草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2021年09月07日
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24             [ 第五幕 第一場 ]

   ドーヴァーに近きブリテン軍の陣営

   軍鼓と軍旗、エドマンドとリーガンが将兵を引き連れて登場。

エドマンド  アルバニー公のお考えを伺って来い。 (命を受けた士官が一人去る)

リーガン  所で、聞かせていただきたいの、アネチャ(姉上)のことを思っておいでなのでしょ

う?

エドマンド  そのような御想像は御名誉にかかわります。

リーガン  私、姉であろうと遠慮はいたしません。あの人と親しくなさらないで。

エドマンド  御心配無用。おお、姉上と公爵がお見えに!



ゴネリル  (傍白) むしろ戦いに敗れたほうがよい、あの人のことで妹に負けるくらいなら。

アルバニー  妹のリーガン、会えて何よりだ。伯爵、己の信条として、正義を信じえぬ戦いに

勇気は起こらぬ。が、この度のことは決して無視はできまい。

エドマンド  立派なお言葉と存じます。

アルバニー  よろしい、直ぐにも、戦の手筈を決する事にしよう。

エドマンド  即刻当方より御本陣の方へ伺いましょう。

リーガン  姉上、私どもの方へお出でになりません?

ゴネリル  いいえ、結構。

リーガン  その方が何かと好都合だと思うのだけれど、さ、参りましょう。

ゴネリル  (傍白) ふ、ふむ、その謎は解っている ― (相手に) では、そうしましょう。

   一同退場し掛かるところに変装したエドガーが登場。



アルバニー  後から行く。(アルバニーとエドガーを残して一同退場) よい、言え。

エドガー  戦いの前に、一先ずこの書面を。また、御勝利の暁には、ラッパを鳴らし、これを

お持ちした者をお呼び下さいまし。何とぞ御武運の長久を!

アルバニー  読んでしまうまで待て。

エドガー  そうしてはおられませぬ。その時が参りましたら、必ず御前に参上いたします。



   エドマンドが戻って来る。

エドマンド  敵は早くも姿を現しました、これは敵軍の兵力装備の推定で、(書面を渡し)ともあ

れ、ひとえにお急ぎの程を。

アルバニー  では、潔く一戦を。(退場)

エドマンド  姉、妹、いずれにも良い顔を見せてしまった。どちらを取ろうか? どちらをと

っても楽しくない。(退場)

             25              [ 第五幕 第二場 ]

   英仏両陣営の戦場

   警報、フランス軍と共にコーディリアがリアの手を導いて現れ、舞台を通り過ぎる。その

後にエドガーとグロスターが登場。

エドガー  丁度いい、父つぁん、この木に陰を貸してもらうのだな。土産には吉報を持って来

る。

グロスター  神々の御庇護を! (エドガー退場)

   警報がすぐ近くに聞こえる。やがてフランス側の敗北、退却が続く。エドガーが戻って来

る。

エドガー  逃げるのだ。リア王側の敗北だ、王も姫君も虜になってしまったぞ。手を、さあ、

早く! (二人退場)

              26              [ 第五幕 第三場 ]

   ドーヴァーに近きブリテン軍の陣営

   軍鼓、軍旗と共に勝利者エドマンド、囚われのリア、コーディリアが登場。その他、隊長

と兵士達。

エドマンド  士官のうち誰かその二人を連れて行け! (リアとコーディリアは番兵に連れ去ら

れる)

エドマンド  隊長、ここへ。 (紙片を渡し)二人の後を、牢へ。

隊長  御命令通りに。 (退場)

   トランペットの吹奏、アルバニー、ゴネリル、リーガン、その他の将兵登場。

アルバニー  今日の戦いでは天晴れおのが武運の血筋を証したな。

エドマンド  如何なる正義の戦も、その過酷に苦しんだ者には、呪わしきものと思われましょ

う。コーディリア様とそのお父君の事は、後日適当な機会に改めて詮議すべきと存じます。

アルバニー  待て、私から見れば御身はこの戦に関する限り、我が部下に過ぎず、兄弟分とは

考えておらぬのだ。

リーガン  その資格は実は私が差し上げたいと思うもの。伯爵、全財産をあなたにお預けしま

す。お好きなようになさって下さい。

ゴネリル  まさか本気ではないだろうね、その人と一緒になれるなどと?

アルバニー  いずれにせよ、ンガ(お前)の口出しし得る事ではない。

リーガン  (エドマンドに) 太鼓を打たせるようお命じになって、ワの身分がそのままあなたの

物になった事を、皆に知らせるのです。

アルバニー  ならぬ、その訳を聴かせよう。

エドマンド  貴様を捕える、反逆の大罪人としてな。 (ゴネリルを差し)同時に、この上辺を金

色に塗飾った毒蛇もだ。所で、妹殿、これが伯爵の私と再婚の約を取り交わしている。で、ワは

これの夫として、貴女の婚約を拒否するのだ。

ゴネリル  そんな茶番は止めにして!

アルバニー  ラッパの用意を。先ずウガの本性を明し、憎むべき大逆罪を暴く者が出てこぬ時

は、それ、この俺が相手だ! (手袋を投げる)

リーガン  苦しい、ああ、胸が!

ゴネリル  (傍白) そう来なくては、薬も当てに出来なくなる。

エドマンド  よろしい、返事はこれだ! (手袋を投げる)

アルバニー  おい、伝令!

リーガン  苦しみが募るばかり!

アルバニー  俺の天幕に連れて行け。 (リーガン、連れ去られる)

   伝令役登場。

アルバニー  これを読み上げるのだ。

伝令  (読み上げる) 「自称グロスター伯エドマンドに対して、数々の反逆の罪を指摘して憚ら

ぬ者は、次のラッパの合図で姿を現すべし!」 (トランペットの吹奏)

   それに応じて、奥でトランペットが鳴る。エドガー鎧に身を固めて登場。

エドガー  何処にいる、グロスター伯と名乗る男は?

エドマンド  俺だ、何が言いたいのだ?

エドガー  剣を抜け!

エドマンド  相手になろう。 (警鐘、両人戦ううちに、やがてエドマンドが倒れる)

アルバニー  待て、生かしておけ!

ゴネリル  企みです、あなたは負けたのではない、謀られ、欺かれたのです。

アルバニー  口を出すな、(エドガーに)暫く待て…、(ゴネリルに手紙の署名の所を示し) さ、

己の悪事を読むが良い。

ゴネリル  だからどうだと言うのです。(退場)

アルバニー  この化物! 後を追え、落ち着かせてやれ。 (士官が一人去る)

エドマンド  一体何者だ? 俺をこのような破滅に陥れた男は?

エドガー  俺の名はエドガー、お前のアヤの嫡男だ。

アルバニー  何処に身を隠していたのか? 父親の苦難がどうして解った。

エドガー  ずっとその面倒を見ておりました。半時間ほど前に、親子遍路の一

部始終を話して聴かせたのですが、かすかな笑いを残して息を引き取りました。更に、私が大声

で泣き叫んでおりますと、ひとりの男が通りすがり、その強いケナ(腕)をいきなり私の首に巻きつ

け、天を突き裂くような喚き声を挙げたのです。

アルバニー  で、その男と言うのは?

エドガー  ケント伯爵、追放の身のケント伯に御座います。

   紳士が血まみれの匕首(あいくち)を手に駆け込んで来る。

紳士  大変だ、大変な事になったぞ!

エドガー  何事だ。

アルバニー  死んだのは誰か?

紳士  公爵夫人、奥方に御座います。しかもお妹様の方も奥方の手によって毒殺されました。

エドガー  俺はその二人と誓い合った仲だ。こうして三人一緒に婚礼を挙げるのか。

エドガー  あそこにケント伯が。

   ケント登場。

アルバニー  二人をここへ。(紳士退場、ケントに気付き) おお、これが? 場合が場合だ、挨

拶は略させて頂く。

ケント  我が君、国王に永のお暇を申し上げに参りました。ここにおいででは?

アルバニー  大事なことを! 言え、エドマンド、王は、コーディリア殿は何処においでか?

   ゴネリルとリーガンの遺骸が運び入れられる。

エドマンド  息が苦しい。少しはお役に立つことがしたい。急使を城へ…。

エドガー  (エドマンドへ)何かお前の印を、命令取り消しの為に。

エドマンド  さ、この剣を、これを隊長にお見せになるよう。

アルバニー  急げ、命懸けだぞ! (エドガー退場)

エドマンド  その男には奥方と私が命令を出したのです。コーディリア様を獄中に絞め殺し、

しかも絶望のあまりみずから縊れ死んだと誣(し)いるように。

アルバニー  何とぞ神々のご加護を! この男を暫くあちらへ。 (エドマンド運び去られる)

   リアがコーディリアを抱えて登場、エドガー、隊長、その他が随う。

リア  泣け、泣け、泣け! 娘はもう二度と戻っては来ぬのだ

ケント  (膝を突き) おお、御心確かに!

リア  ええい、寄るな! 誰だったかな、お前は? ケントではないか?

ケント  左様です。同じ下僕のケイアスも実は私でした。

リア  それも直ぐに分かるだろう。

   隊長の一人が登場。

隊長  エドマンド様がお亡くなりになりました。

リア  頼む、このボタンを外してくれ。 (リア息絶える)

アルバニー  亡骸をお運びするように。我々の務めは先ず、国を挙げて喪に服することだ。(ケ

ントとエドガーに)心の友として、お二人にお願いする。この国の政に与り、重傷(おもで)を負

った国家を立ち直らせて頂きたい。

ケント  ワは旅に出ねばなりませぬ。それも間もなく。

エドガー  この不幸な時代の重荷は我々が背負っていかねばなりませぬ。最も老いた者が最も

苦しみに堪えた。若い我々は今後これ程の辛い目に遭いもしますまい。これ程長生きもしますま

い。 (死骸が運び去られ、葬送曲と共に一同その後に随う)

                              ( 以 上 )





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最終更新日  2021年09月07日 12時13分05秒
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