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2019年03月22日
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第四百十七回目

 想定問答として野辺地町の色々な方々にセリフ劇に対する理解を深めて頂く一助となればと考え

て居ります。

 電話でのやりとりである。

 A 「初めまして、新しい芝居の形を御地に根付かせたいと考えている者ですが、お芝居の経験

がおありと聞き、五十嵐氏からご紹介を受けてお電話しました」

 B 「芝居の経験と言っても、素人の集まりで、それも色々の事情でここ何年もの間は休止して

いて、何しろ本業の仕事を抱えながらなかなか練習の時間も、思う様に取れないものですから。そ

れに仲間の時間を合わせるのに一苦労で、定期的に公演を行うことなど非常に難しいことなので



 A 「御事情に関しましては、おおよその想像はつきます。実は私、以前、長年テレビドラマに

携わっておりまして、プロの劇団とか芸能関係の業界にはかなり精通している心算です。今回は

御地の地域活性の一助になればと言う発想で、新しいコンセプトによる本当に画期的な芝居の形

を提案し、それを実現させ町全体を活気づかせたいと希望しているのです」

 B 「相当に難しい仕事だと思いますが…」

 A 「はい、困難はどのような事柄にもつきものですから、その意味からは私も同意見です。但

し御承知の通りに芝居には、その困難さを困難と感じさせない楽しさもありますから、その楽しさ

を大いに楽しみ、エンジョイ出来る工夫とアイディアを可能な限り膨らませ、むしろ楽しくて、

面白くて、それでいて非常に人々の役に立つ、そういった方向に持って行けたらと考えているの

です」

 B 「はあ、そんな事が出来るものでしょうか」



電話ではなく直接お目に掛かってお話出来れば好都合なのですが、ごく掻い摘んで申し上げれば、

芝居の謂わば原点に立ち返り、そこから、一から、スタートを切り直す。そいう事なのです。つま

り、劇場という大掛かりな設備があって、それに伴う集客という商売的な興行という形態があっ

て、当然に劇団という大所帯が形成されていて、それに付随する裏方のグループが必要であって、

と言った具合に成立していた従来形の、既存の在り方を一遍綺麗さっぱりと取っ払ってしまう。



進んで客の方に出向く」

 B 「成程、確かに今までにはなかったかも知れない」

 A 「強いて探せば、一人語り、一人芝居という形式があります。これとも似て非なるものであ

ります。主体はあくまでも語り手、芝居の演者の方にあって客の方ではないから。私の提案する

セリフ劇では主体は「客」の側にあります。患者の治療に医者の方が出向いていく往診に譬えるこ

とが出来る。事実、セリフ劇では役者は客の無意識の「病」を治療する。この点がセリフ劇の最大

の特色と言えましょう」

 B 「何となくは分かる様な気がしますが、少し無理があるようですね。芝居の観客は娯楽や面

白さを求めているので、病人ではありませんからね」

 A 「仰る通りですが、芝居の観客と役者を患者と医者に準えたのは飽くまでも比喩のつもり

でした。でも、半面であながち比喩とばかりは言えない。現代はストレス過多の時代と呼ばれる

ことがあります。このストレスが様々な病気の引き金や原因になっている事は周知の事実ですが、

この心の中のストレスを綺麗に清掃してあげる。これを専門的には「カタルシス効果」と呼んでい

ますが、このカタルシス、つまり心の中の感情とか気持ちの浄化作用は芝居・劇・ドラマの持ち得

る最大の強みでありまして、この強みにフォーカスして芝居を構築する」

 B 「やはり何となく分かるような気がするだけです。自分たちの問題としては考え難いですね

 、やはり。素人に医者の役割が果たせるわけもないし、専門の医者になるのがとても大変なの

に、仮令(たとえ)比喩にしてもそんなに凄い医者みたいな役者になるのは、不可能でしょう。才

能の問題もあるし…」

 A 「それが、そうではないのですよ。何故、そんな断言が出来るかと言いますと、私はプロ

デューサー業の外に教師稼業も延べにして二十年余り経験しておりまして、その経験からの結論

として弱点や短所を矯正するのは能力ではなくて、愛情や真心、誠意と言った心の力やエネルギー

だと確信させられたからであります」

 B 「と、謂いますと? 少し具体的に説明して下さい」

 A 「畏まりました、喜んで御説明させて頂きましょう。電話ですし、お昼休みという貴重な

お時間を割いて頂いておりますし、昼食を摂られる時間を邪魔することも憚られます。私は学校の

教師としても、学習塾の講師としても新米だったのですが、どちらでも奇跡だと称されるような

驚異的な成果を大勢の生徒から、結果的に収める事に成功しています。高校生から小学生まで多く

の教科を指導したのですが、私の真心が生徒の心に響いたのであって、才能やテクニック云々の

問題では全くありません。謙遜などではありませんで」

 B 「教育の場と芝居の世界とは全く別物だと思いますが、貴男が立派な教師として素晴らしい

成果を挙げられた事が、仮に本当だとしても、今度の芝居、セリフ劇との関係があまりピンと来な

いのですが」

 A 「教育の場でもそうなのですが、セリフ劇の世界でこそ人と人との直接対面が非常に大切な

要素となっている。一方通行ではなく、互いが密接にコミュニケーションを取り合って、暖かな

気持ちや感情を通わせ合う。客の喜びがそのまま役者の励みになり益々演戯に心が籠る。すると又

直ぐに、ダイレクトに客の側にその暖かみが伝播・伝達される。心の交流、ハートとハートの直接

対話こそ大切な事なのです」

 B 「そうですか、でもそれは何も芝居でなくてもよさそうですね。わざわざ芝居をする必要も

無いようですが」

 A 「実は、その通りなのです、実際に。要は生きた人同士の血の通い合った本当のコミュニ

ケーションが大切であり、重要なのですが、ここでコミュニケーションと言う事に関連して申し上

げればこういう事があります。欧米の先進諸国で新聞記者が限られた紙面に、簡潔にして要を得た

記事を書くために考案された5 w 1 h という言葉があります。when(何時)where(何処

で)who(誰が)what(何を)why(何故に)how(如何に)の頭文字を取ったものです。これ

を使って現行の芝居・劇・ドラマとこれから新たに目指そうとするセリフ劇との違いを考えて

みたいと思います」

 B 「何か難しそうな話ですが、なるべく分かりやすくお願いします」

 A 「承知致しました。先ず従来型で言いますと、何時:決められた一定の公演期間、何処で:

劇場施設の舞台上で、誰が:プロ、又は、アマチュアの役者たちが、何を:観客に見せる芝居を、

何故に:商売・興行・一種のショーを提供して入場料金を得るために。乃至は娯楽を提供して観客

を楽しませる目的で、如何に:一定期間に稽古・練習を重ねる準備をして公演に臨むのが基本。に

なりましょうが、セリフ劇では、何時でも何処ででも、誰もが、見せる芝居ではなく、治療として

のパフォーマンスを目的に叶った同意に基づいて、対象とする人、または複数の人々を相手とし

て、ストレスを主体とした心の清掃・カタルシス(浄化作用)を目的として実施する。それも思い

立ったが吉日で直ぐにでも、心の準備を整えて、つまり対象者の心の淋しさや退屈を紛らす事も

含め様々に相手の状況に熟慮した内容で、相手が迷惑と感じたり邪魔だと思ったりしない範囲で、

飽くまでも対象者本位の言葉や詞章を中心としたパフォーマンスを、心を込めて行う。事前のリ

ハーサルなどはあっても構わないが、本番即練習と心得て、実施体験を可能な限り数多く重ねる。

それこそが、真剣勝負の 治療体験 こそが真の役者修行であると心得て、一期一会の出会いに

命を燃やす。生命の輝きの限りを尽くす。これこそがセリフ劇の真骨頂であるからです」

 B 「何だか急にひどく難しい、込入った話になってしまい、正直に言ってついて行けない気が

するのです」

 A 「これは失礼しました。私の方も話に熱が入り過ぎて、本質論と申しますか、急激に理想を

語り過ぎてしまった嫌いがあるようです。もう少し、お付き合いをお願い出来ませんでしょうか。

と、言いますのが、芝居・劇・ドラマを突き詰めて考えて行きますとどうしても人生をどう生きる

かという、人生論に触れざるを得ないわけですね。人として私達はどう生きたらよいのか、そのベ

ストの回答が芝居の在り方の中に隠されている、秘められている」

 B 「成程ね、そんなものだったのですか。僕はまた芝居を楽しめばそれでよいと、軽く考えて

いたものですから」

 A 「いえいえ、それで結構なのです。人生も楽しんで生きられたら、もうその先に何も求める

物はないのでして。ただ」

 B 「ただ、何でしょうか?」

 A 「貴方の場合にはどうか分かりませんが、一般論として申せば、楽しく人生を生きると簡単

に言いましても、実際には、生きて様々な難局に直面してみると、そう言葉で言うほど簡単な事柄

ではないと知れます。昔から八苦の娑婆、憂き世と言われているように」

 B 「確かに、そうかも知れませんね」

 A 「俳優の修行は、よく人生の修行に通じている、と言われますが実際にその通りなのです

よ。話が長くなっていて恐縮ですが、芝居・劇・ドラマを通して人間として成長していく。きっか

けとしては地域活性化や商売としての成功を願うわけですが、本当の目的は、理想の着地点は大勢

の人々の人間完成への道を拓くことにある。しかも無類に面白く、楽しいプロセスを大勢してエン

ジョイしながら、という極めて欲張った目論見なのでありますよ」

 B 「段々、何となく良さそうな気はしてきましたが、まだよく理解出来ないと言うのが、正直

な感想です」

 A 「非常に率直な御意見が拝聴出来て、有難かったです。近いうちにお目に掛かる事が出来れ

ば嬉しく思います。また、長々と電話でお付合い頂き感謝に耐えません」

 B 「いえいえ、こちらこそ有難うございます」

 A 「それでは、お目に掛かれる機会を楽しみにして居ります。失礼します」


 一応は、これで終わりとしておきますが、続編は随時、サンプルストーリーなどと交互に書き継

いで行く心算で居ります。





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最終更新日  2019年03月23日 08時59分45秒
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