/1/20)
が実戦部隊を撤退(2011年12月14日)イラク
戦争は終結、
イラク軍の訓練に当たった。
2017年8月31日、ISILによって支配されていた
イラク北部の都市タッル・アファルでの戦闘に勝利し
解放を宣言。
2017年12月9日、ハイダル・アル=アバーディ首相
(
第4共和政
第2代首相ダアワ党2014/9/8~2018/10/25)
は、
ISILからイラク全土を解放したと発表した。
この解放には米軍の支援を受けたクルド族の貢献が
大きい。しかし、トランプ米大統領(45代)は
イラク、シリアでのクルド族の独立には非協力であり、
クルド族からは、「裏切られた」との見方がある。
第4共和政
第3代首相
アーディル・
アブドゥルマフディー(シーア派のイラク・イスラム
革命最高評議会に所属、首相在任
2018/10/25~
2020/2/1)は2019年10月から続く大規模の反政府デモ
を受けて辞任を表明(2019年11月)した。
2020年2月1日サレハ(バルハム・アハマド・サリフ
Barham Saleh・・・クルディスタン愛国同盟)
第8代
大統領
第4共和政第
4代目の
新首相
に
シーア派
のムハンマド・アラウィー元通信相を指名。
高失業率、汚職、
米軍によるイラン革命防衛隊司令官
殺害での米軍撤退要求
のデモ隊との対話など問題は山積
している。
・・・・・・・
(以下は日経新聞2020/2/2 4:19から抜粋)
イラクでは2019年10月以降、政府に横行する汚職撲
滅や、公共サービスの改善を訴える反政府デモが首都
バグダッドなどで続いている。
デモ隊と治安部隊の衝突で、これまで約500人が死亡
している。
アラウィ氏が新首相に指名されたと伝わるとデモ隊は
「アラウィを拒否する」と叫んだ。
同氏は過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を招いた
マリキ旧政権で通信相を務めた経験がある。
そのためデモ参加者ら一般市民は、アラウィ氏が権益を
握るエリート層に属し、政治の刷新は望めないとみている
もようだ。
イラクの多数派イスラム教シーア派の指導者サドル師は
アラウィ氏の首相指名について
「イラクにとってよいステップだ」と述べた。
その後、同師を支持する民衆グループと、反政府デモ隊は
バグダッドの中心部で衝突した。
アラウィ氏は今後、閣僚選びを始めるが、議会の各勢力の
調整は多難が予想される。
議会では第1勢力のサドル師の政党連合と、第2勢力で
親イラン民兵組織を率いるアミリ氏の政党連合は主要閣僚
ポストをめぐり対立しそうだ。
隣国イランはイラクを軍事、経済で支援し影響力を拡大
させている。
前回の18年5月の総選挙後、両政党連合は閣僚ポストを
争ったことで、たびたび政治的な停滞を招いてきた。
イラクでは米国によるイラン革命防衛隊の精鋭部隊司令官
の殺害と、イランによる報復をきっかけに緊張が続く。
市民はIS掃討を名目に駐留する米軍の撤収を求めるなど
反米感情も再燃している。
イランは混乱を利用し、米国に近い政治勢力の切り崩しも
狙っている。
各政治勢力の対立が激化し政権発足が遅れれば、
ISなど過激派組織が復活する余地を与えかねない。
(以上)
・・・・・・・・・・
スンニ派が9割
を占めるが、個別にみると隣のイランは
シーア派が主流であり、
レバノン、アゼルバイジャンと
ともに、ここイラクもシーア派が
優勢で、2/3を占める。
シリアにおいては、宗教家は政治的には活動しては
ならない
が、密教的山岳シーア派に属する少数派が政権
を握った形に
なっており、極めて複雑な民族、宗教派閥
が存在している。
・イラク共和国の基本情報(2019年)
(外務省、CIA、WIKIPEDIAなど)
国名 |
イラク共和国 |
幸福度 |
----- |
通貨 |
イラク・ディナール(ID) 1米ドル=1,182イラク・ディナール (2018年、イラク中央銀行) |
国花 |
赤バラ |
国旗 |
赤は勇気を、白は寛大さを、黒はイスラムの伝統を表す。コーランの「アラーは偉大なり」の文字を入れている。赤・白・黒・緑はアラブ・イスラム教国の特有の色。 |
国の標語 |
神は偉大なり |
面積:平方キロ |
約43.83万平方キロメートル (日本の約1.2倍、2017年:CIA) |
人口:千人 |
3,843万人(2018年、世銀) |
人口密度:/平方キロ |
87.7人 |
首都 |
バグダッド(人口7~8百万人) |
言語 |
アラビア語、クルド語(共に公用語)ほか |
宗教 |
イスラム教 (シーア派6割、スンニ派4割)
、 |
政体 |
共和制 |
元首 |
バルハム・サーレハ大統領 |
議会 |
一院制。定員329議席。任期4年。 |
政権 |
首相 ムハンマド・アラウィー
|
軍事 |
(1)支出 約74.2億ドル (2)兵役 18歳~40歳までの志願制 (3)兵力 約21万人(2016年:世銀) |
主要産業 |
石油 |
GDP:億ドル |
2,309億ドル(2018年推定,IMF) |
一人当たりGDP:ドル |
5,878ドル |
予算 (2019年度) |
歳入 898億ドル 歳出 1,126億ドル 収支 ▲233億ドル |
財政収支/GDP比 |
▲10.1% |
外貨準備高 |
600億ドル |
経常収支(国際収支) |
▼158億ドル |
貿易収支(国際収支) |
549億ドル(=C-D) |
貿易額:輸出 |
903億ドル:C |
同 :輸入 |
354億ドル:D |
貿易品目:輸出 |
石油・・・政府歳入の89% |
同 :輸入 |
食糧、医薬品、工業製品 |
貿易相手国:輸出 |
インド,中国,米国,韓国,ギリシャ, |
同 :輸入 |
トルコ,中国,韓国,ロシア |
対外債務残高 |
約730億ドル(2017年末推定値:CIA) |
経済概況 |
原油生産量 441万b/d (2018年:OPEC), 原油輸出量 386万b/d (2018年:OPEC) 原油精製能力 66万b/d (2018年:OPEC) 確認石油埋蔵量 1,450億バレル (世界第5位) (2018年:OPEC) 日本のイラクからの原油輸入 325万kl (2018年:経済産業省石油統計) |
主要援助国 |
(1)米国(2)EU(3)ドイツ(4)日本(5)カナダ |
対日関係 |
対日輸出 約1,448億円(石油等)
対日輸入 約340億円(機械類等) |
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