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「しろいもの」を取り上げた短いお話が繋がる連作集。
小説なのかエッセイ?なのか、私小説というのがしっくりくるのかも。
不思議な世界。
どこが面白かった? と聞かれると言葉に詰まる。
うまく説明はできない。
でも、エキサイティングな読書経験でした。
話の根幹には、生まれて二時間で死んでしまった姉にあたる赤ちゃんのエピソードがあり、不在の姉を通して、生と死をみつめていく。
ワルシャワという戦争の痕跡が残る街=死があった街で、より「不在の姉」の存在を意識する。
でも、語り口は美しく、まさに白の世界。孤独でもあり、優しくもある白の世界。
作中でも触れられているけども「姉の死」(実はその後、もう1人死んだ赤ん坊がいる)は、イコール自分の実在でもあるということ。
これはすごく共感できる。
私も、しばらく思い出してなかったけども、私の上のきょうだいは、一歳になる前に病気で死んでいる。写真でしかしらないきょうだいだけども、その子が元気に育っていたら私は生まれていただろうか?
※実際は、生まれていなかったのは私の妹かもしれない。
この本を読んで、久し振りに「会ったこともないきょうだい」の存在を思い出しました。
私は昭和40年代生まれですが、この世代、意外と「死んでしまったきょうだい」がいる人、いると思います。
小学生の頃、クラスでも2人ばかり「うちも弟がいたんだよ」とか「お兄ちゃんがいたけど」という子がいました。
その頃はまだ医学もいまほどではなく、私が住んでいたのも地方の田舎だったため、より高度な医療に繋がらなかった可能性もあり、いまより子供が死ぬ時代でもあったのでしょう。
死が近かった時代を、かろうじてまだ知っている世代かもしれません。
戦争の話を聞くこともありました。
そんな自分の出来事とも向き合うができた小説です。
ハードカバーのほうで読んだのですが、デザインも素晴らしい本です。装丁からフォントまで、作品世界を構築するためのデザインがすごい。
これは電子書籍ではなく、紙の本で手に取ってほしいです。
(文庫版はどうなっているか判りませんが……)
装丁に関する記事がありました。
『すべての、白いものたちの』ブックデザイナーの装丁惚れ プロフェッショナルが思わず惚れる、美しき逸品 | ダ・ヴィンチWeb
ダ・ヴィンチもさようなら……。
韓国の作家さんを読んだのもはじめてかも?
よい本に出会えて満足です!
『永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬこ… 2026.08.14
『地雷グリコ』青崎有吾 2026.08.07
『誰が勇者を殺したか』駄犬 2026.07.17