草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2021年08月20日
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7               [ 第二幕 第二場 ]

   グロスター伯の居城の前

   ケントとオズワルドが左右から出て来て遭う。

オズワルド  お早う。この屋敷の人かい?

ケント  ああ。

オズワルド  馬はどこに繋ぐのだ?

ケント  そこの溝だ。

オズワルド  まあ、お互い同じ人間様だ、教えてくれよ。

ケント  俺はお前と同じ人間ではない。



ケント  面の皮の厚い奴だ。あれは二日前のことだ、王様の御前で俺が貴様の足を掬い、一殴

りくれてやった筈だ。さ、抜け、やくざ野郎、夜でも幸い月は照っている、剣を抜け! (自分の

剣を抜く)

オズワルド  退け! ウガには用はない。

ケント  抜けと言うのに、この無頼漢め! その懐に王を陥れる手紙がある筈だ抜けというの

に、このやくざ野郎、さ、来い!

オズワルド  助けてくれ、おおい! 人殺しだ、助けてくれ!

ケント  打って来い、しゃんと構えるのだ。(殴りつける)

オズワルド  助けてくれ、おおい! 人殺し、人殺し!

   エドマンドが抜剣して登場。

エドマンド  どうした? 二人共離れろ! そもそも事の起こりは? (分けて入る)



打って来い、お若いの!

   コーンウォール、リーガン、グロスター、及び召使達が登場。

グロスター  その得物は? 何故の刃物三昧か? 何が因(もと)でこの様な騒ぎに?

コーンウォール  鎮まれ、命が惜しいなら! 先に手を出せば死刑だ。事の起こりは何か?

リーガン  アネチャと王からの使者に違いない!



オズワルド  この老いぼれのならず者が、、はい、その胡麻塩の髯に免じて、命だけは勘弁し

てやりましたが――

ケント  公爵、もしお許しが頂けますなら、この篩(ふるい)の目を通らないがらくた悪党、粉々

に踏み潰して、便所の壁でも塗りたいところでございます。胡麻塩の髯に免じてと言ったな、頭

を下げるより能無しの鶺鴒(せきれい)野郎め?

コーンウォール  静かにしないか! 畜生同然のごろつきだな、お前は、礼を弁えぬのか?

ケント  弁えておりますが、立腹には特権が付き物にございます。

コーンウォール  何に腹を立てているのか?

ケント  こんな下司下郎が剣をさげている、どの面下げてそれを下げているのかと思うと、つ

い腹が立ちます。

コーンウォール  何を言う、お前は気違いか、爺さん?

グロスター  どうして掴み合いになったのだ、それを言え。

ケント  どんな敵同士にしても、ワとこのごろつき程、肌の合わない間柄はまずありますま

い。

コーンウォール  何故この男をごろつき呼ばわりするのだ? これが何か気に障る事をしたの

か?

ケント  その面が気に食わぬのです。

コーンウォール  お前はこの男に何をしたのだ?

オズワルド  何もしは致しませぬ。たまたまこの男の御主人の王様が、ごく最近、ふとした誤

解からワを御打擲(ごちょうちゃく)になりまして、その折、この男が王様と示し合わし、そのご機

嫌を取ろうとして、後ろからワの足を掬いましたので。

ケント  いかにやくざな臆病者でも、明き盲の豪傑アイアースが相手なら、どんな阿呆扱いも

易々たるものだ。

コーンウォール  足枷を持って来い! いい年をしてどこまで大口を叩く気か、よし、教えて

やろう!

ケント  が、今更、物を習うには年を取り過ぎました。ワは王の御命令にて遣わされたので御

座います。

コーンウォール  足枷を持って来い! 明日の昼までこいつを台に曝しておくのだ。

リーガン  昼まで? いいえ、ついでに一晩中夜明かしさせておやり。

ケント  何と仰せになります。たとえワが犬でも、お父君が飼っておいでとあれば、そのよう

に酷くはお扱いにはなりますまい。

リーガン  いいえ、オドサマの手下なればこそ。

コーンウォール  まさしくアネチャの手紙にあった手合いと同じ穴の狢(むじな)だ。さ、早くこ

こへ足枷を。 (足枷が運び入れられる)

グロスター  差し出がましゅうはございますが公爵、どうぞお留まり下さいまし。王も必ず御

気色を損なわせられましょう。

コーンウォール  その責はこの身が負う。

リーガン  それよりアネチャの御機嫌を損ないましょう。その男の脚を。 (ケントは足枷台に

掛けられる。それを見てコーンウォールに)さあ、参りましょう。

   (グロスターとケントを残して一同退場)

グロスター  気の毒だな、これも公爵の御意とあれば、その御気性は世間周知のもの。いずれ

取りなして進ぜよう。

ケント  御心配には及びません。ひと寝入りして、醒めたら口笛でも吹いておりましょう。

グロスター  ここまで来れば非は公爵にある、王はさぞかし御気色を損なわせられよう。(退場)

ケント  早く昇れ、下界を照らす灯火。その光を借りてこの手紙を読むのだ。ほかでもない、

コーディリア様から頂いたものだ。この身の仮の姿をどこからか聞き及んでおいでらしい。それ

なら、やがて……この乱れた秩序を建直し、損なわれた箇所に手当をして下さろう。いや、すっ

かり疲れた、寝も足りぬ。(眠りに入る)

               8               [ 第二幕 第三場 ]

   野原

   エドガー登場。

エドガー  俺を捕まえる触書が回っていると言うが、木の洞のお蔭で幸い追っ手は免れた。と

にかく逃げられるだけ逃げ延びよう! エドガーの俺はもういないのだ。 (退場)

               9               [ 第二幕 第四場 ]

   グロスター伯の居城の前

 ケントが足枷に掛けられたまま。リア、道化、紳士が登場。

リア  おかしな話だな、急に館を留守にし、しかも使者を返して寄越さぬというのは。

紳士  ワの承りました限り、前夜まではこちへお越しのおつもりはなかったように御座いま

す。

ケント  ようこそ、ここへ!

リア  おお、ウガはその辱めを慰めにして済ませる気か?





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最終更新日  2021年08月21日 16時01分33秒
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