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夏風7537

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見たまま、感じたま… Dr.悠々さん
日々徒然に ジョーさん
ツブコの茶店 ミドリツブコさん
2004.08.11
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カテゴリ: ちいさいくに
父と母が買い物に、車で出かけていくのを見送って、さぼてんの様子でもみようかなと玄関に立っていたら、あぶらぜみが飛んできて、シャツの右胸にとまりました。

じりじり、じりじり、と少しずつシャツの上を移動しながら、
「じー!じー!じー!じわわ!じわわ!じわわ!」
と木にとまっている時の様に鳴くので、物凄い声、物凄い響きです。
私は右側では電話を取れない位、耳の辺りも少々おかしいので、どうしよう! と思っていると、彼はじわりじわりと左のシャツへと移動していきます。
左、左ならまあ、
と思った矢先、左側は今歯の治療の為にこれまた耳の辺りまで不都合なので、彼の鳴くのに合わせてずきずきとし出しました。
蝉の声は離れていてもなかなかに響くものですから、胸の上で鳴かれたら物凄い音量です。

彼もじりじりと移動するのは
ここではないなあ
と思っているからであり、また、私にとまっていても何のいい事もない筈なので、やや、悶絶しながら歩いていき、そっとシャツから外れてもらうと庭の桜の木に宿替えしてもらいました。
彼は、桜の木の上で足場を確かめる様にしていましたが、声を一層高くして、
「じわわっじわわっじわわっ。」
と鳴き出しました。

私はちいさい頃、夏場はせみ取りばかりしていましたので、いまだにせみを素手で捕まえる事が出来ますが、かのせみは私がシャツから掴んで木にとまらせる間も鳴いていました。普通は掴まれるとせみは鳴きやんでしまうのに面白いと思って、手を離す前にそっと背中の上を撫でると、
じわわーじーじー!
という声にちいさい背中がびりびりと震えているのが伝わってきました。
体全体が「声」になっているみたいでした。





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Last updated  2004.08.12 16:15:09
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