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2010年07月13日
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カテゴリ: カテゴリ未分類



「さあ、私になにを言いに来たのか言ってみなさい」

 朴大寿は何を話されるのだろうと非常に気になってはいたが、虚勢を張り続けていた。


「朴大監」(テガン・大監=大臣の意味)
「向井殿、勿体をつけずに早く話せ!」

「朴大監」
「だからなんだ!」

 文次郎は大笑いをしながら言った。

「ハハハ!薄々感づいているようですな・・・ロシアの事は」


「朴大監、そろそろロシアと手を切らないと大院君の二の舞になりますぞ」

「どういうことだ?大院君の二の舞とは?」

「本当にご存じないのですか?」
「だから早く言え!」

「朴大監ともあろう方が・・・知らないと?」
「・・・・」


「では話しましょう・・・もうすぐロシアを相手に我が日本は戦争を始めます、この戦争は朝鮮を解放するためです・・・ロシアは今国情が乱れ、朝鮮どころではなくなってきています、おそらく我が軍が満州に上陸すれば形だけの抵抗をして総崩れになるでしょう」
「なんと・・・しかしお前達では大国ロシアには勝てないだろう」

「普通の状態ではね・・・しかし世界中が我々日本の味方をしています、ロシアに手を貸す国はありません・・・それほどロシアは嫌われているのです・・・その上ロシアの国内は今にも内戦が始まるかもしれません」
「うむ・・・にわかには信じられんが・・・」

「朴大監、もう朝鮮の民をロシアに売るのはおやめなさい、でないとあなたはロシアから帰ってきた人たちに恨まれ命を落とすことになる・・・今からでも遅くはありません、皇帝のイチェミョンさんと相談してどうしたら生き残れるか考えないと」


「ご存知ないのですか?・・・すでに数千人の朝鮮の民がシベリヤから脱出しています」
「なに?それは本当か?」

「はい、信じられないならロシアの領事館で聞いてご覧になればいかがです?」
「ちょっと待て、もし日本がロシアに勝ったらどうなる?」


 朴大寿は身を乗り出しながら、あわてる態度を隠そうともせず文次郎に聞いて来た。



「では何を考えて日本は戦争を始めるのだ?」

「わかりませんか?・・・日本はロシアに朝鮮半島を支配されたままでは、次は自分たちがやられると考えています、つまり朝鮮が強い国になって我々と協調してアジアを安定した地域にしたいのです」
「安定させる?・・・意味が良くわからんが・・・」

「はい、安定させて諸外国の侵略を考えないで国内産業の振興に力を注ぎたいのです・・・それが将来の日本の発展に大切な事なのです」
「国内産業とは?・・・農業の事か?」

「農業ももちろん含まれます、でも一番には重工業です」
「重工業?・・・なんだそれは?」


「朴大監、電気ってご存知ですか?」
「それくらい知っておる・・・夜になると昼間のように明るく照らしてくれる物であろう?」

「それだけではありません、今日本では100キロ以上離れていても電気の力で話が出来る電話というものがあります・・・その電気を作るための水力発電所も数ヶ所建設され、その電気を使って船を作ったり、鉄を作ったりしております・・・そして蒸気機関で走る蒸気機関車が新橋から横浜まで走っております」
「蒸気機関車?水力発電?・・・まったく意味がわからんな」

「聞いた話ですがアメリカやヨーロッパは、空を自由に飛べる飛行機という物まであるそうです、そういうものを作るためには国内の重工業の発展が不可欠なのです」
「ハハハ、ぼろが出たな!・・・空を飛べる?・・・そんなものがあるわけないだろう!お前の話は偽りだらけだ」


 文次郎が頭を振りながら朴鉄圭を促すと、朴鉄圭が話し始めた。

「朴大監、本当にあるのです・・・私も写真をみました」
「写真?」

「はい、写真とは一瞬でそのままの風景を絵に描いたように写し取る機械です」
「そんなものがあるのか?」

「はい、両方に翼が付いた乗り物が空を飛んでいました」
「うむ・・・・」

「朴大監、もう選択の余地はありません。今だったら引き返せます、今の体制はもうおしまいです・・・皇帝陛下をおささえして朝鮮を取り返そうじゃありませんか!」


 朴大寿はうなりながら頭を抱えていた。

「今からでも間に合うか?・・・・うむ、どうしたものか?・・・」





つづく







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Last updated  2010年07月13日 22時46分09秒 コメント(8) | コメントを書く


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