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マルクス「ヘーゲル弁証法批判」18
「自己意識は他在のなかでおのれのもとにある」
ヘーゲルは弁証法を初めて意識化した人です。
今回は、『精神現象学』の最終章「絶対知」の冒頭には、
8つの要点にまとめられています。
マルクスは『経済学哲学手稿』のなかで、この箇所を取り上げています。
「(六) 自己意識は外化した対象性をおのれの中に取りもどす、従って、その他在のなかでおのれのもとにある」(国民文庫 P220)
この内容というのは、人がものを知るというのは、自己の意識を対象化することにより、その対象化したものを通してものごとを知ることができる、この点をとらえているわけですが。
ヘーゲルが最終章「絶対知」でのべているのは、どのようにしてその対象性を克服して、自己のものに取り返すのか、です。
「なんじゃ、これは? 」ですが、
この内容というのは弁証法ですね。
ものを規定し、つくりだす否定の弁証法、精神の運動ということですね。
ヘーゲルは、『精神現象学』(1807年)、この初期の著作において、弁証法をはじめて明らかにしているんですね。
その内容は、人間がはたらくことでつくりだしたものなんだけど、それが疎遠なかたちで対象化されてある。それを今度は人が取り返すという一般的な原理です。
それは抽象的一般的にいえば「否定の否定」ということですが。
ヘーゲルという人は、すごいですね。
そして、それを批判したマルクスも、またすごい人ですね。
マルクスは、当時26歳ですが、
1844年『経済学・哲学手稿』において、その『精神現象学』の「絶対知」において、ヘーゲル弁証法を検討しているわけです。
いったい弁証法の意識化は、人間にとってどの様な功績となるのか。
また、それは私などにはわかりにくいものですが、そのわかりにくさにはどんな問題があるのか。
そこから何を引き出したのか。
マルクスは1845年の春に「フォイエルバッハにかんする11のテーゼ」のメモを残しています。
これについてエンゲルスが『フォイエルバッハ論』で指摘してますが、
「新しい世界観の天才的な萌芽が記録されている最初の文書として、はかりしれないほど貴重なものである」
このことに、つながっているわけです。
私などは、今回、あらためて『経済学哲学手稿』「ヘーゲル哲学」を通読したわけですが、
これから、それをまとめることが求められているわけです。
マルクス『経済学哲学手稿』「ヘーゲル弁… 2024年09月20日
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