草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2019年03月21日
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第 四百十六 回 目

 引き続き企画書のサンプル・ストーリーの積りで、拙速ながら暫らく書き進める予定で居ります

ので、御期待下さい。


         「 野辺地のピーターパン 」

 人物:のへパン(ピーターパンの遠縁に当たる妖精で、無邪気な悪戯が大好きである)、太郎、

母親、その他

 時代:一応は現代

 場所:日本の何所か、と、空想の国・ドコデモない国


 ある所に一人の少年が住んでいましたが、少年はとても孤独でした。一応は平屋の一軒家には



るまでの間学校の宿題を済ませようとしますが、あまり気が進みません。それでついうとうととう

たた寝をしてしまったのです。ですからそれから後に起こった出来事は、夢の中とも現実とも、

はっきりとは区別がつかないのですが、兎に角信じられないような素晴らしい世界に連れていか

れ、信じられないような素晴らしい体験をする事になったのです…。

 「君々、そんな風にうたた寝をしていると風邪をひくよ」と少年の声がした。

 太郎「(眼を醒まして)君は誰?」と訊いた。だってそこに居た少年は見ず知らずの奇妙な恰好

をした子供だったから。

 のへパン「ボクは野辺地のピーターパンだけど、のへパンって愛称で呼んで構わないよ」

 太郎「へーえ、そうなんだ、のへパンかぁ。僕はターちゃんてママから言われているからター

ちゃんでいいよ」と、一目でのへパンが好きになった太郎はいつもに似ずハキハキと答えた。

 のへパン「それじゃあ、ター君、早速僕らの国・ドコデモない国へ行こうよ」



 のへパン「それじゃあ目をつぶって、いち、にー、さんとゆっくり数を数えて」

 太郎は言われた通りにゆっくりと「いち、にい、さん」と数を口に出して唱えました。すると急

に何だか体が軽くなったような気がしました。


 のへパン「目を開けて御覧」

 太郎はまた言われた通りにしました。そして「わぁー」と今までに一度も出した事の無い大きな



おり、眼下には生まれて初めてみる見事なパノラマが広がって見えていたのですから。

 太郎「うえーっ、信じられないよ。真下に見えるのは草原、その向こうに林、こちらは鬱蒼とし

た森で、あれは湖だし…、向こうの方には山並が連なっている。そして小川が流れているし、遠く

には海が見えている」

 のへパン「気に入ってくれたかい」

 太郎「これを見て気に入らない子供は世の中には一人もいないよ」

 のへパン「それじゃあ早速僕のお気に入りの場所に行こうか」と下に向かって急降下を始めた。

不思議な事に太郎の身体も自然に動いて、空中を飛んで下に向かっている。

 のへパン「さあ、着いた。僕はこの場所で木登りをするのが一番好きなのだ。君は?」

 枝ぶりのよい大木が何本も立ち並んでいる林の中に今、のへパンと太郎の二人は居るのだ。

 太郎「ボクはまだ木登りをした経験がないのだ…」としょんぼりと首をうなだれた太郎。

 のへパン「大丈夫、心配しないで僕の後からついてくれば問題ないよ」と言うなりするすると

猿か何かのように木に登り始めた。始め躊躇していた太郎は意を決して太郎の後に続いた。すると

不思議、するするとまるで自分ではないみたいに易々と木登りが出来るのだ。

 太郎はもう木登りの名人のように高い木のてっぺん近くまで到達している。

 太郎「うわーあ、すごいよ。自分がまるで別人になったみたいだよ」

 のへパン「気に入ってくれて、僕の方まで嬉しいよ。最高だよ」

 太郎「ほんと、最高に楽しいね」

 のへパン「僕と仲良しになってくれてありがとう、ター君」

 太郎「ボクの方こそ有難う、のへパン」

 二人は同時に朗らかな笑い声を発している。その声が周囲に木魂して笑い声の合唱のように聞こ

える。

 のへパン「あれはね、ボクの友人の谺(こだま)たちがター君を歓迎している合図の声だよ」

 太郎は心の底から感動している。だって、友達からも誰からもこんなに喜んで迎え入れて貰った

ことはなかったから。

 のへパン「所でター君、君は咽喉が乾かないかい。ボクは体を一杯動かしたので咽喉がひどく乾

いてしまった。そう、それじゃあ君にとびっきり美味しい水を御馳走しよう。僕のうしろからつい

て来て」と言うより早く、のへパンは木から木へと小鳥のように跳びはねながら、林の奥の方にと

進んでいく。太郎はもう少し慣れて来ていたので、のへパンの真似をして楽々と枝から枝へと飛び

跳ねて、のへパンの後に続く。その愉快な事、愉快な事。

 やがて、二人の行く手にちょっとした空き地が姿を現した。その中央辺りに小さな泉があって、

その泉からは清冽な水が滾々(こんこん)とわき出している。

 のへパン「此処はボクの秘密の泉なのだ。滅多な友達には最初からは案内しない事になっていた

のだが、ター君、君は特別の特別だよ。さあ、手ですくって飲んでみたまえ」と泉の縁(へり)に

立ったのへパンが太郎を手招きして呼んだ。

 太郎「(ひと掬い両の掌で泉の水を飲んで)うわぁー、旨い。こんな美味しい水は飲んだことは

ないよ、有難う」と非常に感動している。そして、太郎がひょいと近くの草叢を見ると、大きな

光る物が二つこちらを睨んでいる。太郎はその光る物に射竦められたように、その場に動けなく

なってしまった。

 のへパン「ああ、あれは心配ない、全然怖くなんかないよ」と笑いながら太郎に声を掛けた。

「あれはね、大蛇の白丸だよ。ター君、君を歓迎する目的で大地の中から姿を現したのさ。君は

ね、このドコデモ無い国全体から祝福を以って迎え入れられたわけさ。おめでとう」と太郎の肩を

ぽんと軽くたたいた。それで太郎の緊張は一遍に解けた。

 太郎「僕はあんなに太くて大きな蛇を想像すら出来なかった。今、目の前にその姿を見ているか

ら信じられるけど。この事をクラスの誰かに話しても、とても信じてはもらえないだろうな、白く

て二十メートルか三十メートルは優にあるだろうからね」

 のへパンは黙って笑っている。白蛇は静かに滑るように二人の少年の横を通り過ぎて、林の奥へ

を姿を消した。

 しばらくすると、「ボクについておいで」と言い残しのへパンは近くの繁みの中に駆け込んで

行く。太郎もその後ろを喜々として追う。それも、風のように速いのだ…。やがて二人は小川の

畔に出た。

 のへパン「さあ、水泳ぎしよう」

 太郎「僕は恥ずかしいけれど全然泳げないのだよ」

 のへパン「大丈夫、ボクの真似をして川の中に入れば、魚のように泳げるさ」

 のへパンは、そう言うなり流れの中に身を躍らせている。太郎も躊躇なく後に続いた。何とのへ

パンの言った如く太郎は流れに乗って見事な泳ぎを見せている。

 太郎「川の中で泳いでいるなんて、とても信じられないよ」

 のへパン「最高だろう、ああ、さっき河童のキュウスケにター君に悪戯を仕掛けてはいけないよ

って注意しといたから、何も心配はないから」

 太郎「有難う、のへパン」と、もうひ弱ないつもの太郎ではなくて、まるで自然児になったよう

に逞しい泳ぎを見せている。

 のへパン「さあ、これから海まで泳ぎ比べをしよう」

 太郎「うん、君になんか負けないぞ」

 二人の競泳が始まりました。そして気が付くともう海に到着していた。

 のへパン「疲れたね、少し休もうか」と言うなり、顔を空に向けて海の上に横になった。太郎も

のへパンに倣って海の上に身体を横たえた。大空を綿菓子のような白い雲がゆっくりと流れてい

る。気分は爽快ですね。そして、いつの間にか寝込んでしまったようです…。


 「たろう、御飯の準備ができましたよ」とキッチンから母親の優しい声がしました。それで太郎

は眠りの世界から現実に戻りました。

 キッチンに入ると小さなテーブルの上に、小さなケーキが載っています。

 太郎「どうしたの、これは?」と訝しそうに母の顔を見た。

 母「貴男の9回目の誕生日じゃありませんか、今日は」

 太郎「なーんだ、そうだったか。僕、すっかり忘れてしまっていたよ」

 母「お誕生日、オメデトウ、ター坊」

 太郎「有難う、ママ」、言うなり太郎はケーキに突進しました。けれども、「ママ、ナイフを

下さい」と言うのを忘れなかった。お母さんは引き出しからナイフを取り出すと、「私が切り

分けて上げましょうね」とケーキを切ってくれた。太郎の分を少しだけ多くする配慮がありまし

た。

 太郎「頂きます」、言うなりケーキにかぶりついた。

 お母さんの優しい笑顔が息子の姿を嬉し気に見守っている。二人だけだが何時もの楽しい夕餉が

こうして今日も始まった。

 窓の外から、のへパンのくりくりした悪戯っぽい目が二人の姿を覗き込んでいたのですが、二人

はそれに気づかないでいましたよ。

                ―― 以上で、今回のサンプルストーリーは終わり、です。





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最終更新日  2019年03月21日 10時15分24秒
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