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この間、私はほぼ一貫して次のことを主張してきました。
1, 戦争は起こさないことが何よりも大切である。プーチンによる侵攻が非難されるべきは当然だが、「ウクライナ戦争」は未然に防ぐことができたし、防ぐための十分な動きをしなかった点(NATO加盟〔拡大〕問題についてロシアとの協議に一切応じなかったこと)については、バイデンにもゼレンスキーにも他のNATO諸国指導者にも大きな問題がある。
2, 命を大切にするという観点からすると、「起こってしまった戦争」は一刻も早く停めることが大切であり、3月に「トルコ」が仲介して「ウクライナの中立化」という方向で停戦交渉が進んだことは評価すべきである。その時点で何としても停めるべきだったと考えるが、交渉が進展しようとした矢先に「戦車の提供」を表明し、戦争の長期化をあおったバイデンには大きな問題がある。
3, 停戦を実現するためには、聞きたくない相手-プーチンの主張にも耳を傾ける必要がある。ロシア軍とプーチンを一方的に「悪魔化」する西側 media 、日本の media 報道には大きな問題がある。
特に3に関わって、「湾岸戦争」「イラク戦争」と比較しながら、改めて考えてみたいと思います。
仮に、各国の media が「侵攻したロシア側」の発表や主張だけを報道し、「ウクライナ側」、「 侵攻された側」 の発表、主張をほとんど無視したとすればどうでしょうか。そのようなことは許されない、とだれでもそう思います。
しかしながら、現実に 「湾岸戦争」や「イラク戦争」では「侵攻した側」の米国・英国の発表や主張、両国の視点からの報道で埋め尽くされていた のではないでしょうか。侵攻されたイラク側の発表・主張の報道はほとんど記憶に残らないほど少ないものでした。例えば、イラクの軍事施設に対する「ピンポイント爆撃」が成功した映像など、何度も放映された記憶が鮮明に残っています。
現実には、どうだったのでしょう。米・英軍の爆撃は「精密誘導ミサイル」では(少なくともそれだけでは)ありませんでした。早々に 制空権を握った米英は「爆撃機による大規模な攻撃」を地上戦に先立って行った
こともあり、イラク戦争だけで少なくとも50万人以上の犠牲者が出た、と言われます。
私が、「ウクライナ戦争に関する報道」‐
ウクライナやNATO諸国の発表や主張は正しくロシア側の発表はすべてウソである
‐に対して大きな疑問を持つのは、湾岸・イラク戦争報道とあまりにも違いすぎるのではないか(結局、米国を中心とする視点だけで報道されているのではないか)と感じるからです。
さて、ウクライナ軍による「反転攻勢」が本格化する中、プーチンは兵士の動員を強化する方向(ロシア軍予備役の部分動員) へ踏み出しました。西側諸国は「ロシア軍・当局のあせり」として冷静に受け止めていますが、プーチンの「発表(あせり)」に対し徴兵を避けて国外へ脱出する人や反戦運動に立ち上がる人々が出てくるのは当然でしょう。
しかしながら、そのことで「終わりが近づいた」などと楽観できないことも疑いありません。というのは、 ベトナム戦争時、「民主国家米国」において、多くのジャーナリストによる戦争批判の報道が行われ、はるかに多くの人々が反戦運動に立ち上がり、脱走兵も続出したにもかかわらず、戦争終結まで何年もの月日を要した からです。
それどころか、このままでは(犠牲者や死者を生み出し続けるだけでなく)、より悪い状況に向かう可能性も否定できません。 小泉悠は 5 月 17 日のNHKニュース9で 「ロシアが戦術核を用いる可能性」について触れていました。 「男子国民は片っ端から動けるやつを軍隊に招集します」ということをやって、軍隊の規模を今の2倍、3倍にする。でなければ、核兵器を使って暴力の烈度を一気に上げる。このいずれか、あるいはその両方の合わせ技が今後考えられると思いますし、その2つが両方とも排除されない可能性もある」と。
ロシア軍が優勢であっても、 戦争が続く限り 多くの命が奪われ、 劣勢になってロシアが追い込まれても、 危険な状況はますます危険なものになっていくでしょう。米国をはじめとするNATO諸国による「長期戦をあおる行動」は継続していますが、世界終末時計を破滅の 24 時に限りなく近づける危険な賭け!としか思えません。
あらゆる努力・方策を尽くして「即時停戦を!」という伊勢崎賢治の主張に強く賛同します。
なお、日刊 IWJ によれば、重要な事実が 9 月 13 日付の『ニューヨーク・タイムズ』によって報じられた、とのこと。その内容を、要約・紹介します。
11
日にウクライナ軍がハリコフ(ハリキウ)州北東部の奪還に成功した舞台裏
※
ニューヨーク・タイムズ、
2022
年
9
月
13
日
https://www.nytimes.com/2022/09/13/us/politics/ukraine-russia-pentagon.html
「米国政府関係者によると」、ウクライナがここ数日で急速に軍事的利益を得た背景には、ウクライナの司令官と米英とが作戦計画の詳細を共有し、極秘のうちに反転攻勢計画を立案したことがある。(多数の米国高官が匿名を条件に取材に応じた、ということは、この記事の内容は、米国政府が事実上、公式に認めた事実だということを意味する。)
「ウクライナ軍は大規模な攻撃を
1
回行う代わりに、
2
回の攻撃を提案した。
1
つはケルソンで、ロシア軍が集中しているため、劇的な成果が出るまでに数日から数週間かかる可能性が高い。もう
1
つは、ハリコフ(ハリキウ)近郊で計画されていた。」
キエフ(キーウ)のある参謀によれば、この計画は米国の追加軍事援助の規模とペースに全面的に依存していたという。
ケルソン攻撃は決してフェイントや陽動作戦ではなかったが、ハリコフ(ハリキウ)に比べれば、ロシア軍の数がはるかに多いため、反転攻勢はよりゆっくりと進んでいる。
ウクライナ当局は、長期的な計画として 「ザポリージャ原発の奪還」
、マリウポリのロシア軍の補給路を東部から切り離す、ケルソンのロシア軍をドニプロ川の向こう側へ押し返すなど、が必要だと考えている。そして、 3
つの最重要計画の1
つが、ザポリージャ原子力発電所の奪還である、ということ。
これがウクライナ軍の計画
だから、最初から、ザポリージャ原子力発電所の奪還に向け攻撃を仕掛けていたのは、ウクライナ軍だったということ。
ロシア軍が守備している原発をロシア軍が(貴重なミサイルを使って)攻撃するなど、通常はありえない。しかし、日本の大新聞、テレビはことごとに、この「論理的にありえない」ことを繰り返し報じてきた。
ロシア軍がザポリージャ原子力発電所を制圧したときのように、ウクライナ軍には、無傷でザポリージャ原子力発電所を奪還できるほどの圧倒的な軍事的優位はない。 危険を冒しつつ攻撃することになるが、一歩間違えば、欧州全域やロシアまで巻き込む大惨事になる
。
『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューを受けた米国政府高官は、ウクライナ軍のザポリージャ原発奪還計画を認めているだけでなく、これに関与している。
6
基の原子炉を持ち、総出力600
万キロワットのザポリージャ原子力発電所の破壊に、ドーヴァー海峡と大西洋を挟んで安全地帯にいる英国と米国が積極的に関与している
ことに、戦慄を覚える。
ザポリージャ原発が破壊されれば、ウクライナを中心にユーラシア大陸中央部は広く汚染されることになるが、それを何とも思わず、この計画の遂行をロシアのせいにしている。
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