草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2021年08月26日
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14             [ 第三幕 第五場 ]

   グロスターの居城の一室

   コーンウォールとエドマンドが登場。

コーンウォール  この城を去る前に必ず復讐してやる。

エドマンド  どれほど謗(そし)られます事か、親子の自然の情に背いてまで忠義立てせねばなら

ぬのかと。

コーンウォール  今となってみると、ウガのアンチャがアヤ(父親)の命を狙ったのも、あながち

悪人だからとのみは言えなくなる。

エドマンド  返す返すも悪運を引き当てましたのはこの私。これが父の話しておりました手紙



コーンウォール  行こう、妻に会ってくれ。

エドマンド  もしこの書面の通りでしたら、お急ぎにならねばならぬ事が山ほど控えておりま

する。

コーンウォール  真偽はともあれ、これでお前がグロスター伯になれる。父親の在り処を突き

止めておけ。

エドマンド  (小声で傍白)これで親父が王の世話でもしていれば、嫌疑はいよいよ深まるという

ものだ。 (コーンウォールに)私と致しましては、どこまでも忠の道を歩みたく存じます。(二人

退場)

              15             [ 第三幕 第六場 ]

   グロスターの居城の近く、百姓屋の一室

   グロスターとケントが登場。



ケント  ご親切には神々のお報いを! (グロスター退場)

   入れ違いにリア、エドガー、道化が登場。

ケント  さ、どうぞここへ横になって暫くお休みくださいまし。

リア  騒ぐな、垂れ幕を引け。

   グロスターが戻って来る。



ケント  そこに、だが、お起こしにならぬように。

グロスター  では、お前に頼む。王を御抱きして早くここを。お命を狙う陰謀の噂を耳にした

のだ。担架が用意してある、それにお載せしてドーヴァーまで落ち延びてくれ。そこには歓待と

庇護とが待っている。

ケント  (道化に)おい、手を貸してくれ。

グロスター  さあ、さあ、早く逃げるのだ!

   グロスター、ケント、道化が王を運び去る。

エドガー  身分は遥かに上でありながら、我らと同じ苦痛を背負わされている。ご無事で落ち

延びられるように。さあ、隠れた、隠れた。 (退場)

              16              [ 第三幕 第七場 ]

   グロスターの居城の一室

   コーンウォール、リーガン、ゴネリル、エドマンド、及び召使達が登場。

コーンウォール  (ゴネリルに) 御主人の所に急ぎお戻り頂きたい。この書面をお見せになるよ

うに、フランス軍が上陸したのです。裏切り者のグロスターを早く見つけ出すのだ。

リーガン  見つけ次第、直ちに絞首刑に処するが良い。

ゴネリル  あの男の目をえぐり出しておやり。

コーンウォール  処罰は私に任せて貰おう。エドマンド、アネチャのお供を。アルバニー公に

お目にかかったら、一刻も早く開戦の御用意をと申し上げてくれ。

   オズワルド登場。

オズワルド  やはりグロスター公爵がここよりお連れ出しになったので御座います。

コーンウォール  奥方に直ちに馬の用意をしろ。

ゴネリル  では、お大事に、お二人共。 (ゴネリル、エドマンド、オズワルドが退場)

コーンウォール  グロスターを早く見つけ出せ。 (召使が数名退場)死刑の宣告を下す以上、一

応裁きの手続きを踏まねばならぬのだが、力ずくでしたい放題の事でもせねば、この憤りは納ま

らぬ。

   召使達がグロスターを引き立てて、再び登場。

コーンウォール  何者だ、裏切り者を連れて来たのか?

リーガン  恩知らずの狐が! あの男です。

コーンウォール  その萎びたケナ(腕)を縛りあげろ。

   召使達がグロスターを縛る。リーガンがその鬚をむしり取る。

グロスター  慈悲深き神々にはその恥知らずの所業に、さぞかし驚いておいでだろう。

コーンウォール  最近、フランスから受け取った書面の中身は?

グロスター  私が受け取りましたのは、敵方からではありませぬ。

コーンウォール  王をどこへ送った?

グロスター  ドーヴァーへ。その酷い爪がお気の毒な老王の両の御目を抉り出すのに、忍びな

かったからだ。

コーンウォール  貴様のその目を踏みにじってくれる。

グロスター  おお、酷いことを!

リーガン  残る目が隣の窪みを嘲っている。ついでにそれも!

コーンウォール  もう二度と見えぬように、こうしてやる。ええい、胸糞の悪い、まるで腐っ

た生牡蠣のようだ! 貴様の光は今どこにある?

グロスター  闇に鎖され、頼るべき物影ひとつない。エドマンドは何処にいる? この悪逆無

道の行いに懲らしめを加えてくれ。

リーガン  お前は、お前を憎んでいる者に助けを求めている。誰でもない、あの男がお前の反

逆を知らせてくれたのだよ。

グロスター  ああ、何という愚かなことを! それならエドガーは濡れ衣をきせられたのだ。

リーガン  その男を城門の外に放り出しておやり。 (コーンウォールとリーガン退場)

               17              [ 第四幕 第一場 ]

   荒野

   エドガー登場。

エドガー  人間、どん底まで落ちてしまえば、あるのは希望だけ、不安の種は何もない。

   グロスターが老人に手を引かれて登場。

エドガー  だが、誰だ、あれは? 父上ではないか、目をどうかなさったらしい!

老人  旦那様、手前はずっと旦那様にお仕え致して参りました。それも、御先代の時からの

事、もう八十年にもなります。

グロスター  もう行け、行ってくれ!

老人  その御目では道がお分かりにはなりません。

グロスター  この俺には行くべき道などあるものか。人間、有るものに頼れば隙が生じる。失

えばかえってそれが強みになるものだ。ああ、エドガー、お前は欺かれた愚かな父の怒りの生贄

に!

老人  おい、これ、誰だ、そこにいるのは?

エドガー  (傍白) ああ、こんな恐ろしい事が!

老人  気違い乞食のトムだな。おい、何処へ行くのだ?

グロスター  その男は乞食か?

老人  はい、気違いで、その上乞食というわけで。

エドガー  (傍白) どうしてこの様な事に?

グロスター  そいつは裸の男か?

老人  はい、左様で。

グロスター  それならお前は帰ってくれ。そしてこの裸虫に何か引っ掛ける物を持って来てや

ってくれ。俺はこれに手を引いて貰おうと思っているのだ。

老人  手前の持っております一番よいのを持ってまいりましょう。 (退場)

グロスター  こら、裸虫!

エドガー  哀れなトムは寒いのだよ。 (傍白) これ以上は誤魔化しきれない。

グロスター  ここへ来てくれ。

エドガー  (傍白) だが、続けなければならぬ。あ、目が、血が出ている!

グロスター  お前はドーヴァーへ行く道を知っているか?

エドガー  木戸に門、馬道小道、どっちも知っている。

グロスター  さ、この財布を遣る。お前は感心な奴だ、天の下し給うた禍を一度に身に受けな

がら、じっと我慢している。お前はドーヴァーを知っているか?

エドガー  知っているとも、旦那。

グロスター  そこには絶壁が如何にも恐ろしげにそそり立ち、高々ともたげた項(うなじ)を前に

差し伸べ、眼下に海を押さえつけている。その縁(ふち)のところまで俺を連れて行ってくれ。そし

たら、俺はお前の担っている苦患を取り除いてやろう。多少の金目の物は今でもこの身に付けて

いるからな。そこから先はもう案内はいらぬ。

エドガー  腕を貸しな、哀れなトムの道案内だ。 (二人退場)





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最終更新日  2021年08月26日 20時37分51秒
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