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こんな古い格言があります。
「一家の中に悪人が一人おれば、その家は円満である」
ここで言う悪人とは、ことの善し悪しをこえて、「私が悪いのです」と言える優しい心の持ち主のことです。
人間というものは、誰でも、 「自分のすることは正しい」「相手のすることは悪い」 という自己中心的な考えに凝り固まっていて、何かあると他人のせいにしがちです。
そんな中で、一家の中でいつも「私が悪いのです」と言える人がいたら、その家は円満であるという意味です。
たとえば、お嫁さんが「私ほど未熟な者はいません。何も知らない不束者ですが、一生懸命に勉強しますから、どうか教えてください」と心からお姑さんに頭を下げれば、
姑も、「うちの嫁はよくできて嫁だ。何と可愛い嫁だろう」と大切にするはずです。
そして、「私は昔人間で何も知らないから、いろんな新しいことを教えてね。あなたに教えてもらって、私も若返りたいの」とお嫁さんの手を握ってごらんなさい。
お嫁さんは、「私、何て幸せなんでしょう。もし離婚することがあっても、このお姑さんを連れて出てしまうわ」と思うかもしれません。
この自分を捨てる心こそ、すべてのものを生かし、どんなものも育てずにはおかない慈母の姿ではないかと思います。
とくに、家庭にあって子供を育て、夫や親をも生かしてゆかなければならない奥さんが、小さな自分のエゴの殻を打ち破ってこれを実践すれば、その家庭は素晴らしい楽園にあるはずです。
「そんな損な役回りはできない」という人がいるかもしれません。
でも、慈悲利他の実践は返報性を引き出し、必ずあなたに得となって返ってくるはずです。
そんな母の姿こそ慈母の世界であり、あなた自身にも心の安らぎをもたらすはずです。
家族間だろうが他人とであろうが、自己主張だけでは却って心の安らぎや幸せからは遠ざかるような気がします。
終わりに 2018.04.21
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