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Mにせよ、iにせよ、依頼された事はやり遂げるが、意志をそれぞれ持っている。Xにしても例外ではない。依頼人のわからない所で、自分自身の意志で判断することもある。Mの恋心も意志があるから生まれた感情だが、Xの行動は、どうやら単独でやっている可能性があった。記者である依頼人の知らない事を知っているし、依頼されていない行動も有り得るのだ。スパイであることを忘れて、それ以上の事までは依頼を望んでいない。菅野先生の抵抗は、ますます困難な状況になり、Xのスパイ活動は、更にエスカレートするのである。記者の涌井は、スパイと同時にスクープ記事を載せるための準備をしていた。あの学校を元に戻すには真実が必要だった。だから潜り込めない部分はXに任せていた。だが、依頼はしているが、どんなやり方までは決めていなかった。Xに任せているのだ。同じ頃、Mと彩香は、暑くもなく寒くもない、白い世界で、どうしたらいいのか、考えていた。だが、考える意味もわからず、何でここにいるのかも把握出来ていない。彩香:[ねえ、あたしたち、生きてるのかなあ?]M:[…僕がこうしているのは生きている証拠さ、もし僕がいなかったらわからなかったな…]Mがいる以上、命を奪われることはない、何故なら、現世の心に宿る者だからだ。彩香:[このままだと、お母さんもお父さんも、心配してるだろうなあ]消えかけていた記憶がだんだん出てきた。彩香:[菅野…先生…?]M:[…あ、そんな先生いたっけなあ…]時間が経つにつれて、菅野先生と何があったのかがはっきりしてきた。彩香:[消えてしまえば…とか言ってたような……]すると、M:[…彩香、すごいよ、その記憶力、確かにそう言った…]更に、Mは、M:[…彩香と来るその前にも飛ばされて……]同じ教室で、同じ教師に飛ばされた事を思い出した。だが、肝心なことを忘れていた。M:[…あの先生に飛ばされたんだよなあ…]彩香は、菅野先生を思い出し、彩香:[あの先生、確か、心がどうのって言ってたよ、エリート校に、何だっけ?]断片的な記憶は、他の事といっしょになってしまう。パズルのように紐解かなければならなかった。彩香:[そんなことよりも、どうやったら戻れるの?]M:[…それは多分、僕が君から離れて誰かを呼びに行かなきゃならないかな、でも、離れた瞬間、君の存在が危なくなるかもしれないんだ…]彩香:[それって、死んじゃうって事?]M:[…ああ、おそらくね…]彩香:[一緒に行くことは出来ないんだ?]M:[…ここはどうやら現世とあの世の境目らしいから、むやみに肉体が動けば、現世から跳ね返される恐れがあると聞いている…]彩香は、Mとの離脱を希望した。Mだけで現世に戻り、彩香を呼び出してもらえば、おそらく戻れる。しかし、Mでも初めての経験で、実際に戻せるかどうかは未知の事だった。人気blogランキングへ
2007.05.30
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Mを思う仁美に、もう1つ、思いが増えた。彩香だ。彩香と別れてからもうすぐ48時間が経とうとしていた。彩香の両親も警察に届けを出そうとしていた。仁美には彩香がいなくなる理由が全くつかめず、他の友達や先生に聞いても心あたりがない。菅野先生に聞いても、菅野先生:「わからないわ、何かわかったら連絡するわね」と、あの件に関しての記憶はなかった。Xは、菅野先生に逆切れされない事だけを考え、管理する必要があった。もし、外部からの会話から逆切れする内容になった場合、その間に何をすべきかを決めた。X:[…もし、今度、逆切れしそうになっただけでも、相手を消滅させるぞ…]菅野先生[好きなようにはさせないわ、あなたに指示される覚えはない]X:[…そんなこと言っていいのかなあ、あんた、他にも既に覚えがないものがあるんだからなあ…]菅野先生[わたしの記憶をどうしろと勝手だけど、他の人を傷つけるのはダメ!]X:[…じゃあ、おとなしくしてるんだな…]菅野先生[……]菅野先生はそれ以上言っても無駄だと思い、とりあえず、明るく振る舞った。エリート校に任命され、ますますハイテンションになってきた校長ら。校長:「さあ、もう後戻りは出来なくなった、ここまで来るのに苦労した甲斐があった」苦労した?頑張った?果たして校長は何を苦労したというのか?イジメを隠蔽する一貫として、エリートというイメージを強く打ち出した校長。隠蔽自体、教師として最も楽にして、最も悪質な行為だった。それについて、証拠を暴こうとしている1人の新聞記者がいた。刺客を依頼したのは、何を隠そう、その新聞記者のスパイだった。その記者の名前は、涌井という。彼は、この学校の卒業生で、昔は母校として自慢出来る良い学校だった。それが、校長が変わるたびに、体制が変わり、小子化になってきてから、生徒数が激減し、偏差値まで下がる一方だ。今では、スベリドメのイメージまでついたこの学校を何とか再生しようとしてきた校長の考えはことごとく失敗し、イメージダウン、更には、入学する生徒の質までがた落ちし、暴力やイジメなどが目だっていた。現在は、何人かの教師の協力もあり、暴力壊滅、イジメもかなり改善されてきたが、1回ついたイメージは、かなり根強かったのだ。涌井は、そんな痛ましいイメージを引きずった中で、エリートという企画に隠された、イジメ隠蔽を明らかにし、中味を一掃して、昔のような学校に戻る事を信じていた。だが、彼は、活性させるだけでは済まなくなっていたのだ。そこに、スパイを送った意味があった。人気blogランキングへ
2007.05.29
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彩香は白いだけの世界、生死の狭間に漂い、目を閉じていた。普通ならもう命はなく、存在さえしなかった。だが、彩香は1人ではなかったため、今でも存在してここにいる。Mが彩香に入ったままだからだ。Mも気を失っていたが、死ぬことはなかった。役目を果たしていないから。今は、彩香を生かすための存在、仁美のために、命を絶つことは許されなかったのだ。先に気がついたのはMだった。M:[…とんでもない事になった、彩香、起きてくれ…]学校では、校長の企みとは裏腹に、菅野先生の行動が今最も最悪だった。しかし、まわりには気が付くわけもなく、ただの先生としか見ていない。そこが最大の油断だった。[…さあ、そろそろ、エリートとかいうのを破壊しようか、一気になあ…]菅野先生:[それはいいけど、あなた本当に誰なの?][…名前はないよ、まあ、Xとでもしとこうか…]菅野先生:[どこから来たの?誰かの差し金とか?]X:[…今は言えない、学校を潰すのが目的としか言えないな…]学校を潰そうと考える者は、マスコミか、エリート以外の生徒か親?帰宅する菅野先生、それでも居座るX。家に入り、着替えから入浴に至るまでXがいると意識するとなにも出来なかった。菅野先生:[着替えたいんだけど]X:[…恥ずかしいか、俺はあんたの心にいる間は、あんたの身体の外は見えないぞ…]菅野先生:[そうだけど、心を裸に出来ない方が辛い]X:[…じゃ、外に出ようか?あんたの裸を見る事になるがな…]菅野先生:[向こう向いてて]X:[…俺が向こうに向くと信じられるか?姿が見えないのに…]菅野先生は気がおかしくなりそうだった。もうどうでもいいと思い、菅野先生:[やっぱり出て、見るなり見ないなり好きにして]X:[…!…]そう投げやりになった途端、Xの意志ではなく、体外に投げ飛ばされるかのような勢いで、外に出た。X:[…な、なんだ、今のは!…]慌てて入り直そうとしたが、彼女の意識が一変したこの瞬間、入る事が出来なかった。X:[…何て言う事だ、こいつ、逆切れしただけなのに、ガードしやがった…]だが、唯一の武器である事に菅野先生はガードしている事すらも気がつかなかった。逆切れ。これほど恐ろしい武器はない。自分自身が悪いのに、それを認めつつも、正当と置き換えようとする開き直り。これには、どんな人間でも対処することは困難だ。開き直るというのは2つある。立ち直るか、しらばっくれるかだ。それが逆切れを選択する者が多く、自分のした事を認めた時に起こす、回避手段。昔からあったと思うが、今はたいしたことない内容でも逆切れでカバーする者が多いのではなかろうか?人気blogランキングへ
2007.05.28
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田中先生は、今の状況の発端は仁美の家族が起こした火事から始まった。そこから彩香の熱意もあったが、彩香1人ではあそこまで人を思い続けることは至難だ。そこに、何かの存在に守られていたと仮定すると、彩香が動いていたことも不思議ではなくなる。つまり、心の支えがあったと推測したのだ。柚木先生:「ふーん、面白い設定ね、それなら、彩香と仁美の友情が、固く、濃く、心が通じ合うという事ね」柚木先生は面白半分に言った。田中先生:「まあ、君にそう言われると弱いけど、そんな気がするだけだ」柚木先生:「もしそうだとしても、今の状況変えられる根拠はあるの?」田中先生:「いや、ない。ただ、わかるのは、今の生徒一人一人の繋がりがエリートクラスのおかげで、遮断されている、それにくっついて行く生徒と、反発はしていても、強く主張出来ない生徒といる」どのみち、2人だけで行動しても突破口が見つからない。その時、喫茶店の前を仁美が通り掛かるのを目撃した。それを見つけた田中先生が飛び出し、仁美に声を掛けた。田中先生:「なあ、仁美なら、彩香の事何か知っているよね?」仁美:「え、はい、何が?」急に呼ばれて驚くが、すぐに落ち着いて、仁美:「だいたいの事は」田中先生と喫茶店に入り、中にいる柚木先生を見つけ、仁美:「ああ、そういう事」すかさず、柚木先生が、柚木先生:「ああ、昔ね、そんな事があったけど、今は教師として良き相談役ってとこかな」仁美は納得したが、仁美:「今でもいい感じじゃないですか、噂は聞いてますけど」柚木先生:「噂ね、やっぱりみんな噂が中心なのよね」田中先生:「その噂なんだけどさ、学校絡みで何か怪しい噂があるとかないとか、彩香の事とか、今話してたんだが、らちがあかなくてね、仁美なら知っているかと思ってね」すると、仁美は、仁美:「自分自身がそうだったから、噂なんてって言いたいけど、半分以上は事実だし、でも彩香だけはついてきてくれました。でも、私より彩香を選んだ人がいて、その人が彩香をバックアップしていたから、いろんな事に気が付くのかなって…」柚木先生:「誰かがそばにいるの?」田中先生:「やっぱりそうだ」柚木先生:「待って、まだ話しが見えないわ」仁美は、その人の事を話すのが恥ずかしかった、その半面、羨ましい気持ちも込み上げてくるのが嫌だった。仁美:「先生、彩香は、私のため、いや、学校のためにその人の協力で動いているの、だけど、2人とも、どこかへ行っちゃったみたいで、存在を感じないんです」そういえば、彩香がいつも一緒だったのに、見ていないことに今気付いた先生。田中先生:「これって、事件?」人気blogランキングへ
2007.05.27
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支配された菅野先生の心。どこからともなく、現れた刺客は、Mと同じ存在。必ず人間の何者かが依頼しなければ存在しない。この依頼人は、悪用か、それとも他の目的のために、何者かによって派遣された。自分の手を煩わすことなく、心理をついて犯罪を実行する、いわば、完全犯罪が可能だ。しかし、理想の相手をサポートする前提なはずが、また違った方式で動いている事は、Mが所属している会社とはまた別ルートかもしれない。菅野先生は、彩香が消滅した事実を記憶から消され、何事も起こらなかったように、落ち着いた状態だった。消滅した彩香達はいったいどこへ行ってしまったのか?仁美は、何だか孤立したような感覚に陥り、学校にいるのに、1人部屋にいるような存在になっていた。校長の差し金で、話し掛ける事も、手伝う事も、仁美に対しては、一切断絶することを命じたのだ。これは、学校絡みのイジメに値する、最悪の事態となった。仁美を学校に来てもらえるために仕方なくエリートに推薦した田中先生も、この学校には相応しくないとされ、近日中に左遷の話しも出てきている。校長室では、副校長と密接な打ち合わせをしていた。校長:「エリート拡張に障害のあるものは全て廃除する、まずは、頭っからつかえている、両親放火事件について絡みがあってはならない。」副校長:「と、言いますと?」校長:「あのエリートクラスに1人、相応しくない生徒、それに、それを奨めた教員を、この学校から外して戴かなければならない。」そういう目論みで、有り得ない陰険かつ大規模な追放策を考えた。菅野先生の思いは、刺客によって縛られた、学校はエリート拡張で仁美をいたぶる、小数の反対派教師は左遷の危機、そして、彩香とMの行方は?最悪が絡みあい、どうすることも出来ない状態の中、田中先生と柚木先生は、学校の体制の変貌に呆れて、自ら学校を去ろうとしたが、やはり、今のまま去るにはいかなかった。ある喫茶店で落ち合い、学校では言えない内容を話し合う。田中先生:「やはり、生徒を救うべきだろう」柚木先生:「わかってるけど、どうやって?」田中先生:「何気に聞いた話しだけど、彩香が何者かとつるんでるっていうのを誰かから聞いたんだ」柚木先生:「それってただの噂なんでしょ、それが本当だとしても、どうって事ないんじゃない」田中先生:「いや、そんな単純な事じゃないんだ。心を読むとかさあ」柚木先生:「何それ?」田中先生:「聞いたのは佳代だ、なんか帰り道でクレープ食べてた時に独り言みたいな事を言ったと思えば、急に帰るとか言ったらしい、これっておかしくないか?」柚木先生:「おかしいっちゃおかしいけど、人間、そういうときってあるんじゃない?」だが、田中先生の頭の中に、その独り言は独り言ではなかったのでは、と推測していた。人気blogランキングへ
2007.05.24
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飛ばされたMは、危ない所に、買い物に出掛けていた彩香と遭遇し、入り込んだ。彩香:[う、いきなりなによ]M:[…まずい事になった…]彩香:[何がどうしたって?あ、邪魔が入ったっていうの?]M:[…そうだ、しかも手強いやつだ…]彩香はMの想像を読み出して、かなりヤバイ事がわかった。つまり、協力してもらうはずの菅野先生に刺客が入って、気持ちも通じなくなった。わかってる事は、その刺客を知っていることだ。M:[奴がここにいるという事は……]Mは難しい事を考えていた。彩香にはそれが理解出来なかったが、ヤバイ事だけはわかった。彩香:[菅野先生の中に入った者がヤバイって事ね、それってあなたの仲間じゃないの?]M:[…そう言うと思ったよ、種類は同じだけど、タイプが違う。彼は、まったく逆の能力を持っている。例えば、言う事に反発する、叶えたくない希望にしか動かない…]彩香:[でも、本体の意思なしじゃ…]M:[そこなんだよ、菅野先生の心は純粋だけに、少しでも逸れた事でも考えたら大変な事が起きる…]彩香は、放っておけないと思い、彩香:[あたしと行くのよ、先生ん所に!]買い物途中で急いで店を出た。学校まではさほど遠くはなかったが、発想と実行のスピードには敵わない。Mは妙な事を言った。M:[…奴が実行することは、本体をどんな事でも納得させてしまう勧誘力を持つタイプだ、だったら……]彩香:[だったら、先生に思わせないようにすればいいんだよねぇ]そう言って間もなく学校に着いた。急いで階段を駆け上がり、エリートクラスの教室に入った。その瞬間、菅野先生:[…いなければいいのに]と菅野先生が思った瞬間だった。教室から彩香が消えた。Mは、彩香と共に消滅した。意思の刺客:[…なんてタイミングのいい事だ…]菅野先生:[あなた、来るのを知ってて思わせたんでしょ。人を大切に思う人の邪魔をするような者はこの世にいなければいいのにって!]意思の刺客:[それはどうかな、でも、いなくなった理由ってなんだろね…]菅野先生は、自分が思った事に対して彩香が消えた事が気になり、菅野先生:[逆転…?]意思の刺客:[…やっとわかったようだな、そう、あんたの思惑に反対するのさ…]菅野先生は完全に心を支配された。更に、菅野先生から、消した人間の記憶まで奪ってしまい、何事もなかった状態に。これが、このタイプの性質の全てであり、Mの恐れていた存在だった。一体、どこから来たのか、それは、Mと同じ、心を汲み取る派遣として、必ず人間の依頼がなければ現れる事のない存在。根っからの悪ではないが、気まぐれな方法で心を操ることのあるタチの悪い派遣。人気blogランキングへ
2007.05.23
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菅野先生とのコラボで、部分リセットを決行しようという計画は、菅野先生自身にも影響するという説明をしたら、 菅野先生:[私はいい過去持ってないから、でも、今の生徒とはうまく行ってるの、だからそれだけが気掛かりかな] Mにとっては、一斉リセットより手間がかかる部分リセット。そこに、今の関係も維持するというのは、不可能に近い、更なる技が必要だ。 iにも尋ねたが、今までのケースにはない手段だと言われ、菅野先生はがっかりしていた。 iがいないと気が弱まった所に付け込んで、ある意思が菅野先生に入って語りかけた。 ある意思:[…先生、あんた、なかなか動きやすいね…] 菅野先生:[誰?] ある意思:[…聞くだけヤボだな…] その意思は、Mのタイプとは違っていた。何だか自由な感覚を持っていた。 ある意思:[…あんたを自由な気持ちにさせてやる…] その後、Mが菅野先生に近寄ろうとした時、 M:[…う、この感覚は?…] 菅野先生に近寄る事が出来ない、特殊なオーラを感じた。 意思は、1人に2人は入る事が出来ない。会話は出来るが、入っている意思が拒否すれば、遮断されてしまう。 M:[…誰かいる、しかし、読めない、菅野先生、どうしたんだ…] その刺客は、外部との情報を全て遮断した。この力は、Mにもない特殊な技だ。菅野先生は孤立した。 ある意思:[…あんたは自由だ、これからは、あんたが少しでも心に描いた事があれば、それが全て実行されるぞ…] 菅野先生:[思っただけで?] ある意思:[…そうさ、でも、例外もあるがな…] 菅野先生は、試しに、仁美に話し掛ける想像をした。 すると、 ある意思:[…そんなのは例外に入るなあ、もっと大胆な発想じゃなきゃ…] 菅野先生自体、まだ大胆な事はやったことも、考えたことすらなかった。 菅野先生:[どんな事考えればいいのかわからないわ] ある意思:[…あんた、本当に天然なやつだな、じゃ、試しに、目の前の空気を激流に飲ませるっていうのはどうだ?…] 意味がわからなかった菅野先生は、ちょうど生徒がいない教室なので、少し位大丈夫だと思ってしまった。 ある意思:[…起動したぞ…] と言ったとたん、教室の中を風が舞い、机が動き出す、チョークが舞い上がり、空気は、菅野先生を中心に渦を巻くような流れとなっていた。 菅野先生が気が付かない事に、Mを飛ばしてしまうのが本当の狙いだった。 M:[…余計な事をさせやがって!…] Mは、学校の外に放り出された。 ある意思:[…どうだ?こんなふうにあんた自身が考えるんだ…] 確かに菅野先生にはやりたい事がたくさんあった。だが、それを大胆に発想するまでにいかず、素朴な事ばかりだ。 ある意思:[…やりたい事がそんなにあるのに活かせないなんてもったいないなあ、じゃ、実現に向けて、1つ1つ、俺が手ほどきしながら味付けしてやろうか?…] 妙な親切心を煽るこの意思とは?
2007.05.23
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エリートクラスの派遣教師。 育ちは財閥を抱えるエリートの家庭。 家族構成は彩香と同じ、働く両親と妹の四人家族。 家族は地方であるが、有数な大手貿易の商社、父親のやり方に不満を抱き単身で上京するも、趣味や特技はない。資格さえないから、資格と習い事を数え切れないほど実力のある妹と比較対象となる事が多かった。 自分は自分の生き方でいくと行って家を出てきたのだが、何をすればいいかも解らず終いで、見兼ねた父親が、ある情報から、iを派遣に送り、心のスパルタを受け、自分には想像もつかなかったエリート級の資格を取得させ、現在に至る。 富豪家族でありながら、一度もすねをかじることなく、常にお金がないと思い込むようにしているという。 そうしていれば、お金に甘えたり溺れる事無く、普通の生活をしていれば、身近に友達が増えたり出掛けたり出来る、そのほうが人生無駄なく楽しく過ごせるからだ。 そんな彼女のピュアさを抑えて、心をリードしてきたのが、iだった。 彼女もまた、父親に抜擢される程の心理を操る技を持った、エリートクラスのセラピー。 菅野先生から、自分では発揮出来なかった力を引き出させるのが目的だが、中には彼女の意思とは正反対な事まで身につけさせていた。 その1つがこのエリート教師。 やりたくもない普通の担任ならともかく、エリート教師である。 そんな彼女でも、初めてよかったと思ったのは、生徒が声をかけてくれる事。 友達とも普通にうまくやっていきたい気持ちと同じくらいに、生徒とのコミュニケーションをとることが、どれだけ楽しく、素晴らしい事か、菅野先生自身、エリートなど抜きにして考えていた。 iも、そんなピュアな菅野先生を、今時とても珍しい性格だと、援助する身とはいえ、ある意味感心している。 仁美は、菅野先生とも仲のいい、友達感覚な感情を抱いていた。 ただ、エリートクラスという環境だけが邪魔をしている。学校の方針が変わらない限り、ぎくしゃくした感覚は修まらないだろう。 彩香は、仁美へのイジメや、噂を遮断するためのエリートクラスでは、ただの時間稼ぎにしかならないと思い、裏ではやはり、隠れ家としか見ていない。 Mとiに、この事を踏まえた対策を依頼し、内外の歯車を噛み合わす手段を考えていた。 M:[…どのみち、学校も、世間も、気持ちはかわりないようだね…] i:[…そうね、致し方ないけど…] M:[もっと真剣に考えてよ、もう仁美だけの問題じゃないんだから] i:[……] そんな中、また新たな刺客が、この世に送られてくることは、まだ誰も知らなかった。
2007.05.22
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エリートの確立によって、普通授業との両立はますます困難になってきた。学校側のマスコミに対するコメントは依然、エリート高校の転向を強く押している。そのため、普通レベルの生徒は、着いて来れない生徒を別の高校に斡旋する対策を考えていた。いわゆる、天下り状態だ。これに対して、親御達が無責任過ぎると批判的な意見がでてきている。エリート高校に賛成な教員と、普通授業続行派とはほぼ二分しており、当然ながら、親御達との共存を結んだ。もしエリート高校が実現すると、彩香と仁美は離ればなれになってしまう。そんな中、仁美にエリートをやらせてエリートクラスを汚していると掲げたマスコミがいた。それは、放火した親と子供のイジメを持ち上げた内容で、やはり緻密な情報が流れていることになる。仁美自身、エリートを続けていく自信がなかったので、その話題には気にしなかったが、エリート賛成派の教員はそれを一切無視し、今の状態を続けていった。しかし、これが、仁美の事がきっかけで、学校全体が危機に陥ることになる。マスコミがグループとなり、話題にして金儲けしたあげく、この学校を潰す計画を企てたのだ。意地になっている学校を面白半分に取り上げ、タイミングを見計らって、どん底に落とそうというのだ。Mは記事を見て、これを止める方法はただひとつ、でもそれは、彩香を巻き添いにするものだった。iは、この問題に対応する手段に、i:[…菅野先生にやってもらうわ…]M:[…どういう事だよ…]i:[…私はあの子を長年みてきたけど、心には凄い物を秘めてるの、それに気付かせるのは、M、あなたよ…]M:[…そんな無茶な…]同姓では上手くいかなかった過去のデータから考えれば男性と女性の方が相性率が高いようだ。Mは、すぐにとは言えなかったが、よく考えてみれば、彩香との相性もあり、そのほうが無難な対策だった。菅野先生の休憩時間に、M:[…ちょっとゴメンね、あいつの考えなんだけど、聞いてくれるかな?…]菅野先生:[突然、誰?]M:[…あなたにいたiの知り合いで、Mと呼ばれている、同じ目的で来ている…]菅野先生は、ここまでにしてくれたiに感謝していたが、はっきり言って、自分の思いとはまったく逆の事をしていることにずっと不満を抱いていた。Mも、その気持ちを知った上で、敢えて来たのだ。M:[…本題を言うと、この学校、生徒を助けるという事なんだけど、菅野先生は、今までは、iに無理矢理仕込まれた才能に決着をつけてもらおうと言うのが、本音だ。…]菅野先生:[何をすればいいの?]心の準備が早い菅野先生に、M:[…ウワサ通りだね…]人気blogランキングへ
2007.05.20
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人間は、生きていくために働いている。もし、働かなくても生きていけるとしたら、やはり働かなくなるのであろうか?彩香の父親は、先の見えない迷路の中で、明日はどうなるか解らない世界にいた。母親も彩香も怜も、同じ船に乗っている。それでも学校へ行く必要もあるし、家のローンも払う必要もある。でも、独身貴族だろうが、どんな人でも、職場では同じように扱われ、会社のための人間とされてしまう。会社が傾けば、以前まで必要だった人間を解雇するとまでになってしまった事が空しくなるが、会社を守るために家族が犠牲になるというのはまた別問題として扱われるかどうかだ。Mは、iと合流し、学校を含め、現代社会についての話しになった。そういう背景を何件も見ている事を考えた上で、悩める人の支えとしてきたが、もう何をやっても無理な兆しもある。M:[…リセットするタイミングが難しすぎる、どう対応すればいい?…]Mは、iに派遣らしからぬ質問をした。i:[…あなた、少し入り過ぎたよね…]M:[…どういうこと?…]i:[…彩香って子によ…]M:[…そうかもしれない、あんなに感情的になったのは初めてだ…]Mは正直に話した。といっても、お互い、心の中で呟いてもわかるくらいのだが。i:[…あなたをそこまでにさせるのは何かな?…]M:[…それは、どんな事があろうと、正直で、ピュアな心を持った人がいたって事さ…]基本的にピュアな人にしか入れない2人にとって、減少しつつあるピュアな人を救いたい。休憩時間、彩香は仁美を待つ。エリートクラスから5分遅れてようやく仁美が出てきた。声をかけた彩香だったが、仁美はなんだか疲れている様子だった。彩香:「仁美、お疲れ様、今日はどうする?」少し考えてから、仁美:「今日は疲れちゃったから、中で」彩香:「そうしよ」いつもは外に出て弁当を食べていたが、仁美の希望で、ロビーで食事することに。彩香:[仁美、何だか大変みたい、こんなの毎日だったらきついなあ]と思った瞬間、仁美:「言っていいんだよ、大変だって。そのほうが嬉しいし、気が楽になるから」彩香は、Mがいなくても、仁美にはお見通しのようだ。仁美:「私は大丈夫なんだけどね、先生の方が心配なの」彩香:「先生?」仁美:「エリート要員で新しく来た人、何だかエリートっぽくなくてさあ」明るく振る舞う仁美を見て、彩香:[お父さんにもそういう笑顔見せられたら、楽になるのかなあ…]すると、[そういうもんだよ]彩香:「え、仁美、今の?!」心の中から聞こえてきた仁美の声は、何だか澄み切った綺麗な声をしていたように感じた。人気blogランキングへ
2007.05.17
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菅野先生の見守る中、仁美は、エリート校での授業を受けていた。地域中で、エリート制の噂が広まり、市、そして都道府県という規模までになった。ただし、学校を讃える内容よりも、そのエリートクラスで勉強している仁美に注目が集まっていた。マスコミが騒ぐ中、エリートクラスを評価される可能性を狙う学校側。それと同時に、何かと付き纏う火事の件が必ず仁美の印象を悪くしていたのだ。iは、菅野先生を通して、エリート生徒の気持ちを聞いていた。有名になりたい生徒が過半数を占め、学者や教授希望、後は先生からの推薦、成り行きである。この学校がエリートクラスを提案して、他校にも勧めていく方針だが、生徒重視ではないことは見え見えだ。こんな事のために派遣されたわけではなかったiにとっては、Mとの掛け合いでリセットの準備を急がねばならない。仁美は、エリートクラスの授業には何とか追い付いて来ているようだが、勉強している反面で、やはり、両親の事も気になっていた。時々入ってくるMからも、両親の状況は聞いていた。仁美にも、あまりにも見えっ張りな父親を酷く当たっていたこともあって、実はとても弱い人だと悟った時は、涙が出そうになる。きっとその心境は、面会室で泣いた母と同じであろう。彩香は、仁美の事を気にしながら、自分の授業に向かっていた。彩香:[あーあ、この学校、どうなるんだろ、エリートだけの学校になっちゃうような気がするしぃ]彩香が通う高校は、平均偏差値が52で、ごく普通のレベルだ。学校側の意向次第では、エリート学校に転向するかもしれないのだ。そんな学校が母校とは思えないくらい、変貌するに違いない。i:[…菅野先生、ちょっと出るけど、大丈夫だよね…]菅野先生:[う、うん、何とかね、Mさんでしょ?]i:[…ま、そんなとこね、じゃっ…]そういって、iは、いそいそと菅野先生を抜けた。平気だと言っていた菅野先生だが、実は、1人で教壇に立つのは初めてだった。仁美は、落ち着かない様子の菅野先生を見ていた。仁美:[あの様子の変わり様は何?]他の生徒からみれば、ただふざけていると思うほうが少なかった。仁美:「先生、大丈夫?」声をかけたのは仁美だった。他の生徒は見て笑っているか、見て見ぬフリをしている。人間はやはり、自分の事しか考えていない方が多いせいか、影でしか人の事が言えない。そこから誤解が生じて、悪い方向にばかり繋がっていく。菅野先生:「ありがとう、少し気分がよくなかっただけ、でももう平気みたい」声をかけられただけで、不安が少し解き離れたようだ。人気blogランキングへ
2007.05.16
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不景気が続き、社会が紛れも無く悲鳴を挙げていた。それに連動するように、生活環境にも大きな波が押し寄せている。技術の進歩だけは着実に伸びている過程で、便利になっていく関係もあり、給料が増えなくなれば、一人で生活する手段を選べることから、食生活の変化にも関係し、体質の変化も目まぐるしく、結婚や出産の確率も低下するのも頷ける。富豪だった家庭が普通になるより、平凡な家族にはどの程度の影響があるだろうか?もちろん、その波は彩香の家庭にも押し寄せてきたのだ。かつて何でもありなバブル時代にあった中小企業レベルのデザイン会社は、紙の値上がりや、新聞折込減少の中、印刷分野が傾きかけて来た影響で、デザイン部門にも多大なる経費節減を呼びかけるようになった。給料が比較的割増だった派遣や契約社員はことごとく、解雇の声が挙がり、社員の負担を少しでも軽減する事、高年齢な社員を解雇していく流れの中で、彩香の父にもその声が挙がっていた。中堅の位置にいたが、仕事の流れから一歩離れた内容だったために、他の社員と共に解雇されようとしていたのだ。しかし、父のまわりにいる社員は不思議な事に、既婚者でも独身でも、子供を持たない人が多く、とても相談にのれるような者はいなかった。おまけに、解雇を提示してきた上司までも子供がいない。そんな人に言われたくない気持ちが込み上げていた父は、家庭を持つ、子供を持つという意味では、普通だったはずの家庭が、今では羨ましい部類に入るらしいのだ。それを、子供のいる事の意味を知らない人に裁かれる事に、胸が痛くなる辛さに耐えてきた父。子供を持たない上司に、いい歳して、とか、子供がいるんだろ?という発言は、ある意味、すごいプレッシャーと、圧力がかかる。「何がわかる……」共稼ぎの両親に迫る金銭問題を子供達に押し付ける事ではないが、親として、親子間での最低のルールはあっても、子供の目指したい事を阻む権利はない。それを不景気や犯罪などが奪う事がやるせない。むしろ、子供も勉学と共に、こういったご時世と向き合っていくことも大事な時代になったかもしれない。母も毎月を凌げるほどの生活維持のため、働く毎日。彩香は、妹の怜と夕飯を食べながら、今親の代わりに出来る事をやるしかないと思っている。彩香:[仁美はきっと、全部、親がやってたんだろうな、自分からやりたいと思った事ないのかなあ]そんな独り言を言うと、M:[…勝手な想像は、いい結果を出さないよ、悪い噂と同じさ…]彩香:[そうだね、反省!]人気blogランキングへ
2007.05.15
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父親は、あれだけ豪華で幸せな時を過ごせたのが、今ここまで落ちぶれるとは夢にも思わなかった。しかも、いい生活を少しでもしていたい願望が強かったので、お金がないはずなのに、豪華にして見せていた父親自身が嫌になっていたのだ。仁美には、破綻したことを黙っていた。だから、幸せなふりをしていた。結局、富豪の世界でしか生きてなかったから、こんな事しか出来ない、不器用な性格だった。それがあまりにも娯楽で、あまりにも精神を削っていた事を、仁美には悟られないようにしていたことが、父親としての最後の親心だった。田中先生:「これを聞いたら、仁美泣くだろな」由香里先生:「何故仁美に真実を伝えないのですか?」由香里先生はやはり真剣だった。由香里先生:「これで本当にいいと思いますか?仁美さんが幸せだと思いますか」母親は、母親:「仁美は何と?」由香里先生は率直に答えた。由香里先生:「はっきり言って、避けています、嫌っているようです、ただ、本心からではないと思います。」由香里先生は、仁美を連れてくるべきだったと後悔していた。このような話し、二度と言えるものではない。田中先生:「では、しゃべる必要はないですから、今時点の気持ちだけ伝えておきましょう。多くを語らなかったと…」母親:「でも、ただ抱きしめたかったと伝えてください」由香里先生:「その言葉、確かにお伝えしますが、とても重い言葉ですので、今更的に言われても仕方ないですから」田中先生:「おい、そんなこというなよ、気にするだろ」由香里先生:「いいの、これくらい言わないと、言われるだけでも重い記憶が残るわ」母親は後で虚ろな目をして立っている父親に視線を向けながら、涙を浮かべていた。----------------------------------------------------------------------------------------バブル崩壊後、日本は急激な落胆と共に、生活水準まで影響した。あんなに安心だった会社が、あんなに大手の会社が、瞬く間に傾き、消えていく。栄えていた時が普通だった事から考えれば、当然、悪くなる景気に対応できない企業も出てくる。世の中の流れに対応した対策が重要なら、伝統を守る事も大事。それをどう両立するかで日夜論議する会社もあるのだ。プライドを捨てるか、守るか?仁美の両親に挨拶をしたあと、田中先生と由香里先生は、警察署を後にした。田中先生:「プライドというのは確かに大事な事だけど、このご時世にそれを続けていく事が、以前は普通のことだったのに、今はそのプライドが邪魔をしているなんて」由香里先生:「やっぱり、不器用なんだと思うわ、人間ってね」あれから、仁美の母は、しばらく泣いていたという。「・・・こんな親でごめんなさい…」人気blogランキングへ
2007.05.14
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多くを語らない性格の田中先生が何故生徒には熱心に助言するのか、由香里先生は何となくわかっていた。過去の記憶がそうさせているというのだ。思えば、2人はもう15年くらいになる。お互いが違う学校にいたのは大学の4年間のみ。その4年の間にも、ちょうど恋人同士だった。そしてお互いに教員の資格を取得した後には、田中先生の奥手に辛くなり、違う学校で教師を始めた頃には由香里先生の感情は覚めかけていた。そこに、赤津先生のいるここが最初の学校だったのだ。後から偶然配属された田中先生は、驚いたのもつかの間、もう既に由香里先生にその感情がないことを悟るのだった。田中先生:「俺達は今の方がいい、友達としては皆には負けない、だから、由香里がいいと思えばそれが一番いい道だと思ってるんだ」由香里先生:「それには感謝するけど、そんな考え方じゃ、一生女性を幸せに出来ないよ」田中先生:「それが俺なんだろうな」幼なじみという過去を断ち切りたい気持ちで田中先生は、田中先生:「この件が収まったら、とっとと結婚しちまえ」由香里先生はその言い草に、由香里先生:「そうしよっかなあ」と、笑いながら頷いた。しばらくして、警官に呼ばれた2人は、面会室へ入った。ガラスごしに写る2人は、既に教員としての顔になっていた。ドアが開き、両親が入って来た。母親は軽く会釈をしたが、父親はどこか違う場所を見ていた。引っ張りながら来た様子だった。両親が座ると、田中先生:「よろしくお願いします、早速なんですが、うちで仁美さんが大変なことに巻き込まれているのをご存知ですか?」すると、母親が、母親:「大半は聞いております、どれもこれも私達の責任です」涙が込み上げてきた母親は必死に語った。由香里先生は、すかさず、由香里先生:「ご主人なんですが、何かを言いたいのではないですか?」そう聞くと、母親:「倒産が決まるとたんに、何かが吹っ切れたように急に暴れ狂い、蹴るや殴るの連続で、私と仁美は逃げ回っていました。その後、私達が寝静まった時に、突然火の手が上がっていて、逃げようとしていたら、主人が火の中で笑いながら踊っていたんです。」田中先生:「そんな状況でよくそうしていましたね」田中先生がそう答えると、由香里先生:「その様子はお祭りみたいな感じでしたか?」母親:「お祭りかどうかはわかりませんが、楽しそうにしていたのは間違いないです」父親の異常ぶりは聞くに耐えない事だが、打ち明けている母親の方がもっと辛いはずだ。母親は、母親:「1つだけ主人にも親心がある部分がありました。それは、仁美を学校に行かせてから火を付けた」その時だけ、正気だったというのか?由香里先生は、その事でピンときた。由香里先生:「旦那さん、その時は正気だったんですよ、正気のままじゃ火は付けられなかった、だからわざと狂ったふりをしていたんだと思います。でも今は火災の影響で本当に…」田中先生:「し、正気だったって!」
2007.05.14
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エリートクラスで持ち切りだった学校は、マスコミの強い圧力で、かなり切羽詰まる状況となっていた。笑いが止まらないのはエリート反対派の赤津先生だ。赤津先生:「エリートなんかにウツツ抜かしてるからいけないんだ」校長はすぐに、仁美のいるクラスに行き、校長:「あの記事について聞きたいことがある」と言って、仁美を呼び出した。田中先生と校長室に入り、校長:「知ってのとおり、あなたのご両親を悪く言っている人がいる。それを突き止めたいのですが、どうしたらよいのか訪ねたい。」すると、仁美は、仁美:「マスコミが許せない、だけど、両親はもっと許せません!」強い声で主張した。田中先生は、田中先生:「それじゃ、誰がご両親を助けてあげるんだ?」仁美:「好き放題してきた親に、あたしの気持ちはわからないわ」泣きながら答えた。校長:「ふむ、じゃあこうしようか、私達がご両親を見るから、あなたは、エリートクラスに入りなさい。あそこならマスコミが入って来れない区域だし、あなたは元々エリート級の成績だ。どうだろう?」仁美は悩んだ。彩香とのクラスでいたかったのに、突然のエリート宣告。しかし、普通のクラスにいれば、また予期せぬ噂が流れ、元の嫌なクラスに逆戻りする可能性があった。------------------------------------------------------------------教室に戻ってきた仁美に、彩香:「仁美、どうしたん?」仁美:「あたし、彩香と一緒のクラスにいたい、でもね…」彩香:「あ、わかった、仁美は入ってしばらく様子を見たほうがいいよ、わたしがなんとかするから、このクラス」仁美:「本当?」彩香:「約束するよ、そのかわり、ちゃんと戻ってくるんだよ」仁美:「う、うん、わかった、待っててね」同じ学校なのに、まるで転校するかのように、2人は、約束を交わした。校長は、教員2人を呼んで、仁美の両親に会いに行くように伝えた。それはただ会いに行くのではなく、マスコミの前で家族としての謝罪と、火事に対しての潔白を訴えるためだ。選ばれた教員は、担任の田中先生と保健の由香里先生だ。実はこの2人、元恋人だったが、しばらく付き合い、その後、由香里先生が赤津先生を選んだ為に、譲った形で別れたらしい。教育面で生徒としてはとても熱心だが、女性としてはとても奥手な田中先生には愛想尽きたようだ。それでも2人は小学生からの幼なじみという事もあり、持ちつ持たれつな関係が続いていた。仁美の両親がいる警察署に向かい、はっきりさせられる様願った。面会手続きを済ませ、しばらくベンチで待っている2人。ただ無言のまま、沈黙が耳鳴りに聞こえた。口を開けたのは、由香里先生だ。由香里先生:「ホントに相変わらず何もしゃべらないんだね」人気blogランキングへ
2007.05.10
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iは、決して菅野先生との相性はいいわけではなく、iの性格がきつく、菅野先生自体は穏和だった。菅野先生:「確かに、ここまでやってこれたのは、iのおかげなんだけど、なんか達成感はあるといったら嘘になるかなあ」Mは、彼女の言うことに、M:[…同情するよ…]Mは、彼女には入る事が出来ないため、断念しようとした。しかし、菅野先生:[あなたの考えていた事がわかる、好きな女の子がいるんでしょ?」M:[…あ、そっちの話題ね…]すると、すかさず、iが、i:[…その子を救うために、他の女性を探していたって事ね…]M:[…ああ、そしたら偶然…]i:[…お気の毒様、でも、協力してやってもいいけどね…]M:[…気に入らない言い方…]Mは、iとはやはり相性が合わないようだ。同類にそう会えるものではない。菅野先生:「私は協力したいなあ、Mさんの」菅野先生が答えた。M:[…それがあなたの本心なら仕方ないけどね…]i:「これは本音よ、今まで人のためになったことないから」本心である以上、iは動くしかなかった。心の中でしかいられない存在上、本体の意志に従う事が本来の定めなのだ。iはおおよその見当はついていた。--------------------------------------------------------------------------------------彩香は、エリートクラスの中が気になっていた。勉強優先が確立してから、部活動も縮小され、バスケも週に5回から3回にされた。仁美自身は、ほぼ毎日あった部活動が削られ、仁美:「そこまでやるなんておかしくない?」彩香:「そうだよね、うまく両立するのがよかったのに」更に、キャプテンとしての立場も、あまり意味がなくなりつつあった。練習が減り、試合回数も無くなり、ただの同好会と化していた。そこに、一報が入ってきた。仁美の両親が退院したというのだ。しかし、教員室でその電話をとったのは、赤津先生だった。前からエリートクラスを反対していた赤津先生は、この情報を利用して外面のいいこの学校を陥れようと考えた。校内にはその内容を伏せて、マスコミに持ち掛けたのだ。[富豪家族、火事騒動からの生還!事業失態からの無理心中か!?」と報じられ、世間に漏らした。日本規模での展開は、仁美の通う学校の位置に来れば既に世間的に知られ、火事からの事件の記憶が完全復活する。彩香の自宅で、Mが、M:[…遅かった、マスコミに告げるスパイがいたようだ…]彩香は、[そんなことする人って、相当仁美を嫌っているのかなあ]M:[…いや、そうじゃない、仁美の件はたまたまだ、誰でもいいから騒動を起こすきっかけが欲しかっただけだよ…]彩香は、人の足元を見てネタにする人間が許せないと怒りをあらわにした。人気blogランキングへ
2007.05.09
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●彩香:普通の女子高生。家族四人で平凡に暮らす。違っていたのは、あまりにも純粋な心の持ち主。●仁美:彩香の大親友。大企業に勤める父を持った富豪家族の娘。突然の惨事で家庭崩壊寸前に。●M:仁美が理想の彼氏として招かれた、心のケアを任務とする特派員。ナゾな部分が多い。●佳代と亜子:彩香の親友。心と態度にギャップありで信用性が問われる。頭はいいが性格が悪く、陰口が多い。●赤津先生:彩香が1年の時の担任、国語を教える。優しいが、影での行動が気になる存在、情報を流しているという噂も。柚木先生の現在の恋人らしい。●由香里先生:英語を教える。見た目は綺麗系だが言葉遣いはボーイッシュ、生徒に面倒見がいい。●柚木先生:保健室の頼れる存在。赤津先生との恋愛、生徒の情報交換など、疑惑を抱えた人物。●田中先生:彩香や仁美の現在の担任。面倒見がよく、優しいが、幼なじみの柚木先生にふられて未だに独身。物欲が激しい。●怜:彩香の妹。まだ小学生なので、働く両親の代わりに彩香が世話をする。気まぐれでわがままな、どこにでもいるような女の子。●i:Mと同じ心を通して救援する派遣特派員。菅野先生を救援しているが、依頼人違いで相性は合致しないまま。自由な精神を持ち、生真面目なMとは正反対。●菅野先生:大学の教授の父をもつ大富豪の娘。しかし、彼女の心は澄んでいてお金と暴力の関係することを嫌い、普通に生きたいと望んでいる。精神は強いが判断力がない、iに頼りきりの実戦経験のないエリート。
2007.05.09
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リセットがあってから1週間経過し、エリートエリートクラスとそれ以外の生徒とは、かなりの壁が出来てしまった。Mは、菅野先生の心にコンタクトをとってみた。すると、意外な返事が帰ってきた。菅野先生の心:[…あなたは、派遣で来ている人ね、何故単身なの?…]M:[…え、知ってる?あんた何者?…]すると、菅野先生の心:[…この学校にいたとはね、義務を果たしてないようだから来てみたけど、あなたの主はどうしたの?…]痛い所をついてくる所が、菅野先生の狙いを定めている売りの1つだ。しかし、どう考えても、Mの存在を知っているようだ。M:[…あんた、まさか…]菅野先生の心:[…そう、あなたと同じよ…]Mと同じということは、菅野先生の心にも、Mのような派遣がいる。菅野先生の心:[…この女は、1人では何も出来ない、けれど、家柄が大学の教授でね、エリートが当たり前の家庭でつまはじきになっていたの、そこに、依頼がきたわけ…]M:[…彼女は至って普通だ、とても清らかな性格で、上ばかり見ている家族とは反発心はあっても、反抗が出来なかった。…]菅野先生の心[…そうよ、しかも、依頼したのは両親…]M:[…そうか、親の決まりが邪魔しているわけか、しかも、恋愛出来ないように、あえて女性を依頼するとはね…]菅野先生の心:[…邪魔呼ばわりはないでしょ、だけど、彼女はケアするために依頼されていない事だけは確かね…]ケアすることが本職だが、両親の強引な依頼で心を契約させられたばかりに、彼女を自由に出来なかった。菅野先生が、授業を終えた後に、Mと合流して、相談をし始めた。菅野先生(本人):[菅野です、で、私の中にいるのは…]菅野先生の心:[…iと呼ばれてるわ…]話しは大体聞いたが、エリートに昇りつめるまで、自分を殺してきた、でも自分を越える心にはならなかった。両親が、心の中でケアをする派遣の話しをどこからか入手し、本来は自分の悩みを解決するために自分自身が呼ぶはずが、父親が強引に呼び出して、父親の心から彼女に転送したのだ。理想の彼でもなく、しかも父親の好みと思われる女性。自由もなく、恋もない、ただエリートになるためだけの派遣。菅野先生自体は、綺麗系のお姉さん風だったが、見た目だけで、中身は彩香に程近い、普通でちょっぴり幼い気持ちを持っていた。
2007.05.09
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怒涛に迷う学校。ごく普通のこの学校に、とんでもない転換期が来るとはまだ予測不可能だった。まだエリートに対応が出来ず、逆にその英才生徒を抑える考えだった。しかし、半信半疑だった学校に判断を下した結果は、英才生徒を落第させるという安易な考えだった。校長の独断な思い付きにより、外部からの講師が招かれ、エリートクラスが新設される事になったのだ。このクラスに入るために、ある試験を行う。英才化した生徒に無理難題を出題し、落第させて元のクラスに落ち着かすための第一段階、合格した生徒に、講師からの難しくて厳しい授業を受けてもらい、絶望感を与える第二段階。それでも食らい付く生徒には、人数によっては、ようやく名門大学への手引きをしようという内容だ。学校としても、これだけでかなりの費用をかけていたため、これで落ち着けば、委員会からいい言葉が頂けると確信している。だが、そうはうまくいかなかった。難題になればなるほど、講師が厳しくなればなるほど、生徒はますますレベルを上げていったのだ。そして、結果は、エリート化した生徒約80人、全員クリアしてしまったのだ。副校長は、とんでもない事態に、エリートクラスをもう1つ用意しなければならなくなったのだ。更に費用がかかり、赤字にまでなった予算に、委員会も、ショックを受けたが、80人もの生徒をイッペンに大学斡旋は厳しいとされ、特別講師も追加となり、2クラス体制で続ける事になった。そして事態は、予想もできない展開になっていった。彩香達クラスにも数人エリートに行っていた。その中に、亜子と佳代も加わっていた。「最近どうしただろうね、すっかり会わなくなっちゃったし」「同じ学校にいるのにおかしいね、引越しちゃったみたいでさあ」そんな噂が聞こえてきた。彩香と仁美は、学校がだんだん意地になっているように思えた。Mは、今エリートクラスに忍び込んでいた。この中でとてもピュアで力強い心を持った者がいたのだ。それは、生徒ではなく、特別講師として2クラス目に新しく配属された、菅野先生という、厳しく学びながら、確実にトップを目指している中、安らぎというエッセンスを交えた新しい学習法を取り入れた第一人者だった。彼女は、本も出版しており、エリートの中の安らぎを訴えている。厳しいだけでは子供は延びない。教えるだけでは身につかない、与えるべき物は全て与えるべき、という内容だ。芸をした後に餌を与えるペットのようだと批判も出ていたが、効果は絶大で、どんな形で生活をおくってきた生徒にも備わっている気持ちがあれば、必ず目的の単位をとることができたのだ。Mはこの菅野先生の心にトライすることにしたのだ。エリートクラス以外の生徒は、今までの勉強が足りなかったという判断だ。だが、普通とされた彼等にも、かなり変化している者がいた。全くしていなかった生徒でさえ普通のレベルにまで上昇し、自分自身でも驚いているらしい。彩香は、心の中で、彩香:[こんなもん、学校じゃないっしょ!]
2007.05.08
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Mはずっと思い悩んでいた。仁美はそれを察して、仁美:[彩香ん所より居心地悪いかなあ?]M:[…わかってたんだ、でも、落ち着くよ、ここは。…]仁美が勉強し過ぎて自分に余裕がなかった分、今はMとのひと時をすごせる事が一番うれしかった。M:[…仁美は、僕に今してほしい事ない?…]突然の質問に、仁美:[決まってるじゃない、でもそれは無理じゃん、どう考えても]Mは仁美の思いはわかっていた。しかし、仁美は、その質問の後に、何となく、彩香の姿が映ったような気がした。何日か経って、学校の雰囲気が変わってきていた。学校側は、本校の平均成績が上昇気味であることがわかった。最初は学校のイメージ的にも好感度が上がるなど、喜んでいた。だが、喜んでいられたのはほんの僅かだった。勉強に走る生徒達は、次第に学校に不満を抱くようになっていたのだ。しかも、登校拒否をする者が増加していた。急遽、学校側は対策委員会を起てて、調査に入っていた。校内でもアンケート調査に協力してもらい、外部調査と統計をとった。その結果、[学校で学ぶ範囲が狭い、また、遅れている][優秀な教師がここには存在しない][生徒が落ち着いて学べる部屋がない][冗談をいう先生はいらない]という内容だった。冗談さえ通らなくなった生徒達の考えはどの方向に向かっているのか、学校側にも不明なままで、遊ぶ暇がないほど、偉くなりたいのか、リラックスすら惜しむほど切羽詰まっているのか、誰一人相談すらない。完全に学校を否定的に見ていたのだ。彩香にも変化は見られたが、普通に勉強するようになった程度で、他の生徒の親からも、不思議がる電話がかかってくる。彩香の母は、「親にもわからないなんて、どうやってもわからないよ」「でも、元から英才受けてる子は、それ以上の変化はないみたいだよ」そこが一番のカギだった。彩香は、早速Mにこの状態を修復する方法を聞き出した。Mの様子がおかしい。いったい何が起きてるのか、事情を探り出した。その結果、Mに自信を喪失っていたのだ。それともう1つ、もっとも深刻な事が。Mは、仁美の心にいながら、彩香の事を考えているのだ。彩香:[あいつ、やっぱり、冗談なんかじゃなかったんだ!]仁美の中にいるのに、もし仁美に気付かれたら、大変なことになる。仁美を心から救えなくなる、Mの任務は永久に終わらない、そして、Mは結局どう転んでも恋愛は不可能なのだ。
2007.05.07
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