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なぜここまで京都のダメダメ大学生の話に惹かれるのでしょうか?『太陽の塔』(感想)に次いで森見登美彦さんの作品を読みました。大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。―『太陽の塔』(第十五回日本ファンタジーノベル大賞受賞作)から一年。無意味で楽しい毎日じゃないですか。何が不満なんです?再びトンチキな大学生の妄想が京都の街を駆け巡る。 (「BOOK」データベースより)とにかくおかしい。情けなさを強がりでごまかし屁理屈で武装する、そんな自意識過剰なダメ大学生の姿が、独特の文体でありありと描き出されています。主人公は大学三回生。この春までの二年間を思い返しながら考えます。『異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的有為の人材となるための布石をことごとく外し、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱化などの打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。』そしてその責任を誰に押し付けるべきか?入学してすぐの頃大量に配られるビラの中で、関心を持ったサークルは四つ。なりゆきでそのうちの一つに参加することになったけれど、もしもあのとき別のサークルを選んでいたら今とは違う自分になっていたのではないか、ばら色の学生生活が待っていたのではないか、という疑問に答えるパラレルワールド。その4つとは、映画サークル「みそぎ」、ソフトボールサークル「ほんわか」、「弟子求ム」の奇想天外なビラ、秘密組織〈福猫飯店〉 。本当に四つの話が書かれています。出だしの1ページはまったくどれも同じです。展開される四畳半妄想生活。黒髪の乙女にときめき、上の階に住む怪しい先輩に翻弄され、飲み癖の悪い女性を介抱し、老婆の占いを気にして、究極のたわしを探し求め、もちぐまを鍋で煮る。そして腐れ縁とでもいうか、唾棄すべき悪友・小津の登場。同じ人間の同じ人生が繰り返されるのだから、いい加減にしろ!と思うかもしれません。でも、それだけでは終わらない。同じような場面も何回も出てきます。でも、角度が違ったり、立場が違ったり、何かが違ったり、結局はおなじだったり。巧みです。3つ目の話まで読んだら、投げ捨てずに、4つ目の話も読まないと損です。強烈で壮大で奇妙な話の中で、これまで不可解だったできごとも解明されます。そして最後にはニヤリとしてしまいました。やっぱり私はこの文体と京都が気に入ってしまったようです。 四畳半神話大系 : 森見登美彦あ、もちぐま!
2007年04月28日
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退屈な人生を送っていたプリーストリー氏は、見知らぬ美女と手錠でつながれ、殺人犯として逃げ回るはめに…。抱腹絶倒のスクリューボール・コメディ。この作品は「毒入りチョコレート事件」や「試行錯誤」で知られるアントニイ・バークリーがA・B・コックス名義で書いたユーモア・ミステリです。主人公はマシュー・プリーストリー氏。36歳。メガネをかけた小太りの独身男。彼は本、陶器、嗅ぎ煙草入れのコレクションという落ち着いた、というか地味な趣味を持ち、家のことは執事のバーカーにまかせて何不自由ない快適な生活を送っていました。ところがある日、婚約したばかりでテンションの高い友人パット・ドイルから、「君はキャベツだ! カブだ! ペポカボチャのカタツムリ野郎だ!」と自分の人生を活気の無い退屈なものだと指摘されます。友人の言葉を一笑に付したものの少しは気になっていたプリーストリー氏は、ある日街で見知らぬ若い美女から声をかけられた時に、人違いと知りながら思わず話を合わせるという行動に出てしまいます。そしてその女性に頼まれてある屋敷に忍び込んだところ主人に見つかり、脅すつもりで撃った銃が命中、警官に手錠をかけられた二人は逃走するはめに陥ります。ところがこれは、全てがドイルと友人達のしくんだ、実験と称する悪ふざけだったのです。手錠に繋がれての逃避行がどうなるのかということも気になりますが、友人達が冗談で始めた事件が悪ノリでどこまでエスカレートしていくのかも目が話せません。スクリューボール・コメディというのは、男女がぶつかりながらもテンポのいい会話とドタバタのアクションを繰り返し、最後には丸く収まるという1930年代から1940年代にかけてアメリカで流行したロマンティック・コメディのことです。フランク・キャプラ監督の「或る夜の出来事」、ハワード・ホークス監督の『赤ちゃん教育』などを指し、恐慌で落ち込んだ人たちに笑いをもたらす効果があったそうな。確かにハリウッド黄金期のコメディのような印象を持ちながら読みました。とくに執事バーターの反応が笑えました。次々に登場する人物がそれぞれ個性的で思いつきのように勝手な行動をとるので、ハチャメチャな展開になるのですが、描きわけが巧みなので混乱する事も無く読み通すことができました。冴えない男が、友人達の悪巧みではあっても一人の女性と出会い、それをきっかけに人生の冒険に乗り出していく……。バークリーの皮肉さがほとんど見られないユーモア・ミステリも、なごんだ気分になることができてなかなかいいものです。 プリーストリー氏の問題 : A・B・コックス
2007年04月25日
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侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防謀のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。(出版社より)私が読んだのは講談社のノベルス版で、タイトルは『UNKNOWN(アンノン)』となっていました。UNKNOWNとはレーダーに映る識別不明機のことです。自衛隊は24時間体制で日本の空を監視しているんですね。自衛隊を舞台としたミステリーということで堅い重い話を想像していましたが、適度にユーモアも混じった読みやすい作品でした。事件は自衛隊レーダー基地内の密室でに盗聴器が仕掛けられたこと。誰が、いつ、どうやって、何のために仕掛けたのか?地味に感じられるかもしれませんが、現場は自衛隊の、しかもレーダー基地ですから警備も厳重、最高レベルで機密保持が行われている場所。だからこそこれは異常事態とも言えるありえない事件なのです。派遣された調査官である朝香二尉は若き野上三曹を補佐役に、基地内で聞き込みや調査をおこない、事件を論理的に解き明かそうとします。深刻なテーマもありながら、二人の人柄の良さと楽しいやりとりのおかげで、全体に暖かい雰囲気がかもし出されています。この作品は第14回メフィスト賞受賞作です。それにしては、端正といってもいいくらいの真っ当なミステリでした。作者が元自衛官ということで基地の生活もリアルに描かれていて、自衛隊とそこにいる人間達が身近に感じられます。シリーズは2作目の『未完成』までしか出ていません。作者は最近は戦争ものを書かれているようですが、魅力的な主人公である二人に是非また会いたいと思いました。 アンノウン : 古処誠二
2007年04月23日
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妻殺しを計画する男を待つ皮肉な展開がドライなユーモアで綴られる「妻を殺さば」、警部補が無邪気(?)な子供たちに翻弄される「毒薬で遊ぼう」等、短編ミステリの名手リッチーによるヴァラエティに富んだ傑作短編集! (出版社の内容紹介)妻を殺さば/毒薬であそぼう/10ドルだって大金だ/50セントの殺人/とっておきの場所/世界の片隅で/円周率は殺しの番号/誰が貴婦人を手に入れたか/キッド・カーデュラ/誰も教えてくれない/可能性の問題/ウィリンガーの苦境/殺人の環/第五の墓『クライム・マシン』(感想)で職人技をみせてくれた名手 ジャック・リッチーの第二弾短編集ですから、期待して読み始めました。冒頭の『妻を殺さば』は「結婚して三か月、そろそろ、妻を殺す頃合だ。」という書き出しから、興味をそそります。期待に背かない、シニカルだけどほのぼのした味わいの逸品でしたが、そのほかの作品も、無駄を省いた文体と乾いたユーモアにあふれ、ひねりのきいた短編ばかりです。お気に入りだったカーデュラとターンバックル迷刑事にも再会することができました。カーデュラは超人探偵になる前のエピソードで、オチの効き具合がすばらしい。ターンバックルはある事情で迷探偵として登場したりもしますが、やっぱり推理が冴えて冴えて冴えまくって、笑わせてくれます。結構ブラックな話も多いのに嫌な感じが全く残らなくて、軽妙という言葉がまさにぴったりでした。ジャック・リッチー は生涯に350もの短篇を執筆したらしいので、質の高い短編はまだまだあるということです。もう、どんどん出しちゃいなさい、と言いたいくらいです。たくさん読んでころっと忘れて、また読んで、をずっと繰り返したいと思うような作品たちでした。『クライム・マシン』に続いてこちらもおすすめです。 10ドルだって大金だ : ジャック・リッチー
2007年04月19日
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久しぶりに挫折しました。古野まほろさんの『天帝のはしたなき果実』。第35回メフィスト賞受賞作品です。本格と幻想とSFが奇跡のように融合した青春ミステリ。という紹介にひかれ図書館で予約しました。裏表紙に書かれた有栖川さんの文にもそそられました。中井英夫の『虚無への供物』に人生を狂わされ、新本格推理をプロデュースした宇山日出臣。奇跡的なめぐり合わせにより、本書はその名伯楽からの最後の贈り物にして最大の挑発となった。これこそ、虚無なる青春への供物。真正の本格にして破格のミステリ。この美酒に天帝は必ずや微笑む。――有栖川有栖『虚無への供物』(感想)も読んだばかりだし、ちょうどいと思ったのです。10分の1も読まないうちに返却期限が来てしまいましたが、予約が入っている本は延長できませんから、泣く泣く返却することに……。京極さんをも超えそうな817ページという厚さにも圧倒されましたが、でも1段組みです。それよりも、音楽用語やルビが振られた言葉がたくさんたくさん出てくるところで時間をとられました。日本語の言葉に、ロシア語やフランス語(多分ですが)のカタカナが振られています。漢字を読んで、ルビも読むので二度手間です。スラスラ読み進めたいのに、正直ルビがうるさいと思ってしまいました。名門勁草館高校が舞台となっていて、90年代の話ながら軍人がいたり帝国大学があったりと、今とは違うもう一つの日本のようです。吹奏楽部には誰もが2~3か国語ペラペラだという生意気なお坊ちゃん、お嬢ちゃんばかりいて、なぜかライトノベルっぽいノリです。学園物は好きなので、この独特の世界に入り込めれば、なかなか面白そうです。事件らしい事件もこれからのようですし…。次回はルビを無視するか(果たして無視できるのか)、しっかり体力をつけて(もしかしたら気力で)臨むかして再チャレンジしたいと思います。口ばっかりで天帝はあきれる、ということになる恐れもありますが……。 天帝のはしたなき果実 : 古野まほろ
2007年04月17日
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久しぶりの映画館での映画、夫と娘と3人で観てきました。「面白ければそれでいい!」というコピーそのままの映画でした。この作品は全てが冗談でできています。しかも大人が大真面目に作っているところがすごい。主人公である大剣を持つ2メートルの大男、万源九郎を演じるのは阿部寛。汚くても臭くても野蛮でも、やっぱりかっこ良い。年を重ねるにつ入れて魅力が増しているようです。これからも楽しみないい役者になってきましたね。大剣をあやつるので、相当鍛えて撮影に臨んだそうです。家で物干し棹を振り回して練習していたとか聞きましたが、その姿を想像すると何とも言えません。豊臣の血を引く唯一の生き残りである姫・舞は長谷川京子。おっとりした天真爛漫な役が似合っています。でも、宇宙人に寄生されて人格が変わるところもなかなかうまかったです。舞を守る役目の心優しい忍者・佐助は宮藤官九郎。一番笑わせてくれたけれど、片思いのせつなさもにじみ出ていました。謎の美剣士は黒木メイサ。まだ18歳ですか?信じられないくらいキリッとしています。凛とした美しさにはうっとり。悪役の忍者軍団・土蜘蛛衆が、竹内力 、大倉孝二 、六平直政 、杉本彩という面々。それぞれ異様な能力を持つのですが、その姿もかなり異様です。竹内力がボスで、後に変身します。変わる前の顔の方が怖いという噂を思い出して一人笑ってしましました。遠藤憲一、津川雅彦 、本田博太郎もそれぞれ存在感がありました。遠藤憲一はすぐに顔が誰だかわからなくなってしまいますが…。好きな役者さんが多かったことも楽しめた一因でしょう。大笑いをするわけではないけれど、気づく人だけ気づくというようなクスクス笑いがたくさんちりばめられていて、私にはツボでした。剣豪に姫に忍者に美剣士、そして宇宙人もからんでくるというぶっとんだ設定なので、江守徹の真面目なナレーションが初めは有り難いのですが、のちにはちょっとくどくてそれがまた可笑しく感じられます。変にひねって面白くなくなる映画がよくあるけれど、これは最後までストレートに単純な話で良かったと思います。最後の最後もとんでもないけれど「それもありだよね~。」と思わせられました。エンディングはある映画のパロディになっています、とパンフレットに書いてあったのですが、元の映画を観ていないので当然わからなくて、それが残念でした。ほとんど残る物はなかったけれど…、ほとんど得るものはなかったけれど…、楽しんだ者勝ちです。ストレス解消、という感じでみんな気分良く帰途につきました。もちろん、GLAYの「鼓動」もスケールの大きい終わり方にあっていて、とっても良かったです。「大帝の剣」オリジナル・サウンドトラック 原作 大帝の剣: 夢枕獏
2007年04月15日
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特集「執事が登場するミステリ」をやっと作り終えました。ウッドハウスのジーヴス・シリーズがどんどん出ていることもあり、執事は旬だという気がしたのです。日本の作品もちゃんとありますが、やはり執事の本場、海外の作品が多いので、先に海外から紹介することにしました。今回は思ったより時間がかかりました。一週間くらいでしょうか。何とかできました。そして今日、書店に行って私は見てしまいました。早川書房から出ているミステリマガジン5月号の特集は「執事とメイドは見た!」でした……。これは早川書房の編集の人と、偶然気があっただけとしか思えません。でも気になったのでその場で買いました。そうしたら、これも入れるべきだったかな、と思ったり、メイドは別に特集できるかもしれないと思ったり、色々と思い乱れてしまいました。もしかしたら近日中に、特集に幾つか付け加えたり変わったりという事があるかもしれませんが、どうぞ気にしないでください。
2007年04月14日
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わたしたちのご主人が殺された!アイルランドののどかな村で、ひつじ飼いのジョージが殺されたから、さあたいへん。ひつじたちは上を下への大騒ぎ。主人の無念をはらすため、世界一賢いひつじミス・メイプル、武闘派ひつじのオテロ、超記憶力を持つひつじモップルら、数十匹のひつじたちは、事件の調査に乗り出した。やがて明らかになる、死体に付いた謎の痕、村人たちが隠していた秘密、不可思議な女の存在…。深まる謎を解き明かすため、ひつじたちは大胆な行動に出る!むくむく可愛いひつじたちが謎に挑む、ひつじエンターテインメント小説。 (「BOOK」データベースより)ひつじ探偵団という題名と、ひつじ達のイラストがかわいいピンクの表紙から、プリティなひつじのほのぼのとした物語を想像しますが、だいぶ予想とは違っていました。緑豊かなアイルランドの村グランキルの牧草地で、ひつじ達はご主人であるひつじ飼いのジョージが無惨にも鋤で胸を突き刺されて死んでいるのを見つけます。ジョージはベテランのひつじ飼いでした。その上彼らに名前をつけてくれたし、本の朗読もしてくれました。世話になった主人の無念をはらすべく、ひつじ達は自分達の手で犯人を見つけ出そうとします。大騒ぎしながら死の謎に迫ろうと頑張る彼らの奮闘ぶりが見ものです。ひつじ飼いを失った彼らがこれからどうなるのかも気がかりです。ひつじと言えば大人しくてのんびりしているイメージですが、ここに登場するひつじ達は相当個性豊かです。世界一賢いという噂の、群れの中でずば抜けて頭がいいミス・メイプル。動物園やサーカスで苦労した経験を持つ、武闘派のオテロ。食いしん坊だけど、一度覚えた事は決して忘れないモップル。視力はいいけれど最近耳が遠くなり、物忘れがはげしいリーダーのサー・リッチフィールド。リーダーの双子で、勇敢にも群れを離れて様々な経験を積んできた物知りのメルモス。岩棚で瞑想に耽る、哲学的なゾラ。ほかにも様々な個性を持つひつじが登場しますが、とにかくみんなお喋りで賑やかです。彼らは人間達の話を立ち聞きしては捜査を続けるのですが、いかんせんひつじには理解できなくてチンプンカンプンなこともたくさん出てきます。そんなときに役に立つのが、ジョージが読んでくれた本で得た知識と、外の世界を見てきたメルモスとオテロの助言です。そしてついに苦労のすえ真相を掴んだひつじ達は、それを人間達に伝えようと驚くべき手段を取るのです。この作品では、ひつじの目で見た世界をひつじの感じ方で描いているところが、とてもユニークです。正直、ひつじの考えについていくのがもどかしくなることも時どきありました。また、ひつじの数が多くて混乱しそうだったので、人物紹介の前にあるひつじ紹介のところにしおりを挟んでちょくちょく見ながら読まなければなりません。意外に詩的な描写で、あたかも人間社会のようにひつじの社会が見事に描ききってあります。また、ひつじの目を通して見た人間達の姿を見ていると、その愚かさや滑稽さが風刺画のように浮かび上がってきました。舞台はアイルランドですが、作者のレオニー・スヴァンはドイツ人の女性作家です。ひつじが主役という珍しいこの作品、ドイツでベストセラーになったそうですが、決して可愛いだけの話ではありません。ひつじの暮らしぶりはわかるし、ひつじなりの理屈も楽しいけれど、けっこう深遠でありました。 ひつじ探偵団 : レオニー・スヴァン
2007年04月12日
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先週発売になったGLAYの新曲を繰り返し聴いています。『この大地に~』と言うサビでは、どこまでも広がる雄大な景色が浮かんでくるようです。これは上映中の映画「大帝の剣」の主題歌でもあります。この前の金曜日はミュージックステーションにGLAYが出てこの曲を演奏してくれました。いつものことですがMステは生放送なので、私は朝から緊張してしまいます。自分が出演するわけでもないのになぜ、と思われるでしょうが、学芸会で主役を務める子供を見守る親の気持ちに少し近いかもしれません。いやいやそれは失礼ですね。とにかくドキドキして、いつの間にか正座して見入っていることがよくあります。でも、いつにも増して曲が短くなっていたようで残念でした。せっかくストリングスの方たちもおられたのだから、カットなしで聴きたかったです。CDには「鼓動」のほかに「僕達の勝敗」と「棘」が入っています。「僕達の勝敗」はLOVE IS BEAUTIFULツアーで、一番GLAYのメッセージが伝わってくるナンバーでした。アルバムの曲だけれど再び収録されていることから、これからも歌い続けていくという意志が感じられます。「棘」は初期のアルバムに入っていそうな激しい曲ですが、最初はこちらが「大帝の剣」の主題歌になるはずだったと知って驚きました。エンディングも予告編もかなりイメージが変わっていたことでしょう。土曜日は4人で深夜ラジオに出演していたと思ったら、日曜には広島での氷室さんのライブにTERUさんが飛び入り出演したそうで、大活躍ですね。TERUさん、風邪は治ったんでしょうか?ちょっと心配です。ハチャメチャだけど楽しめるという噂の映画「大帝の剣」、是非観に行きたいです♪
2007年04月09日
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職を失い妻子とは現在別居中。駒井健一郎三十四歳はどん底にいた。ある日、高校時代のライバル・天知達彦が現れ、驚くべきことを口にする。「次の衆院選に立候補する。共に戦ってくれ」。コネや金は一切なし、持てるものは理想のみ。第二の人生を拓くため、彼らは完全無党派で選挙戦に挑む。理解のない妻、敵陣営の妨害。早くも難題は山積みなのだが。情熱系エンターテインメント。 (「BOOK」データベースより)久しぶりに読んだ真保裕一さんの作品。タイムリーですね。実は前回の選挙の時に読み損ねて、今度こそ読むぞ、と思ってはりきっていたのですが、結局ギリギリ。読み終えたとき選挙は明後日に迫っていました。選挙が描かれているとはいえ、さすがに真保さん、全く難しくはなく面白く読ませる話です。主人公は一流商社に勤める駒井健一郎34歳。事業が失敗した責任を押し付けられる形になり、プライドの高い彼は会社に辞表をたたきつけます。ところが予想以上に転職は難しいことを思い知らされ、そのうち気持ちの行き違いを感じた妻は子供を連れて家を出て行ってしまいます。職安通いを続けていたある日、声をかけてきたのは高校時代の友人にして陸上部のライバル、天知達彦でした。新聞記者をやめた達彦は、故郷である静岡から衆議院選挙に立候補するので手伝って欲しいと言います。初めは断った健一郎ですが度重なる説得を受け、共に選挙戦を戦うことを決意します。天知達彦はあくまで無所属で出馬して、政治のために道を示したいと言います。お金も人も事務所もなく問題は山積みですが、クラスメイトを中心とした小さな素人集団は、果敢に選挙戦に船出していきます。選挙と聞いても、私にはほとんど語ることがありません。いかに政治に選挙に関心でいたかということがバレバレですが、この作品を読んだおかげで選挙のやり方や問題点を知ることができました。「自らの一票を無駄にしている国民に、政治を批判する権利などない、」と言う言葉は本当に耳が痛かったです。告示されてからの選挙期間というのは実は選挙戦にとってはすでに終盤で、実際は随分前からしっかり始まっているのです。選挙に必要な物を調達する苦労も、こまごました物にかなりお金がかかることもわかりました。大政党がいかに優遇されているか、無所属での出馬がいかに不利かということも。次第に仲間たちが集まってくるのですが、達彦の青臭いともいえる理想にかける彼らの雰囲気は、まるで青春時代が再び来たかのよう。失敗し、悩み、結束し、過去の恋にこだわる彼ら。そこにまた様々な妨害があり、かけひきがあり、裏切りがあり、新たな真実がわかり、目が離せません。読んでいるうちに自然に、一歩を踏みださなければという気持ちになってきます。それで私が何をしたかというと…………う~ん、とりあえず選挙公報を読むことにしました。今頃ですが…。 ダイスをころがせ!(上巻) ダイスをころがせ!(下巻)
2007年04月06日
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九カ月の娘と農場で暮らすピーターとリナのデッカー夫妻のもとに、子供と泊まりに来たリナの旧友。彼女は何に怯えているのか?戒律厳しいユダヤ教徒の村で何があったのか?ダイヤモンド・ディーラー一家失踪事件を担当するデッカーは二つの謎を追うことになる。捜査を進める彼が行き着いた先はイスラエル。リナとともに飛んだ聖地で彼を待ち受けるものは?シリーズ第七弾。 (「BOOK」データベースより)この作品はフェイ・ケラーマンによる、ピーター・デッカー刑事とリナのシリーズ第七弾です。デビュー作である『水の戒律』で初めて出会った二人は、刑事と犯罪事件の関係者という立場でした。捜査が行われる過程で何度か顔を合わせるうちに次第に惹かれあうにもかかわらず、二人の仲はなかなか進展しませんでした。と言うよりも、リナが進展させないように自分を抑えているように見えました。二人とも結婚歴があって子供もいますが、障害があるとしてもそれだけではありません。リナは敬虔なユダヤ教徒だったのです。このシリーズではユダヤ教徒の生活も重要な背景となっているところが特徴です。ユダヤ教徒はコミュニティを形成していて、特有の習慣を持ち、戒律に基づいて生活しています。興味深いのですが、丁寧な描写を読み進めるうちにそういう暮らしもある事をごく自然に受け入れられるようになっています。今回は弟一家が行方不明だという届けが姉から出され、同じ時期リナの旧友ハニーと子供達が失踪するという事件が起こります。行方不明になった弟も、ハニーの夫も、ユダヤ人のダイヤモンド・ディーラーでした。二つの事件を追うためにピーターとリナがイスラエルに飛ぶことになります。ダイヤモンド業界とイスラエル社会のことがしっかり描かれており、これでページ数が多くなったのかとも思いますが、決して難しくはありません。イスラエルで大活躍する二人の結びつきの強さはうらやましいくらいですが、いつもコンビを組む女刑事のマージも同僚としては最高の相性のようですから、ピーターは恵まれていますね。これは人間を深く細やかに描きながら、もちろんミステリとしても面白く、読みごたえがあるシリーズと言えます。この作品でも一見落着したのちにある人物の思いがあきらかになり、ぐっときてしまうのです。フェイ・ケラーマンのご主人ジョナサン・ケラ-マンの「臨床心理医アレックス・シリーズ」も友人に勧められて読みましたが面白かったです。その登場人物がこの作品にもちょこっと顔を出すというサービスもあるようです。 本作品がアメリカで発売されたのは1994年、そしてシリーズは既に15作が発表されています。早いうちに翻訳されることを切に願います。興味がある方は第一作の『水の戒律』から読んでみてください。このシリーズはおすすめです。 逃れの町 : フェイ・ケラーマン
2007年04月04日
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以前成風堂にいて、今は故里に帰り、地元の老舗書店に勤める元同僚の美保から、杏子のもとに一通の手紙が届いた。勤務先の宇都木書店、通称「まるう堂」に幽霊が出るようになり、店が存亡の危機に立たされている、ついては名探偵のアルバイト店員を連れて助けに来い、というのだ。杏子は気が進まぬながら、多絵を伴って信州の高原へと赴く。そこで待ちかまえていたのは、四半世紀ほど前に弟子の手で殺されたという老大作家の死に纏わる謎であった…! (「BOOK」データベースより)春まっさかりですが、夏のさわやかな高原、信州が舞台のミステリを読みました。『配達赤ずきん』(感想)に次ぐ、成風堂書店事件メモの第二弾。前作は短編集でしたが、今回は長編です。しっかり者の書店員・杏子と勘の良いアルバイト店員・多絵が、元同僚の依頼で彼女が勤める老舗書店に出るという幽霊の謎を解決するために出かけていきます。この地域に密着した老舗書店「まるう堂」が実にいい雰囲気で、こんな心配りのある書店があれば行ってみたいものです。小さな書店は、大型書店やチェーン店と比べると不利な点が多いこともわかりました。私もつい、大きなところに行ってしまいますが、近所の商店街にある書店も応援しようと思います。さて、その幽霊ですが、どうも27年前に起きた作家殺人事件に関わりがありそうだとわかってきます。作家を目指す者の心のうちや、作家と弟子の関係について描かれた部分も印象に残りました。事件の関係者に話を聞いていくうちに、さすが多絵ちゃんは真相がわかったようですが、それが語られるまではかなりじらされるので、杏子さんと一緒にちょっとイライラしてしまいます。その事件というのが、全体のほのぼのした雰囲気に比べると、血なまぐさくどろどろしていていてトーンが違う気がしましたが、以前作者がインタビューに答えて「横溝正史みたいな小説を書くのが夢」と言っておられたことを思い出して納得できました。書店員の思いや情熱も描かれていて、書店への思い入れは感じられますが、やはり書店でおこる事件や本にまつわる謎を解決するところが見たい、という気持ちもあります。4月に刊行予定の第三弾『サイン会はいかが?』では、成風堂を舞台にした短編集に戻っているようなので、その点でも楽しみであります。 晩夏に捧ぐ : 大崎梢
2007年04月02日
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