2015.01.18
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 「見てるだけ~」

 かつて、こんなニッセンカタログの CM フレーズがありましたね。
 このようなことが日常化してしまう時代になってしまいました。

 小売店で調べてネットで買う。
 これが ショールーミングと呼ばれる消費行動で、ここ数年多くの小売業者の頭を悩ませています。

ショールーミング

止まらないショールーミング


 いくら店舗に魅力的な商品を並べても、見込み客は見て帰るだけ。
 販売価格を変更できない本屋なんかは大弱りですね。

実物を見てから決めたい。
他のショップと比べて安い方を購入したい。
買った商品を持ち歩きたくない。


 情報がネットで飛び交う今、こういった消費者の要求に応えられるのが、ショールーミングとネットショッピングの組み合わせだったというだけのことです。


 しかし、これらの方法はどちらもショップにはネガティブな結果しかもたらしません。

 合理的に商品を選択したいという、ごく自然な消費者の気持ちを完全に無視するだけでなく、神経を逆なでする行為だからです。

私有地内での無断撮影を禁止するのは当然。
買う気がないなら店に入るな。


 オーナーなら、これらは当然の心理ですね。
 しかし、そのような態度をいつまでもとり続けていると、客足はどんどん遠のいていきます。

 今はネットでチラシを比較することができます。
 個々の商品の価格でさえ、ネットで簡単に比較できます。
 買った人が商品のレビューをしてくれています。


 いくら敷地内の撮影を禁じたところで、情報は外で自由に比較されているのが現状です。
 人を最初から疑いの目で見る態度は、確実に消費者の購買意欲を削ぎます。

提案力の強さが売上を左右する時代


 どうすれば店舗の商品を消費者に売ることができるのか。
 それは、見込み客の買いたいという気持ちをその場で後押しすることです。


 (すでに実用化されているものも含みます。)

【全般】
― 購入時の還元ポイントを複数のショップやチェーンで流用できる。
― 実店舗販売専用につくられた商品。ネットでは絶対に見つからない。
― 店頭予約販売がネット販売より安い。
― 商品を使ったさまざまなアイデアや組み合わせを紹介するスタッフが常駐している。
― プロ指向のお答えスタッフが常駐している。
― 店舗オリジナルのアフターサービスシステム。
 購入後一定期間は商品状態の調査、メンテナンス、返品などに応じてくれる。
― 商品のバーコードを読み取るだけで、オリジナルの欲しいものリストを作ることができる。
― 事前会員登録しておけば、購入決定を店舗でワンタッチで行い、商品を宅配便で送ってもらえる。
― プロの資格を持つ美容アドバイザーの設置。
 たとえば、シミ取り、しわ取り専門化粧品を購入した顧客には、スマホで購入日時が確認できれば、数回のマッサージやパックの施術をすることで、プロの腕前と商品の良さを直接消費者に伝えることができる。
― 贈り物アドバイザーの設置。。
 見舞い品、結婚祝い、出産祝い、お中元、お歳暮など、形式ばった進物品にちょっとした個性を持たせたい人のために、予算と、漠然とした贈り物のイメージを伝えると、希望にそった贈り物を提案してくれるサービス。

【食品】
― ランダムレシピ表示サービス。
 店頭に置かれたタッチパネルで、和食、洋食、中華、エスニックなどのボタンをタップするだけで、最近検索された人気レシピをランダムに表示。
 表示されたバーコードをスマホで読みとると、レシピがスマホに表示されるので、それを見ながら買い物できる。
 また、10円払えばレシピをプリントして持ち歩くことも可能。 
― クーポンサービス(発行時間、数量限定)
 本日のクーポンを店頭のタッチパネルからゲットすれば、たとえば高級パンの試食ができたり、値引きされた価格で商品が買える。
 画面から、クーポン発行予定時刻も確認できる。
― 早朝まかないサービス。
 前日の売れ残りで作る料理を、まかないとして早朝限定で 200円くらいでイートイン形式、テイクアウト形式の両方で販売。
 忙しいサラリーマン、独身者に人気がでる可能性あり。
― レシピ調理サービス。
 店舗備え付けのレシピシートを持って店舗内の食材を購入すると、安価でその場で調理してもらえる(味付けの指定も自由自在)。
― 商品の棚に設置されているバーコードをスキャンすると、賞味期限、アレルギー情報、レシピ情報、宗教上口にしても安全な食品かどうかをていねいに教えてくれる。


宗教上安全な食品 に関しては、五年後の東京オリンピックを控えていることもあり、今後かなり重要なキーワードになる可能性が高いでしょう。

 日本はまだまだアレルギー、ベジタリアン、宗教別の原料表示、成分表示に対する関心が薄いことから、今後食品を扱うショップや飲食店はどれだけ早めに対応するかで顧客確保のチャンスに差がでてくることも想像に難くありません。

 参考リンク:
ベジタリアンマイスター認定制度 [日本ベジタリアン協会]
食物アレルギー研究会 [食物アレルギー研究会]
ハラール認証について [日本ハラール協会]


 売ったら消費者を放置する販売方法に残された道は、抜群のロケーション、他店より安い価格、品ぞろえくらいしかなくなってしまうでしょう。
 大手ネットショップが特定の場所からのネットアクセスをブロックしないかぎりは、いくらやめろと言ってもショールーミングする人は今後も増えていくのは目に見えているからです。
 当然、競合が価格を下げれば、同じように価格を下げないと商品は売れなくなっていきます。

 商品のほかに役立つ情報、お得なサービスを個人レベルで提供する販売方式に切り替えることによって、むやみに販売価格を下げなくても、今すぐ消費者が利用したいと思わせるサービスを提供できるようになり、そのサービスが商品を買う強い動機になります。

 このようなサービスの導入は手間もコストもかかります。
 あまりに小さいショップは、商品を売ることで精いっぱいで、投資のためのコストをかけられないかもしれません。
 しかし、スタッフの中には、もしかすると何かの分野にプロ並みの腕前を持っている人がいるかもしれませんし、調理師免許や野菜ソムリエなどの資格を持て余している人がいるかもしれないのです。

 店内にアイディアを募れるような投書箱を設置し、アイディアを採用した場合には、アイディア提供者たちに商品券やクーポンを配ったりすれば、さらに良い情報が集まる可能性もあります。

 ショップの公式サイトには掲示板を設置し、常時消費者からのアイディアを募り、ショップスタッフのコラムなども載せます。
 そして公式サイトの情報をレシートやチラシ、店内の目につくディスプレイに表示させておきます。

 こういったことは、意外と今ある資産の中でで実現できる可能性がありますね。

提案力はアフィリエイトにも活用できる


 ここまでズラズラ書いてきましたが、要は商品以上の価値をどこまで付けられるかにかかっています。
 消費者に対するさりげない提案をいくつもちりばめておくことで、購買意欲をそそり、何度でも通ってもらうのです。

 たとえば、個人の商品レビューブログにも同じようなことが言えるでしょう。
 早い話、情報を無料配信している以上は、ブログをショールーミングの場として使われているのと同じですから。

 どれだけ滞在してもらい、満足のいく情報を読者に提供し、気分良く去ってもらえるか。
 その中で提案した情報がどれだけ読者の心を動かし、日を改めて何度でも通ってもらい、商品購入まで働きかけることができるか。

 アフィリエイトは商品在庫を抱えないため、結局は提案力がモノをいうということになります。




 情報を人に見つけてもらい、信用してもらい、商品やサービスを買ってもらい、その後も購入者のケアと情報拡散を行うことによってリピート率を高める手法は インバウンド・マーケティングと呼ばれています。

 今いろんな業界が必死こいて研究と導入を行っていますが、結局行き着くところは人の心にどれだけ入り込めるかでしょう。



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最終更新日  2015.01.19 23:26:18
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