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ショウを探しながら上へと進んでいく一同。マリアは次第におかしいことを感じ、足を止めた。「どうした、マリア、具合でも悪くなったか?」「いえ、そうじゃなくて」「じゃあ一体何なんだ?」マリアはショウがあのチップを積んだ事が気掛かりだった。もう自分を諦めてしまったショウがまともに動く保証がないからだ。マリアは迷っていた、ショウに言われたことを告知するかどうか?「おい、マリア!」「あ、ああ、足がちょっとね、違和感があって..」と言うと、「本当にマリアは嘘が下手くそだな、ショウのこと、何か知ってるだろ?」マリアはカイが意外と馬鹿じゃないことを悟る。「あの時、部屋に様子を見に行ったら、マシンからケーブルに繋がっていたショウを見たの、あたしはそれが何でか解らなくて、止めることが出来なくて、何故か涙が出て...」「もうわかった、言わなくていいよ。ちぇっ、ショウの奴、格好つけやがって」カイはショウが何らかのチップを身につけ、主に何か挑もうとしていることまで予想できた。「知りたいのはチップだ、チップの性能だ、あいつのことだから、すごいのを作ったんだろ?」マリアは黙ってしまった。「どうなんだ?マリア」すると、開けた口から出た言葉は、「やっぱりカイは馬鹿だね」人気blogランキングへ
2006.04.28
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ショウ達を待っていたのは軍隊どころか、ただの静寂だった。しかし、油断できないのも事実。恐る恐る建物に入って行くと、ショウは、「ちょっと様子を見に行くからここで待っててくれ、」「わかった」カイが答えて皆に伝えた。「気をつけてね、ショウ」「ああ、大丈夫だ、一分でもどるよ」そう言ってショウは奥へ進んで行った。あたりは本当に人の気配すらなかった。住民達もずっと住んでいるこの世界でこんなに静かな場所が存在するとは思わなかった。まもなく一分が経とうとしていたが、ショウが帰って来ない。「本当に大丈夫かしら、見に行ってくる」「待て、ショウを信じるんだ」そうは言っても二人ともきが短い性格だった。このままでいられるわけがない。「みんな、行くぞ」ショウを待たずに一同動き出した。入り口に入ってすぐに階段を見つけ、地下と上段へとある。「どっちに行ったと思う?」「主の方に向かうとしたらやっぱり上段でしょ」上にいると判断するのが自然だ。一同は迷わず上へと登って行った。まんまと引っかかったカイ達。肝心のショウは地下に吸い込まれるように降りていた。僅かな記憶に頼りながら、裏を点いていることを感じ取った。「このチップもまだまだ捨てたもんじゃないな。」地下道をしばらく歩くと奥がほんのりと明るくなっている。「ビンゴ!」その明かりのある部屋の真ん中には、立ちすくんだ主がいた。人気blogランキングへ
2006.04.27
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完全記憶型にとって、考えないというのは、面倒くさい、または、うずうずするかどちらかになるだろう。主はむしろ後者であり、会議がしたくても一方的なので打ち合わせにもならない、常に結果報告。主が常に考え、報告し、それに忠実に反応する幹部。確かにここまでは現代には見習って欲しい部分かもしれない。しかし、主に対してこっちの方がいいと主張する者がいるほうが社会の発展への近道となる。多くの人の声を聞くことがとても重要なことなのだ。ショウにはわかっていた。主が気の小さい人間であることを。主のある館にたどり着いたショウ達、物静かな空気が流れる門の前。「気をつけろ、幹部クラスの刺客が複数いるかもしれない。」慎重に話すショウ。数分経過した時、いきなり門が開き始めた、動揺する住民達だがすぐに落ち着いた。「ふーむ、これはようこそって事かしら?」マリアが不思議そうに言うと、カイは、「そのようだな、もう感じていたのだろう。記憶の結集が来たんだからな」そっと中へ入って行くと、広い敷地になって、飾り気のない、ただのがらんどうだった。正面には主の館が見える。「うーん、戦闘機能を持ってないのかな」カイが呟くと、すかさずショウが、「そんなことはない、爆弾を使ってるんだ、テロまがいのことでも最低はできるはずだ。」そう言っているショウでも、ここに軍隊があるわけでもなく、テロまがいだとしても、どう攻撃してくるかは読めていなかった。人気blogランキングへ
2006.04.26
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主は完全記憶型、いわゆる普通の人間だった。ショウが主に託す理由はそこにある。まわりで守るように取り囲んでいる幹部達こそが問題だった。幹部といっても、もともとは住民の一部の人間なのだ。主が幹部として選出した方法は、体力、運動能力が発達していることだった。考えるのは全て主で、実行は全て幹部というシステムだ。その幹部達も体力以外は住民と変わらなかったから、他は一切考えられない。主に忠実なのだが、それ以上は追求できない。つまり、幹部になった住民は毎年変わるのだ。新しい住民を迎えることで、体力低下、高年齢化を防いでいた。主が平和以上に住民との交流や、思考させることを許可しないのは、こうした対抗不可能な幹部の内情からであり、力で抑えるのが精一杯であった。外部から頭の働く者が現れ、しかも、究極のチップを開発すると聞けば、やはり利用しないわけがなかった。主の言うことに一切耳を傾けない思考能力ゼロの幹部とは早くおさらばしたいという思いが募っていたのだ。主はこの間ショウを捕獲した時に、持っていたチップを盗みだし、それをじっと見つめながら考えていた。「これを彼に是非付けてほしいものですな、その能力があればようやく住民の前に立つことができるのです。」人気blogランキングへ
2006.04.25
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意思を持った住民達と完全記憶のマリアとカイ、そして先頭には改良されたチップを備えるショウ。改良されたチップには、住民に与えたものと比べ、ほんの僅かな過去の記憶が収まっているだけで、学習機能など、思考能力は省かれ、幹部らに感知されないタイプだった。潜入はともかく、戦闘も可能で、もちろん、マリアとカイとも会話はできる。しかし、このチップの最大の欠点は、思考能力がない、つまり、新しい発想、発明、発見など開拓することができない。それに加え、これから先は覚えることができないなど、リスクが大きい。ショウが何故このチップを開発したのか、何故自ら組み込んだのか。マリアが泣いた理由は、このチップが寄せ集めたパーツで作った事、ショウに何かあったら何もしてあげられないことがわかっていたからである。そしてマリアさえもわからない最悪の欠点があったのだ。ショウはバッグに特注のチップを入れていた。それは、特定の人物のみに組込めるスペシャル版だった。そう、ショウの的はただ一つ、主の脳だ。外部から来た人間よりここに存在し、主力経験のある主にしかこの世界は保つ術がなかったのだ。特注チップの機能は、住民らやマリア、そしてカイのレベルでは、頭脳が破壊され、一生記憶喪失となってしまうのだ。その機能とは?人気blogランキングへ
2006.04.24
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マリアは呼んだはずのショウがなかなか出てこないので、もう一度中に入って呼びかけた時、ギューンという機械音がしている事に気付いた。ゆっくり音のする方に入って行くと、マリアは「何してるの!?」目を閉じたショウがマシンにかかっているのを目撃した。マリアは急いで電源を落とそうとした時、「..触るな..これでいいんだ...」「な、何がいいのよ!これじゃあなたの記憶は..」「いいんだよ、私は絶対に..ここの人達を救いたいんだ...マリアも..カイとうまくやってほしい..」ショウはそのまま気を失い、新しいチップが組み替えられていった。「ショウ!何言ってるのかわからないよ!」白く光るマシンの前で座り込んで泣き崩れていたマリアは変わり行くショウを迎えるために心の準備を始めた。なかなか出てこないマリアとショウが気になっていたカイがようやく中に入って探しに行こうとしたら、二人の影が前から見えて来た。「遅かったじゃないか、ショウ、もういつでもOKだ」部屋で起きたことを知らないカイはいつものノリでショウを迎えた、その横からマリアも同じノリで、「さて、あたし達で世界を変えるのよ」明るく振る舞うマリアを見てショウはほくそ笑むような表情をした。「チップを作るパーツがもうなかったよ、三人は自力で行こうか」すると、カイは「そうか、そうだな、また記憶吹っ飛ぶのゴメンだし、みんなといれば何とかなるだろ」ショウがついた精一杯の嘘にマリアは笑いながらも心で涙を流していた。[第6章/END]人気blogランキングへ
2006.04.21
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ショウの最悪の発言にマリアもカイも理解できていた。「きっとそうなると思ったよ、一度は消えたんだ、どうってことないよ」カイは吹っ切れた気持ちになった、マリアも、「またブレイクすればもとに戻るよ、すぐ実行しましょう」するとショウは依然と暗い赴きで「とりあえずマリアとカイは住民を従えて団結し、気持ちを一つにする準備を始めてくれ、その間に私は自分達の改良チップを作るから」そう言い残して部屋に入った。住民を集め、チップの作動と意思確認をして、準備を進めていった。しかし、ショウは最初から3人分の改良チップを作るつもりはなかった、実際改良するためのパーツなどもはや残されていなかったのだ。「出来ても一つだけか」ショウは大きい溜め息をして、ここまでの記憶を振替っていた。あの時代の栄光と絶望、この世界でマリアとカイとの出会い。「いろいろあったな、あの二人にも会って、楽しませてもらった、栄光の博士号も、絶望も、そして仲間も一通り経験した。」時間が過ぎてしばらくすると、外からマリアが、「準備が出来たわ」「あー!」ショウは返事をしながらも、チップを改良していた。こんな危険なチップをあの二人には重荷だと感じながら。「これが最後かな」完成したチップをマシンにセットし、ショウ自らマシンの横に座った。一か八か、どのくらいの記憶が残るのか、危険な賭けになりそうだ。人気blogランキングへ
2006.04.21
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ショウは頭を整理した。今までの記憶を総合して。「向こうには丸見え、こっちからはキャッチできない、って事は、奴らの反応は記憶によるもの、記憶を読む特殊能力だ。」「記憶を持つ人間が束になれば強い団結で圧倒していたけど、彼らの最初の狙いはその人間を減らして拡散させることだとすると、個人戦略か?」カイが想像したことがヒントになったのか、ショウの答えが出た。つまり、記憶を持つ者が拡散され、個人レベルならキャッチしやすくなる、だから、団体で攻められるのを恐れているはずだと判断した。「この作戦はもう後戻りできない所まで来ている、だからなんとしても、成功させたい、住民達と我々と、そしてこの世界のためにもね」真剣な表情で話すショウの目を見て、マリアは「なんかあまりいい話じゃなさそうだね」「ここは記憶で保たれている、記憶が豊富な者が上に立つ世界だ。だから住民達にもそれなりの記憶に加え考える力と主張する知恵が不可欠なんだよ。あのチップを土台にしてでも、自由な思考を自分自身で抱いてもらわなければ、作戦は終われない。」マリアもカイも真剣にショウを見ていた。「この方法はできれば使いたくなかったが、やはり使うしかなくなった、記憶を消して潜り込む」マリアとカイは唖然とした表情に変わった。「そんなのまだ決まってないだろ!?」「まだチップのない住民にやらせればいいんじゃないの?」「それが無理なんだ、チップだけの能力では危険すぎるし、洗脳される可能性が高い、"完全記憶能力"である我々だけって事だ」"完全記憶能力"とは、いわゆる、意志を持った「普通の人間」のことだ。 人気blogランキングへ
2006.04.20
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主にある思いの根源は当然ながら過去によるものだ。幹部達にもはっきりとした理由を知らせておらず、半場「わがままな主」ということになっていた。一方、マリアとカイ達の行動を一部始終監視している者がいた。主が派遣した刺客だ。黒い服をまとい、まるで忍者のような装いだ。すべてがまとまってきた時、刺客が動き始めた。物音せずに。その動きに何となく反応したのはやはりショウだ。「うっ、何?」と思った瞬間、ドカーン!かなりの爆破音だ。「あそこだ行こう」ショウはおち着いていた、あわててしまってはこれまでの苦労が無駄になる、"予想していたことだ"、そう言い聞かせていた。爆破地点には、住民に被害はなかったが、怪我する以上に"恐怖感"を強く植え付けられてしまった。「あいつ、わざとやったな」住民がやっと意欲的だっただけにこのショックはあまりにも大きかった。「まずいな、ダメージがでかかったな、住民の信用度が何より重要なんだけど。」マリアは、「みんな計算してやった事ね、頭がいいわね」するとカイは、「感心している場合じゃないぞ!こっちの行動は殆ど見られてるのに、こっちからは何も見えないんだぜ!」「カイの言うとおりね、悪かったわ」「するってーと、こっちからも見えるようにすればいいのかぁ」ショウが何やら考え始める。人気blogランキングへ
2006.04.19
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これほどの人数が一辺にして意思を抱くことが、幹部達に反応するまでの時間を稼いだ。表情には出さないがかなり焦りが見え始めた主がとる行動とは?「少し野放しし過ぎたかもしれないですねぇ、ここまで派手になるとは。」幹部達にようやく情報が入って来た。「以前、初の容疑者となっていた男が中心に三人が住民と接触していたようです」主はそれを聞いて「それくらいわかっていましたよ、驚いたのはその説得力のスピードです。過去を知っている者が今まで社会をどうしてきたか、私が身に染みるほどの仕打ちをされてきた人間の代表としてこの社会を築いた意味を今示さなければならない。その先陣として、住民の中に刺客を送り込んであります、予想通りの展開なのですよ」主もまた過去の記憶を持つ人間だった。忌ま忌ましい事件や政治を見てその時代を生きて来た一人だった。それが何故自ら実権を握らなければならなくなったのか?主の思いはマリアやカイ、そしてショウ達に近いはずだった。しかしそれ以前に理由があった。ある過去とある人物によって、主の意思は固まっていた、しかも長い年月をかけた強い意思だ。過去を閉ざしながら実権を握った彼の手には、ショウのチップが握られていた。人気blogランキングへ
2006.04.18
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かなりのペースで住民達が次々と自分の意思を持ち始め、明るさと活気が出て来た。ショウはこの光景を見て、「なんだか懐かしいものを見ている気がする」するとカイも「そうだな、これって自分が幼少に見た光景だ」マリアも続いて、「昭和の風景って言うか、レトロと呼ばれた時期かな」そう、昭和の一番よかった頃といえば、みんなでやっていく一体感、笑って先の明るい未来を夢見て働く人達、汗流した分、見返りがちゃんとあったあの頃だ。駄菓子屋が栄えて、市場は活気があり、子供は広場で缶蹴り。これこそ平和の基本ではないかというほどの見事な光景が甦った。「本当の平和ってさぁ、みんなが忘れちゃったことばかりだね、これがない平和って擬似というか、見せ掛けだけ良くて中身は何だかごたごたしてそれどころじゃない時間が過ぎているんだよ。」カイは、この光景を見てちょっぴり悔しい気がした。「リセットしてこんな簡単にいい社会になるならもっと早く気がつけばよかったんだ。あんなに複雑でガサツした世の中にしちまってエコだとか環境とか笑わせんなよ」「わかってるわよ、それくらい、だからここからまた始めればいいじゃん。」マリアはカイの肩を軽く叩いて、しばらく黙り、住民達の姿を見ていた。急激な住民達の活気を感じ始めた主の反応に異常を感じ、幹部達が動きだそうとしていた。人気blogランキングへ
2006.04.17
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作戦開始に出た三人。前にチップを組み込んだ住民から協力の説明をし、援助を依頼、さらに、スパイの系統を探りなるべくその住民に当たらないよう配慮した。「密告する手段は無線のようなものを使っていたようだ、だとすれば、周波を狂わせる妨害信号を常に流せばいいよ。」ショウの慎重ぶりに、マリアとカイはただただ尊敬するばかり。「ショウにさっき渡された携帯って妨害装置ね、常時妨害できるようにして住民達に渡してあるわよ、あれもショウが作ったの?」微妙な笑顔で「あれは昔回収した[ただの壊れた携帯]さ」「あなた、資源回収でもしてた?」「なんとでも言ってくれ、まっ似たようなもんだったけど」慎重ながらも、合間に笑いを取り混ぜながら行動する三人を見て、チップ搭載住民の心に光が走っていた。「ああいうのって何だか好きだな」「受け身だったのがおかしく感じる、求める事は自分で見つけるんだな」チップ搭載住民らは他の住民達にもこの気持ちを伝えたい一心で作戦に応じた。もともと考えることの無かった住民は、新鮮な気持ちに、まさに[リセット]された瞬間だった。 人気blogランキングへ
2006.04.15
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ここの住民だって、心の底まで汚れた者はいないはずだ。誰かによって、それがいいと判断した、それだけのことだった。単純なものだった法律は、あれもこれもと需要が複数、細分化され、難しく見えてしまう、だから理解できない者が理解に苦しんだあげくに、反発心を育み、犯罪や事故に繋がっているのだ。マリアとカイ、そしてショウの最大の最終任務は、「判断を磨かせること」。これをして正しいか、間違っているか、間違っていたらどうするのか、正しいことはそれを広めていくにはどうするのか、それがベースであることを住民に植え付けなければならない。チップはその中で一部の手段としたアイテムにすぎない、突破口を開くのは彼ら三人であり、それを応用していくのは住民自ら実行しなければならない。この世界の場合、主による外ヅラのいい独裁制の影響で、自分の力で実行が可能になるまで手ほどきが必要だった。三人に疲れが見え始め、これからが本題だと思い出さないよう、打ち消すかのようにコーヒーブレイク。「ブレイクを定期的に盛り込んで行けば多少楽になるわよ」慰めにしか聞こえないが彼らにはそれだけでもないよりましだった。少なくとも、この世界にブレイクタイムができるだけましなのかもしれない。しかし、彼らの記憶を主率いる幹部が察知するのも時間の問題だ。人気blogランキングへ
2006.04.14
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マリアは半分怒った表情でショウに食らいつく。しばらくしてカイが、「外に無反応なチップは作れないのか?」「おっ、いい質問だねー、あのチップには予め無反応回路が組んである、だからチップ搭載人間は怖い者なしってわけだ」するとまたマリアが食いつく、「じゃそのチップをあたしたちにも付ければ解決じゃん?」「それはいい考えだって言いたいところだが、我々のように完全能力記憶タイプにはチップを入れても作動しないんだ」「なんだ、役に立たないわけか」間に入ってカイが「まあ、そんなにツンケンすんなよ、誰だって完璧なんていないよ。」と言ったら、今度はショウが難しい顔をした。「うーん、二人共勘弁しろよ」三人共気まずい雰囲気に包まれ、話しが進まなくなった。時間だけが容赦なく経っていく。こうやってみると、世界中の人間がうまく過ごしていく事がいかに理想的か、そしていかに難関か、三人の脳裏に改めて感じた。政権の難しさ、十人十色いる中での法律の規準なんてあってないような物、そんな中で本当の平和な規準を見出だすなんて不可能なのかもしれない。でも、どんな人がいようとも、心の底から悪い人間がそんなに居るだろうか?だとすれば、その心を浮き出すような魅力ある法則を組み立てる事が理想的なのだが、それがうまく動く訳がない。心を動かすということは、洗脳ではない、判断だ。人気blogランキングへ
2006.04.13
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過去からの記憶を持った者が罰せられる理由はただ一つ、主による独裁的政権が困難になるからに外ならない。住民と陰で接触しチップを提供することもまた困難だ。住民たちの中に主と繋がる報告員が混じっているし、偶然その人にチップの提供を促した瞬間も何が起こるかわからない。「あまりにも危険すぎることばかりだわ、少し時間を置いて作戦会議ってわけにはいかないかしら?」マリアの不安げな表情にカイは、「自分もそう思うけど、三人に記憶があることを悟られる危険が最大の難関だろ、ここの連中は何でそれが会っただけで判断できるのかが疑問なんだよな」それについて、ショウが「一つ提案がある、以前にチップを提供した者と手を組んである程度の人数で行動すると、記憶のある者が複数いることでキャッチに時間がかかるんじゃないかと思うんだが。」「つまり拡散ってことね、そんな根拠のない理由で行動する自体危険かもよ」「マリアの言うとおりだ、だけど、昔、助教授の時に動物実験で二匹のネズミがいて、片方にたらふく餌を与えたあとにどこかに隠れている状態、もう一方の空腹ネズミに探させると、ちゃんとたらふくネズミの居場所に到達したんだ、でも複数のネズミに餌をやったら..」ショウの発言にマリアは「相手はネズミしゃないわ」「そんなことはわかってるよ、理論上は立証されてるんだ、だからこれは人を使った十年掛かりの最終実験だよ」人気blogランキングへ
2006.04.12
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当然この三人がマークされることを理解している。しかし、ここに来た本当の目的は平和の真実を明らかにして、がんじがらめの政権から住民を救うことだ。だが、それに便乗して不満を抱かない人がほとんど、今のままでも充分と考え、意見を言わない、物事を考えない、抜け殻のような生活。平和というより、むしろ、現代社会の成れの果てという感覚に満ちていた。「人を殺したくなった」と自供する容疑者の心理は、自然に任せて自分が普通に振る舞っている中の一環であるように聞こえる。何故そう考える人が誕生するのか?少子化、孤立、結婚しないなど、多くの人が一人でも不自由なく生きていける時代だからこそ、落とし穴が広がっていく。その結果がこの派閥な世界の誕生なのだ。尋ねれば協力はするが、それは自分のためであり、その後はどうなるかは関係ない、発言する責任を持たない、自分の都合で生活する習慣がこの地にある。それを利用した犯罪や隠蔽など、見えない所で、しかも立場が上になるほど激化している。三人の考えはまず住民の考えから整理していく方針だが、ショウが途中まで展開していたチップ作戦も平行して実行することにした。チップ提供した人の中から自分から発言してこの場所を説明した者がいることに希望があるからだ。そして最終的にあの主の本当の考えにメスを入れることになる。人気blogランキングへ
2006.04.11
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脇腹を消毒し応急していたマリアも今のカイの発言に「もう一度言って。」「彼が52号だよ、なんで言ってくれなかったんだ?」すると、ショウは、「自分でマシンのソフトにあるバグ修正したのち、学習機能を追加したんだ、チップはそれを応用して記憶部分を更に強化した最新のオリジナルってわけさ」あまりにも高いレベルの内容にマリアとカイは言葉を失った。「あんた、何者?」息統合して声を揃えた。「精神部門プログラム研究特別教授の52号改め、ショウ、最新の技術でこの地に存在する政権の中で生きている人の能力を分析してその地に適った必要な頭脳を提供する特別任務で派遣された」一部始終を伝えるショウを見て、唖然とした表情の二人。「ショウって言うんだな、訳わからんが、かなりのキャリアをお持ちですねぇ」そう改まった言い方でカイはショウを抱きしめた。後ろでマリアもその再会に涙を零していた。「二人はここでの幼なじみってとこね」再会を分かち合う時間もそう長くは続かなった。急に深刻な表情になったショウは、「さて、これでおそらく三人共記憶完全復活したわけだ、この後に起こることはマリアもカイも想像付くだろう。」人気blogランキングへ
2006.04.10
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その時、銃を構える男の背後から鈍器が飛んで来た。「うっ」男の後頭部に当たり、倒れた。「自分と同じ目にあわせてやったぜ。」カイが復活した、癒しの香りと共に。「か、カイ、思い出したのか」「思い出したのね、カイ。」マリアも目が潤んでいた。直ぐさま男を縛り付け、この家の住民も取り押さえた。「なあ、ここのシステムはどうなっているか説明してくれないか?」カイは冷静に住民に問い掛けた、住民は口を開こうとはしなかった。「あんたは知らないだろうがある意味自分はあんたに救われたんだぞ、手荒いことはしたくないんだ」皮肉にも、この住民が差し出したコーヒーで記憶が甦っただなんて、想像を越えてカイは改めてマリアを感謝した。「探りをする行為は禁止されている、それしか言えない」「探りを先回りして探っていたのね、住民たちの仕事とやらで、通報すると報酬ってわけか。」マリアの意見に続き、カイも、「それだけ言ってくれれば充分だ。要は人の足元を見るなってことだな。」腹部を撃たれたショウには「傷を治す薬がとなりの部屋の右にある棚の箱にあるから処置したら」マリアがそう言ってショウの姿を見つめ直した。その光景を見た時、カイはハッとして、「そいつ、どう見たって、52号?」人気blogランキングへ
2006.04.07
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この時点でマリアの記憶が完全に解凍された。一方のカイにはまだその余裕がなく、再び気を失っている状況にある。「かなり疲労が重なってるみたいだな、カイ」ショウはすぐにでも再会の喜びを伝えたかった。マリアには伝えたほうがいいだろうと振り向いた途端、「危ない!」マリアが叫んだのもつかの間、鈍い銃声が響いた。「や、やはりカイが思っていた通りだったな.」ショウは脇腹を抑えながらよろめいた。「くそー、なんてことだ、お願いしっかりして!」マリアもまたカイの予想通りに頭が動転していた。ここの住民が派閥に雇われていた、つまり、ここにいる住民の殆どが仕事として動いていたのだ。「こいつら、これで飯喰ってんのか、これでここの政権の素質がわかったよ。」ショウは痛みをこらえて銃を撃った男の肩を掴み、抑えながら、「マリア、彼とここから逃げろ!早く!」「なに言ってるの、あたしも戦うわ」「ダメだ、今は彼の安全が優先だろ」「そんなこと言ってもあんたはどうすんの!?」マリア含め武器がない三人にとって、手段がなかったと思われたその時だった。人気blogランキングへ
2006.04.06
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傷ついたカイを安全な場所に連れて行こうとしたが、ここには店とか公園という物は存在しない。困り果てて気力抜けしている所に、一人の男性が近寄ってきた。「よかったら私の家で休まれてはいかがですか?」その言葉に一番先に反応したのはカイだった。「ここの人はみんな手先だ」かすれた声だった。マリアは「今はそんなこと言っている場合じゃないわ、お願い、いいかしら?」男性に神様に願うように叫んだ。「こちらです」快く案内する男性。カイは口を開く気力もなくただそれに従うしかなかった。「ゆっくりしていって下さい」テーブルに運ばれて来たのはコーヒーだった。「香りがいいわね、気が休まるわ」マリアがそう思った瞬間、マリアの脳裏に光が走った。「あ」と感じたあとすぐに、あの時の状況を思い出した。「や、やった、思いどおりになっちゃった」ショウには何だか理解できない。「あたしはマリア、派閥の政権を探るために来た、途中で男性と遭遇、男性もあたしと同じ使命をしょっていた、名前はカイ。この人よ。」ショウの頭の中は全て繋がり、その瞬間、涙をこぼした。人気blogランキングへ
2006.04.05
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記憶があることは対外のことは口にすることができる。当然、経験のないことや記憶にないことは口にしない。現代に蔓延るコミュニケーションの交差に歪みが生じていることにまだ関心がないかもしれない。気が付く人もいるかもしれないが、コミュニケーションの半分は真実、もう半分は信頼で出来ている。何が歪みかというと、今のコミュニケーションには何通りかの方法があり、人と人、メール、電話など、たくさんあるが、伝えることは同じであるはず。でも、手段が多いせいか、嘘偽りや架空な内容を伝えたり、逆に、言わなくてもいいことを伝えたり様々なコミュニケーションの交差によっていいか悪いか判別つかない域まで来ている。その交差から生まれた新たに、知っているのに知らないふりをする人が増加したことだ。現に若者がハッタリでも強いことを利用して、何をやっても誰も見て見ぬふりをする。もし、絡まれたりしたら勝ち目がないと心に刻まれているから。他にもあるが、自分の中だけで判断したことに迷いを抱いて出来た思いつきが「知っているが言えない」。逆のパターンが「言ってはいけない範囲を越えてしまうこと」。充分に理解しているのにそれ以上言わないと気が済まない、ひどいと、言ってはいけないことを口走る。これらは人を信用していないことになり、自分が正しいことを伝えるという意味だ。人を見下した発言は意味のない独裁政治と同じだ。人気blogランキングへ
2006.04.04
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マリアはショウの言うことの意味が今わかったような気がした。平和という殻に覆われた悲惨、その意味を。「とりあえず開けてみよう。」カギを開けて鉄格子を開けて中に入ると、彼の頭から血が滲んでいるのを見つけたショウは、寝ているのではなく、気絶していることに気付いた。「彼はだいぶ抵抗したんだろうか、まずいな」彼の体を摩ってみた。「おい、大丈夫か、痛むか」しかし、彼は反応しない。「やばいのか、時間がないか」ショウは彼を担いで外に出る方法を探した。「目隠しされてたからよくわからないけど、確か左左右左って感じで曲がってきた記憶があるわ」「それが確かなら、その逆を行けばいいな」とりあえず彼女の記憶を信じた。「彼は君と一緒にこの中に来たの?」すると彼女は、「来る時は一緒だったわ、でも目的以外はよく覚えてないの」「もしや、記憶がないのか。」ショウは自分がたった一つだけ思い出さない記憶がある。その時ショウの脳裏に光が射したような気がした。「か、カイって名前知ってるか?」人気blogランキングへ
2006.04.03
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