草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2025年11月19日
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ライリイ  渋々だったのでしょうかね、それで、あなたが連れて来た。

ジュリア  ああ、いいえ、そうではありません。ちょった違っているのです。彼女には信じられないの

です、あなたが自分を真剣に診察してくれるかが。

ライリイ  それは異常でも何でもありませんよ。

ジュリア  それでは、彼女は真剣に診察する対象に該当するのですね。

ライリイ  それが最も異常なのです。

ジュリア  ヘンリィ、頑張ってね。あなたはそんなに疲労していてはいけないわ。隣りの部屋で待機し

ます。官女が居なくなってから戻ります。

ライリイ  そう、彼女がいなくなってから…。



ライリイ  そうです、間もなくやって来るでしょう。(ジュリアは脇のドアから退場する) (ライリイ

はボタンを三度押す。女性秘書がセリアを請じ入れた)

ライリイ  セリア・コプルストンさんですね。…、腰を掛けて下さい。貴女はシャトルスウエイト夫人

の友人でしたね、確か。

セリア  はい、ジュリアでした、…、シャトルスエイト夫人が、私に貴方に診察をお願いするように助

言したのです。でも、私は前にお会いしたことがありますね。何処かしらね、…、ああ、勿論のことです

が、解らない…。

ライリイ  あなたが知る必要はありません。私はシャトルスウエイト夫人の要請であそこに居たので

す。

セリア  それを聞いてさらに困惑してしまいますわ、しかしながら、私はあなたの時間を浪費させたく

はありません。しかも私は常に恐れているのです、私がいずれにしても時間を空費しているとあなたから



す。或いは、あなたに好都合な理由を与えて、あなたに逢いたいと望んでいる。でもね、私には出来ませ

ん。私は単に自暴自棄状態で此処へ参りました。そしてあなたが私の帰りなさいと仰れば傷つかづに戻れ

ます。

ライリイ  私の患者の大部分は、コプルストンさん、何が問題なのかを正確に私に話してくれる事から

始めるのです。そして私はそれにどう対処しようかと考えるのです。彼等は確信している、自分は神経



だと思っている。

セリア  私は少なくとも自分以外の誰も責めたりはしません。

ライリイ  そしてその後で、私の処置の序章は、彼等に彼等の病気に対する見立てが間違っている事

を示そうと試みることなのです。そして彼等を誘導して想像している程には興味深い物ではない事を納得

させることなのです。そこまで行けば、治療の大半は終わっているのです。

セリア  私は私の問題が興味深い物だとは思っていません。でも私はそんな風には始めません。私は極

めて良好だと感じています。私には行動的な生活が送れます。もしも、何か差しさわりが有ったとして

も。私は何事かに迫害されているとも想像しておりません。私には何の幻聴も聞こえません。妄想もあり

ません。私の生活している世界があたかも全部夢想であるかのように思える事を除いては。最初に私は自

分の置かれている生活環境についてお話すべきでしょうか。あなたはまだ私について何も御存知ない事を

忘れていました。そして私がどのような体験を経てきているのか、特に最近の数週間で。兎に角、私は自

分に関して説明する必要がない事を当然と心得ていました。

ライリイ  現時点で私はあなたについて十分の情報を得ています。先ず、貴女の心の状態を委しく聞か

せて下さい。

セリア  そうですね、私には理解できない事が二つあります。それをあなたは兆候と仰るかも知れませ

んが、最初にお話したいのは、私の心の何処かが悪いと思いたいとでも表現しましょう。何故ならば、ど

こかが悪くなくとも、どこかが不具合なのです。或いは、少なくとも、それまでとは非常に相違してい

る、世界との関係で。そしてそれは非常に恐るべきことなのですね。それは恐るべき現象なのです。それ

で私はむしろ信じたい、私にはどこかが異常なのだと。それは正常に戻し得るとも。私はあなたから何か

を聞かせていただきたい、正常に戻れる方法などについてです。

ライリイ  我々は先ず、貴女に関して正常な状態とはどういうことなのかを見つけ出しておかなければ

いけませんね。あなたは二の事があると言われた。一番目は何ですか。

セリア  孤独感の気づきです。でも、それでは平板過ぎます。つまりは、衝突が有るとは意味していま

せん。でも実際にはあったのですが。それは単に幻想の終わりではなかった。通常の道ではない、或い

は溝が掘られていた。勿論、それは通常人々の上に何時も起こっている何かです。そして人々はそれを克

服している。多かれ少なかれ、少なくともそれを背負っている。いいえ、私が申したいのは、起きた現象

は私に気づかせた、私が人生でずっと孤独だったと言う事を。人は常に一人だと言う事。単純に一つの関

係の終局ではない、これまでに決してあり得なかった事実の発見ではなく、或る啓示、私の周囲の皆との

関係性に関するそれ。お判りになりますか、誰かに話しかけるのさえもはや無意味だと感じる…。

ライリイ  そして、貴女のご両親については、どうなのですか。

セリア  ええ、彼等は田舎で暮らしています。今や彼等は都会には住むべき場所を持たないのです。彼

等に出来る事と言えば地方で生活を続けることぐらいです。そしてそれは非常に長い家族でに倉氏でし

た。彼等はしれを離れないでしょう。

ライリイ  そして、あなたがロンドンに暮らしている。

セリア  私はアパートを借りています、従妹と一緒に。が、彼女は一時的に海外に出ました。そして私

の家族は地方に戻って一緒に住もうと勧めています。でも、その気にはなれませんの。

ライリイ  それではあなたは、誰にも会いたくはないのですか。

セリア  ええ、どもそれは、一人でいたいからではないのですが。

ライリイ  それであなたは、心のよじれを抱えたままで、そう言う具合に思っている。

セリア  でも、凡てがとてもうまくいっているように見えた、その時には。私はそのことを繰り返し何

度も思った。今は解るのです。間違いだったと。でも分からないのは、間違いが何故に罪だと感じさせる

のか。しかも、それに対して他のどんな言葉も思いつかないのです。一種の幻覚に相違ないのですが。し

かも、同時に、恐怖感で吃驚したのは、私がそれまでに信じていた何よりも更に現実的だったから。

ライリイ  何がより現実的に見えたのですか、貴女がそれまでに信じていた何よりも。

セリア  私がそれまでにしたどんな物にたいする感情でもなかった。そこから逃げ出したいと思う、或

いは、私の中にある何物でも取り払いたいと思う。でも、その空虚感、誰かに対する失敗、更には私の外

側にある何物かを、ですね。そして感じた、何かを償わなくてはいけない…、それが言葉にすればそうな

る。あなたにはそんな心の状態にある患者を治療できるでしょうか。

ライリイ  貴女が信じていたものとは、この男性との様々な関係ですね。

セリア  まあ、それが推測で来るのですね、何て賢明なお方なのでしょう。いいえ、それは明瞭にでき

た筈だった。貴方は彼について知る必要はないでしょうね…。

ライリイ  はい。

セリア  私は典型的なだけに過ぎない。

ライリイ  様々な違ったタイプがあります。一人は別の誰かより特殊です。

セリア  ああ、私は彼に随分と多くの物を与えた。そして、彼もまた私に…。そして、与えたり受け取

ったりは非常に正しかったと思える。打算的な言葉は使わなくても、私達二人が置かれていたような人間

によいものだった。しかし、新しい人間の、我々には。もし感じられるとして、当時行動していた時も、

今でさえも、それは正しいと思える。そしてそれから、私は気づいた、二人は赤の他人同士だったと。与

えたり受け取ったりもなかった。そして我々はお互いを単純に利用したにしか過ぎない、彼の目的に沿っ

て。それは恐怖だった。我々は自分たちの想像力が作り上げた何物かを愛したに過ぎないようで。我々は

実際には愛されもせず、愛しもしない。そして孤独の儘だ。そしてもし人が孤独であるならば、愛する

者も愛される者も非現実な存在だと言える。そして夢想する者はその者が見る様々な夢以上に現実的では

ない。

ライリイ  そして、その相手の男性は、今、貴女にはどのように感じられますか。

セリア  森の中に迷い込んだ子供のように思えますわ、想像上の遊び相手と一緒にいて。そして突然に

気が付いた、自分は子供に過ぎず、森の中で迷い、家に帰りたがっていると。

ライリイ  同情心は既に手がかりであるかも知れない、あなた自身がその森から抜け出す道を発見す

る。

セリア  森から抜け出せたとしても、慰め難い記憶は残るでしょうね、私が嘗て森の中に迷い込んで宝

物を発見した。しあも、発見などはしていない、その宝はそこにはなかったのだから。そして多分は何処

にも存在していない。でも、若しも存在しない物ならば、それを発見できなことに私は何故に罪悪感を感

じなければいけないのか。

ライリイ  幻滅はそれ自身がひとつの幻想に成り得るものです。我々はそれに休息の場を求められれば

幸いなのですがね。

セリア  私には議論は出来ません。再び傷つくのを恐れているからではありませんで、何物も再び傷を

つけたり傷を癒したりは出来ないでしょう。私は時々に思った、歓喜は現実的である、それを経験する人

は現実感を持てないけれども。何故ならば、起こったことは夢の様に記憶され、心で強く愛することで意

気が強められ、欲望の無い喜びの震え、欲望は愛する事の歓喜で満たされる。目ざめている時には知らな

い状態、しかし、私は何を、誰を愛したのだろうか。或いは私の中の何が一体愛されたのだろう。私には

分からない。そしてもしそれらが無意味なのであれば、私は治療されたい。私に見付けられなかった物を

渇望することから。そしてそれを発見できなかった恥辱から解放されるべく。治療して下さいますか。

ライリイ  状態は治療可能です。しかし治療の形は貴方の選択次第です。貴女の代わりには選べませ

ん。もしそれが貴女の願いであるならば、人間の状態に融和させることはできます。貴女ぐらい遠くに行

かれた何人かは、状態が平常に復しています。彼等は自分が体験した幻影を記憶しているでしょう。しか

し彼等はそれを悔いるのを止めます。通常の日常生活を維持して過剰な期待を避けることを学ぶ。自分自

身や他人に対して寛容になる。与える事、請け取る事、通常の行動として与えたり受け取ったりする事柄

を。彼等は愚痴をこぼしたりしない、別れるべき朝や再会する夕べに満足する。暖炉の前の何気ない会

話、二人の人間は互いが理解できない事実を知っている。彼等が理解していない子供たちを養育する。子

供たちも両親を理解しないだろう。

セリア  それが最良の生活ですか…。





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最終更新日  2025年11月19日 10時24分22秒
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