全2件 (2件中 1-2件目)
1
■気になる本 - いっしょに考えてみようや -------------------------------------------------------- 私達にも「ひらめき」があります。それはノーベル賞を受賞するようなものではなく、いかに効率よく行動するか、または、料金が安くなる方法、生活が快適になる方法等です。 近所のスーパー(ヨークベニマル)がレジで発行する1割引クーポンを集めて、買い物に活用するとか。こんなことは、ひらめきでもないですね。(でも、この1割引クーポンは、私にとっては大事なものなのです。1000円のものを購入すると100円が安くなるのですから。) とにかく、考えるのが好きですね、私は。「この人は、こんなことをいっているがその背景は?」ということや「この人は、依頼する時の顔と自慢するときの顔が違う」ことや、読書をしてもその背景や何故著者はこの時期にこんな本を出すのだろう とか。考えたらきりがないですね。 でも、これが、相手を観察する最高の思考パターンだと思うのです。たまには、間違えますが、その行動とでてくる言葉の乖離がまた考える種になってしまうのです。 小人はすぐわかる嘘をつきます。中人は、それとなく理由を述べますが、ひょっとしたら という感情を抱かせます。 大人は、心(言動)と行動が一致しているのです。そんな人になりたいものです。 例えば、八ッ場ダム問題。大きな嘘がテレビで報道しているから、これは煽動、ではないでしょうか。何故、テレビは真実を追求しないのでしょうか。見るのに耐えません。 TVは、知識人ではない(小人)ということですね。私でも問題点をあげられます。(よほど、TVは私達をコケにしているのね)(1)進捗率が70%といっているが、それは、 予算(これも途中で倍増)に対する執行率です。 それでも、道路が完成していないし、ダム本体も 着工していません。で、残り30%でできるの? (それは無理でしょう。また予算倍増?)(2)週刊ポストで暴露された「八ッ場ダム建設事業 に伴う補償基準」、元不動産業者がみても、 これはフツーの地上げではなく、メチャクチャな 補償をしている。 (例えば、宅地が一般的には1.6万~7万円/坪 が、補償額は、7万円~24.5万円/坪になって いますし、農地(休耕田含む)や山林は、田が 45倍、畑が82倍になります。)(3)いままでの予算の執行で、競争入札を実施して いますが、予定価格と落札価格の落札率は、95% 以上、これは、談合をしていることにほかならないと 思うのです。(4)4600億円(途中で予算を増額)の予算以外にも 「水源地域整備計画」として国の一般会計から 997億円の公共事業予算がつき、これまで521 億円がつぎ込まれた。(週刊ポスト記事、保育所、 児童遊園、老人福祉センター等のハコモノ建設)(5)八ッ場ダム上流には、廃坑があり砒素が流失して きているという話もあり(ブログより)、中和剤 を投入しているので、はたしてこれが飲用に? さて、ひらめき(閃き)は学研パーソナル現代国語辞典によると、「一瞬強く輝くこと。」、「頭脳のするどい働き。」ということです。 しかし、その基底に必要な知識があるのには間違いのないことだと思うのです。 自分が勉学し、体験(実験)をし、そして、知識が蓄積され、その上で疑問に感じ、推論をし、それを確認するために実験をする。こういうサイクルがあるんです。 理論物理学では、実験(確認)をしませんが。 過去に私は、ノーベル賞を受賞した方々のうち、3人を紹介しました。(参考)iPS細胞ができた! ひろがる人類の夢(参考)負けてたまるか! 青色発光ダイオード開発者の言い分(参考)物理屋になりたかったんだよ 今回は、昨年受賞された方2名の共著の本です。タイトルに引かれました。「ノーベル物理学賞のひらめき」という副題でしたから。 いま、「いっしょに考えてみようや ノーベル物理学賞のひらめき」(著者 小林誠、益川敏英、出版社名 朝日新聞出版、発行年月 2009年8月25日 第一版)を読み終えました。 著者2名のプロフィールは、もうご存じでしょうが、掲載します。---------------小林 誠(コバヤシ マコト)1944年名古屋市生まれ。1967年名古屋大学理学部卒業、1972年名古屋大学大学院博士課程修了、京都大学理学部助手、1985年高エネルギー物理学研究所教授、1997年高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所教授などを務める。2003年同機構同研究所所長、2006年同機構名誉教授、2007年日本学術振興会理事。2008年高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授。2009年学術システム研究センター所長。2008年ノーベル物理学賞、文化勲章を受ける益川 敏英(マスカワ トシヒデ)1940年名古屋市生まれ。1962年名古屋大学理学部卒業、1967年名古屋大学大学院博士課程修了、同大学理学部助手、1970年京都大学理学部助手、1976年東京大学原子核研究所助教授、1980年京都大学基礎物理学研究所教授、1990年京都大学理学部教授、1997年京都大学基礎物理学研究所所長、2003年京都産業大学教授、京都大学名誉教授。2008年ノーベル物理学賞、文化勲章を受ける--------- 著者らの論文がノーベル賞を受賞したことになるのですが、その説明は、著者の本の解説(朝日新聞科学グループDo科学編集長 久保田裕氏)によると、簡単に説明をされています。 少し引用してみます。-----------------「小林・益川理論」は、物質を構成する最小単位である素粒子(クォーク)が「全部で六種類ある」ことを決めた理論だという説明が、大抵なされている。確かにその通りなのだが、「小林・益川理論」は、そもそもは素粒子の数を決めようとして考え出された理論ではなかった。------------- そもそも、何故、ノーベル賞を受賞したか、私はよくわかりませんでした。 過去の3人の人達のようには。この著者らの本をよんでなるほど、時間の経過と当時の理論、そして、過去の偉人の論文等から、ものすごいことなんだ と理解し始めました。 前の引用の解説文から再度引用します。-------- 物理学の世界では、「対称性」という概念が大変に重要視される。物理学では、物理現象はみんな運動方程式で表される。その方程式のなかで、なにかの物理量を他の数に置き変えても、方程式の形に変化が無い場合に 「対称性が保たれている」と表現する。対称性が保たれると、方程式の形が変わらないので、起きる運動のほうもまったく同じになる。それが「破れる」というのは、なにか物理量をいじると、運動方程式の形が変わってしまって違う現象が起きてしまうということだ。----------- そうなのです。当時、物質を構成する最小単位であるクオークが3種類あるのはわかっておりました。 粒子と反粒子は、質量がまったく同じで、電荷は真逆でした。C電荷(チャージ)の反転、Pは空間反転(パリティ)のものがあるとわかっていました。 このことは、CP対称性といわれています。 1956年には、同じ名古屋大学の坂田先生が「坂田模型」を提唱し、物質には、「陽子」、「中性子」、「ラムダ粒子」が基本粒子であって、それらとそれらの反粒子の組み合わせでたくさんの素粒子ができるという構想を提唱しました。 1960年には、南部陽一郎先生が「自発的対称性の破れ」を提唱し、南部ゴールドストン粒子(質量が0)が存在するという理論なのです。 ところが、1964年に、ゲルマンという人が「素粒子はこの3種類のクオークでできている」といいます。 CP対称性(粒子と反粒子はまったく対等なものと信じて)いたのですが、1964年にクローニン、フィッチという人達がCP対称性は破れてると実験で確認をしたのです。 でも、著者らは、「CP対称性の破れ」を3つの素粒子では説明がつかなく、4つでもつかない。 そのときに、「ひらめき」があったのです。 もっと多いのではないか?。6つなら何とか理論的に説明ができる。 1973年、二人は論文を作成したのです。勿論、理論物理ですから後世に誰かが実験をして確認することになります。 その場合でも、日本の高エネルギー加速器研究機構が果たした役割は大きいと思います。それらを世界の研究者とともに実証したのですから。でも、20年以上かかりましたが。 著者らが論文を一緒に書いた期間は、なんと、短いのです。でも、長い、短いの期間の問題ではないのでしょうね。その問題に対する解決するという情熱というか執念というか、二人の頭脳がフル回転してだした結論が正しかったのです。 この著者らの本は、講演内容も入っており、中学生以上の方でしたら、難なく読了することができるでしょう。難解な物理現象も分かりやすく書いてあります。 本当に(自分の頭で)考えることは大事ですね。(10/21)いっしょに考えてみようや
2009年10月21日
コメント(3)
■気になる本 - 長寿大国の虚構 -------------------------------------------------------- 本題の前に、昨日、植草一秀氏が無事、復帰しました。62日間でした。(参考)皆様のご支援とご厚情に深く感謝申し上げます さて、2009年9月21日(月・祝)にNHKラジオ第一で、平成21年度「鎌田實いのちの対話」公開放送が三重県松阪市の松阪市民文化会館からありました。http://www.nhk.or.jp/r1/inochi/ ホストは、NHKアナウンサーの村上信夫氏(1953年京都生まれ)と鎌田 實さん(かまた・みのる、諏訪中央病院名誉院長、1948年、東京生まれ)でした。 たまたま、ほとんどを聞けたのです、テーマは「がんばらない介護」。 ゲストは、ジャズシンガーの綾戸智恵さんと、タレントの荒木由美子さん、そして、特別養護老人ホーム 愛知たいようの杜 理事長の吉田一平さんでした。 綾戸智恵さんの話は、実母を介護しているのですが、ふと殺そうという行動をしたとのこと、考えさせられます。 先週の週刊ポストの記事に「綾戸智恵の壮絶介護日記」がでていました。週刊ポスト 10月9日号(9月28日発売)です。 その壮絶な部分を一部、引用します。------ 今年の春のある夜のことでした。私は極度の疲れからか、朦朧とした意識の中で、母親の顔に濡れタオルをかぶせようとしたんです。「母が死ねば、すべてが丸く収まるんやないか」---。 その瞬間は、善悪さえもわからなくなっていた。だけど、寸前で踏みとどまりました。 私はどうなってもいい。でも、残された息子が一生、殺人者の子として生きていくことになる---。 タオルをあわててひっこめて、「おばあちゃん」って声をかけたら、「うわぁ」と返事をして、「生きている、生きている!」と思って。 私は自分の部屋に戻って泣きました。わんわん泣きながら、自分を責めたんです。正直それまでは、介護で親を殺すなんて、精神的に弱い人のすることだと思っていた。でも、追い込まれれば、誰でも殺人の一歩手前までいっちゃうと痛感した夜でした。------ また、荒木由美子さんは、1983年に歌手の湯原昌幸さんと結婚し、芸能活動を引退しました。しかし、結婚二週間後に病に倒れた義母を介護した20年間の日々を通して、「死」「家族」「夫婦」について改めて見つめ直したことを話をしてくれました。 昨年(2008年)の8月8日は、北京オリンピックが開幕しました。まだ、記憶に新しいことです。 その前日の8月7日。インドネシアから初めて来日した外国人介護士や看護師の数は合わせて約200人と、予定した500人の半分以下でした。(これは著者によりますと、インドネシア政府は一般人への広報を行なわず、役人が口コミで紹介しただけというのです。) また、今年5月に受け入れたフィリピン人介護士や看護師も300人以下と、やはり定数に遠く及びません。 しかし、日本人介護士や看護師は、本当に不足していたのでしょうか。 著者は、介護の現場で深刻化する人手不足とは、あくまで、「地域差や施設の問題」であって、マクロでみた場合には、人手不足とは言えない というのです。 これは、政府の見解と合致しております。 いま「長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う」(著者 出井康博 著、出版社名 新潮社、発行年月 2009年8月)を読み終えました。 著者のプロフィールは,次の通りです。--------------出井 康博(イデイ ヤスヒロ)ジャーナリスト。1965年、岡山県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙「ザ・ニッケイ・ウィークリー」記者などを経てフリー。--------- 私自身、介護している者からしても、興味がある本だったから読了できました。さて、著者は、この背景には政治的な裏があるというのです。1997年には介護保険法が国会で成立2000年4月 介護保険制度スタート2005年、南野(のおの)知恵子法務大臣(当時、参議院議員、社団法人日本看護協会)がフィリピン人女性に対する「興行ビザ」の発行を実質的にやめました。 もともとフィリピンは、外国に労働者を派遣して外貨を稼ぐ国だというのです。その措置が収入の道が途絶えるというのです。人口は約9000万人。その10%が海外に出稼ぎにいっているというのです。(2006年4月 介護保険法改正(介護予防サービスの導入と、施設給付の見直し等) そこで、小泉元首相は、2006年秋に、アロヨ・フィリピン大統領との間で経済連携協定(EPA)に合意してしまいました。要求したのはフィリピンです。その協定は、2年間で1000人のフィリピン介護士や看護師を受け入れるというものでした。 ところが、フィリピン議会は、この協定に賛同しませんでしたので(のちに議決)、あとからEPA協定をうけた(この時は安倍元総理)インドネシアが先行して来日しているのです。 ところが、著者の2年間追跡取材によると、来日した彼ら彼女らは、4年間(半年は日本語研修)の間に国家資格である介護福祉士を取得できれば無期限に日本で仕事ができるというものですが、あまりそれに期待していないようです。4年間高給を稼げるということに魅力があるようです。 ある人は、手取り15万円(日本人と同一賃金)で10万円を海外の家族に送金し、残りは自分の生活にあてているというのです。 貨幣価値は、円が10倍あるので、それを送金して現地で大家族が生活していける というのです。 そうそう、インドネシアの人達には、介護士という資格がないし、いらないというのです。高齢の方は家族や親戚で面倒をみている ということですから。 日本でもそんな時代がありましたね。高度成長前でしょうか。核家族化が進むと親族間介護は希有となるのでしょうね。 そして、このEPAに関連した無駄な費用があると著者はいいます。 日本側の担当窓口は、「社団法人国際厚生事業団」(JICWELS)。斡旋、仲介を行っています。この組織は、1983年、厚生省(当時)の認可で社団法人を取得し設立しています。そして、今回の唯一の斡旋受け入れ機関となったのは、厚生労働大臣の指名によります。 この社団法人は、天下りの典型でもあります。 そしてもう一つ。 「財団法人海外技術者研修協会」(AOTS)は、経済産業省傘下で、発展途上国の技術者を養成する目的で設立されております。ここは、外国人研修の日本語教育の中心的役割をはたしております。 尚、この組織は役員報酬の公開を拒否しております。 日本語教育を日本でやらないで現地で行えば安くすむということ、受け入れ施設の負担金約60万円(一人当たり)は高過ぎるということ、また現地政府への支援金も支払わなくてはならない、そして何よりも両国政府の外郭団体が間に入って搾取をしているようなのです。 EPAが日本側で実績を示すことができなくなったら、現在の政権が対応せざるをえません。結構、自民党、公明党の政権は、ムチャクチャなことをしているのですね。 11月にはインドネシアから第2陣の受け入れが予定されています。しかし、今回も定数割れが起きるのは確実、と見られてます。 実際に、外国人の介護士や看護師を採用する施設や病院が見つからないのですから。このままでは、国家間の約束が果たせない状況でです。 当初、事業者は面接はできない という措置がとられましたが、面接をしないで従業員を雇う企業がありますか?。その後、その制限は外されましたが、事業者や利用者を意識したものではなくクレームがきたから修正したという後ろ向きな行政の対応だったのです。 また、65歳以上の保険料の地域差も著者は問題にしています。 2001円~2500円の地域があれば、5501円~6000円の地域もあります。(いずれも月額) 地域によって、こんな差をつけていいのでしょうか。選挙権による一票の格差どころではありません。 今後、永妻厚生労働大臣、直嶋経済産業大臣、そして岡田外務大臣が対応してくれると考えますが、前政権の残置処理に注目していく必要があります。(10/5)長寿大国の虚構
2009年10月05日
コメント(11)
全2件 (2件中 1-2件目)
1